II-7 ホンジュラス・グァサウレ橋竣工式
98年10月末、ホンジュラスを中心に中米地域を襲ったハリケーン・ミッチは、ホンジュラスとニカラグア国境の河川にかかるグァサウレ橋の一部を破壊し、二国間の通行を不可能にしてしまいました。両国の食料の輸出入に不可欠なグァサウレ橋の破壊により、両国は食糧不足となり、その結果、栄養失調による乳幼児の死亡率が増加しました。このような状況を受けて、ホンジュラス政府とニカラグア政府は協議を行い、「グァサウレ橋の復旧に関する二国間委員会」を設置して、わが国にグァサウレ橋の架け替えに対する援助を要請してきました。
日本政府は、状況の深刻さに鑑み、直ちに無償資金協力による支援の準備を開始し、2002年8月20日、グァサウレ橋を開通させることに成功しました。竣工式には、ボラーニョス・ニカラグア大統領及びウィリアムス・ホンジュラス副大統領をはじめとする両国の政府高官だけでなく、グァサウレ橋の利用者となる橋付近の住民等、橋の完成を喜ぶ多くの人々が集まりました。ウィリアムス・ホンジュラス副大統領は、竣工式で、「ホンジュラスが苦難に直面したとき、日本は常にホンジュラスの友人として支援の手を差し伸べてくれたことを心より感謝したい。日本の協力は迅速かつ有効、効果的でありホンジュラスの発展に大きく寄与している。」と述べ、日本の援助に対する感謝の意を表明しました。
この案件は、ハリケーン・ミッチによる被害からの復興と同時に、ホンジュラス・ニカラグア・日本の3か国の友好を象徴する案件ともなりました。グァサウレ橋の開通により、中米の陸上輸送の大動脈が整備され、今後、ニカラグア貿易の30%を占める中米の域内貿易、さらには国境地帯の開発が促進されることが期待されています。
日本の援助により修復されたグァサウレ橋