ベトナムの「ダナン病院医療機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成17年1月26日
- わが国政府は、ベトナム社会主義共和国政府に対し、「ダナン病院医療機材整備計画」(the Project for Improvement of Medical Equipment of Da Nang Hospital)の実施に資することを目的として、3億2,600万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月26日(水)、ハノイにおいて、わが方服部則夫駐ベトナム国大使と先方ホアン・トゥアン・アイン ダナン市人民委員長(Mr. Hoang Tuan Anh, Chairman of People's Committee of Da Nang City)との間で行われた。
- ベトナム保健省の「ヘルスケア・保護10ヶ年戦略」および「病院ネットワーク開発基本計画」において、ダナン市(1997年より4番目の中央直轄市に指定)を含む中南部地域は、既存の中核的医療施設を地域医療センターとして強化するために追加的投資が必要な地域とされており、投資財源の確保、医療施設の運営・管理体制と能力の強化、人材育成の取組を行っている。
しかしながら、人口約1,100万人を擁する中南部10省(中部沿岸南部6省と中部高原4省)の多くの病院から紹介患者を受け入れる等、拠点病院と位置づけられるダナン病院は、2003年1月に特別市管轄の1級基幹病院に昇格したものの、20年以上経過した医療機材が依然として多数使用されており、患者への適切な医療サービスの提供に支障を来しているため、緊急に機材を整備し医療サービスを改善させる必要がある。
このような状況の下、ベトナム政府は、ダナン病院の保健医療サービス改善を目的とした「ダナン病院医療機材整備計画」を策定し、老朽化した機材の更新と数量が不足している機材の整備に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 本計画により機材が整備されることで診断と治療の精度が向上し、患者の肉体的・精神的な負担が軽減されると共に、診断・治療中の安全性の確保にもつながることが期待されるほか、主要機材(X線装置、超音波診断装置、内視鏡等)の更新により機材稼働状況が改善し、また、年間外来患者数の増加による診療収入が増加する。
更に、中南部地域の拠点病院が有する本来の機能が回復することで、他の医療機関からの紹介患者に対する適切な診療やアドバイスの実施等、トップレファレル施設としての役割を果たすことができる。
(参考)
ベトナム社会主義共和国は、東南アジアに位置し、国土面積は32万9,241平方キロ、総人口約8,020万人(2003年)、1人あたり国民総所得(GNI)が約480ドル(2003年)の低所得国(世銀ランク)である。
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