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経済

G8エネルギー大臣会合(2002年、於:デトロイト)
(概要と評価)


平成14年5月4日


 平成14年5月3日、デトロイトにおいてエイブラハム米エネルギー長官及びダリワール加天然資源大臣の共同議長の下、G8エネルギー大臣会合が開催され、日本より平沼経済産業大臣、植竹外務副大臣が出席したところ、概要及び評価以下の通り。


1.概要

(1) 全般
 「現在の課題」、「エネルギー市場、供給の長期的安全保障及び持続可能な開発」、「エネルギー・インフラの安全保障及び緊急時対応」、「エネルギー技術の開発・普及」の4つの議題について議論し、共同議長が議長声明を発表。

(2) 現在の課題

(イ) 冒頭、米より2001年5月にブッシュ大統領より発表された国家エネルギー政策の実施状況等につき説明し、議論を誘発した後、日本(平沼大臣)より、最近上昇してきている石油価格が高水準で推移した場合には世界経済の回復基調に悪影響を与える恐れがあるとの懸念を表明し、取るべき対応策として、(i)石油が政治的武器として使われる事態を招かないように産油国に対し働きかけること、(ii)供給途絶時のみならず、供給途絶の恐れに関連した不安に端を発した価格高騰の際も備蓄を柔軟に活用すること、(iii)石油市場のデータ整備への取組、(iv)産消対話の促進を指摘。

(ロ) 各国より、石油市場の不安定性の問題、2002年9月に大阪で開催される第8回国際エネルギーフォーラムへの期待等について発言があった。

(3) エネルギー市場、供給の長期的安全保障及び持続可能な開発

(イ) 冒頭、加より、エネルギー市場の機能、政府の役割、対途上国対策につき問題提起した後、日本は、平沼大臣より、非化石燃料が石油依存の低減、すなわちエネルギー源多様化及び温室効果ガスの削減に貢献すること、第8回国際エネルギー・フォーラムに向けてG8諸国の積極的な貢献に期待していること、幅広い分野で対途上国協力を進めていくべきであることを指摘。引続き植竹副大臣より、持続可能な開発の実現のため、エネルギーの需給両面からの取組の必要性を指摘の上、WSSDに向けて全世界的にエネルギー教育の普及を促進していく「Energy Literacy Initiative」を提唱。また、エネルギー安全保障に関し、ASEAN+3や中央アジアとの関係での日本の取り組みについて説明。更に、エネルギー憲章プロセスへの積極的参加を訴えた。

(ロ) 各国より、エネルギー市場の機能、再生可能エネルギーや原子力の役割、投資促進の重要性、対途上国支援の必要性等について発言があった。

(4) エネルギー・インフラの安全保障及び緊急時対応

(イ) 米が、エネルギー施設の物理的保護の必要性と緊急時対応策のあり方について問題提起したことを受けて、日本(平沼大臣)より、(i)インフラ安全保障の問題、(ii)原子力及び再生可能エネルギーを含むエネルギー源多様化、ならびに省エネルギーの必要性、(iii)投資環境整備の必要性(メタンハイドレードにも言及)、(iv)石油備蓄の柔軟な活用の重要性、(v)データ整備の必要性を指摘した。

(ロ) 各国より、脅威についての認識、備蓄、エネルギー・データ、インフラ整備、エネルギー源の多様化、省エネルギー、産消対話等について意見が述べられた。

(5) エネルギー技術の開発・普及

(イ) 加より、技術革新の重要性、政府の役割、対途上国支援の必要性について指摘があり、各国より、R&Dや技術移転の必要性等について発言があった。

(ロ) 日本は、平沼大臣より、京都議定書実施のための日本の取組み、R&Dの重点分野、ITER(国際熱核融合実験炉)計画への関心について発言。植竹副大臣よりも、ITERについて長期的なエネルギー安全保障に貢献しうるものであると考える旨述べた。他の国よりもITERを重視する発言があった。


2.評価

(1) 議長声明において特に以下の諸点についてG8の共通の認識が表明されたことを評価。

(イ) エネルギー安全保障と柔軟な緊急時対応の重要性を確認(パラ3)。

(ロ) 大阪での第8回国際エネルギー・フォーラムの重要性を指摘(パラ3)。

(ハ) エネルギー需要の急増が見込まれるアジア等における石油備蓄の整備がG8にとって価値があるとの認識を表明(パラ4)。

(ニ) エネルギー安全保障及び気候変動問題への対応に資するという観点等から、安全性及び廃棄物処理の確保を前提とした原子力の価値を強調(パラ5)。

(ホ) WSSDに向けて貢献することにコミットし、再生可能エネルギー等クリーンなエネルギー技術の開発・導入及びエネルギー効率の向上を奨励(パラ7)。

(ヘ) 透明なビジネス慣行や安定的な規制の枠組みを確保した上での投資環境の整備の必要性を表明(パラ8)。

(2) 日本より、WSSDに向けた取組として、世界的にエネルギー教育の普及を促進するための「Energy Literacy Initiative」を提唱し、多くの国から賛同を得た。



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