国際テロリズムに関する協力のためのASEMコペンハーゲン宣言
(仮訳)
平成14年9月23日
首脳は、2002年9月23日及び24日にコペンハーゲンにおいて開催された第4回アジア欧州会合(ASEM4)において、特に2001年9月11日の米国におけるテロリストの攻撃を想起し、様々な新しい安全保障上の挑戦、特に国際テロリズムとその国際組織犯罪との可能性ある結びつきにつき、詳細な議論を行った。首脳は、以下の宣言を発表することに合意した。
- 9月23日及び24日のコペンハーゲンでの第4回アジア欧州会合(ASEM4)に集まった我々ASEM首脳は、国際テロリズムが国際の平和と安全に対する最も重大な脅威の一つであり、全ての国と人類全てに対する挑戦であることを宣言する。テロリズムは罪のない人々の生命を脅かすのみならず、我々の社会が築かれている基盤そのものを脅かすものである。我々は、全てのテロ行為を、テロリストの動機、形態及び主張に拘らず、犯罪であり正当化できないものとして非難する。EUとASEANが行っているような地域協力及び二国間協力を含む、テロ対策に関する国際協力は大きく進展した。この点に関し、国際社会が着実に努力を継続することは非常に重要である。
- 我々は、世界の平和と安全、持続可能な経済発展そして政治的安定に対するこのような脅威と闘うために協力することを誓い、テロリズムとの闘いが国連憲章の原則と国際法の基本的な規範に基づかなければならないことを強調する。テロリズムとの闘いは、我々のそれぞれの国内法に従い、テロリズムの根本原因について十分な考慮を払いつつ、かつこれをテロリスト又は犯罪行為を正当化するものとして認識することなく、国際社会による政治的、経済的、外交的、軍事的、法的手段から構成される包括的なアプローチを要求する。
- 我々は、テロリズムに対する国際協力のモメンタムを維持すること及び国連の主導的な役割の重要性を強調する。我々は、国連安保理決議第1373号(2001)及び第1377号(2001)を歓迎し全面的に支持する。そして、これらの決議を実施する我々のコミットメントを再び行う。我々は、国連テロ対策委員会の取組みを重視し、国連安保理決議第1373号(2001)を実施するために、第三世界の国々に対して技術支援を供与する必要性を認識する。我々は、既存の国際テロ対策条約への加入とその実施に向けて取組む。我々は、現在行われている包括テロ防止条約と核テロ防止条約の交渉が成功裡に妥結することの重要性を強調する。
- 我々は、大量破壊兵器のテロリスト・グループへの拡散が、世界の平和と安全に対する重大な脅威であることを認識する。この点に関し、我々は、軍縮、不拡散、国際的なテロリズムへの取組みの分野における多数国間協力に関する国連総会決議56/24/Tへの我々のコミットメントを再確認する。
- 我々は、テロリズムが、資金洗浄、人身売買及び武器の密売並びに不法な薬物の製造及び密売のような、国際組織犯罪との可能性ある結びつきを含む、複雑な一連の新しい安全保障上の挑戦の一部を構成することを認識する。これは、我々が直面している問題への多面的なアプローチを必要とする。
- 我々は、テロリズムと国際組織犯罪の惨禍に対するASEMのイニシアティブを拡大することにより、新しい安全保障上の挑戦に関する協議、協力及び調整を強化することを決意する。
- 我々の協力は、ユニークなASEMの対話と文化間の理解を発展させる。我々は、テロリズムをいかなる宗教、人種あるいは国籍と結びつけるあらゆる試みを拒絶し、またこれらの区分に従って我々を分断できるとするあらゆる考えを拒絶する。
- 我々は、上記の目標の実施を確保するために、国際テロリズムとの闘いのためのASEMコペンハーゲン協力プログラムを採択した。
- 短期から中期にわたって取組むべき活動は、テロリズムと国際組織犯罪に対する共通の闘いへの協力を促進するための、ASEM調整国及び高級実務者間の非公式なアド・ホック協議メカニズムの設置並びにASEM参加国の関連する地域機関と国家機関の通常のコンタクトが含まれる。長期的に取組む活動は、文化的な誤解を除去すること、及びテロリズムの根本原因についてこれをテロリスト又は犯罪行為を正当化するものとして認識することなく、見極めそして除去することに焦点を当てる。
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