フィンランドは、歴史的・地理的な理由から伝統的に親日感情が強く、日本の文化と社会に対する関心は大変高いものがあります。特に親日的な友好団体が各地に多数存在し、それぞれが活発に活動している事実はフィンランドならではの重要な財産です。在フィンランド日本国大使館は、これら友好団体等のご協力を得てイベントの内容・対象・開催地それぞれを出来るだけ幅広いものにして日・EU市民交流年を盛り上げるとの基本方針で臨みました。多くの方々のご協力により、数々のイベントが実施され、両国間の友好関係促進のために大きく貢献しました。
幕開けはフィンランド在住のピアニスト舘野泉さんのコンサートでした。同じくフィンランド在住のヴァイオリニスト新井淑子さんと夫君のチェロ奏者セッポ・キマネンさん他による弦楽ピアノ三重奏コンサートも行われました。「日本文化友の会」が日本文化を総合的に紹介する「Japan Day」にはたった一日でお客様が3,000人以上も集まりました。その他、日本からは、文楽や剣道、合気柔術など日本の古典文化を代表する方々が訪問され、また、オペレッタやコンテンポラリー・ダンス、現代日本アートなど現代の日本文化を紹介する行事も実施されました。両国姉妹都市自治体間の中学生や日本の高校合唱コンクール名門校の高校生による友好・公演活動など青少年交流も活発でした。10月下旬には、日本文化の多様な面を集中的に紹介する「日本文化週間」が「フィンランド日本協会」設立70周年記念として開催され、着物ショー、紙芝居、音楽ショー、日本料理デモンストレーション等が成功裏に実施されて終盤にさしかかった日・EU市民交流年を盛り上げました。その後11月在フィンランド日本国大使館が生け花デモンストレーションを実施しフィンランドにおける日・EU市民交流年を締め括りました。フィンランドでは日本の伝統文化と新しい文化の両面がバランスよく披露された1年だったと思います。 |