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日本政府による規制改革及びその他の措置


IV.医療機器及び医薬品

 「強化されたイニシアティブ」の下、日本政府は、医療機器や医薬品に関連する多くの重要な施策を行ってきた。これらの事項のフォローアップは継続するとともに、「規制改革イニシアティブ」に係る施策は従前の施策と一貫した方法で取り扱うこととする。

A.医療機器及び医薬品の保険償還価格の算定ルールの改革並びに関連事項

  1. 日本政府は、高齢化、出生率減少及び経済状況といった現下の情勢を踏まえ、患者自己負担の引上げや保険料負担の引上げなどを含む医療保険制度を改革する法案を国会に提出した。右改革の一環として、厚生労働省は、以下に述べるように、医療機器及び医薬品の価格設定制度を見直した。この見直しは、従前の施策と一貫したものであって、革新的な医療機器及び医薬品の適切な評価を促進するような方法で行われる。厚生労働省は、右改革の過程において、米国政府及び業界に対し、意見表明の機会を提供した。

  2. 健康保険法等の一部を改正する法律の附則において規定されているように、2002年度中に、厚生労働省は、高齢者医療制度を含む医療保険制度の在り方や、診療報酬の体系の見直しについて基本方針をとりまとめ、その具体的な内容や手続きを明らかにすることとしている。今後、上記事項についての討論とあわせ、医療機器及び医薬品への保険適用の在り方に関連するさらなる議論が見込まれる。

  3. 厚生労働省は、米国の政府及び業界からの提案を歓迎する。医療機器及び医薬品の価格設定制度の討議においては、業界の見解に真剣な考慮が払われることを確保しつつ、厚生労働省のあらゆるレベルの職員との討議、及び関連審議会において討議を行う機会が、引き続き、米国業界と日本の業界に対して等しく提供される。右討議は、革新的な製品の早期導入と広範な利用を促進するために、右価格設定制度による革新性の価値の認識を高めるために活用されうる。

  4. 厚生労働省は、革新的な医薬品の開発を促進することが予想される革新的な医薬品の適切な評価を一層確保するために適用される有用性や画期性の加算率を大幅に引き上げた。

  5. 厚生労働省は、原価計算方式が価格算定に用いられるときは、申請者が選択した係数を用いた申請を提出できることとする措置をとった。

  6. 厚生労働省は、新しい薬剤分類制度を採用した。右制度は、薬学上及び臨床医学上の原則に基づくとともに、比較対照薬の選択結果が革新的な医薬品の価値を適切に認識するものである。

  7. さらに、厚生労働省は、薬事法に基づき承認されたものの、薬価基準に収載されていない薬剤を用いた医療に、特定療養費制度が適用されるものとした。右適用は、「医療機器及び医薬品市場指向型分野別協議報告書」に規定された医薬品の定期収載(年4回)を妨げるものとはならない。

  8. 厚生労働省は、新たな機能別分類のための医療機器価格設定ルールを策定した。右ルールは以下を規定している:

    1. 革新的かつ有用な医療機器の開発を促進すると見込まれるより適切な方法により革新的な医療機器を評価するために、有用かつ/または革新的な製品に適用されるであろう新たな加算制度。
    2. C1製品の償還価格を付与する頻度を年2回に増やすこととしつつ、あわせて暫定価格制度を維持するC1区分の医療機器の価格設定ルールの適用;及び
    3. 診療報酬改定時にあわせた、C2製品への償還価格の付与。しかしながら、C2製品の償還価格設定時期に関しては、厚生労働省と米国政府及び業界との間で将来的に継続して議論する。


  9. 厚生労働省は、治験において医療機器を用いた医療について特定療養費制度が適用されるものとした。

  10. さらに、厚生労働省は、一定の医療機器(例:PTCA、バルーンカテーテル、ペースメーカ等)を用いる手術への診療報酬の完全な支払いが、症例数の豊富な医療施設、いわゆるCOEにおいて実施される手術に限定されるべきであるとする基準を設定した。多くの医療機関において右手術が分散して実施されていることは、日本において医療機器の価格が高騰している理由の一つであると考えられている。

  11. 医療機器及び医薬品の価格設定に関連する事項は引き続きケースバイケースで討議される。


B.承認手続き

  1. バイオ・ゲノム技術の飛躍的で国際的な発展、企業行動の多様化(例:より開発に焦点をおくことを可能とする製造の外部化)、規制の国際調和の要請等を踏まえ、日本政府は、医療機器の安全対策の見直し、薬事法における生物由来製品の明確な位置づけ、その特性を踏まえた安全確保対策の充実、市販後安全対策の充実と承認・許可制度の見直し等を行うため、薬事法改正案を国会に提出した。米国政府はこの法案を歓迎する。この改正は医療機器及び医薬品の規制制度を改善するものと見込まれる。

  2. 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(医薬品機構)と医薬品医療機器審査センターとの統合が内閣により提案され承認された。米国政府はこの構想を支持する。この統合は、医療機器及び医薬品の承認手続きを改善するものと見込まれる。

  3. 改正薬事法の施行、並びに医薬品機構と医薬品医療機器審査センターとの統合の実施は、円滑な調整を確保するための適切な移行期間を伴うものとする。

  4. 米国の政府及び業界は、この法案の可決後、その実施のための具体的な規則策定について提案をすることを希望している。厚生労働省は、引き続き、日米の業界を含む関係者に対し平等に、要求に応じ適当なレベルの厚生労働省職員と、手続きの様々な段階を通じ、業界の見解に真剣な考慮が払われることを確保しつつ、その提案について積極的に討議するための有意義な機会を提供する。

  5. 1994年以降、医薬品、医療機器等の承認申請の審査業務は、医薬品機構、医療機器センター及び医薬品医療機器審査センターに外部化されてきた。厚生労働省は、承認に係る最終的判断など、国が行うべき業務については引き続き厚生労働本省が行うこととし、外部化が可能な業務については、製品の安全性及び有効性を確保し、より早く承認するための体制を構築するため、分立している業務を統合・再編成し、これを新しい機関に外部化することを検討している。

  6. 厚生労働省は、米国の業界を含む関係者との積極的対話を経て、医療用具承認申請の3区分(「後発」、「改良」及び「新」)を明確にするためのディシジョン・ツリーを含む事務連絡を、2002年3月26日に公表した。このディシジョン・ツリーは、適切な分類を確保するため「改良医療用具」、「後発医療用具」の区分をより明確化すると見込まれる。

  7. 薬事法に基づく承認の対象であり、かつ計量法に基づく型式承認と検定の対象でもある体温計及び血圧計の取扱いに関する問題は、市場開放問題苦情処理対策推進体制(OTO)により審査される。OTO勧告に基づき、必要な措置が討議される。

  8. 厚生労働省は、迅速な新医薬品承認手続きを継続し、米国業界を含む関係者との対話を続けていく。米国政府は、米国企業に対して質の高い新医薬品承認申請を行うよう、引き続き、呼びかけていく。

  9. 医薬品医療機器審査センター側の担当者の医薬品機構での治験相談への参加等、両者の連携は一層強化されてきた。医薬品機構により治験相談において提供された助言と、医薬品医療機器審査センターにおける相談において提供される指導の取扱いの一貫性はより向上することが期待される。

  10. 厚生労働省は、米側業界との建設的な協力の下、既存の承認制度の範囲内で、具体的解決策を追求する見地から、「レガシープロダクト」問題について引き続き討議する。米国政府は、そのような解決策を追求しつつ、米国業界に対し、厚生労働省に積極的に協力するよう要請する。


C.外国臨床データの受入れ

  1. 医薬品の承認における外国臨床データの一層の活用は、世界中の患者にとっての革新的医薬品の利用可能性を向上する上での鍵となる事項である。厚生労働省は、新薬の承認において安全性及び有効性の主たる根拠としての外国臨床試験データの受け入れを増やすことに取り組んできている。厚生労働省は、日米EU医薬品規制整合化国際会議(ICH)の原則や指針に合致した方法で、かかる努力を継続する。

  2. 2001年5月のICH会合において、メンバーはICH E5ガイドラインの実施について取り上げることを決定し、この問題に関する第1回会合が2002年2月に開催された。ICH E5ガイドラインの実施について前向きに取組みつつ、厚生労働省は、ICHメンバーとともに、ICH E5ガイドラインの利用をより容易とするための付加的なガイダンス(例 Q&A)の作成のために、人種や追加的データが外国臨床データの外挿のために必要かどうかについて、またどのような条件で必要とされるかについての解釈を含む、当該ガイドラインの論点を特定することに取り組んでいく。


D.血液製剤

 日本は、血液製剤の安定供給の確保に寄与することを目的とする需給計画を含む、安全な血液製剤の安定供給を確保することを目的とした新しい法制を検討している。日本政府は、米国政府により示された懸念に対応し、需給計画を実施するための施策が、透明かつ無差別な方法で行われることを確認する。厚生労働省は、引き続き、米国業界及び日本業界を含む関係者に対し、そのような規定に関しての見解を交換するための有意義な機会を提供し、右見解が真剣に考慮されることを確保するものとする。

E.栄養補助食品

 厚生労働省は、効果及び安全性に関する科学的知見や市場データに基づき、厚生労働省及び薬事・食品衛生審議会による所要の検討を完了した表示基準により、ビタミン、ミネラル及びハーブ類を「栄養機能食品」のカテゴリーに追加していく。この過程において、厚生労働省は関係者に対し、リスト(成分)を追加する観点から、厚生労働省職員と討議する機会を引き続き提供する。

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