バングラデシュの「第二次初等教育開発プログラムによる初等教育向上計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成17年1月13日
- わが国政府は、バングラデシュ人民共和国における「第二次初等教育開発プログラムによる初等教育向上計画(the project for Improvement of Primary Education through Second Primary Education Development Programme (PEDP II))」の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際連合児童基金)に対し、2億4,300万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月13日(木)、ダッカにおいて、わが方堀口松城駐バングラデシュ国大使と先方モーテン・ギアシング在バングラデシュ国ユニセフ事務所代表(Mr. Morten Giersing, Representative, UNICEF Bangladesh Country Office)との間で行われた。
- バングラデシュ政府は1990年に初等教育を義務化した後、世銀、アジア開発銀行、ユニセフ等をはじめとする多くのドナーと協力して種々の目標達成に努力してきており、初等教育における純就学率は60%(1991年)から81%(1998年)まで改善されてきている。また、ユニセフは、バングラデシュ政府との連携およびわが国を含む各国・機関の協力により、学校・集落を中心とした現場レベルでの教育の質の向上を目的として、(1)授業の質の向上、(2)学習成果のモニタリング、(3)現場レベルの企画・実行、(4)社会参加・連携を内容とするIntensive District Approach to Education for All(IDEAL)を1996年から実施しており、出席率の増加、学習達成度の向上等の成果が現れている。
その一方、貧困層や少数民族、障害を持つ児童等の社会的弱者に対する教育の機会の確保は未だ不十分であり、教員の資質向上、教育行政および学校運営の効率化等にも多くの課題を抱えており、PEDP II(2004~2009)においては、(1)教育の質の向上、(2)全ての児童に対する教育の機会提供を目的として、包括的な政策・制度改革等の達成を目指している。
このような中、バングラデシュ政府およびユニセフは、IDEALの成果を踏まえた初等教育の質のさらなる向上を目的として、(1)組織制度の改善および能力強化、(2)学校および教室単位での教育の質的向上、(3)質の高い教育へのアクセス改善を内容とする本計画を策定し、地域レベルでの教育計画の立案、学校運営の改善、教員研修等を実施するために必要なマニュアルの作成等に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を求めてきたものである。
- 本計画の実施により、地域や郡単位における教育関係職員の企画・立案能力の向上および教員の教授能力の向上が図られるとともに、特に貧困層、少数民族、障害を持つ児童といった社会的弱者の就学促進が期待される。
(参考)バングラデシュ人民共和国は、約14万4,000平方kmの国土と約1億3,000万人の人口を有し、ガンジズ、ブラマプトラ、メグナの三大河川によって形成された世界最大のデルタ(三角州)上に位置している。一人当たりのGNI(国民総所得)は約400ドルと発展段階の低い後発開発途上国であり、貧困削減が重要課題となっている。
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