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セッション1「エネルギーを巡る国際情勢」
(イ) |
国際エネルギー機関(IEA)事務局長及びエネルギー憲章事務局長より、アジアとの相互作用の意義を強調した。 |
(ロ) |
サウディ・アラビアより、産消協力の重要性を指摘するとともに、2000年の第7回国際エネルギー・フォーラムでサウディが提案した国際エネルギー・フォーラムの常設事務局設置の意義を説明した。 |
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セッション2「アジアにおけるエネルギー情勢」
アジアにおけるエネルギー需給の見通しが示され、エネルギー需要急増への対応の必要性が指摘された。
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(3) |
ランチ・セッション
中山太郎元外務大臣より、エネルギーと安全保障の根本的課題の認識の上に立って、ASEAN+3のみならず、南西アジア、北東アジア等を含むアジア全体において、核廃棄物の処理問題を含めエネルギー協力を推進していくべき旨指摘した。
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セッション3「ASEAN+3における緊急時対応システムの整備」
各国から、石油備蓄等整備の必要性が指摘され、日本より、日本の備蓄の知見、経験及び技術を中国、韓国及びASEANと共有する用意がある旨発言した。
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セッション4「ASEAN+3によるエネルギー協力の方向性~中長期的エネルギー協力」
(イ) |
北東アジア天然ガス・パイプライン構想、トランスASEANガス・パイプライン構想、ASEAN送電網構想について、それぞれ現状の説明がなされた。 |
(ロ) |
中国より、平等、互恵、相互補完の原則に基づくのであれば、エネルギー多国間協力は有望である旨発言した。 |
(ハ) |
エネルギー効率向上・省エネルギー及び再生可能エネルギーの重要性が指摘された。 |
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セッション5「ASEAN+3エネルギー協力の課題」
モデレーターより、本セミナーでの議論を通じ、ASEAN+3エネルギー協力の大まかな方向性について共通認識が醸成されたと考えると述べ、以下の点を指摘の上、日本政府がこの成果をASEAN+3プロセスにフィードバックしていくことを期待する旨述べた。
(イ) |
ASEAN+3地域においては、エネルギーの純輸入国も純輸出国も存在し、エネルギーを巡る状況が各国により異なり、むしろこのために相互依存と協力の余地がある。 |
(ロ) |
他方、ASEAN+3地域全体として見た場合、域外にエネルギー供給を依存せざるを得ないエネルギー供給構造の脆弱性を有しており、また、同地域のエネルギー需要が急増することが見込まれている。このため、エネルギー協力は同地域のみでは完結せず、ロシア、中央アジア等の近隣国や中東等の域外地域との建設的関係を念頭に置くことが必要である。
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(ハ) |
国際機関や国際的枠組みには膨大な知識の蓄積があり、ASEAN+3の国々が国際エネルギー機関(IEA)、エネルギー憲章事務局、APEC、国際エネルギー・フォーラム等と交流を行うことは有意義である。 |
(ニ) |
ASEAN+3地域におけるエネルギー安全保障の強化の一環として、緊急時対応システムの整備を検討していく上で、日本は、備蓄の経験と技術を他の国と共有する用意あり。参加国より備蓄の重要性や共同備蓄の可能性にも言及があったが、地域としての取組みが進めば、エネルギー安全保障上のリスクが大きく低減される。 |
(ホ) |
エネルギー安全保障の強化のためには、中長期的に以下を進めていくことが重要。(a)エネルギー・インフラの整備、(b)エネルギー利用効率化及び省エネルギー技術の推進、(c)非化石燃料エネルギーの開発・導入等によるエネルギー源の多様化。その際、(i)エネルギー・インフラ整備のための資金調達の方法、(ii)エネルギー市場の自由化による投資環境整備、(iii)よりクリーンなエネルギーの利用等が課題となる。即ち、3E(エネルギー安全保障、経済成長、環境保全)の同時達成を図ることが重要である。 |
(ヘ) |
なお、シーレーンや海賊の問題も議論されたが、これらはエネルギー安全保障と伝統的安全保障が交差する問題である。 |
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