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経済

日・ASEAN包括的経済連携構想


平成15年4月


1.目的

(1) 日・ASEAN間で幅広い分野において経済連携を強化することにより、日・ASEAN関係の更なる深化を目指す。

(2) 日・ASEAN間の経済関係の更なる緊密化を通じて、日本とASEAN双方の経済活動の国際社会における競争力を強化していく。

(3) 経済連携を可能な限り幅広く且つ新時代に相応しいものとすることにより、この地域の連携を世界の他の地域に互していけるものとする。

(4) ASEAN各国との取組の成果を土台として、将来的には東アジア地域全体の経済連携強化につなげていく。


2.背景

(1) 小泉総理は、2002年1月14日のシンガポールでの政策スピーチにおいて、日本はASEANとの包括的経済連携を模索する本構想を提案し、ASEAN各国からは歓迎の意が表明された。

(2) 4月12日に開催された第18回日・ASEANフォーラム(於ヤンゴン)(外務次官級)において、 「日・ASEAN包括的経済連携構想」については、「日本とASEAN全体との間で連携可能な具体的分野や連携の枠組みなどについて検討を行う一方で、日本は、同構想の基本的考え方に従ってASEAN内の用意のあるいずれの国とも、日・シンガポール経済連携協定を基礎又は参考としつつ、FTAの要素を含め、科学技術、人材育成等の幅広い分野を含む二国間での包括的な経済連携強化に取組む。」という本構想の基本的な考え方を説明したところ、ASEAN側は日本のイニシアティブを歓迎し、共に取り組んでいくことで意見が一致した。

(3) 11月の日・ASEAN首脳会談においては、日本とASEANの首脳が日・ASEAN包括連携構想に関する共同宣言を発表。同宣言において、日・ASEAN全体で連携の枠組みを検討する一方で、用意のあるいずれのASEANの加盟国とも日本は二国間経済連携の協議を行うことにつき承認された。


3.基本的考え方

(1) 対象範囲

 貿易・投資の自由化のみならず貿易・投資の促進・円滑化措置(税関手続き、基準認証など)、及び金融サービス、情報通信技術、科学技術、人材育成、中小企業、観光、運輸、エネルギー、食料安全保障その他の分野における協力を含む広範囲にわたる経済連携を模索。

(2) 方策と方向性

 日・ASEAN全体で連携の枠組みを検討する一方で、用意のあるいずれのASEANの加盟国とも、日本は二国間経済連携の協議を行う(デュアル・トラック方式)。この地域を先進的な地域に発展させるため、日・ASEAN包括的経済連携を中核として、東アジア地域全体の経済連携強化につなげていく。

(3) タイムフレーム

 日・ASEAN間で、自由貿易地域の要素を含む、経済連携実現へ向けた措置の実施を10年以内の出来るだけ早期に完了。

(4) 途上国との関係

 ASEAN各国との連携においては、その発展段階に応じて、自由化に向けての柔軟なタイム・フレームを盛り込むことや、連携に意味の参加をするための競争力を向上させるためのASEAN、特に新加盟国に対する技術支援及びキャパシティビルディング等も検討する。

(5) WTOとの整合性

 日・ASEAN包括的経済連携はWTOの規定と整合的でなければならない。


4.これまでの進展

(1) 「日・ASEAN包括的経済連携に関する首脳達の共同宣言」

 2002年11月5日行われた日・ASEAN首脳会談で、共同宣言に署名(ポイント別紙)。日本とASEAN全体との間の包括的経済連携実現のための枠組みを検討する一方で、すべてのASEAN加盟国と日本が二国間の経済連携を確立するための作業を始めること、可能なFTAの要素を含む連携実現へ向けた措置の実施が10年以内のできるだけ早期に完了されるべき等を謳う。

(イ) 二国間の取組

(a) タイ

 タイとの間では、2002年4月の日タイ首脳会談で幅広い分野での連携を検討するための作業部会の設置に合意。両国政府間で、5月と7月に2回の予備協議を開催し、日シンガポール経済連携協定を基礎として検討を進めること等を確認。9月に第1回作業部会を行い、これまでに4回の作業部会を開催。5月に第5回作業部会を開催予定。

(b) フィリピン

 フィリピンとの間では、2002年5月の日比首脳会談において比側より作業部会の設置につき提案を受け、8月に予備協議を行い、日シンガポール経済連携協定を基礎として検討を進めること等を確認。10月に第1回作業部会を開催し、これまでに3回の作業部会を行った。4月に第4回作業部会開催予定。

(c) マレーシア

 マレーシアについても、2002年12月、マハディール首相より、二国間連携の基礎となる文書をマレーシア政府部内で作成中であり、近く日本側に提示したい旨表明があり、近く作業部会を開始する予定

(ロ) 日ASEAN委員会

 日・ASEAN包括的経済連携構想に関する共同宣言に基づき、二国間の経済連携を進めると共に、日・ASEAN間で政府関係者からなる委員会を設置し、日・ASEAN全体の連携実現の枠組みを策定し、2003年の首脳会議に報告する予定。2003年3月にクアラルンプールにおいて、第1回会合が開催された。



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