チェコでは、源氏物語からアニメ、雅楽からロック、そして相撲からサッカーまでの多彩な74件の日・EU市民交流年認定事業が行われました。多数の行事が行われた背景には、近年の政府ハイレベルでの交流(天皇皇后両陛下(2002年)・小泉総理(2003年)のチェコ訪問、パロウベク首相の日本訪問(2005年))、活発な日系企業の投資活動(日系企業数は5年で3倍増加の160社)、チェコを訪れる日本人観光客の急増(5年で1.5倍の15万人)等を通した日本とチェコの関係の緊密化が挙げられます。
チェコにおける交流年は鬼太鼓座による勇壮な和太鼓コンサートで幕開けしました。本公演のチケットは発売開始1週間で完売になり、当日は一糸乱れぬバチ捌きに超満員の観客は酔いしれました。
春には、日本人・チェコ人相撲力士による相撲デモンストレーションが行われました。足を一の字にする「俣割」では力士の体の柔軟さに感嘆の声があがり、「上手投げ」では勢いよく力士が投げ飛ばされる技の切れ味に700名の観客から拍手が沸き起こりました。
秋には、菊の会による和太鼓・狂言・民俗舞踊を含む舞台芸術公演「日本のおどり:伝統と創造」がプラハ国立オペラ座で行われました。狂言「棒縛り」のユーモアは1000名の観客を沸かせ、「阿波踊り」は会場を熱気で一体化させました。
閉幕行事として、クラウソヴァー大統領夫人の臨席を得て、雅楽・舞楽・声明公演「創造する伝統2005」がプラハ城で実施されました。神聖ローマ皇帝カール4世等の歴代の国王が居住し、現在も大統領が執務するプラハ城にて、この1年盛り上がりをみせた交流年の閉幕行事が開催されたことは大変象徴的でした。 |