第1章 > 4 アジア太平洋地域における重層的な地域協力の推進
【総論】
近年、経済分野での協力を中心として、アジアにおける地域協力はますます深まっている。アジア太平洋という広がりの中では、主に経済分野を扱うアジア太平洋経済協力(APEC)や安全保障分野を扱うASEAN地域フォーラム(ARF:第2章第1節1(2)を参照)のほか、ASEAN+3(日中韓)という東アジアの地域協力の枠組みも進展してきており、様々な分野における多国間での対話や協力が幾重にも重なり合う形となって機能している。また、地域間協力のための枠組みとしては、アジアと欧州との対話と協力のためのフォーラムであるアジア欧州会合(ASEM)に加え、最近では、東アジアと中南米諸国との間での協力関係を強化することを目的とする東アジア・ラテンアメリカ協力フォーラム(FEALAC:第3章3を参照)も新たな枠組みとして誕生した。
このように地域協力の枠組みを重層的に発展させていくことは、域内の相互依存関係を深化させ、信頼醸成を促進させるものであり、こうした取組に、日本が積極的に協力し、参画していくことは、日本の安全と繁栄を確保する上で基礎となるアジア太平洋地域の平和と繁栄の確保に貢献するものと言えよう。