27.報告書パラ143~145に述べられている情報に関し、「普通養子」と「特別養子」の相違につきより詳しく説明されたい。「特別養子」は、請求時に児童が6歳以上の場合でも行われうるか。
(回答)
1.普通養子と特別養子の効果の差異には、主として2つのものがある。
(1)普通養子では、養子は養方と実方との間に親族関係を持つこととなるが、特別養子では、養子は養方のみとの間に親族関係を持つこととなる。すなわち、普通養子では、縁組によって、養子と養親及びその血族との間に親族関係が成立するが、養子と実親及びその血族との間の親族関係も終了しない。これに対し、特別養子では、縁組によって、養子と養親及びその血族との間に親族関係が成立するとともに、養子とその血族との間の親族関係は終了する。
(2)特別養子では、離縁が限られた範囲でしか認められていないが、普通養子では、離縁がより広い範囲で認められる。すなわち、特別養子では、当事者は協議による離縁をすることができず、裁判による離縁も、養子と実方親族や検察官のみが請求することができる(養親からは請求することができない)のに対し、普通養子では、当事者は協議による離縁をすることができ、また、裁判による離縁は、いずれの当事者からも請求することができる。
2.特別養子縁組は、家庭裁判所の審判により成立する(民法第817条の2)が、その申立時に子が6歳未満であることを要するのが原則である(民法第817条の5本文)。もっとも、請求の時点で子が6歳以上であっても、その時点で子が8歳未満であって、かつ、6歳未満の時から引き続き養親となるべき者に監護されている場合には、家庭裁判所は、特別養子縁組の審判をすることができる(同条ただし書)。