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中・東欧諸国の向かう先は?
~日本の対中・東欧政策を考える~


欧州局 中・東欧課 倉井高志課長に聞く

収録:平成14年11月29日

慶応義塾大学法学部3年 村上翼さん
慶応義塾大学法学部3年
村上翼さん

 第二次世界大戦後、長期にわたり共産主義政権下にあった中・東欧諸国。1989年以降、中・東欧諸国は、ヨーロッパへの回帰を強く求め民主化への移行、市場経済の導入に取り組んできた。その過程において日本の支援が果たした役割は極めて大きい。近年、日本からEU加盟を目前とした中・東欧諸国への直接投資が増加し、新たな市場としても注目を集めている。そこで今回は中・東欧諸国へのEU拡大と日本の対中・東欧政策について倉井 高志 欧州局中・東欧課長にお話を伺った。(村上)


村上:欧州委員会は2002年10月、本年内に中・東欧諸国など10ヶ国(ポーランド、チェコ、ハンガリー、エストニア、スロベニア、キプロス、ラトビア、リトアニア、スロバキア、マルタ)との交渉を完了し、2004年にEU同時加盟することを勧告しました。そもそもEU(欧州連合)を中・東欧諸国まで拡大する目的と背景は何でしょうか。

倉井:中・東欧諸国のEU加盟の背景は、(1)中・東欧諸国側から見た背景と(2)EU側から見た背景に分けることができます。
 (1) 中・東欧諸国側から見たEU加盟の背景には、第一に彼らのアイデンティティの確保があります。冷戦時代、中・東欧諸国は政治的、経済的にソ連の影響下にあり、困難な時代を経験してきました。冷戦終結後、自分たちの民族・国家の本質的性格はやはりヨーロッパにあるという非常に強い思いを持っています。ですから、ヨーロッパが一つにまとまりつつある中でEU加盟が政策目標になったことは、ごく自然な流れであったわけです。第二は、中・東欧諸国の経済発展のためです。1989年の東欧革命以後、中・東欧諸国は社会主義体制から資本主義体制への移行を図ってきました。彼らの資本主義体制への転換は、具体的、現実的には、EUの加盟基準を達成するというプロセスのなかで実現されてきたのです。つまり具体的な経済改革は、EU加盟の基準達成ということになるのです。よって彼らにとってEU加盟とは経済発展に欠かせない政策目標の一つと位置付けられます。
 では次に、(2)EU側から見た中・東欧諸国加盟の背景ですが、まず最も重要だと考えられるのが政治的動機だといえます。中・東欧諸国をEUの枠組みのなかに取り込むことは、紛争(90年代の旧ユーゴ問題)や民族問題を解決し、政治的安定を構築し、ひいては、ヨーロッパ全体の安定につながるのであり、EUにとっても大きなメリットになります。戦後間もなく設立された欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)は、正に、欧州の主要な対立軸であった独仏両国が、石炭と鉄鋼を共同管理することから始まりました。このように、政治的安定を図るためには産業と軍事の基盤である経済的な安定が重要であるという、欧州統合に向けた基本的発想が、現在の中・東欧諸国への拡大の考え方にも見られるように思います。第二に、冷戦期における中・東欧への西側的価値観の浸透が挙げられます。大きな歴史的流れからして、冷戦時代を通じて中・東欧諸国への西側的価値観の浸透をはかり、西側世界へのとりこみに努めてきた欧州が、冷戦が終わっていよいよ中・東欧諸国が欧州への同化を求めてきた時に、これを拒否するという選択肢はありえませんでした。ですからEUが中・東欧諸国を取り込んでいくことは、たとえ加盟までの道のりが困難であったとしてもEUと中・東欧諸国双方にとって利に資するものであると考えています。

村上:EU加盟の条件としては、約30章(*)の加盟基準をクリアすることが必要ですが、中でも「農業」、「財政・予算」、「競争」、「機構」の章は交渉の難航が予想されています。勧告を受けた上記10ヶ国の中・東欧諸国は、これらの章についてEU側とどのようなの妥結の見通しがあるのでしょうか。

倉井:まず「農業」、「財政・予算」、「競争」、「機構」の章が残ってしまった理由ですが、これらを除く他の章は中・東欧諸国がいずれにせよ改革の中でクリアしなければならない項目であるのに対して、「農業」、「財政・予算」、「競争」は金銭的な、「機構」は政治的なトレードオフの問題が絡んでいることがあります。つまり利害対立が生じる分野であったために最後まで残ってしまったのです。特に「農業」、「財政・予算」は、金銭の拠出と享受のバランスからEU既加盟国間の対立、EUと中・東欧諸国の対立など、複雑な利害の対立が生じる分野だと言えます。ただ、これらの問題についても、2002年12月のコペンハーゲンでの欧州理事会までには何らかの形で妥結を得ることが見込まれています。(:その後12月のコペンハーゲン欧州理事会では、全ての分野につき交渉が妥結、10ヶ国の新規加盟国との交渉終了が宣言された。)

村上:EU既加盟国と中・東欧諸国を中心とした新規加盟国との間には大きな経済格差が存在します。経済格差が大きいことからユーロ導入の時期も不透明にならざるをえません。こうした格差是正にどのような対処を講じるべきだとお考えですか。

倉井:既加盟国間ですでに存在する経済格差が、中・東欧諸国の加盟でますます広がることは確かにおっしゃる通りです。例えば、現在のEU加盟国、15ヶ国のGDP平均値は2万2000ドル程度であるのに対し、拡大後、10ヶ国の新規加盟国を加えた25ヶ国のGDP平均値は1万5000ドル程度となることが予想されます。また、中・東欧諸国の加盟でEU全体の人口は2割強増加する反面、GDPの伸び率は4%程度しか期待できません。これは全体の経済格差が拡大することを示しています。この経済格差を是正していくための重要な政策の一つが、EUの構造政策ですが、例えば、2006年までに経済格差是正のための構造基金を230億ユーロ確保することが決定されています。勿論、経済格差の是正は本質的には中・東欧諸国自身の努力にかかっている訳ですが、例えばチェコなどは、両大戦間は世界有数の工業国であり、現在でも優秀な人材が揃っていることにみられるように、中・東欧諸国は本来、大きな潜在力を有していることを指摘しておきたいと思います。

村上:ブルガリア、ルーマニアのEU加盟時期が2007年に設定されています。この二国のEU加盟にはどのような対策が求められているのでしょうか。

倉井:現時点において、2007年の加盟はあくまで目標であって決定ではありません。11月現在、ブルガリアの加盟基準達成章数は22、ルーマニアにおいてはまだ15しかクリアできていません。まだまだ先は長いのですが、現在、EU基準に合った立法措置の整備、EUとの政策協調が進められています。なかでも特に重要なのは、法の執行性の確保であり、組織犯罪の取り締まりを強化していく必要があると考えます。ただ、やるべきことが多いとはいえ、ブルガリアとルーマニアは猛スピードでEU加盟に向けて努力していることは確かであります。もちろんEU側も将来、両国を含んだEUを思い描いているわけですから、何とかEU加盟を達成してもらいたいと願っている次第です。

村上:EUは2003年までにEU独自の軍隊、緊急対応部隊の創設を予定していると聞きます。こうした動きのなかで、東側陣営にいた中・東欧諸国がEUに加盟することによって、NATO及びロシアに与える影響について教えて下さい。

倉井:まず、EUが創設する緊急対応部隊が、近い将来、NATOにとってかわるような単一の自律的な軍事組織となる事態を想定することは難しいと考えます。現時点での緊急対応部隊の役割は、NATO加盟国の域外で人道支援や平和維持の任務を緊急展開していくことにあります。これに対して、11月のNATOプラハ首脳会談でアメリカが提案したNATO即応部隊は、NATOの域内外を対象とし、NATOの任務のすべてを即応部隊の任務としました。EUによる緊急対応部隊の創設は、あくまでNATOと相互補完的な役割を持たせることを想定していますので、NATOに代わるものではないと思います。そうした前提に立つと、中・東欧諸国がEUに参加し、かつNATOに参加する場合には、軍事情報の管理と武器の輸出入管理の問題が非常に大きいといえるでしょう。つまり、単一の軍事機構のなかで軍事力としていかに効率よく運用できるのか、どれだけ本格的に彼らが取り組んでいくのかにかかっているのです。
 ここでロシアへの影響についてですが、まずNATOとロシアの関係に触れておくと、ロシアは90年代後半に中・東欧諸国のNATO加盟が具体化すると強い反対の態度を示していましたが、近年の国際情勢の変化の中で、特に、2001年の9.11以降、ロシアとアメリカ、ロシアとEUとの関係は協調的な要素が濃くなりつつあります。また、冷戦後、NATO自体の役割も集団防衛から危機管理を中心とするものへと大きく変化しました。このように、国際情勢の変化とNATO自体の変化の二つが見られる中で、ロシアとしては、NATOとの協調関係を維持しつつ、むしろNATOの意思決定にできるだけ参画したいという方向性をとるようになってきたものと思われます。先日のプラハ首脳会議ではイワノフ外相自身が、「NATOの拡大は、もはやロシアにとって脅威ではない」と発言しています。中・東欧諸国のNATO加盟がNATOとロシアとの関係を悪化せしめるということにはならないと思います。

欧州局 中・東欧課 倉井高志課長"
欧州局 中・東欧課 倉井高志課長
村上:2001年12月のラーケン欧州理事会においては、リスボン戦略にみられる雇用拡大を中心とした欧州雇用対策の達成に向けた努力が確認されました。(:リスボン戦略とは、2000年3月に、「より多くより良い雇用とより強い社会的連帯を確保しつつ、持続的な経済発展を達成しうる、世界で競争力があり、かつ力強い知識経済になる」という今後10年間のEUの目標を確定したもの。)
 欧州諸国自体が既に失業問題を抱えている中、先程おっしゃられたように、加盟予定国の失業率はそれと同等乃至はそれ以上に高い数値を示しています。こうした高失業率対策として欧州雇用対策が期待されますが、その具体的な内容はどのようなものなのか。また、右対策により中・東欧諸国の失業率は改善すると思われますか。


倉井:雇用問題はEUのなかでも非常にプライオリティの高い問題です。70年代のオイルショック以降、徐々に失業率が上昇し、94年のEU加盟国の失業率平均値は11%を記録しました。最近(2001年現在)では、7.6%まで改善していますが、欧州で高失業率が続く原因は何なのか。最大の原因は、労働市場の硬直性にあると考えられています。具体的には、労働コストの高さや社会保障の観点から労働者の流動性を妨げていることが挙げられるでしょう。EUは90年代以降、労働者の移動を含めた社会政策に本腰を入れ始め、93年のドロール白書、97年の欧州雇用戦略、2000年のリスボン特別欧州理事会での完全雇用「指針」などを示し、それに基づいて各国が努力してきました。問題の中・東欧諸国もEU加盟後、EUの指針に沿って国内政策の一環として失業問題に取り組んでいくわけですから、EU加盟が直ちに失業率の改善に自動的につながるわけではありません。やはり、一言で言えば中・東欧諸国の努力次第だといえます。

村上:2001年7月に田中外相(当時)がチェコ及びユーゴスラヴィアを訪問するなど、近年、日本と中・東欧諸国の関係強化がはかられています。特に、日本からEU加盟を目前とした中・東欧諸国への直接投資が増加していますが、日本から見た中・東欧諸国における投資シェアは、全体の1%にも満たないのが現状です。日本から見て中・東欧諸国市場の魅力とは何ですか。また現在、日本からの直接投資が期待される産業分野と我が国と中・東欧諸国との二国間貿易など経済関係の強化について教えて下さい。

倉井:経済的な観点から見て中・東欧諸国の市場の魅力は、第一に賃金が比較的安価で、良質な労働力が存在するということ、第二に、巨大なEU市場と近接している地域であるということです。EU市場へのアクセスには輸送手段等のインフラの確保が不可欠ですが、将来的にはロシア市場とも関連づけられるメリットがあるでしょう。しかも、中・東欧諸国の加盟でEU市場が拡大し、ユーロの導入や輸出入に関する基準の統一化が進めばEUからの輸出入を今まで以上に簡易かつ迅速にできるといった利点があるのではないでしょうか。日本のビジネスマンが世界を見回せば、アメリカ、中国、韓国そして東南アジア等が市場としてまず目に入ってくるでしょう。そのような中で、中・東欧は、日本にとって第一義的な市場ではないにせよ、上記のメリットから日本のビジネスマンが一定の関心を持っていることは事実です。日本からの直接投資ではやはり製造業が中心で、乗用車・電化製品等の投資が多いのが特徴です。次に貿易に関してですが、日本からの輸出は工作機械、乗用車、電化製品などが多く、原材料、軽工業品などを中・東欧から輸入しています。しばしば日本の輸出超になっていることが多く、これは中・東欧への投資に伴う輸出増加に対して、原材料を日本から輸入するケースが多いためです。
 では、どのように経済関係を強化していくのか。日本と中・東欧諸国は、発展の余地が高く将来的に双方にとってメリットのある協力関係を構築できると、私は考えています。ベースとしてお互いに強固な経済関係が必要でしょう。ですから、国同士の強固な経済的基盤を構築するためにお互いの政府は関税や投資に関する環境整備を行っていくべきだと思います。日本との貿易、投資を促進させる余地があるのであれば、双方が努力を惜しむべきではないと考えます。

村上:次は南東欧諸国(ルーマニア、ブルガリア、アルバニア及び旧ユーゴスラビア地域)について教えて下さい。これまで我が国は、南東欧地域に対して、過去10年間で総額10億ドルを越える有償、無償及び技術協力を行ってきました。特に旧ユーゴ地域については、ボスニアでは1995年のデイトン合意を受け約4年にわたる紛争が終息、マケドニアでは2001年8月にマケドニア・アルバニア両系政党間で政治合意が成立しましたが、根強い民族間の相互不信と対立のため和平促進は容易ではありません。そのような中で日本は、旧ユーゴにおける紛争地域発生時より、UNHCRなどの国際機関を通じ、人道・難民支援、周辺国支援を実施してきました。
 これらの諸国に対する日本の経済協力(ODA)は、そもそもどのような考え方で、どのような分野に対して行われているのですか。また、他のDAC主要援助国や国際機関との関連を含め教えて下さい。


倉井:旧ユーゴ地域に対する日本の経済協力は、各対象国に対する人道支援、復興支援が中心ですが、日本は2つの考え方の下で経済協力を行っています。第一に、紛争後各国の国家建設の歴史の中に「日本との協力」という1ページを残したいと考えています。相手国の政府・国民が、紛争後の国家の再建という非常に困難な時期に、他ならぬ日本が協力してくれたという認識を持つことは、当該国との関係においては勿論、世界における日本の評価という意味でも極めて重要です。第二に、国際社会との協調です。特に旧ユーゴの問題では、EU、国連、OSCEなど国際機関との協力、またG8の一員としても国際社会全体として協力する責務があると考えています。次に、経済協力の具体的分野ですが、大きく分けて(1)人道支援、(2)復興支援、(3)民主化支援の3つに分類できると思います。(1)人道支援は、食糧、医療、難民帰還、物資などの支援を指します。(2)復興支援は、紛争によって破壊された住宅、学校の復旧、工場の建設、公共物、電力整備などが中心です。例えば、ボスニア・ヘルツェゴヴィナのサラエヴォ等の都市に提供したバス(合計約150台)は大変評判が良いと言われています。しかも、バスの車体に日本のODAシンボルマークがついていることから、走行するバスを見て道行く人々は、日本からの経済協力だと知ることができるのです。来春には、ユーゴスラビアのベオグラードにも100台近くのバスを供与する予定です。(3)民主化支援は、選挙の公正な実施のために、選挙監視要員の派遣、選挙実施経費の負担が主な活動内容です。因みに、日本のこの地域への二国間支援を金額ベースで見ると、クロアチア及びアルバニアを除きどの国に対しても上位5位以内に入ります。
 最後に、他のDAC主要援助国や国際機関との関係に関してですが、当然、協調関係を重視しています。その理由の一つは、各国や機関の専門的知見が使用できることにあるでしょう。例えば、難民支援ではUNHCRの経験と専門性の高さから協力による支援の効率化が期待できます。もう一つの理由は、ODAのスキームとの関係です。例えば、日本からのコソボに対する支援は、すべて国際機関を通して行っています。コソボはユーゴスラビアの一部として独立して管轄されている地域であり、国ではありません。日本のODAは国家間同士の援助であることが条件ですから、コソボへの直接支援はできないことになります。こうした事情から国際機関を通した支援が必要になるのです。国際機関との協力は今後も活発化していくと思います。

村上:引き続きお伺いします。日本の経済協力にはどのような特徴があるのでしょうか。また受け入れ国からはどのように評価されていますか。

倉井:受入国からしばしば指摘されることは、日本の支援は、「確実」に実施されるとの評価です。日本は綿密な事前調査を行い、計画を作成しますが、一旦決定されたならば、日本の支援は迅速に、かつ必ず実施されるという信頼性があります。日本が計画通りに確実に実施するということは、相手国にとって、実にありがたいことなのです。もう一つは、日本の支援には何か隠された意図というものはなく、真に受け入れ国にとって必要な物を人道的観点から供与するということです。中・東欧諸国は、日本が純粋な気持ちから自分たちのために支援を施してくれているのだと評価しています。

村上:以上の質問を踏まえて、今後も中・東欧諸国と日本の協力関係を維持していくために、日本に求められていることは何だと思いますか。お聞かせください。

倉井:今後の協力関係の発展には、双方に努力が求められていると思います。長い目でみれば、ほとんどの中・東欧諸国がEUへ加盟することが予想されますから、日本と中・東欧諸国という関係のみならず日欧関係全体の文脈で協力関係を発展させていくべきでしょう。これは、日・EU関係の強化にも欠かせません。では、そのために何をなすべきかと言いますと、一般的な言い方をすれば、政治対話の促進、経済関係の強化ということになりますが、そのような関係強化の大前提として、何よりもまず、日本と中・東欧諸国が互いに国益を共有し得るという認識を双方が明確に持つことが大切だと考えます。私の考えでは、日本と中・東欧諸国間には、より一層協力関係を深めていける基盤があります。それは、第一に歴史的に見て両者間には負の遺産が全く無いこと、第二に戦後、急速な経済成長によって日本が復興を成し遂げたことや、日本の支援などもあって、全体的に中・東欧諸国は日本に対して良い印象を持ってくれていること、第三に共産主義からの脱却と体制転換を通じて価値観の共有が可能になったことです。以上のような認識に立ち、今後も日本と中・東欧諸国の協力関係を更に発展させていきたいと考えています。

村上:本日はどうもありがとうございました。

【インタビューを終えて】
 EU加盟を控え活気付く中・東欧諸国。これまでの経済援助に見るように、日本と中・東欧諸国は援助国と被援助国という図式で見られがちであった。今後もEU加盟に向けた支援や旧ユーゴ地域における紛争解決のための人道、復興支援は継続されていくだろう。しかし、こうした経済的な支援に加え、日本と中・東欧諸国は、いわば対等な視線から、お互いに利益を見出せる関係を構築していくことが求められている。そのために両者に課せられた問題は多い。日本と中・東欧諸国は、どこまでより緊密で中身の濃い協力関係を築いていけるのか、今後の双方の動向は注目に値する。(村上)

(*全31章:「物の自由移動」「人の自由移動」「サービスの自由移動」「資本の自由移動」「会社法」「競争」「農業」「運輸」「税制」「経済通貨統合」「統計」「社会政策・雇用」「エネルギー」「産業」「中小企業」「科学・研究」「教育・職業訓練」「テレコミ・情報技術」「文化・視聴覚」「地域政策」「環境」「消費者保護・保健衛生」「司法・内務」「関税同盟」「対外関係」「共通外交安全保障政策」「財政規律」「財政・予算」「機構」「その他」)



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