I.収容に対する定期的な審査(第25条)
(矯正施設)
196.少年院及び少年刑務所に収容されている少年の収容の定期的な見直しを行う制度として、懲役又は禁錮受刑者として少年刑務所に収容されている者に対して仮出獄の制度があり、少年院収容中の者に対して仮退院の制度がある。これらの制度は収容されている少年の改善更生と健全な社会復帰を目的としている。
仮出獄及び仮退院(以下「仮釈放」という。)の許否を決定する権限は全国8か所の地方更生保護委員会が有している。地方更生保護委員会は3人の委員で構成する合議体で、通常、矯正施設の長からの申請に基づいて、仮釈放の審理を開始し、指名した委員(以下「主査委員」という。)に審理を行わせる。主査委員は、原則として被収容者本人と面接し、仮釈放の適否、仮釈放の時期、仮釈放の期間中守らなければならない特別遵守事項等について審理し、この結果に基づき、合議体で評議の上、仮釈放の許否等が決定される。矯正施設の長は、仮釈放の申請のための審査を行わなければならず(仮釈放及び保護観察等に関する規則第17条)、その審査は本人の応当日(法令上仮釈放を許すことができる日)までに行い、その後も少なくとも6か月ごとに審査を行わなければならないこととなっており(同第19条)、これに従って申請の適否について定期的な見直しを行っている。なお、仮釈放申請に係る審査に当たり、必要があるときは、外部の協力者、外部の精神医学、心理学等の専門家、裁判官、検察官の意見を求めることとし(同第18条)、その適正な運用を確保している。
(児童福祉施設)
197.児童福祉施設については、児童福祉法第46条により、最低基準を維持するための行政庁の質問検査権を定めており、この規定に基づき、児童福祉法施行令第12条の2により、都道府県知事が1年に1回以上現地検査をすることとされている。
1997年の児童福祉法の改正により、
(1)都道府県は、児童の施設入所措置等に際し、児童の意向を聴取すること。
(2)都道府県(又はその権限の委任を受けた児童相談所)が施設入所等を決定するに当たり、児童若しくはその保護者の意向が当該措置と一致しないときは、法律・医学等の専門家が参加する都道府県児童福祉審議会の意見を聴かなければならないこと。
が盛り込まれ、これらについても審査の対象となることとされた。
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