30.エイズに感染した児童の状況及び彼らを支援するために取られた施策に関する総合的な情報を提供されたい。また、青少年の間でのエイズの流行を予防するため、政府によって取られた広報キャンペーン等の施策を示されたい。
(回答)
1.1997年8月末現在、10歳未満のエイズ患者・HIV感染者は28名(男性14名、女性14名)、10~19歳の患者・感染者は97名(男性7名、女性90名)である(血液凝固因子製剤による患者・感染者を除く)。集計における年齢区分のため、「18歳未満」の数は示せない。
2.我が国では、18歳未満の児童を含めたエイズ患者・HIV感染者を支援するために、医療体制の充実として、エイズ治療のための個室病室等の整備、エイズ拠点病院に対する医療機器の整備等を、また、相談・指導体制等の整備として、保健所の個室相談室の整備、ボランティア指導者の育成等の施策を推進している。
3.また、我が国の社会においては、今なおエイズに対する正しい知識と理解が十分に普及している状態にはないため、エイズまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消を図ることを目的として、厚生省では、12月1日の「世界エイズデー」にキャンペーンを行っており(1997年のテーマは「子供たちの未来のために!今、エイズを考えよう。」)、これらを通じ、エイズ患者・HIV感染者に関する正しい知識等の啓発普及活動を推進している。
また、文部省でも、児童生徒の発達段階に応じて正しい知識を身に付けさせることにより、エイズを予防する能力や態度を育てると共に、エイズ患者・HIV感染者に対する偏見や差別を除き、人間尊重の精神を育てるために、小・中・高校生用エイズ教育教材(ポスター、パンフレット等)の作成や教職員に対するエイズ教育研修会の開催等の施策を推進している。
更に、法務省の人権擁護機関でも、児童を含むエイズ感染者・HIV感染者に対する差別・偏見を解消するために、講演会・座談会・シンポジウム等の開催や各種イベントへの参加などの機会に各種啓発活動を行っている。