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(仮訳) 平成14年9月23日~9月24日
於:コペンハーゲン 第4回アジア欧州会合(ASEM4)は、2002年9月23日及び24日にコペンハーゲンにおいて開催された。首脳会合には、アジアから10か国の首脳が、また、欧州から欧州理事会議長としてのデンマーク首相を含む15か国の首脳と欧州委員会委員長が出席した。 首脳は、1996年にバンコクで、1998年にロンドンで、2000年にソウルでそれぞれ開催されたこれまでの首脳会合を想起し、共通の利益と関心に係る様々な問題について包括的で詳細な、かつ、実りある議論を行った。首脳は、これまでの首脳会合において意見の一致を見、アジア欧州協力枠組み(AECF2000)に示された原則に基づくASEMプロセスの進展に満足の意をもって留意した。 首脳は、2001年と2002年に開催された外相会合及び経済閣僚会合並びに財務大臣会合、環境大臣会合及び移民管理大臣会合で得られた積極的な成果に賞賛の意をもって留意し、これらの会合における勧告を支持した。 21世紀の挑戦についての政治対話 首脳は、国際的な安全保障上の全般的状況を出発点とし、9月11日の悲劇的な事件以後の新たな安全保障上の挑戦について広範で先見性のある議論を行った。 首脳は、テロリズムの発生につながる多様な理由を考慮しつつ、国際テロリズムと闘う決意を強調した。首脳は、世界の平和と安全、持続可能な経済発展、そして政治的安定性に対する脅威と闘うために緊密に協力することを誓い、テロリズムとの闘いが国連の主導的役割と国連憲章の諸原則に基づかなくてはならないことを強調した。この目的のため、首脳は、国際テロリズムに関する協力のためのASEMコペンハーゲン宣言及び国際テロリズムとの闘いのためのASEMコペンハーゲン協力プログラムを別添のとおり採択した。首脳は、また、テロ対策に関するASEMセミナーを開催するためのイニシアティブを支持した。 首脳は、国連総会の合間に開催されたASEM参加国による協議のための会合で得られた有益な経験を踏まえて、ASEM参加国はこのような政治的対話を継続すべきであることにつき意見の一致を見、ASEM調整国及び高級実務者が重要な国際的事件について迅速に協議することを可能にするアド・ホックな非公式協議メカニズムを設置することを決定した。 多様性の中の一致 首脳は、様々な文化と異なる文明を有する人々を包含するASEMプロセスが国際関係において一層の発展に値する資産であることを9月11日の事件が明白に示したことを強調した。首脳は、この精神に則り、「文化と文明に関する対話」と題するリトリート・セッションを初めて開催した。対話は、全ての文明が等しく有する尊厳及び文化の多様性は資産であるとの信念に対する敬意に基づいて行われた。首脳は、既に存在するASEMにおける両地域間の建設的対話は、多様性の中の一致の促進に資するべきであることを強調した。 教育、デジタル・ディバイドの縮小及び情報への平等なアクセスの重要性は、現在及び将来のASEMの世代の型通りの意見、ステレオタイプ及び偏見を克服し、防止するに当たり決定的であると考えられた。この目的のため、首脳は、今後の会合でこのような有益な交流を継続することを誓い、文化と文明に関する対話をASEM協力の全てのレベルにおいて一層促進するとの任務を閣僚に課し、フォロー・アップのための文化と文明に関する政治レベルでのASEM会議を支持した。首脳は、アジア欧州財団(ASEF)が、これらの問題に焦点を当てた広報を通じて、この対話に今後も貢献することを慫慂した。 閣僚は、また、「ASEM青少年スポーツ試合」をこれまでで初めて開催することについて協力するよう要請された。このような催しは、人と人との触れ合いを一層促進し、両地域間の相互の認識と理解を育むであろう。 首脳は、「視覚芸術のオリンピック・ゲームARTIADE ATHENS 2004」に関連して、ASEMの枠組みにおける会合をアテネで開催するとの提案を歓迎した。 首脳は、毎年の「欧州の文化の首都」とアジアのカウンターパートとの連携を構築する可能性につき検討することを提案した。 最近の地域情勢 首脳は、朝鮮半島における最新の情勢に関する報告を受けた。首脳は、朝鮮半島の平和のためのASEMコペンハーゲン政治宣言を別添のとおり採択し、南北の和解と協力の平和的なプロセスに対する支持を再確認した。この点に関し、首脳は、南北の協力のための多くのプロジェクトの実現に向けた最近の進展を歓迎した。首脳は、鉄道の連結の再構築が、ユーラシア横断鉄道(「鉄のシルクロード」)にいずれはつながり得ることに留意した。この連結は、地域と地域との交流に積極的な効果を及ぼすであろう。 首脳は、また、イラク問題及び中東情勢について協議した。 首脳は、EU拡大についての展望とその結果として生じる世界経済についての前向きな見通しに留意した。 アジア側首脳は、欧州連合がユーロを成功裡に導入したことを称賛し、主要な準備通貨、取引通貨及び参照通貨としてのユーロの役割に関心を表明した。 首脳は、ASEAN+3及びアジア協力対話(ACD)等のアジアでの地域協力においてアジア側参加国が成し遂げた進展に留意した。 より緊密な経済的パートナーシップ 首脳は、グローバルな経済情勢の文脈の中での経済及び金融面での優先事項に取り組み、9月11日の一時的なショック後の各国経済を再活性化する強い決意を再び表明した。首脳は、両地域間の経済関係の促進へのコミットメントを確認し、これにより世界経済における持続可能な成長の達成に貢献するとの強い政治的シグナルを送った。 首脳は、強固な、開かれた、透明な、かつ公正な多角的貿易体制へのゆるぎないコミットメントを表明し、ドーハ閣僚会議で合意されたWTO作業計画が、各国社会に利益をもたらす経済成長を促進する比類のない機会となることに意見の一致をみた。首脳は、ドーハ閣僚宣言の作業計画の下で、全ての問題についてバランスのとれた進展を確保することへのコミットメントを強調し、開発の側面及び開発途上国のニーズが引き続き中心的要素であるべきことを強調した。首脳は、経済成長を刺激し、予測可能性を高め、グローバリゼーションの挑戦に対処し、そして持続可能な成長を支援するために、一層の貿易自由化並びにWTOルールの強化及びその更なる発展が、相互に補強しあう形で共に進展すべきであることにつき、意見の一致をみた。首脳は、第4回ASEM経済閣僚会合においてヴィエトナムのWTOへの加盟促進に関して表明された支援を支持した。 首脳は、過去2年間における貿易円滑化行動計画(TFAP)及び投資促進行動計画(IPAP)の実施により達成された両地域間の相互理解及び透明性の向上並びに貿易と投資に対する障壁の克服についての進展と、認識の一致をみた今後の新しい目標を評価した。更に、首脳は、ASEMプロセスが、特に2003年のカンクンにおけるWTO閣僚会議に向けての準備において、WTOドーハ・ラウンドについての協議と対話のための効果的な手段を構成することを認識した。首脳は、したがって、新たなイニシアティブとして、第4回経済閣僚会合において立ち上げられた経済問題に関する協議と対話のための柔軟な枠組み、すなわち、WTO専門家によるドーハ開発アジェンダについての2回にわたる協議、多角的及び地域的経済関係に関するASEMシンポジウム並びに農業協力に関するASEMハイレベル会合を歓迎した。首脳は、更に、グローバリゼーションの文脈において市場制度を構築するワークショップを支持した。 首脳は、各々の地域における経済統合に関する進展を改めて検討し、アジアと欧州の間で経済面の協力を深めることへの強い希望を表明した。ドーハ開発アジェンダが成功裡に終了した後に、地域と地域の間の協力は、両地域間の経済統合を更に促進することをめざす新しい措置などにより促進されるべきである。首脳は、ASEM参加国の間のより緊密な経済的結びつき及びユーラシア大陸情報ネットワーク等の情報通信技術の協力の促進が、アジアと欧州の間の強いパートナーシップの基礎を構成することを強調した。 首脳は、より緊密なASEM経済パートナーシップに向けて行動することにつき意見の一致をみた。この目的のため、首脳は、行動を重視するタスクフォースを設置する任務をASEM調整国に課した。このタスクフォースは、ASEMの経済の柱において既に実施された作業を考慮して、貿易、投資、金融の3つの分野を検討すべきである。これらの分野は、ユーロ債市場をアジアで創設することや国際通貨としてユーロを使用することなどの事項を含む可能性がある。タスクフォースは、両地域それぞれからの5人の専門家により構成されるべきである。首脳は、最終報告書がASEM5に提出されるよう、中間報告書が2003年に外務大臣、経済閣僚及び財務大臣に提出されるように準備が行われることを要請した。 人材育成、社会の一体性及び環境協力 首脳は、グローバリゼーションの負の帰結に取り組んだ。首脳は、就業能力と貧困緩和のための要因として人材育成と教育の重要性を強調し、両地域間の相互理解を促進するために教育交流の拡大を慫慂した。首脳は、ASEM-DUOフェローシップ・プログラムの拡大を歓迎し、このプログラム及びその他の同様のイニシアティブを発展させることによりASEM参加国間での教育交流を拡大することを慫慂した。首脳は、ASEMにおける交流制度に関する情報を収集し及び提供することを目的とする教育交流に関するASEMセミナーを支持した。 首脳は、経済成長と社会領域における発展の間の相互作用の観点から、長期的な社会の一体性を確保するために、雇用の将来と労働の質に関するASEMワークショップを支持した。首脳は、更に、若い世代の薬物問題についての認識を高めるためのアジア欧州協力に関するイニシアティブを支持した。 首脳は、2003年のASEM環境大臣会合につながるような環境問題に関するASEMの対話の重要性を強調した。首脳は、持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)においてなされたコミットメントを実施する政治的意思を再確認し、衛生、エネルギー、持続可能な消費及び生産、化学物質並びに生物多様性に関する新しい国際的な目標を歓迎した。首脳は、気候変動に取り組むコミットメントを再確認し、また国連気候変動枠組条約及び京都議定書の枠組みの中での更なる行動の必要性を強調した。 ASEM協力の深化 首脳は、アジアと欧州の関係がこれまで以上に緊密に、広範に及び重要になったこと並びにASEMが新たな力強い発展の段階に入ったことを再確認した。首脳は、理解を深め、共通の基盤を拡張し、また、協力を一層促進することにコミットした。 首脳は、ASEM3以降実施され、今次首脳会合に報告された多くのASEMの活動やイニシアティブの結果について満足の意をもって留意した。首脳は、この首脳会合がインフォーマルで、実質的で、相互に作用する議論となったことを評価し、深く幅広い方法でのASEMプロセスの継続を待望した。首脳は、国際テロリズム及び国際組織犯罪との闘い、より緊密な経済パートナーシップ、社会、教育及び環境の分野における協力並びに文化と文明に関する対話が、別添のASEMカレンダー2002-2004に示された今後の活動の中で最重要事項であることについて意見の一致をみた。 首脳は、アジア欧州財団(ASEF)によって実施された、人と人との交流、文化交流及び知的交流を促進する重要な仕事を評価した。首脳は、次回首脳会合までに、ASEM参加国がASEFの長期的な財政的安定を確保するために必要な措置をとるよう促した。 首脳は、第5回ASEMを主催するとのヴィエトナムの申し出を感謝の意をもって受け入れ、2004年に再び会合することを待望した。 コペンハーゲン、2002年9月24日
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