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第4章 国際社会で活躍する日本人と外交の役割

   第1節   


国際社会で活躍する日本人


 1.

国際機関で働く日本人


【総論】


国際社会では、政治・安全保障体制を脅かすテロや紛争に加え、急速なグローバル化の進展に伴って深刻化してきた環境破壊、人権侵害、貧困、感染症等、地球規模の諸問題への対応がますます重要になってきている。こうした中で、国際機関の果たすべき役割は更に重要となっており、国際機関で働く国際公務員の任務と責任も一層増大している。

日本は、国際連合等の国際機関における日本人職員を増強するため、優秀な人材の発掘や日本人職員の採用・昇進に向けて、国際機関に対する働きかけを行っている。



【各論】


具体的な取組としては、AE(Associate Expert)/JPO(Junior Professional Officer)等派遣制度(注1)の活用、国際機関による採用ミッションの受入れ等がある。こうした取組の結果、国際機関の日本人職員は676人(2007年)となり、着実に増加している。その中には、選挙で選出された国際機関の長(注2)のほかに、国際機関生え抜きの職員等がおり、若手から幹部職員に至るまでイラクやアフガニスタン等の紛争地域のほか、日本を含む世界各国で、様々な分野において活躍している(注3)。外務省は国際機関で活躍する日本人を一人でも増やすために、引き続き、更なる人材発掘と国際機関への働きかけを行っていく方針である。


国際機関における日本人職員数の推移(専門職以上)

国際機関における日本人職員数の推移(専門職以上)

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主要国際機関における日本人幹部職員

(2007年末時点、50音順)
・赤阪 清隆

国連事務局(UN)広報担当事務次長

・秋山 一郎

化学兵器禁止機関技術事務局(OPCW-TS)査察局長

・天野 万利

経済協力開発機構(OECD)事務次長

・池田 要

イーター国際核融合エネルギー機構長

・浦元 義照

国連工業開発機関(UNIDO)事務局次長兼プログラム調整・フィールド活動局長

・遠藤 保雄

国連食糧農業機関(FAO)事務局戦略企画部長

・尾崎 久仁子

国連薬物犯罪事務所(UNODC)条約局長

・忍足(おしだり) 謙朗

国連世界食糧計画(WFP)オペレーション局スーダン地域部長

・尾身 茂

世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局長

・勝 茂夫

世界銀行欧州・中央アジア担当副総裁

・加藤 隆俊

国際通貨基金(IMF)副専務理事

・北原 悦男

国際穀物理事会(IGC)事務局長

・黒田 東彦

アジア開発銀行(ADB)総裁

・古知(こち) 新

世界保健機関(WHO)マラリア部長

・関水 康司

国際海事機関(IMO)海上安全部長

・高木 善幸

世界知的所有権機関(WIPO)戦略立案・政策展開執行役部長

・滝澤 三郎

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)駐日代表

・田中 伸男

国際エネルギー機関(IEA)事務局長

・谷口 富裕

国際原子力機関(IAEA)事務次長

・中谷 比呂樹

世界保健機関(WHO)事務局長補(エイズ、結核、マラリア担当)

・野村 一郎

国連食糧農業機関(FAO)水産局長

・松浦 晃一郎

国連教育科学文化機関(UNESCO(ユネスコ))事務局長

・村上 憲治

国際原子力機関(IAEA)保障措置局実施C部長

・持田 繁

国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)事務局次長

・安井 至

国連大学(UNU)副学長

・山本 幸子

国際労働機関(ILO)アジア太平洋地域総局長

・弓削(ゆげ) 昭子

国連開発計画(UNDP)管理局長

・横山 光弘

国連食糧農業機関(FAO)日本事務所所長



-
(注1) 機関によりAEもしくはJPO等と称されているもので、国際機関志望者を日本政府の経費負担で原則2年間、国際機関に派遣し、職務経験を積むことにより正規職員への道を開くことを目的とした制度。2007年1月現在で95名が派遣されている。
(注2) 国際機関加盟国による選挙で選出された国際機関の長では、松浦晃一郎ユネスコ事務局長及び田中伸男国際エネルギー機関(IEA)事務局長がいる。
(注3) 日本国内にも多くの国際機関が駐日事務所を有している。詳細は外務省ホームページ(http://www.mofa.go.jp/mofaj/link/kokusai/index.html/)を参照。

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