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(6)中南米地域
中南米地域は、アジア・アフリカ地域と比べて経済成長が進んでいる反面、域内及び国内における貧富の差が大きいことから、わが国は無償資金協力による交通インフラの整備、保健医療・教育といった基礎生活分野等への支援を通じ貧困対策や格差是正に取り組んでいます。また、急速な開発に伴う熱帯雨林の減少、都市環境の悪化といった問題に対処するため、ブラジル等比較的所得水準の高い国に対しては、環境案件への円借款の供与、グアテマラ、ニカラグア、ホンジュラス、ボリビア等に対する低所得者層の基礎的居住環境整備のための無償資金協力、さらに「チリ国環境センター(プロジェクト方式技術協力)」やブラジルの「アマゾン森林研究計画フェーズII(プロジェクト方式技術協力)」等のプロジェクトを支援しており、資金協力及び技術協力の両面により環境保全のための支援を実施しています。
さらに細かい地域別に分けて援助の特徴をみると、南米地域では、比較的開発レベルの高い途上国が新たな援助国として、域内格差是正に向け、他の途上国ヘの支援を行っています。そこでわが国は、チリ、ブラジル、アルゼンチンの3か国とパートナーシップ・プログラム(第I部第2章第2節(3)(二)参照)を締結し、第三国専門家派遣や第三国研修などの南南協力の推進に努めています。
中米地域は、ハリケーン等の自然災害に見舞われることが多いため、復旧・復興活動への支援に加えて、防災能力強化のための支援を行っています。
カリブ諸国に対しては、2000年11月に東京で開催した初の日・カリブ閣僚レベル会議において合意した枠組みを踏まえ、主として保健衛生・エイズ対策、環境保全、自然災害対策能力強化、水産振興、遠隔教育、貿易促進などの分野における協力を実施しています。
2001年のわが国の中南米地域への二国間援助は約7億4千万ドルで、二国間援助全体に占める割合は約10%となっています。
コラムII-7.ホンジュラス・グァサウレ橋竣工式
図表II-16 中南米地域における援助実績
