支援の全体像
川口大臣による「平和の定着構想」
平成15年10月
アフガニスタンでは、20年にわたる内戦により経済・社会インフラ、統治の基本的システムが破壊され、財政基盤もいまだ未整備です。治安はカブールに展開するISAF(国際治安支援部隊)、米軍等により維持されていますが、国内には依然数十万人の武装勢力が存在しており、また、特に地方部では事件が散発的に発生しており、予断を許さない状況にあります。初等教育がようやく本格的に再開されたものの、教室・教育機材は未整備で、教師の数も不足、授業の大部分は交代制で行われるという状況にあります。また、医療施設は全国平均で約2万7千人に一つしか存在せず、特に女性と子どもが危険にさらされていると報告されています。社会的セーフティーネットは無く、女性の地位などの面で、改革は伝統という巨大な壁に立ち向かい始めたばかりです。
以上のような状況を踏まえ、川口大臣は、平和の定着を支援することがアフガニスタンの人々にとって何よりも重要であると考え、2002年5月1日、2日のアフガニスタン訪問時、「平和の定着構想」を発表しました。支援策はこれに基づき展開されています。
平和の定着は「和平プロセス」「国内の治安」「復興・人道支援」の3つの要素からなり、三脚のようにどの一つが欠けても成立しません。
(平和の定着構想概念図)
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また、緒方貞子アフガニスタン支援総理特別代表は、2002年1月と6月、2003年7月の三度にわたりアフガニスタンを訪問し、カブールのみならずヘラート、カンダハール、マザリシャリフを含めた地方視察を行い、日本の支援について広範な助言を行っています。
日本は、すべての分野の支援実施にあたり、女性の地位向上、NGOとの連携を特に重視しています。また、アフガニスタン国民のニーズを勘案し、食糧供与といった人道支援から生活基盤整備・インフラ整備・雇用創出などの復旧・復興支援へ継ぎ目なく移行していくこと、人々の目に見える支援を早急に実施すること、及び支援の遅れている地方への展開を実現することを目指し取り組みを行っています。
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