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外務省タウンミーティング第5回会合
川口外務大臣と語るタウンミーティング
「日本と東アジア」
(プレゼンテーション)


プレゼンテーション0

【はじめに】
 はじめまして。川口でございます。
 はじめましてと言いましたが、私は外務大臣になる前、環境大臣のときにこのタウンミーティングというのを考えまして、そのときに、福岡に一度まいりました。
 私の福岡のそのときの印象は、今まで環境大臣としてほかの日本の地域でもタウンミーティングをやりましたが、この福岡でやらせていただいたタウンミーティングが一番活発で、一番私にとっては面白かったということで、特に印象的だったのは、女性パワーが非常に元気だったということです。ですから、今日もとても活発なタウンミーティングができるのではないかと思っております。楽しみにしております。


プレゼンテーション1

【福岡とアジアとのかかわり】
 「日本と東アジア」というテーマですが、福岡ほどこのテーマをやるのに相応しい土地は、ほかにはないと思います。というのは、福岡は歴史的にもずっと、アジアと日本をつなぐ日本の窓口として役割を果たしてきたと思います。そして現在も、これは私が申し上げるまでもなく、皆さんのほうがよくご存じでいらっしゃると思いますが、この地域、この近隣の国と、すでに一つの生活圏、あるいは経済圏というものができあがっていると思います。ここから高速艇で3時間ほど行くと釜山だそうですが、釜山に修学旅行で行かれる方も多いと伺いました。
 前に、私は福岡に、仕事以外でも何回か来たことがありまして、そのときにここの博物館で、教科書で昔学んだ志賀島で見つかった金印、中国から伝わってきた「漢倭奴国王」の印という金印を見た記憶があります。そこから始まって、あとは11世紀に大唐街という中国人街もできたと聞いていますし、禅が中国から伝わってきて二つお寺があると聞きました。聖福寺と承天寺ですか、中国の宋の堂々たる寺院があると聞きました。私はまだ見ていませんので、いつかぜひ見てみたいと思います。そういう意味で、福岡というのは、日本として東アジアを語るには相応しい土地であると思います。


プレゼンテーション2

【福岡とアジアとのかかわり】
 福岡が先行して東アジアとの関係をつないでいて、わが国は、国として、どのように東アジアとの関係を作っていくかという政策をいろいろ持っていますが、それは言ってみれば、福岡が先にやっていることを、国として、日本全体として後を追っている。そういうことのなかもしれないと思います。
 例えば、福岡には香椎のパークポートがあると聞きましたし、人と人との交流ということでは、「アジア太平洋子供会議」ということもやっていらっしゃって、ホームステイを毎年7月、アジアの国から呼んでしていると聞きました。
 若い人たちの交流というのは、私はたまたま高校の時に、非常にラッキーなことに、1年間アメリカに行く機会があったんですけれども、若ければ若いほど、交流というのがその人間の人生に与える影響は大きいと思います。そういう試みをすでにいろいろやっていらっしゃるということですから、ぜひ今後とも続けていただきたいと思います。


プレゼンテーション3

【日本と東アジアとの交流】
 去年の2002年と、今年は2003年になりましたけれども、特にアジアとの関係でいえば、いろいろな行事を政府としてはたくさんやりました。
 例えば去年、アジアとの交流という意味で言うと、非常に思い出が、私にとっても、おそらく皆さんにとってもあると思いますのは、韓国とのワールドカップの共同開催です。この話を最初、私は、この共同開催をしようと決断した人というのは、大変に発想が柔軟で立派だと思うんですけれども、世界のどこの国もが、共同開催というのは世界で初めてのことですから、ものすごく難しいと思っていたと思うんですね。だけど、それを見事にやってのけた。そして、その過程を通じてわれわれ日本人は、韓国のことについて多くを学びましたし、韓国の人たちも、日本について多くのことを学んでくれた。この間、新聞で世論調査がありましたけれども、日本人が韓国のことをどう思うか。「非常に親しみをもてる国である」「友好的な国である」と思う人が、私の記憶ですと6割ぐらいになっているわけです。この間、2週間前ですけれども韓国に行きまして、崔成泓(チェ・ソンホン)、私のカウンターパートの外交通商部長とお話をしました。この方とは、何回会ったか数え切れないぐらいですが、たぶん1年間に10回近くお会いしてお話をしていると思いますが、その方とも、そういったサッカーの共催の成果をベースに、日韓共同未来を築いていくための「日韓共同未来プロジェクト」をやっていきましょうというお話をしました。その共同未来プロジェクトの一番の核の部分というのは、若い人の交流です。
 中国との間では、2002年は日中国交正常化30周年ということで、日本から言えば「中国年」、中国から言えば「日本年」ということで、大勢の人の交流がありました。昨年の秋に中国から5000人ぐらいの人が来てくださいましたし、日本からはそのあと1万3000人ぐらいの人が中国に渡りました。人と人とのつながりは、これからますます日中関係が親しくなっていくときのベースになるだろうと思います。今年2003年は、日中平和友好条約が締結されて25周年ということですので、さらに今年、日本と中国との間で友好的な関係ができるよう、さまざまな行事が行われることになると思います。
 今日、フィリピンのシアゾン大使に来ていただいていまして、この大使は、おそらく日本に今いる大使の中で一番日本語がお上手――ご本人は謙遜して二番目だとおっしゃっていらっしゃいますけれども――という方なんですけれども、フィリピン、タイ、シンガポールといったASEAN、東南アジアの国々との関係も、例えば2003年というのは日本にとって、カンボジアとの外交関係樹立の50周年、ベトナムとの外交関係樹立の30周年、インドネシアとの友好通商条約40周年といった、さまざまな節目の年に当たります。今年は、日本ASEAN交流年2003ということで、文化だけではなく、経済、政治、安全保障といった分野について、さまざまな交流事業がございます。今年の12月には東京で、ASEAN各国の首脳に来て頂いて、日本ASEAN特別首脳会議というのもございます。ここの福岡でも、私はあとで、この後ろにある美術館に行きたいと思っているんですけれども、アジアの美術に中心をおいてやっていらっしゃる美術館だと伺いましたので、ぜひ行きたいと思っていますが、ここの美術館でもさまざまなプログラムをやってくださると聞いています。


プレゼンテーション4

【日本と東アジアとの経済面でのつながり】
 経済面に移りたいと思いますけれども、韓国と、この前は残念ながらお会いできなかったんですが、その前に行ったときに金大中大統領とお話をしまして、私が金大中大統領に申し上げたのは、日本と韓国の関係が、ここ数年間で本当に経済面でも近くなった。例えば日韓の投資協定というのがありまして、それが発効をしていますし、日韓自由貿易協定というものがありまして、日本と韓国の間で、より経済交流の障壁をなくして経済関係を強化しようということですが、その協定を結ぶ研究会を今やっています。
 中国との間でも、先ほど高島外務報道官からお話がありましたが、中国から日本に向けての輸出は非常に急増していまして、それは一面、日本の産業にとっては脅威だと受け取られがちですが、そういうことではなくて、逆に、日本にとってはいい挑戦の機会でもあると思います。資料を見ていましたら、日本から中国に向けての自動車の輸出が1年間で100%増、おそらく2倍になったということだと思いますが、それは、中国が豊かになって市場が広がってきている。そういう機会は日本にとって、絶好の挑戦の機会でもあるわけです。
 ASEANの国との間で言えば、シンガポールとの間で、貿易や投資だけではなくて、情報通信、科学技術、文化といった面についての交流をしましょうという協定もございます。これは発効しています。フィリピンやタイとの間でも、そういったタイプの協定の交渉が始まっています。なかなか難しいところもありますが、交渉をうまく成し遂げて、東南アジアの国とも、近い経済関係を結べることになったらいいと思っています。


プレゼンテーション5

【日本と東アジアとの安全保障面でのつながり】
 それから、安全保障ですが、これは毎日、新聞で見ていらっしゃると思いますが、北朝鮮をめぐる核の問題、あるいは拉致の問題といったさまざまな問題があって、安全保障という観点からいうと、この地域はまだまだ不透明な要素があります。
 日本としては、日米安全保障条約がございますので、その体制をベースとして考えていかなければいけないということですし、同時に近隣の諸国、例えば中国や韓国、タイ、フィリピンといった国々と、お互いに信頼関係をもっていくことが大事で、これを信頼醸成と言っていますが、そのために対話をやっていくということもやっています。特に北朝鮮の問題については、日本だけで解決できる問題ではなくて、日常ベースで、日本と韓国とアメリカの3カ国の間で連携をしながら、問題に対応しています。


プレゼンテーション6

【日本と東アジア】
 ざっと駆け足で、経済、文化、安全保障における、日本政府の政策の考え方をお話しさせていただきました。
 東アジアの国々と日本、東アジアというときには、韓国、中国だけを言っているわけではなくて、東南アジアも含めてお話をしていますけれども、そういった国々との関係が、日常生活のレベルで高まっているということをお感じになっていらっしゃるのが、九州にお住まいの方、特に福岡にいらっしゃる方だと思います。国としても、福岡が国に先駆けてやっていらっしゃる東アジアとの交流のさまざまな経験を学びながら、東アジアの国々との関係を強化していきたいと思っています。
 簡単でございますけれども、ここでお話を終わらせていただきます。ありがとうございました。




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