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経済

G8エネルギー大臣会合
議長声明(全文仮訳)


平成14年5月4日

  1. G8エネルギー大臣会合は、2002年5月3日にミシガン州デトロイトに集まり、共通の関心事項について話し合った。

  2. 我々は、エネルギーが我々の経済において果たす重要な役割と、また世界中の経済・社会開発にとっても如何に不可欠かということについて話し合った。確実、経済的で、信頼できるエネルギー供給へのアクセスは進歩の要である。

  3. 我々は、エネルギー安全保障と柔軟な緊急時対応が今日の世界では決定的に重要であると信じており、これらを向上させるために緊密な協力を続けることに合意した。我々は、市場原理への信頼の増加、エネルギー供給の多様化、エネルギー利用効率の向上、統計の改善、そして情報交換の改善を通じた、石油価格の変動の緩和とエネルギー安全保障の向上に向けた、継続的な努力を支持する。我々は、エネルギー生産国と消費国との間での定期的な開かれた対話によりエネルギー安全保障を強化することができると信じている。我々はエネルギー市場データのアヴェイラビリティ、質、整合性及び共有を改善するための努力を支持する。この問題は大阪での第8回国際エネルギー・フォーラムにおいて議論されることとなる。

  4. 我々は、石油途絶への対応に向けて準備することの必要性を再確認した。我々は、石油純輸入国が緊急時のための石油備蓄を維持し、相当の途絶が生じた場合、協調して備蓄を活用することにコミットすることの重要性に合意した。我々は、エネルギー需要が急増すると見込まれるアジア諸国を含め、他の国々が石油供給途絶への対応能力を改善するために同様の石油備蓄を行うことは、我々の全てにとっても価値のあるものであると認識する。我々は、他の国々とこれを行う効果的手段についての我々の経験を共有していく。我々は、かかる重要な資源の途絶への脆弱性を軽減するために、エネルギー施設の物理的保護の重要性と、エネルギー供給者と消費者を多元的につなぐ石油、ガス及び電力の柔軟な輸送ネットワークの価値について合意した。

  5. 我々は、如何に、エネルギー安全保障、経済成長、環境保全、そして、これらゆえの持続可能な開発が、エネルギー効率の改善とエネルギー供給源とエネルギー源の多様化によって可能となるかを議論した。エネルギー効率の改善及び、各国が、最適なものとして選択する石油、ガス、石炭、原子力、再生可能エネルギー等の、エネルギー源・種類の構成を通じ、各国は、エネルギーの供給条件の変化に対応する能力を改善することができる。この文脈において、G8のほとんどの国は、最適な安全性と廃棄物処理の確保を前提に、原子力の価値を強調する。これはエネルギーの生産及び使用に伴う温室効果ガスの密度の低減により、各国が気候変動問題に対処することにも資する。G8ジェノバ・サミットにおいて認識されたと同様、我々は再生可能エネルギーがエネルギー供給の多様化のために重要であることを再認識した。我々はまた、エネルギー及びエネルギー・サービスについての競争的な市場と自由化された貿易が、エネルギー安全保障と環境保護という目的を費用対効果の高い形で達成する上で助けとなり得ることを認識した。

  6. 我々は、エネルギー技術の幅広い選択肢について、継続的な研究、開発、実証、そして普及を行うことが、エネルギー構成の多様化やエネルギー生産及び使用がもたらす環境への影響を低減し、これにより持続可能な開発に重要な貢献を行うであろうと信じている。我々は特に、発展してきている再生可能エネルギー、エネルギー効率、よりクリーンなエネルギー技術の分野で、我々の国の間の既存のエネルギーの科学と技術についての協力を強化し得る分野を探求する。また、G8諸国間及び先進国・途上国間で技術情報が交換され、普及される方法をレビューし、技術による貢献を加速するためにその交換の改善を図る。

  7. クリーンで信頼性のあるエネルギーが、手に届く価格で全ての人に提供されることが重要である。我々は、WSSD等に対し建設的で重要なインプットを提供することにコミットしている。再生可能エネルギーを含めたクリーンなエネルギー技術の開発及び導入、そしてエネルギー効率の向上を引き続き奨励する。

  8. 今後増加していくエネルギー・サービスへの需要に、環境に健全な方法で対応していくためには、エネルギー開発、生産、インフラストラクチャー、そしてエネルギー効率の向上の分野において、相当な投資がなされる必要がある。増大するエネルギー需要に対応するためには、各国は透明なビジネス慣行や安定的な規制の枠組みを確保することにより、良好な投資環境を整備する必要がある。我々は、開発支援計画の策定に当たっては、エネルギーを適切に考慮することを奨励する。究極的には、エネルギー効率の改善と人々のクリーンなエネルギー技術へのアクセスの向上が成功するかは、適切な政策により促進される民間投資にかかっている。従って我々は、開発途上国と協力し、投資とエネルギーへのアクセスを促進するための法律、政策及び規制の慣行について、我々の経験を共有することが重要であることを確認した。

  9. 我々は、我々のエネルギー担当者に対し、エネルギー技術と開発途上国との協力を含む本日我々が議論したいくつかの問題をフォローアップすることを要請した。我々は、エネルギー担当者がより定期的にコンタクトを持つことで、共通の目標に向かって進展を続けていくであろうことを信じている。


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