日本政府による規制改革及びその他の措置
VIII.法制度とインフラ
A.法律サービス(外国法事務弁護士)
- 弁護士と外国法事務弁護士(外弁)との提携・協働を推進するため、司法制度改革推進本部は、2003年1月中旬に開会予定の通常国会に特定共同事業の要件緩和等を行うための法案を提出する予定である。日本政府は、外弁その他利害関係者がそのプロセスにおいて意見表明を行う機会を提供している。
- 日本政府は、外弁が専門職法人を設立すること及び外弁の母国法域において設立される有限責任事業体を日本において承認することに関する米国政府の提案に留意する。
- 外弁による弁護士の雇用を禁止する規制の見直しについては、日本政府は、「外国法事務弁護士による日本弁護士の雇用禁止等の見直しは、国際的議論もにらみつつ、将来の課題として引き続き検討すべきである。」とする司法制度改革審議会の意見に基づき、その取扱いを慎重に検討する。
- 外弁が一定の要件の下に第三国法に関する法律事務を取扱うことができる旨を規定する規制の見直し及び外弁としての登録のための職務経験要件の緩和については、日本政府は、「外国法事務弁護士等に関する制度及びその運用の見直しについては、国際的議論もにらみつつ、利用者の視点から臨機かつ十分に検討すべきである。」とする司法制度改革審議会の意見に基づき、その取扱いを慎重に検討する。
- パラグラフ3及び4にいう検討を進めるにあたり、日本政府は、日本弁護士連合会(日弁連)、外国法事務弁護士協会及び在日米国商工会議所と意見交換を行う。
- 日本政府は、日弁連及び地方弁護士会が外弁に対し、弁護士会の手続に参加する効果的な機会(外弁に適用される規則及び規制に関する総会への参加、それらの総会における外弁の意見表明、及び外弁に適用されるであろう全ての規則及び規制の策定及び実施に関する議決への参加を含む。)を提供することを引き続き支持する。
- 法務大臣は、特段の事情が存在しない限り、外弁として承認する申請に関する決定を概ね2ヶ月以内に行うよう努めている。
B 司法制度改革
- 司法制度改革審議会は、2001年6月12日、その最終意見を内閣に提出した。日本政府は、2001年6月15日、司法制度改革実現のための方策を具体化し、3年以内を目途に関連法案の成立を目指すなど所要の措置を講ずることを閣議決定した。
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2001年11月に司法制度改革推進法が成立し、同年12月1日、司法制度改革推進本部が内閣に設置された。同法に基づき、内閣は2002年3月19日に司法制度改革推進計画を閣議決定した。現在、同計画に従い、司法制度改革推進本部を中心として、必要な法令案の立案等が進められている。
同計画によれば次のとおりである。
- 仲裁法を改革するため、推進本部は、現行の仲裁法や国際商事仲裁を含む仲裁の法的枠組みに関する改正法案を2003年1月中旬に開会予定の通常国会に提出することを予定している。
- 民事訴訟の充実・迅速化のため、推進本部及び法務省は、計画審理を推進するための方策や訴訟の早期の段階における当事者の証拠収集手段の拡充を通じて審理期間をおおむね半減するための法案を、2003年1月中旬に開会予定の通常国会に提出することを予定している。
- 司法の行政に対するチェック機能を強化するため、推進本部は、行政事件訴訟法の見直しや行政に対する司法審査の在り方の検討を含む総合的な検討を行い、2004年11月30日までに所要の措置を講ずる。
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