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アジア欧州会合第4回首脳会合(ASEM4)
(概要)


平成14年9月24日


1.日程・出席者等

 アジア欧州会合第4回首脳会合(ASEM4)は、9月22日から24日までデンマークのコペンハーゲンにおいて開催された。本会合には、アジア側より10か国(日本、韓国、中国、及びASEAN7か国)、欧州側よりEU加盟15か国及び欧州委員会の首脳が出席した(一部は代理出席)。


2.議長声明

 政治、経済・金融、社会・教育・文化その他の3つの柱について、参加したアジア及び欧州の首脳の間で自由な意見交換が行われたほか、文化と文明に関する特別のセッション(リトリート)が行われ、議論の概要を簡潔にまとめた議長声明が発出された。


3.朝鮮半島の平和のためのASEMコペンハーゲン政治宣言

 小泉総理による訪朝結果の紹介を踏まえ、朝鮮半島情勢については特に活発な議論が行われ、北朝鮮を国際社会に関与させる重要性を再確認した。その結果、日朝首脳会談を高く評価する「朝鮮半島の平和のためのASEMコペンハーゲン政治宣言」が発出された。


4.国際テロリズムに関する協力のためのASEMコペンハーゲン宣言

 テロは、国際の平和と安全に対する重大な脅威であり、全ての国と人類すべてに対する挑戦と位置付け、テロとの闘いのためにアジアと欧州との間の協力を強化することを内容とする「国際テロリズムに関する協力のためのASEMコペンハーゲン宣言」が発出された。


5.より緊密な経済パートナーシップのためのタスクフォース

 アジア・欧州間のより緊密な経済パートナーシップに向けて、行動指向のタスクフォースを設置することとなった。両地域それぞれ5人の専門家により構成され、貿易、投資、金融の3分野について検討する。最終報告書を2年後のASEM5に提出すべく中間報告が2003年にASEM外務大臣会合、経済閣僚会合及び財務大臣会合に提出される予定。


6.日本の提案

 日本は、グローバルな観点も踏まえつつアジアと欧州との協力関係を強化するため、関心国とともに以下の新たなイニシアティブの提案を行い、承認された。

(1) 「テロ対策に関するASEMセミナー」

中国、スペイン、デンマーク、独と共同提案。明年のASEM第5回外相会合の前に北京においてセミナーを開催。

(2) 「多角的及び地域的経済関係に関するASEMイニシアティブ」

独、シンガポールと共同提案。2003年3月に東京にてシンポジウムを開催。

(3) 「教育交流セミナー」

アイルランド等と共同提案。開催時期及び場所については今後決定。


7.日本の発言

 小泉総理は、現下の国際社会の諸課題に関し、概要以下の発言を行った。これら発言は、今回の首脳会合の議論の流れを形作り、政治宣言や議長声明にも反映された。

(1) 朝鮮半島情勢:日朝間の問題のうち、拉致については、金正日国防委員長が問題の存在を認め、お詫びを表明。現在、国内には大きな憤りと怒りが満ちている。日朝関係の改善は、北東アジア地域の平和・安定に貢献するものであるとの観点から、核を含む安全保障の問題について、平壌宣言に盛り込んだ。10月中の国交正常化交渉の再開に向けて努力。今後とも韓、米、中、露その他国際社会の関係国と協力して対応する。

(2) テロ対策:国際テロとの闘いは、これからも長く続くものであり、粘り強い努力が必要。国際社会が団結し、粘り強い取組が必要。日本は、2002年1月に国際社会と協力しつつ東京会合を開催し、和平達成後のアフガニスタンへの支援に努力している。イラクに関し重要なのは、イラクが査察を即時、無条件、無制限に受け入れ、関連安保理決議を実際に履行すること。日本としても、国連やASEMを含め様々な形で、外交努力を続ける。

(3) 経済・金融:WTO新ラウンドの成功が重要。WTOにおける取組を補完するものとして、東アジアを中心とした地域的経済連携も推進していく考え。地域的な協力を深化させたアジアと欧州が経済関係を強化することは、両地域及び世界経済にとり有益。EUの経済統合の経験からも学びつつ、東アジア全体との経済関係強化に積極的に取り組んでいきたい。日本は、多角的及び地域的経済関係に関するアジアと欧州の対話を促進するためイニシアティブを提案しており、各国と協力していきたい。

(4) 社会・文化・教育:日本が資源がないにもかかわらずここまで発展したのは教育を重視していたため。自分はJETの前身で、イギリスから英語教師を受け入れるBETSプログラムの立ち上げに尽力したが、その交流は多様な言語・分野に広がっている。これら人材交流や教育重視は雇用創出に役立っている。アジア欧州財団(ASEF)の重要性を強調したい。

(5) 文化・文明(自由討論):文化、文明は対等であり、多様性、独自性を尊重しつつ、文化、スポーツ等多彩な面で交流を深めていくよう努力したい。鎖国を解いて以来、日本は西洋の追いつき、追い越すことを目標にし、西洋の童話を数多く学んできた。現在では日中韓で童話の相互交流という話が出ている。


8.今後のASEM調整国としての日本の姿勢

 日本は、今回のASEM首脳会合以降、2004年のASEM第5回首脳会合まで、中国に代わってアジア側調整国をヴィエトナムとともに務める。今次会合において、日本が、アジアと欧州の橋渡し役としての姿勢を示し、各国の協力を求めたことは、今後、調整国として日本が一層積極的な役割を果たしていく上で有意義であったと考えられる。


9.二国間会談等

 総理は、コペンハーゲン滞在中、金大中韓国大統領、朱鎔基中国国務院総理、シラク仏大統領、プローディ欧州委員長と二国間会談を行ったほか、アジア側及び欧州側各国の首脳と食事の機会や会合の前後を捉えて懇談し、二国間の問題や国際情勢について意見交換を行った。


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