40.特に以下の事項に関し、37条、40条、39条の観点から(パラ232~243参照)更なる情報提供を行われたい。
a)児童の逮捕、抑留又は拘禁、投獄を最終手段として、また最短時間に限って、利用すること。
(回答)
1.強制措置の限定
少年の逮捕、留置その他の強制の措置については、犯罪捜査規範や少年警察活動要綱の規定に従い、少年の特性に鑑み、逃走又は証拠隠滅のおそれのあることに加え、被疑少年の年齢、性格、非行歴、犯罪の態様等を勘案して、やむを得ないと認められる場合に限っている。
また、やむを得ずこれらの強制措置を決定し又は執行する場合であっても、その時期、場所、方法等について慎重な配慮をして、当該少年の心情を傷つけることのないようにしている。
2.逮捕、勾留及び勾留にかわる観護措置
1996年における交通関係の業務上過失致死傷及び道路交通法違反を除く検察庁既済人員のうち、検察庁による事件処理の時に20歳未満であった者は、約14万人である。そのうち、逮捕された者の割合は、約9%、勾留され又は勾留に代わる観護措置をとられた者の割合は、約7%である(勾留された者の割合が約6%、勾留に代わる観護措置をとられた者の割合が約1%)。
(注)1996年において、検察庁における事件処理の時に20歳以上であった者のうち、逮捕された者の割合が約47%、勾留された者の割合が約42%であったことと比較すると、20歳未満の者についてのこれらの割合は、極めて低い割合にとどまっているということができる。
3.少年院及び刑務所での収容
少年院の収容期間やその上限は、少年院法に定められており、原則として20歳までとなっている(第11条第1項本文)が、少年院の長は、在院者に対して矯正の目的を達したと認めるときは、地方更生保護委員会に対し、退院の申請をしなければならない(少年院法第12条第1項)とされ、また、少年院の長は、在院者が処遇の最高段階に向上し、仮に退院を許すのが相当であると認めるときは、同委員会に対し、仮退院の申請をしなければならない(同条第2項)。
仮退院については、少年院長及び地方更生保護委員会が、少年の非行性の進度、身体的・精神的な状況等を個別に判断し、適当と認められる少年は施設外処遇に移行させ、少年院における矯正教育と仮退院後の保護観察とが一貫性を保つことにより保護処分の効果を上げるよう運用されている。
平均収容期間は、全体で261日(平成8年の仮退院者、以下同じ)であるが、問題性が単純又は比較的軽い少年を対象とした一般短期処遇においては148日、問題性が上記の少年よりも進んでおらず、開放的な環境で処遇するのに適した少年を対象とした特修短期処遇においては78日、短期処遇では矯正教育の効果を十分にあげることのできない少年を対象とした長期処遇においては370日である。
なお、我が国において、1996年の犯罪少年及び触法少年(いずれも道路交通事件違反の少年を除く。)であって、家庭裁判所で実質的な終局決定を受けた人員(168,339人)のうち、少年院送致となった人員は3,717人(2.2%)であり、1996年の1年間に新たに刑務所に収容された20歳未満の者は35人である。