第2章 地域別に見た外交 |
第7節 アフリカ(サハラ以南) 1.2006年のアフリカ 2006年のアフリカにおける政治・外交の中心的課題は引き続き紛争の解決と平和の定着であった。7月、コンゴ民主共和国では、独立以来45年を経て初の本格的な民主的選挙が平穏裡に実施され、8月にはウガンダ (注1) 、9月にはブルンジで (注2) 、それぞれ政府と反政府勢力の間で歴史的な停戦合意が署名された。このように、平和と安定に向けて着実な歩みを進める国があった一方で、スーダン・ダルフール (注3) では5月に一部の当事者間でダルフール和平合意(DPA)に署名したものの、非署名派の武装闘争が継続し、人道状況が悪化、またソマリアではエチオピア軍の支援を得たソマリア暫定連邦政府が中南部地域を制圧したが、先行きは依然不透明であるなど、明暗が分かれた。 経済面では、世界的な石油高騰の影響により幾つかの産油国が急成長したほかは、総じて堅調な成長が見られた (注4) 。中でも、近年平和の定着が進んだ国は着実に成長しており (注5) 、平和が開発の土台であることが再認識された。また、政治的安定と着実な発展を享受する国々を中心とした地域協力・経済統合の試みも進展した (注6) 。一方で、多くの国では依然として経済・社会の状況は厳しく、人間開発の遅れをはじめ (注7) 、様々な課題を抱えている(図表「数字で見る『アフリカ問題』」参照)。 国際社会においては、中国をはじめとするアフリカに対する新興ドナー諸国の台頭が注目を集めた。 |
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