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 3.

アフガニスタン


 (1) 

アフガニスタン情勢


2005年12月の議会開会をもって2001年12月以来の一連の統治機構整備プロセスが完了したアフガニスタンでは、活発な法案審議、野党の結成などの動きが見られた。一方、治安情勢は依然として不安定であり、パキスタンと国境を接する南部・南東部・東部を中心にタリバーン等によるテロ活動や自爆攻撃が増加した。同国の国づくりは、教育や医療の改善、インフラ整備、アフガニスタン難民の帰還等の進展も見られるが、貧困、治安情勢、麻薬対策など復興に向けた課題は多く、アフガニスタン政府の能力強化が急務となっている。



 (2) 

国際社会の取組


アフガニスタン政府による国づくりと国際社会による援助の枠組みである「アフガニスタン・コンパクト」の着実な実施を図るため、1月にベルリンにおいて24の国・機関の出席の下、アフガニスタン共同調整モニタリングボード(JCMB)政務局長会合が開催された。また、7月には「アフガニスタンの法の支配に関するローマ会議」(於:ローマ)、9月には「アフガニスタンに関するハイレベル会合」(於:ニューヨーク)が開催された。

パキスタンとの関係では、G8議長国であるドイツ主導の下、5月のG8外相会合が、アフガニスタンとパキスタンの協力関係推進のための「アフガニスタン・パキスタン協力対話イニシアティブ」を発表したほか、8月にカブールで両国の参加する「和平ジルガ」(伝統的な部族会議)が開催され、両国関係の改善が見られた。



 (3) 

日本の復興支援策


日本は、アフガニスタンをテロと麻薬の温床に逆戻りさせないとの決意の下、「平和の定着」構想に基づき、政治プロセス、治安の改善及び復興分野において支援してきており、2001年9月から2007年9月までの支援額は総額12.4億米ドルに達した。重点分野は非合法武装集団の解体(DIAG)をはじめとする治安分野改革、農村・農業開発を中心とする地方総合開発、道路等のインフラ整備、教育支援である。6月には、ハリリ副大統領来日の機会をとらえて、東京で「アフガニスタンの安定に向けたDIAG会議(警察改革との連携)」を開催し、DIAGに対するアフガニスタン政府及び国際社会のコミットメントを確認した。なお、日本は国際社会による「テロとの闘い」への貢献の一環として、インド洋において海上自衛隊による補給支援活動を実施している(第3章第1節2.「「テロとの闘い」への取組」を参照)。



 (4) 

日本とアフガニスタンの関係


両国の間では要人往来が活発に行われており、閣僚レベルではスタナクザイ大統領顧問(2月)、アトマル教育大臣(5月)、ジア農村復興開発大臣(6月)、アハディ財務大臣(11月)が来日したほか、6月にハリリ副大統領が来日し、安倍総理大臣をはじめとする日本側要人と会談を行った。また、7月にはザーヒル・シャー元国王(国父)の逝去に際して松浪健四郎衆議院議員(日アフガニスタン友好議連事務局長)が政府特使としてカブールを訪問した。


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