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トップページ > 外交政策 > 2005年日本国際博覧会 |
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★はじめに 万博とは・・・ 「国際博覧会条約」によれば、国際博覧会とは、「二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう」とあります。条約の条文で見ると少し難しいですね。 皆さんの中には、日本で始めて開かれた大阪万博(昭和45年:1970年)の記憶をお持ちの方、当時のシンボル・タワーであった「太陽の塔」を見たことがある方がおいででしょう。花の都パリに美しくそびえ立つエッフェル塔は、1889年にパリで開かれた万国博覧会の時に建設されたものですし、ニューヨークでは、大リーグのメッツの本拠地シェア・スタジアムのお隣、テニスのUSオープンの会場であるフラッシング・メドウに1964年のNY万博のシンボル・モニュメント(但し、この万博は国際博覧会事務局の公認を受けていない)が今も輝いています。 こうしたモニュメントが作られた意図は、そして、これらが現在の私たちにどういう意味を持っているのでしょうか。一緒に考えてみませんか? ★万博の起源 紀元前のエジプトやペルシャでは国王即位祝典行事として芸術品や衣類が民衆に披露されました。また、古代ローマでは辺境征服の後で戦利品や奴隷が民衆に誇示されたことが記録されています。これが原始的な形態の博覧会だという説があります。この説を取ると、博覧会はオリンピックより古い歴史を持つことになるかもしれません。 その後特にヨーロッパでは人口の増加と都市への集中がおこり、商業や交通が発達します。そして生まれたのが「市(いち)」ですが、市の中には物を売ることだけが目的ではなく、技術や物産の展示自体を目的としたものが現れました。これも広い意味での博覧会の原型と言えるでしょう。米国では、博覧会をFairといいますが、これは本来「定期市」の意味なのです。 近代博覧会の原型は、1475年にフランスのルイ11世がロンドンで開催した「フランス物産展」だと言われています。その後パリでやロンドンで度々開かれた美術展なども博覧会の一種と言えるでしょう。 ★国際博覧会の歴史 そして、1851年、ロンドンのハイドパークで開かれた「第1回ロンドン万国博覧会」で国際博覧会の歴史が幕を開けます。この万博は通称「大博覧会The Great Exhibition」とも呼ばれ、25カ国が参加しました。当時はビクトリア女王の時代、女王の夫君アルバート公の活躍で開催にこぎつけ、その結果は大変な評判になりました。1851年と言えば日本では嘉永4年、ペリー来航の2年前です。 日本が初めて国際博覧会に出展したのは、1867年(慶応3年)の第2回パリ万博からでしたが、当時は国際博覧会が一種の流行となっており、毎年どころか1年のうちに2~3カ所で博覧会が開催された年もありました。 第一次大世界戦後には、現代の万博のように「テーマ」を持った万博が始まります。また、1928年には国際博覧会条約が署名され、「国際博覧会」はこの条約を基準に秩序をもって開催されることになりました。 第二次世界大戦の勃発で18年間の中断があり、国際博覧会が再開されたのは、1958年ブリュッセル万博でした。その後2000年に行われたハノーバー博まで、国際博覧会は世界各地で開催されてきました。 そして2005年、舞台は日本にやってきます。 ★そして・・・ こうして簡単に万博の歴史を振り返ってみましたが、いかがでしたか? 昔は時の支配者たちが財宝や戦利品を展示することによって自らの権勢を誇示する手段であった博覧会が、今では平和の象徴として、そして世界各国の人たちの交流の場となりました。また、国際博覧会は、人類が築き上げてきたその時代の技術・芸術の頂点を世界に向かって発信する機会を提供してきています。例えば、アール・ヌーボーやジャポネスクといった建築・美術に関する新しい流行を世界に広げたのも万博がきっかけだったと言えるでしょう。こうした新しい意味を持ったからこそ、国際博覧会は現在まで連綿と続いてきたのではないでしょうか。 交通手段やIT技術の発達によって地球は狭くなったと言われています。そうした中で、「万博の意義」というものも問われるようになってきました。毎回万博が計画されるたびに「費用対効果」の問題点も指摘されます。今回の愛・地球博は「自然の叡智」をメインテーマに開催されましたが、この万博において培われた環境への関心や新技術が、次回の2010年上海万博にどのように受け継がれて行くかを見守って行きたいと思います。 |
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