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外務本省

外務省改革「行動計画」

平成14年8月21日

はじめに

 今日、我が国を取り巻く国際環境が大きく変動する中、我が国を含むアジア・太平洋地域の平和と安定の確保や、テロ、軍縮、開発、環境、貿易問題等国際社会が共通して抱えるグローバルな諸課題への取り組みにおいて、我が国は自らの考えと国益に立脚した主体的な外交を展開する必要がある。このため、外務省は、「改革」を通じ、一連の極めて遺憾な出来事で失った国民の信頼を一日も早く取り戻し、我が国の安全と繁栄を確保すると共に、アジア・太平洋地域及び国際社会の一員として応分の責任を果たすべく、外交構想力を磨き、外交イニシアティヴを果敢に発揮しなくてはならない。
 こうした強い決意と危機感を持って、今般、外務省改革「行動計画」を策定した。この「行動計画」は、先般発出された「変える会」最終報告書の提言実行を基本としつつ、自民党「外務省改革に関する小委員会」の提言や外務省内の若手職員を中心とした「変えよう!変わろう!外務省」の内からの改革提言を含む省内における議論を踏まえ、川口大臣の陣頭指揮の下、とりまとめられたものである。本「行動計画」は、

21世紀の新たな国際環境を見据えた日本外交を積極的に展開すべく、組織として政策構想力と危機対応能力を強化すること
省員の意識改革と徹底した競争原理の導入を図ること、
外交施策の透明性と効率性を確保すること、
更には国民への行政サービスの向上を目指し領事業務を強化すること


を主眼とし、改革の実を挙げるため、出来るだけ具体的な内容とし、実施期限も明記した。それら項目の主な点を列記すると、

政・官の在り方について、閣僚懇談会の申し合わせを踏まえつつも、文書化を明確にし、また政務本部を設置することとした。
外務省職員の行動規範を定め、職員の意識改革を徹底させることとした。
競争原理の徹底に関して、I種職員について従来の昇格システムを廃し、淘汰の徹底を図り、本省課長を経験しない者は原則として大使に任用せず、大使の業績についても厳格な評価を毎年下すシステムを採用する。また、専門職職員とIII種職員の一層の能力開発とそのための研修の強化を図るとともに、専門職職員については大使ポストの2割程度はこれら職員から登用すべく積極任用に努めること、更には公募制度の拡充や下からの評価を含む厳しい人事評価制度の導入を図ることとした。これらは、霞が関でも新たな試みであり、強い外交官の輩出を目指したものである。また、この2月以来、外部人材の本省幹部や在外公館の大使、公使への起用に努めてきており、今後とも有能な外部人材の発掘や外部との人事交流の活発化を図っていく考えであり、今後3年以内に主要国を含む大使ポストの概ね2割を目安として外部の有能な人材を大使に任用すべく、これまで以上に努力することとした。
強い外交を展開する上で、政策構想力の強化は焦眉の急であり、外交戦略目標の設定、外交政策評価パネルの設置、総合外交政策局の機能強化と地域局との連携強化などの措置をとることとした。
在外公館の設置状況を見直し、公館の統廃合に初めて本格的に着手することとした。その一方で領事出張サービスの倍増や「領事シニアボランティア」制度の設立などを含む領事サービスの大幅な改善措置を導入することとした。
ODAの効率化・透明化を更に推し進め、NGOとの連携強化を図ることとしたほか、予算の効率的使用と透明性の確保につき、一段と厳格な執行措置を執ることとした。
更に、我が国の外交政策を内外に力強く発信するための広報体制及び国民の意見を敏感に吸収する広聴体制を拡充することとした。


 外務省改革は不断に推し進める必要がある。改革を強力に推進するため、外務大臣を本部長とする「改革推進本部」を本日付けで設置した。この「改革推進本部」は、今回発表した「行動計画」の達成を確実なものとすると共に、外務本省の組織の見直し問題を始め、引き続き検討すべき課題につき鋭意検討作業を進め、10月にも中間とりまとめを行った上で、本年末を目処に結論を出す考えである。
 なお、この行動計画は、外務省としての改革の姿勢を示すものであり、今後、予算・定員・機構要求が必要な事項については、平成15年度以降の概算要求に順次反映していくこととする。


行 動 計 画

I. 政・官の在り方 VIII. 広報・広聴体制の再構築
II. 外務省職員の意識改革 IX. 大使館などの業務の見直し
III. 人事制度の再構築 X. 政策立案過程などの透明化
IV. 秘密保持の徹底 XI. 危機管理体制の整備
V. ODAの効率化・透明化 XII. 政策構想力の強化
VI. 外務省予算の効率的使用
透明性の確保
XIII. 事務の合理化
VII. NGOとの新しい関係 XIV. 外務省改革実施体制


I.政・官の在り方

 7月16日の閣僚懇談会における「政・官の在り方」に関する申し合わせと「変える会」最終報告書を踏まえつつ、外務省として以下の措置をとる。

1.文書作成義務 【本年9月1日着手、10月末までに実施】

文書管理規程を改正し、次の3類型に関する国会議員からの意見提出について、文書化する。その際には、省員側の応答も記録する。作成した文書については、閣僚懇談会申し合わせのラインで確認を行い、内容確認は、下記2.の政務本部を通じ行う。(内容確認の際に政側と官側で意見が異なり、最終的に意見の調整がつかない場合には、両論併記として保存する。)

採用・昇任等の人事管理
許認可・補助金交付決定等の事務事業
それ以外の政策・施策に関する意見提出のうち、大臣の事務統括権限に支障が生じ得るもの。


2.政務本部の設置【本年10月末までに設置】

以下の通り、大臣指示の拡充等の措置を講じ、国会や政党(特に部会)との連絡をはじめ政務関係事務の担当を明確にする。

大臣を本部長とし、副大臣・政務官と次官等からなる政務本部を設置する。
副大臣は国会や政党との連絡事務等を統括する。
政務官は、副大臣の統括の下、政務補佐要員(現在の国会担当の官房審議官・参事官、条約局審議官、官房総務課国会班)とともに国会や政党との連絡事務に参画する。
副大臣主宰で政務官と官房長等の事務方との連絡協議を定例化する。


II.外務省職員の意識改革

1.外務省職員に対する「使命」感の付与 【直ちに実施】

外務省研修所における新入省員研修、首席事務官研修、外部からの出向者をも含む在外赴任前研修等、あらゆる研修機会を活用して、外交業務に携わるに当たっての使命感を徹底する。

本省各部局においても、それぞれの部局が積極外交を推進し、国益を推進する上で期待される役割につき、各局長の責任で職員の指導を徹底する。

在外公館においては、我が国の国益増進の最前線に立っているとの認識の下、館長自らが陣頭指揮に当たるとともに、館長が責任を持って館員を指導し在外公館が一体となって外交業務に邁進する体制を作る。

この関連で、外務省員行動規範(別添1参照)を定め、徹底する。


2.在外公館の対応の改善

(1) 在外公館の対応についての外部アンケート調査【本年9月着手、12月末までにとりまとめ完了】

本年度中に一部の在外公館について、在外公館に対する意見や要望につき、在留邦人よりアンケート調査を試験的に実施し、今後の業務に活かす。その結果を踏まえ、必要であれば来年度以降もこれを継続する。


(2) 在外公館窓口業務体制の改善【実施中】

窓口時間の延長を実施済み。引き続き上記(1)のアンケート調査結果を踏まえ、一層の改善を図る。


(3) 大使、総領事等の領事事務への従事

本年夏より若手I種・専門職職員を語学研修終了直後から、約1年間在外公館において領事業務に従事させている。【実施中】
大使、総領事などの在外公館幹部についても、領事事務への監督責任を改めて明確にし、領事出張サービスなどにも参加させる。【本年9月より実施】


3.在外研修員に対する外交旅券の付与の廃止 【本年9月付以降の発令者より実施】

在外研修員に対する外交旅券の付与は、原則として廃止する。


4.法令の遵守(公務員倫理法・同規程及び現地法令の遵守・尊重) 【直ちに実施】

国家公務員倫理法・倫理規程の遵守及び在外公館における現地法令の尊重について、省員に改めて周知徹底する。


5.言葉遣いと夫人間の関係 【直ちに実施】

在外公館において、館員の配偶者の果たすべき役割は重要であるが、配偶者間に上下関係がないことを再確認する。また、職員の言葉遣いの改善についても改めて周知徹底する。


III. 人事制度の再構築

1.競争原理の徹底・職員の淘汰

(1) I種職員の自動的な昇進の廃止【直ちに実施】

I種職員の大半は、これまで特段の事情が無い限り、ほぼ同期一律で11級まで昇格してきたが、今後は、これを廃止し、能力本位の原則に基づき、より厳しい昇格審査を行う。特に、11級及び10級への昇格については、原則として、特定の管理職ポスト(11級については重要課長相当ポスト、10級については課長相当ポスト)への昇任を条件とする。(本省の課長相当ポストに昇進しない者については、9級までで昇進がストップすることになる。)
その過程で10級に昇格しなかった職員について、その後の研鑽如何では昇進する可能性(セカンド・チャンス)を残し、組織の活性化を図る。


(2) 専門職、III種職員のキャリア・パス(異動・昇進コース)【直ちに実施】

専門職職員は、地域専門家あるいは軍備管理や環境、テロ、貿易などの専門家として養成され、活躍することが期待されている。そのキャリア・パスは、別添2の通りであるが、今後、一層その能力を活用するため、成績優秀な者については大使館の政治部長等のポストへの任用等を積極的に行っていく。また、特定の専門分野に加えて管理能力も備えていると認められる職員については、若いうちから首席事務官等のポストに任用し、訓練を施し、大使・総領事や本省幹部への昇進の機会を積極的に設けていく。
III種職員についても、誇りを持って仕事に励みうるような体制づくりを行う。具体的には、(1)会計、(2)情報通信(IT)、(3)領事、(4)総務・渉外等、主に四つの分野で専門家を養成し(但し、この四分野に限るものではない)、語学を含めた研修を強化する。また、本省では係長や課長補佐、更には室長、在外公館では管理部長や情報通信部長などの地位に昇進させ、特に優秀な者については公館長にも抜擢する。そのキャリア・パスは別添2の通り。


(3) 大使の任用

適材適所の原則の下、最適の人材を大使に任用するため、省内での競争を強化するとともに、省外からの適材の発掘に努める。【直ちに実施】
大使任用に当たっては、厳格に能力・資格を審査すべきであり、I種職員については、本省の課長ポストを経験しなかった者は原則として大使に任用しない。(注:本省の課長ポストには、中央官庁の課長は含まれる。)【直ちに実施】
外務省専門職職員からの大使任用に当たっても、同様に厳格に能力を審査するが、「変える会」最終報告書の提言(経過措置として大使ポスト2割程度を専門職)に沿って、管理能力を備えた優秀な専門職職員については、課長相当ポストを経験させた上で、これまで以上に積極的に大使に任用する。【直ちに実施】
課長等の中堅職員についても、能力・適性に応じて大使に任用する。【直ちに実施】
外部の有能な人材の大使任用については、本年2月以降、今夏までに、本省幹部及び大使等に外部の有能な人材10名を任用する方針を明らかにし、実績を上げてきているが、今後、最終報告書の提言(「目安」として今後3年以内に主要国を含む大使ポストの概ね2割に外部の有能な人材を任用)に沿って、これまで以上に積極的に外部人材の大使任用を行う。【直ちに実施】
その過程で、「本省・在外の幹部ポストに民間人を起用する際の基準」の見直しを行う。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
「変える会」最終報告書の趣旨を踏まえ、「大使人事選考委員会」を設ける。(同委員会の構成及び具体的役割について早急に検討し、結論を得る。)【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
大使の業績について、その活動実績について厳格な評価を毎年行い、下からの評価とあわせ、総合的に判断し、その後の人事に反映させる。【直ちに実施】また、3年後に大使人事の運用状況の検証を行う。【3年後に実施】
評価方法は、「変える会」最終報告書の提言をベースとして更に詳細を詰める。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
大使の任期については、3年を一つの目処とし、任国の事情や業績を見つつ判断する。【直ちに実施】
省外から大使を任用する際には、研修及び事前ブリーフィングを含め必要な支援体制を整える。【直ちに実施】


(4) 大使の再就職【直ちに実施】

特別職である大使の再就職について、国家公務員法第103条及び人事院規則「営利企業への就職」に規定された基準を準用する。


(5) 国際機関への出向、外部との人事交流の拡大【直ちに受け入れ側との間の協議を開始】

国際機関への出向の増大や各省庁、地方自治体、民間企業との人事交流など、今後さらに外部との交流を進める。この交流に当たっては、若手職員クラスから幹部職員まで幅広い交流の促進を図る。また、将来的には、課長昇進前には国際機関への出向ないしは他省庁等への出向を経験するような人事政策を行うべく、今後、ポストの拡充を図る。
その一環として毎年10名を目標に若手I種・専門職職員を地方自治体に出向させる。


(6) 事務次官ポストの在り方【直ちに実施】

事務次官は省の事務方の最高ポストであり、その任期については、ある程度長期にわたることが望ましく、少なくとも当面は改革の重要性に鑑み、その任期について3年を目途とする。事務次官の退任後、大使に任用するか否かについては、あくまで適材適所の観点に立ち、公正・厳格に判断する。


2.公平性、客観性、透明性、予測可能性のある人事制度の確立

(1) 公募制の拡充【直ちに検討に着手、本年12月末までに作業完了】

8月に行われた初めての公募制に基づく人事異動の結果(注)を踏まえつつ、今後も公募制の対象ポストをさらに拡充し、実施方法についても公募条件の緩和等、より多くの職員が公募に応じられる方向で改善する。(注:8月1日に発表された省内公募の結果、計21のポストに応募者が任用され、その中には専門職職員の本省課長への任用も含まれている。)


(2) 評価制度の改善【直ちに検討に着手、本年12月末までに作業完了】

本年初めて実施された部下から上司への評価制度について、本年の実施結果を精査し、評価者、被評価者の範囲及びその形態の見直しを含め、その拡充を図る(別添3参照)。また、自己研鑽を奨励するため、研鑽の成果を人事当局に提出、その成果を人事評価の要素とするなどの措置をとる。


(3) 特定語学研修職員に関連する人事配置【直ちに実施】

大使館や地域局課の人事配置について、特定語学研修職員とそれ以外の職員とをバランス良く組合せるとともに、同一語学職員だけで特定ポストが固定化されることのないようにする。


(4) 子弟の採用

現職職員の子弟の採用については、これまでも子弟であるか否かに関わりなく、公正な試験により適材を採用してきたが、今後も引き続き厳正な選考を行う。


3.研修制度の抜本的強化

(1) 在外赴任前研修【本年8月より実施】

より実務に直結した研修を管理職職員も含めた形で行う。その第一歩として、本年8月から在外公館長を含む在外公館赴任予定者に対して、危機管理を含む事項について集中研修を実施する。


(2) 学位の取得、語学力の向上

入省後の在外研修は語学力の向上を主な目的としているが、主に英語圏の研修員については、学位取得(MA等)を原則とする。【直ちに実施】
I種・専門職職員双方が英語とそれ以外の専門語を研修する制度に変更することの適否につき早急に検討する【直ちに検討に着手、平成14年度中に結論】。また、公館長を始めとする在外赴任者が、自己の習得語学以外の国に赴任する際の語学研修を拡充する。【平成15年度予算要求に反映】


(3) 職員の専門家能力向上のための支援【直ちに実施】

I種・専門職職員については、外交政策ペーパー(企画案)の作成や省員有志による勉強会への参画を奨励する。特に、専門職職員については、地域専門家あるいは軍備管理や環境、テロ、貿易など分野別の専門家としての能力向上のため、研究課題を各々に与え、研究会などの場で成果を発表する機会を与える。
国際関係の講座のある大学で、それぞれの専門分野を活かして講師を務める等、大学その他の研究機関との連携を強化する。


(4) III種職員の研修の拡充【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】

III種職員の語学力向上は緊急の課題である。このため、本省及び在外での研修の抜本的な強化を図る。


(5) 研修中の名称【直ちに実施】

在外研修期間中、I種職員と専門職職員はともに外交官補に発令する。


4.人事にかかる体制の見直し

人事当局の体制を大幅に強化する。特に、最も人数の多いIII種職員について、より定期的かつ木目の細かい人事を行う体制を整備する。【直ちに検討に着手、平成15年度概算要求に反映】
地域調整官などシニアな専門職職員により大きな権限と責任を付与するため、現行の総務班制度の在り方を見直す。(別添2の「専門職職員のキャリア・パス」参照)【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】


5.業務の合理化等

外務省の定員については、主要各国の外務省と比較しても少ない陣容であるので、増大する業務量に適切に対処するためにも、

(1) IT化及びアウトソーシングを進めるなどして業務の合理化を図る。【直ちに実施。平成15年度予算要求に反映】
(2) 平成15年度以降の定員要求等を通じて、引き続き、定員の適正配置の推進を含め、人員面での体制強化に努める。【平成15年度概算要求に反映】


6.休暇制度の見直し【直ちに調査に着手、本年12月末までに結論】

休暇帰国制度等について、民間の制度・慣行を調査の上、見直し作業を行う。


IV.秘密保持の徹底(秘密保全体制の抜本的見直し)

1.包括的保秘対策の構築【直ちに実施】

各種情報活動に対する対策を構築する。
各種研修等の拡充を通じ全職員に保秘に対する指導・教育を徹底する。
保秘専門家を育成する。


2.以下の方針に基づく秘密保全規則の大幅改訂【直ちに検討に着手、本年10月末までに実施】

(1) 秘密指定区分の再定義

秘密(秘・極秘)指定区分は、情報公開法第5条(不開示情報6項目)と連携させながら再定義する。また、秘密指定区分上の位置づけが曖昧な「取扱注意」を廃止する。


(2) 秘密指定期間の創設

文書保存期間とは別に「秘密指定期間」を創設し、それぞれの秘密文書について定期的に秘密指定解除の要否を見直す。


(3) 省外への秘密情報提供に関する統一的ルールの確立

守秘義務を負わない省外(含:国会議員)からの秘密情報の提供依頼への対応に関して統一的ルールを創設する。同ルールにおいては、守秘義務を負わない省外への秘密情報の提供は、秘密指定解除を終えたもののみとすることを原則とし、また、秘密指定解除における秘密指定権者の役割を明確に定める。


(4) 秘密漏洩調査体制の強化

秘密漏洩の事実又は疑いが生じた場合の調査のため、官房長を長とする「秘密保全委員会」(仮称)を新設する。また、必要に応じて保秘状況の定期・臨時検査を行う。


(5) 秘密漏洩者等に対する措置

秘密漏洩に関する部内調査の結果、秘密漏洩の事実が確認される場合、本人に加え、関係法令上適当であれば監督責任のある者についても処分等の必要な措置をとる。


3.情報開示に向けた取組

多くの国民やメディアが関心を有する外交方針、外交政策については、その理念、目的、立案に至った経緯、期待される効果などについて、ホームページ等を利用し、一層積極的に説明する。【直ちに実施。平成15年度予算要求に反映】
外交政策に関する重要文書(ただし、国会上程前の条約・法律案は除く)が政党に提出された場合、自動的に公開する(ホームページ掲載)。【直ちに実施】


V.ODAの効率化・透明化

1.無償資金協力の選定・実施過程の透明性を確保するための施策

無償資金協力の一層効果的かつ適正な実施を図るための小委員会を経済協力局長の下に設立する。【本年12月末までに結論・設立】
無償資金協力の企業選定は、原則一般競争入札とする。【実施中】
7月9日に発表した「ODA改革・15の具体策について」に沿って、外部監査を拡充する。【直ちに実施。平成15年度予算要求に反映】
無償資金協力予算については、その効率的執行を確保するため、引き続き繰越明許費の要求を行う。【実施中】
JICAにおける「環境配慮ガイドライン」を改訂し、これに則り援助を行う。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】


2.ODAの評価を拡充し有効性を検証するための施策

経済協力局評価室の移管を組織見直しの一環として検討する。【本年12月末までに結論】
7月9日に発表した「ODA改革・15の具体策について」に沿って、第三者の視点を入れた評価を実施する。【直ちに実施。平成15年度予算要求に反映】
NGOや国際機関との合同評価については、一層拡充する。【直ちに実施。平成15年度予算要求に反映】
被援助国政府・機関による評価の拡充に努めることとし、評価レターとして一定のフォーマットを採用することにつき検討する。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
現行の食糧増産援助制度については、廃止も念頭に抜本的に見直す。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】


3.円借款の債権放棄に関し、国民への説明責任を果たすための施策

円借款供与の検討・決定に際し、債務返済能力を始めとした被援助国の経済・財政状況の検討を一層厳格に行う。その検討結果については、供与の決定を行った翌年度にODA総合戦略会議に報告し、同会議の検討を踏まえて更なる改善を図る。【直ちに検討に着手、平成15年度から実施】
債務救済について、外務省、財務省及び経済産業省の三省を中心に、その在り方について検討し、早期に結論を出す。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】


4.ODAの選定・実施過程の効率化を確保するための施策【本年9月末までに実施】

平成11年11月の閣議口頭了解により設置され、定期的に開催されている、政府開発援助連絡協議会のプロセスを利用するなど、ODAの効率的実施のため、関係省庁の機能・役割の調整につき意見交換を行う。


VI.外務省予算の効率的使用・透明性の確保

1.予算執行の効率性・透明性の確保【直ちに作業に着手、本年12月までに結論。可能なものから平成15年度予算要求に反映】

予算執行の効率性と透明性を確保するため、予算の内容が行政需要に見合うものになっているか、支出手続に改善すべき点がないか等について再点検する。


2.報償費に関する説明責任の範囲に関する措置【直ちに実施】

報償費については、その説明責任を高めるため、基本的に以下の目的に従って使用することを明らかにしてきている。事前決裁に当たっては、このような目的に適っった使用であるかを一層厳格に審査を行う。

(1) 不断の努力によって造られた信頼関係に裏打ちされた人脈を基礎としての的確な情報収集のため。
(2) 外国との交渉や我が国にとっての外交関係を円滑かつ有利に展開するため。
(3) 国際会議等での我が国の議論を正しく理解させるよう、会場の場で様々な関係者に働きかけるため。


また、報償費の具体的な使途を明らかにできないとの制約に鑑み、報償費の適切かつ効果的な使用を一層確保するため、監察査察制度を含む厳格な事後チェックを徹底するとともに、使用の目的や理由を記載した決裁書や関連証拠書類は、引き続き会計検査院の検査を受けるものとする。


3. 調達の見直し・会計処理の一元化の推進【実施中】

予算執行の一層の適正化を確保するため、

7月時点で、原則として会計課での調達の一元化を実現した。
一般競争入札を一層徹底する。
 

4.監査の強化【実施中】

会計監査を今後更に充実させる。昨年来、検事を監察査察官に、また公認会計士を監察部局に任期付き任用制度の下で職員に採用しながら、監察査察制度を整備し、さらに、公認会計士等外部専門家の参加を得ながら在外公館に対する特別集中査察を実施してきている。
今後ともこれら外部人材の協力を得ながら、省内の部局に対する監察の着実な実施と全在外公館を対象とした特別集中査察の実施を促進する。


5. 研修の実施【実施中】

適正な会計処理を確保するために本省及び在外の会計担当官の研修を一層充実させる。


6. 決算の充実【直ちに実施】

決算については、従来より内閣に対し独立の地位を有する会計検査院による検査を受けている。外務省においては、外部専門家の参加を得た監察査察の実施等によっても予算執行の事後のチェック機能を強化している。今後、総合外交政策局と大臣官房が連携して政策評価を実施し、翌年度予算の効率的・効果的な編成を目指す。


VII.NGOとの新しい関係

1.NGO諸団体への職員派遣

NGOとの関係強化と職員のNGOについての理解を深めるため、

今春、若手I種・専門職職員をNGOに派遣した。【既に実施】
幹部職員のNGOへの長期派遣を開始した。【既に実施】
NGOの協力を得て、50名程度の外務省職員をNGO諸団体に1週間程度派遣する。【本年秋を目途に実施】


2.NGOとの連携の実施

省内にNGO担当大使を設置し、NGOと外務省との連携の推進や共通課題への方針を統括させる。【速やかに人選の上、本年秋までに任命】
省内のNGO連絡センターを一層拡充し、NGOに対する窓口機能やNGOへの情報発信機能を向上させる。【本年10月末までに実施】
7月9日の「ODA改革・15の具体策について」における「NGOとの連携」に盛り込まれた諸措置を実施する。(具体的な施策は別添4の通り。)【直ちに実施】
ホームページやメールマガジン等を一層利用してNGOへの情報発信機能を向上させる。


3.NGOとの懇談会【直ちに実施】

NGOと関係を有する各局課において懇談会を実施し、政策形成過程においてNGOの意見を聴取する体制を整える。


4. NGOの活動支援基盤整備【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】

「ODA改革・15の具体策について」に掲げられているNGOの活動支援基盤整備のための施策を実施する。


VIII.広報・広聴体制の再構築

1.広報体制の拡充【直ちに実施】

(1) 広報戦略策定に関する報道官の機能の強化

外務大臣のスポークスマン、広報アドバイザーとしての外務報道官の位置づけを明確にする。また、外務報道官を省内の重要政策協議に参加させるとともに、各局部の外務報道官への支援体制を強化する。
このため、各局で審議官クラスを報道・広報戦略担当者に任命し、これらの者が政策決定部門と広報部門との間のコンタクト・ポイントとして広報戦略面で外務報道官を支援する。


(2) 大臣スピーチの活用【直ちに検討に着手、本年12月末までに完了】

我が国が外交政策を効果的に展開していく上で対外発信能力を強化することが極めて重要である。このため、その重要な手段である大臣のスピーチを一層活用すべく、プロのスピーチライターの活用を含め体制を強化する。


(3) インターネット広報の充実【直ちに実施。必要経費を平成15年度予算要求に反映】

インターネット時代に対応した外交広報戦略を展開すべく、本省の海外向け及び国内向けホームページや在外公館のホームページの内容を充実する。


(4) マスコミへの発信強化【本年9月末までに実施】

外務報道官と政策担当部局との緊密な連携を通じて、外務報道官の情報発信機能を高めるとともに、国民世論、メディアのニーズに応えて、記者会見・懇談等情報発信の手段・頻度を拡充する。


(5) 外交青書【平成15年度より実施】

外交青書の見直しを行い、外交青書を一層分かりやすい形とする。


(6) 省員個人の広報活動の奨励【直ちに実施】

省員一人一人の国民に対する説明責任を果たせるよう研修を施し、各種メディアを通じた適切な情報発出を行うよう奨励する。


(7) プレス取材に対する適切な対応

報道関係機関からの省内各課室への取材希望、照会に対し、外務省として一貫性のある対応を行うための体制作りを行う。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】


2.広聴活動の強化

(1) 広聴室の設置【平成15年度概算要求に反映】

外交政策に関する国民の声を広く聞き、意思決定プロセスの中に位置付けるため、広聴室を整備する。


(2) 「外務省タウンミーティング」の拡充【本年9月以降実施】

国民との対話促進のため、「外務省タウンミーティング」の開催回数を増やし、月1回の頻度で行う。


(3) パブリックコメントの拡充【直ちに実施】

外交政策の実施に資するため、あらゆる機会(ホームページや「外務省タウンミーティング」の活用等)を通じ、外交問題に関するパブリックコメントを求め、外交政策の実施に活用する。


IX.大使館などの業務の見直し

1.在外公館全般

(1) 公館の設置状況見直し

今後3年間で、設置時の状況の変化を受け、7公館を目処に廃止する。また新たな外交上・領事業務上の必要が生じている箇所については、公館の新設を検討する。その方向で初年度分を平成15年度概算要求に盛り込む。【平成15年度以降の概算要求に反映】
また、その後も在外公館の設置状況を一定期間ごとに見直し、必要に応じ、整理・統廃合・新設を図る。【平成16年度以降の機構・定員要求に反映】
北米地域公館などで、拠点公館制度を導入し、拠点公館となる総領事館では、現在以上に政治・経済面でのフォローを充実させ、その他の総領事館では領事事務により重点を置いた体制となるよう見直しを行う。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】


(2) 在外公館における人員配置

各在外公館における他省庁出身者の配置状況につき、時代のニーズに合ったものか否かを中心に見直しを行い、既存の定員の振替等を通じて適正配置を目指していく。【直ちに検討に着手、平成14年度中に検討を完了】
今後、在外公館への他省庁からの新規出向については、外務省との人事交流を基本とし、語学力を含め優秀な人材の派遣を得るよう努める。その過程で、いわゆる伝馬船制度を含むアタッシェ制度のあり方について抜本的に見直す。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
各在外公館において、各省庁出身の人材の有効活用を図り、館長が館全体の業務バランスを判断し、出身官庁の業務だけでなく、必要に応じ他の業務に従事させる。【直ちに実施】


(3) ロジ簡素化

国際会議への同行者の削減等、ロジ業務の合理化・簡素化を推進する。【直ちに検討に着手、本年10月までにガイドライン作成】


(4) 便宜供与の見直し【直ちに検討に着手、本年10月末までにガイドライン作成】

現行の「便宜供与基準」を以下の方針で改め、国会議員等への便宜供与については、私用への支援を行わない旨明記する。

議員外交の支援については、国会派遣の場合は支援する。
その他の場合、事前の要望があれば、当該会談・視察等が政府全体の外交に寄与し、かつ通常の事務処理を妨げない範囲で必要な支援を行う。
「議員外交の支援」の実績報告を公表する。


(5) 公邸、在勤手当等

公邸の整備に当たっては、公邸として必要な機能を果たすとともに、国際的に見てバランスがとれ、日本を代表する施設として相応しいものとする一方、不必要に華美なものとはならないようにする。【直ちに実施】
公邸料理人制度については、各任地の実態を踏まえつつ、現行制度(私的契約に基づき、一部官費負担)の維持、料理人の公的派遣制度の導入、外国人料理人の一層の活用等の方途を複合的に組み合わせ、時代の要請に則した制度とする。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
住居手当については、主要国政府や民間企業の例も参考としつつ、見直し作業を行う。【平成14年度中に調査、結論】
その他在勤手当の在り方について見直しに着手。【直ちに実施】


(6) 在外公館職員の在留邦人との積極的な接触【直ちに実施】

進出企業等の在留邦人のコンタクト・ポイントとの一層の協力強化やメール・マガジンを通じた在留邦人との接触を積極的に行う。


2.領事業務

(1) 領事業務の位置づけ【直ちに着手、本年12月末までに結論】

海外渡航者や在留邦人の増大に伴い、国民との直接の接点である領事業務の重要度が飛躍的に増大している。このため、新設される海外交流審議会を活用して領事業務の理念と原則を再確立するほか、領事移住部の位置づけや専門性を有する領事の計画的育成の方途(研修、採用等)につき見直しを行う。


(2) 窓口サービスを中心とした領事業務の改善

24時間在留邦人などからの照会に対応する電話対応サービスを強化する。具体的には、平成15年度中に24時間電話対応サービスを行う公館を30公館に拡大する。また、国内外からの海外渡航に関わる様々な相談に対応できるように、「海外安全相談センター」の機能の拡充・強化について検討する。【直ちに検討に着手、平成15年度予算要求に反映】
日本語で十分意思疎通が出来る職員の領事窓口への配置を拡充する。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
在外選挙については、投票形態の見直しを行うとともに、より合理的なシステムへの改善につき検討を進める。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
在外公館の領事業務を支援するために、「領事シニアボランティア」制度を発足させ、現地事情に通じたシニア世代などを公募する。【直ちに検討に着手、平成15年度予算要求に反映】


(3) 領事出張サービスの大幅拡充【平成15年度予算要求に反映】

遠隔地に居住する在留邦人の便益を考え、領事出張サービスを大幅に拡充し、現行の少なくとも2倍の領事出張サービス実現を目指す。


(4) 領事業務実施体制の強化【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】

各在外公館に原則として最低1名の専任領事を配置する等、領事業務実施体制の強化を図る。そのための手段として、出向者及び派遣員等の支援要員を含む在外公館内での配置状況を見直す。


(5) 領事業務へのITの活用

インターネットによる在留届の提出受付システムを導入する。【直ちに検討に着手、本年12月末までに計画策定】
旅券申請のオンライン化を推進する。当面、日本国内でのオンライン化を先行させるが、在外におけるオンライン化についても検討を行う。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
領事部門での在外公館メールマガジン配信サービスの拡充を図る。現在、32公館で実施されているところを、本年度中に62公館に拡充する。【直ちに作業に着手、本年度末までに達成】


(6) 領事業務の限界【本年12月末までにガイドライン作成・公表】

領事業務の範囲についての基本的な概念と個別事項ごとの基準を策定・公表し、国民への周知徹底を図る。


X.政策立案過程などの透明化

1.説明責任・透明化

(1) 情報公開への積極的対応

行政文書の開示・不開示審査に当たっては、「原則開示」という情報公開法の趣旨に基づいて判断する。【直ちに実施】
開示手続の迅速化のため、要員面を含む体制強化を図るとともに、情報公開に関する研修等を企画・実施し、省員の情報公開制度への理解を深める。【直ちに実施】
情報公開制度を多くの国民にとってより理解しやすいものとなるように、「利用の手引き」を作成し、また「情報公開ホームページ」を更新する。【直ちに検討に着手、本年12月末までに実施】


(2) 外交記録文書公開の透明化・迅速化

外部の歴史家や外交専門家からなる「外交記録公開諮問委員会」を設け、「30年」を越えた文書の中から、歴史的資料として価値の高いものを選定し、右について迅速な審査を行い公開又は外交史料館に移管する。(それ以外の文書については、情報公開制度を適用する。)【直ちに作業に着手、平成14年度末までに「外交記録公開諮問委員会」を設置】
この方法により、公開の進捗状況を見て、外交記録公開の「30年原則」をさらに短縮することを検討する。そのために審査体制を強化する。【直ちに検討に着手、平成15年度中に結論】
外交交渉の経緯などを歴史的視点に立ちながら文書化する仕組みにつき検討する。【直ちに検討に着手、本年度末までに結論】


(3) 国民への説明

ホームページの活用(上記IV.3.参照)
パブリックコメントの実施(上記VIII.2.(3)参照)
外交政策に関する重要文書の公開(上記IV.3.参照)
在外公館で実施した政策については、政策評価の一環として評価し、結果を公表する。(下記XII.1.3参照)
政策決定プロセスにおける政策担当部局と外務報道官組織との連携をより緊密にすることにより、より国民に対して開かれた、透明性の高い政策の策定体制及び正確かつスピーディーな情報発信体制を強化する。【直ちに実施】


2.外部意見の政策への反映【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】

外務省顧問の外交アドバイザーへの改組については、法令の改正も視野に入れ検討する。
主要な外交政策の企画・立案に資するため、民間有識者の意見を求めるシステムにつき、いかなる形が効果的であるか、早急に検討を進める。それまでの間、既存の勉強会などを積極的に活用し、外部意見の政策への反映を行っていく。


3.内部通報制度の整備【本年8月1日から実施中】

省内及び在外公館の業務及び運営状況、会計処理状況、職員の服務状態等に関して職員から意見・提案を監察査察官が受け付ける「監察査察意見提案窓口」を設け、運用を開始した。これに寄せられた意見等のうち、問題の認められたものについては調査を行った上で、重要なものについて、次官もしくは大臣に報告する。
受け付けた意見等の保秘には万全を図るとともに、意見等を述べたことをもって不利益になることがないよう配慮する。


XI.危機管理体制の整備

1.本省の危機管理体制の整備

本省の危機管理体制の整備を早急に行う。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
それまでの間、危機管理については総合外交政策局を中心に強化する。具体的には、審議官レベルの者を危機管理官として指名すると共に、危機管理担当の企画官の要求を平成15年度予算要求に盛り込む。【本年9月中に危機管理官を発令。危機管理担当企画官は平成15年度機構・定員要求に反映】
サイバーテロを含む新たな形態のテロについての危機管理体制を強化する。【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】
関係国との連携を深め、危機管理外交を一層強化する。この関連で、国際テロ対策担当大使の活用を図る。【直ちに実施】
危機管理の事例について、ケース・スタディーを充実させ、危機管理事例についての調査報告書の作成について検討する。【直ちに着手、検討結果を本年12月末までにまとめる】


2.情報収集・分析能力の向上と政策への反映【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】

危機の予見能力を向上させアクションにつなげる。また、緊急情報の伝達チャネルの点検を行う。この関連で、例えば、テロ情報については、大臣官房、総合外交政策局、国際情報局、領事移住部を恒常的メンバーとし、関係地域局を加えた「国際テロ情報収集委員会」を省内に立ち上げて定期的に会合を持ち、危機に結びつき得る事態を事前に察知し、取るべき措置を検討する。


3.在外公館での情報収集能力の向上【直ちに実施】

在外公館での情報収集能力の向上を図る。そのため、任国政府関係者や外交団、マスコミのみならず、NGO、企業、在留邦人等と幅広く接するよう努め積極的な意見交換を行う。


4.在外公館の警備体制の改善【直ちに検討に着手、平成15年度以降の概算要求に反映】

警備官・警備員の配置拡充については、7月4日に発表した在外公館の警備体制の改善のための5カ年計画の実施を進める。


XII.政策構想力の強化 

1.外交戦略目標の設定及び政策評価

外務大臣を中心として、日本の外交戦略目標を設定する。そのとりまとめを総合外交政策局が担当する。各局課は、その外交戦略目標を踏まえ、各年度の重点外交施策を設定し、概算要求に反映させる。総合外交政策局において年度末にはその実績を評価し、大臣、次官に報告する。【本年12月末までに方針決定、平成15年度より実施】
総合外交政策局内に政策評価を行う組織を設ける。【平成15年度機構要求に反映】
在外公館においても各館が果たすべき館務目標を設定するとともに、本省に政策提言を積極的に行う。【直ちに実施】
外部有識者からなる外交政策評価パネルを設置し、外交政策をレビューし、議論の成果を公表する。【直ちに実施】
政策構想力の強化は、外交推進の最重要課題であり、上記の措置の実施状況を見つつ、組織のあり方を含め引き続き検討する。【直ちに着手】


2.総合外交政策局の機能強化【直ちに実施】

総政局を中心に外交政策の方向性を総合的にレビューし、中長期的な外交政策の企画立案を行う機能を強化する。また、個別の具体的重要政策の立案に関与するともに、主管局による外交方針の策定に際して、場合によっては代案の提示を行うなどの機能を発揮させる。そのため、総合外交政策局への企画官クラスの増員を含め、体制を強化する。
また、総合外交政策局より他局の局議に参加し、各局との連携を強化する。


3.国際情報局の機能強化 【直ちに実施】

(1) 国際情報局による情報分析を具体的外交政策の立案に当たり積極的に活用するシステムを構築する。具体的には、総合外交政策局が実施している各国との政策企画協議、安全保障協議などに国際情報局が準備の段階から参画する。また、政策部局(総合外交政策局及び地域局)と国際情報局との連絡・情報の共有を一層進める。

(2) 地域局の地域調整官に対し、国際情報局との併任を発令する(専門職員の積極的な活用)。

(3) 国際情報局は国内外有識者との意見交換等を通じて、外部有識者等の知見を一層積極的に活用し、また、国内外有識者との間でネットワークを広げ、情報・分析機能を高めるとともに、有識者に対する発信機能も強化する。


4.政策情報の一元化【直ちに着手】

下記XIII.1.の「外務省IT推進3ヶ年計画」の中で外交政策に関する情報を省内で広く共有するための体制作りを進める。


5.外部シンクタンクの有効活用【本年12月末までに方針決定、平成15年1月より実施】

国際問題研究所を中心とした外部シンクタンクの一層の活用、外務省と外部研究者との交流、研究の活発化を図る。


6.省内での政策提言の促進【本年12月末までに方針決定、平成15年1月より実施】

総合外交政策局内に省員からのメール又は書面による政策提言提出の窓口を設ける。提出された意見は、同局による政策立案、代案策定の参考とする。


7.首脳外交体制の強化【直ちに実施】

G8サミットを含め、首脳外交を支援する体制を一層拡充する。かかる取組の一環として、総合外交政策局の主催の下、首脳外交戦略策定会議を定期的に開催し、G8サミットを始めとする、二国間、多国間の首脳会談・会合についての戦略を議論し、策定する。
グローバリゼーションの流れが加速し、G8サミットが果たすべき役割は多岐に亘ってきている。このため、シェルパ(首脳個人代表)は関係省庁等とも広く連携し、日本としての提言とりまとめを行うなど、更に効果的かつ戦略的にその役割を遂行し、総理を補佐する体制を強化する。


8.外務大臣補佐体制の整備・強化【直ちに検討に着手、本年12月末までに結論】

外部人材の起用及び総合外交政策局を活用した外務大臣補佐体制の整備・強化を図る。


XIII.事務の合理化

1.外務省の本格的なIT化の推進【3ヶ年計画は本年9月末までに策定。平成15年度以降の概算要求に反映】

「外務省IT推進3カ年計画」を策定し、21世紀の我が国外交のIT基盤を強化する。このため、担当課室の一本化、IT担当官400人の養成、ITシステムの高度化を外務省の優先政策として実現する。(別添5参照(PDF))


2.その他の合理化策【直ちに実施】

「変えよう!変わろう!外務省」で提起された事務の合理化提案に関し、その実現につき早急に作業を進める。(別添6参照)
現在の業務状況を早急に再点検し、ルーティン化している業務やニーズの高くない業務は整理・縮小し、よりプライオリティーの高い業務への人的・物的リソースの再配分を進める。


XIV. 外務省改革実施体制

外務省改革を引き続き強力に推進するため、大臣を長とする「改革推進本部」を設置し、その下に新規に設置された「改革担当審議官」を長とする事務局を置く。同事務局は、以下の任務を担う。
関係部局をリードし、「行動計画」の推進を確かなものとする。
改革の進捗状況につき「改革推進本部」に定期的に報告する。
本省の組織の見直し等の継続案件につき、関係部局との調整を行い、「改革推進本部」に提言する。
この「行動計画」の実施状況につき、「変える会」に定期的に報告する。
また、省内有志による改革グループ「変えよう!変わろう!外務省」は、引き続き外務省改革の作業に参画していく。
外務省改革を強力に推進するためには、上記「外務省改革行動計画」で指摘された諸施策を担当する部局(総合外交政策局、国際情報局、人事当局、領事移住部、広聴体制等)に実員を早急に増員する必要があり、このため、省内各局課より一定数を集め、上記部局に重点的に再配分する。【直ちに検討に着手、本年12月末までに実施】



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