バングラデシュの「小児感染症予防計画」のためのユニセフに対する無償資金協力について
平成16年12月18日
- わが国政府は、バングラデシュ人民共和国における「小児感染症予防計画(the project for Infectious Disesases Prevention for Children)」の実施に資することを目的として、ユニセフ(国際連合児童基金)に対し、2億3,900万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月18日(土)、ダッカにおいて、わが方堀口松城駐バングラデシュ国大使と先方モーテン・ギアシング在バングラデシュ国ユニセフ事務所代表(Mr. Morten Giersing, Representative, UNICEF Bangladesh Country Office)との間で行われた。
- バングラデシュ政府は、予防接種拡大活動(EPI)に関する2001~2005年の行動計画において、(1)2005年12月までにポリオを撲滅する、(2)全国および各県で母子破傷風を排除する、(3)麻疹の罹患率を2005年までに1985年の水準から90%削減するという目標を掲げており、このうちポリオに関しては、これまでわが国を含む各国・機関が協力を行ってきた予防接種活動等により、ここ4年以上新たな発症例がないという成果が上がっている。
一方、母子破傷風および麻疹に関しては、これまで行ってきた予防接種キャンペーンにより一定の成果が上がっているものの、予防接種に対する知識・情報不足や誤解等により適切な予防接種が徹底されていないこともあり、上記(2)および(3)の目標を達成するには至っていない。
このような状況の下、ユニセフおよびバングラデシュ政府は、上記行動計画に掲げた目標を達成するため、母子破傷風についてはハイリスク地域のうち15県を対象に、また、麻疹については2県を対象とした予防接種キャンペーンをそれぞれ行うことを内容とする本計画を策定し、その実施のために必要なワクチン、使い捨て注射器等の資機材の調達につき、わが国対し無償資金協力を要請してきたものである。
- 本計画の実施により、対象地域の15~49歳の女性210万人及び9ヶ月から10歳以下の乳幼児125万人について母子破傷風、麻疹の感染リスクが低減されるとともに、予防接種キャンペーンの実施を通じた住民へのEPI活動に関する知識の普及・啓蒙の促進が期待される。
(参考)
バングラデシュ人民共和国は、約14万4,000平方kmの国土と約1億3,000万人の人口を有し、ガンジズ、ブラマプトラ、メグナの三大河川によって形成された世界最大のデルタ(三角州)上に位置している。一人当たりのGNI(国民総所得)は約400ドルと発展段階の低い後発開発途上国であり、貧困削減が重要課題となっている。
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