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日本政府による規制改革及びその他の措置


VI.競争政策

A.公正取引委員会の独立性と人員

 公正取引委員会の体制及び機能を強化する旨決定した「今後の経済財政運営及び経済社会の構造改革に関する基本方針」に関する2001年6月26日の閣議決定を実施する上で、

  1. 日本政府は、2002年3月29日に閣議決定された「規制改革推進3か年計画(改定)」を再確認する。日本政府は、同計画に従い、公正取引委員会の位置付けについて、規制当局からの独立性及び中立性等の観点からよりふさわしい体制に移行することを検討する。

  2. 公正取引委員会は、2002年度に36名の実質増員を得て、2002年3月31日時点で全体で607名となった。公正取引委員会の審査部門のスタッフは25名増員され、全体で294名となった。


B.公正取引委員会の審査能力

  1. 2001年12月11日の規制改革の推進に関する第一次答申(2001年12月18日に閣議決定がなされた。)では、独占禁止法の厳正な執行を確保するとの観点から、独占禁止法に基づいて公正取引委員会が採り得る措置体系及び公正取引委員会に付与すべき適切な権限についての包括的な検討がなされるべきと結論付けられた。

  2. 当該答申及び閣議決定、並びに独占禁止法研究会及び21世紀にふさわしい競争政策を考える懇談会による検討と提言を考慮に入れ、公正取引委員会は、公正取引委員会への犯則調査権限の付与の可能性及び独占禁止法に基づき公正取引委員会の審査に協力する企業や個人がより寛大に取り扱われる制裁減免制度の導入の可能性を含め、独占禁止法違反行為に対する現行の行政的・刑事的措置体系の見直しのための予備的作業を行っている。

  3. 公正取引委員会は、国際カルテルを含む国境を越える反競争的行為に対して、適当な場合には独占禁止法を適用することにコミットしており、この分野における執行能力や有効性を高めるための方策を検討している。この点に関して、国会は、2002年5月22日、在外者に対する書類の送達を可能とする法的手段を公正取引委員会に付与する法整備を行った。


C.独占禁止法執行の有効性

  1. 公正取引委員会はハードコアな反競争的行為に対する執行力を高めてきた。公正取引委員会は、2001年には、独占禁止法違反行為に対して41件の勧告を出しており、これは過去25年間で最も多い。これら勧告のうち35件は談合行為を行った企業についてのものであった。公正取引委員会は、独占禁止法違反行為、特にカルテル、入札談合その他のハードコアな反競争的行為に対して積極的な法執行を引き続き行うとのコミットメントを再確認する。

  2. ハードコア・カルテルや他の重大な反競争的行為の抑止力を強化することを目的として、国会は、2002年5月22日、独占禁止法違反行為を行った企業に対する罰金の上限を、現行の1億円から5倍の5億円(約380万ドル)に引き上げる法整備を行った。

  3. 公正取引委員会と東京高等検察庁は、独占禁止法第89条に違反する反競争的行為を行った企業及び個人を刑事訴追するため一層努力する。

  4. 2001年10月に公表された独占禁止法研究会の報告書では、独占禁止法違反行為に対する執行力及び抑止力を一層高める観点から、独占禁止法違反行為に対する現行の行政的・刑事的措置体系が見直される際に、公正取引委員会が課徴金納付命令の対象範囲の拡大を検討することを提言した。この提言を受けて、公正取引委員会は、課徴金納付命令の対象範囲の拡大の可能性を含め、現行の措置体系の見直しのための予備的作業を行っている。

  5. 国会は、2002年5月22日、独占禁止法第6条(特定の国際的協定又は契約の禁止)及び第8条(事業者団体の禁止行為)違反行為について、既に存在しなくなった場合であっても、それらが完全に排除されていることを確保するために企業及び事業者団体に対して必要な措置を採ることができる権限を公正取引委員会に付与する法整備を行った。この改正は2002年6月29日に施行される。


D.談合対策

  1. 最近、連立与党と野党は政府発注者側による入札談合行為への関与の問題に関する法案をそれぞれ国会に提出した。日本政府は国会における議論の過程を注視する。

  2. 日本政府は、公共工事の発注者として、談合等の入札不正行為を防止するためには、2001年4月に施行した「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」(以下「適正化法」という。)の徹底を図ることが基本的手段と考えている。そのため、国土交通省、財務省及び総務省は、2002年6月に、その後は毎年、国、特殊法人、地方公共団体の発注機関各々に対し、適正化法に基づく適正化指針に従って前年度末時点において講じた措置の状況について報告を求める。その項目には次に掲げるものが含まれる。(i)談合を疑うに足る事実の公正取引委員会への通知の有無。(ii)当該発注機関職員に対する談合情報の取扱要領の策定・公表の有無。

    1. これら3省は、この報告の概要を2002年秋までに、その後は毎年、公表する。
    2. ある発注機関の報告が特段の必要を示すものであれば、これら3省は同法に基づく改善の要請を行うことができる。


  3. 国土交通省は、2003年6月までに、談合対策についての資料集を作成し、同省のホームページに掲載し、他の発注機関にも参考として公表・紹介する。この資料集には、例えば、(i)談合行為の可能性を示す事実の公正取引委員会への通報手続、(ii)談合等の不正行為を行った企業に対する「指名停止」の措置、(iii)損害額の認定が可能な場合における談合の結果生じた損害の賠償請求に関しての適正化指針からの引用等が含まれる。

  4. 昨今、公共工事の受注に関し不正行為が頻発していること等を踏まえ、本年2月、国土交通省内に、事務次官を長とする「公共工事の入札及び契約の適正化徹底のための方策検討委員会」を設置し、適正化法の施行の徹底を図り、談合を含めた不正行為の防止・抑止をより一層進めるための行政的措置を2002年3月27日にとりまとめた。この措置には、次の項目が含まれている。

    1. 建設業法に基づく明確な監督処分基準の公表。これには同種の不正行為を繰り返した企業に対する処分についての加重が含まれる。例えば、処分後3年以内に再び談合の違法行為を犯したことが公正取引委員会から最終確定された企業は30日以上の建設業の営業停止(以前の15日以上より加重)。
    2. 監督処分を受けた企業の名称、不正行為の内容、科された処分をインターネット上で公表する方針。


E.競争と規制改革

  1. 公正取引委員会は、規制緩和が進展している産業における競争を促進する上で、引き続き積極的な役割を果たす。

  2. 公正取引委員会は、政府規制が緩和されてきている市場や、より活発な競争が期待される市場の監視に多くの人員を割り当てる。

  3. 2001年4月、公正取引委員会は、電気通信、電力、ガス事業分野など規制緩和が進展している産業における独占禁止法違反行為を審査し、必要な措置を採る取組を強化するため、審査局内部に、IT・公益事業タスクフォースを設置した。IT・公益事業タスクフォースは、独占禁止法に違反するおそれのある、競争者に対する差別的取扱いの疑いで2つの主要な電気通信事業者に対し2001年12月に行った警告を含め、既に、規制緩和が進展している分野における競争を促進するための多くの取組を行ってきている。

  4. 公正取引委員会は、経済学や知的財産権の分野から外部専門家を採用し、規制改革に係る重要な部門へ配置してきた。また、公正取引委員会は、優先度に応じて人員を配分してきた。公正取引委員会は、IT・公益事業タスクフォースを含め、重要部門の能力を向上させるために、外部専門家の採用、また、優先的な人員配分を、引き続き行っていく。

  5. 公正取引委員会と総務省は、2001年11月30日、電気通信事業分野における競争の促進に関する共同指針を公表した。公正取引委員会と総務省は、2002年に、本指針の見直しを行い、その後も必要に応じて見直しを行う。両当局は、引き続き、電気通信事業分野における競争を促進する上で協力していく。

  6. 公正取引委員会は、政府規制等と競争政策に関する研究会(通信と放送の融合問題検討ワーキンググループ)によって作成された報告書を発表し、通信分野と放送分野の融合によって生じる競争上の問題について初めて取り組んだ。本報告書は、当該分野における競争及び新規参入の促進に係る提言を含んでいる。

  7. 公正取引委員会と経済産業省は、引き続き、電力及びガス事業分野における競争の促進及び確保について共同して取り組んでいく。特に、

    1. 公正取引委員会は、引き続き、需要者側の選択肢の拡大や送電線網へのアクセスの公平性の確保の方策といった問題を検討している電気事業審議会に参加し、競争促進の観点から意見を述べている。
    2. 公正取引委員会は、自由化範囲の拡大及びパイプラインやLNGターミナルに係るアクセスや透明性といった問題を検討してきた経済産業省のガス市場整備基本問題研究会に参加し、競争促進の観点から意見を述べてきた。本研究会は、2002年4月、報告書を公表した。


  8. 公益法人の再編及び民営化が競争を促進する形で達成されることを確保するため、2002年3月、内閣は、現在公益法人によって行われている業務を民間企業も行えるようにし、公益法人による支配的なコントロールを避けるための行政改革推進本部の計画を閣議決定した。

  9. 公正取引委員会は、2002年度に、1つ又は複数の分野について、その競争状況を評価するために実態調査を行う。本実態調査には、高度寡占的な市場構造とみなされる分野を含む可能性がある。

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