イラクにおける日本NGO支援無償資金協力の実施について
平成16年2月20日
- わが国政府は、2月17日(火)、イラク南部のムサンナー県サマーワにおいて特定非営利活動法人「日本・イラク医学協会」から申請のあった「サマーワ母子病院に対する医療機材の緊急支援事業」に対し、総額約3,560万円の日本NGO支援無償資金協力を実施することを決定した。
- イラク国内の医療機関の多くは、旧体制下において、機材、医療消耗品等の物資の入手や交換が困難であったことから、十分な水準の医療行為を提供することができない状況が続いている。
このような状況の下、日本・イラク医学協会はムサンナー県における唯一の母子病院であるサマーワ母子病院からの要望を受け、除細動装置、新生児保育器、光線治療器、心電計、吸引器等の機材を供与する「サマーワ母子病院に対する医療機材の緊急支援事業」を策定し、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この事業の実施により、新生児死亡率10%以上ともいわれる現地の状況が改善されることが期待される。
- なお、今回供与する機材類は、わが国自衛隊により、近く運航予定の政府専用機、自衛隊機によりサマーワまで輸送し、自衛隊により現地病院まで輸送することを検討している。
(参考)
これまでの、政府資金による日本NGOによる対イラク支援としては、ジャパン・プラットフォーム(JPF、NGO、経済界および政府の連携により設立された組織)による以下の活動がある。
- 第1次
ヨルダン国境地帯における緊急医療支援(I)(合同チーム)
クルド人自治区における医療支援(ピースウィンズ・ジャパン)
- 第2次
ヨルダン国境地帯における緊急医療支援(II)(合同チーム)
バグダッドおよびモースル地域における病院の応急修復(ピースウィンズ・ジャパン)
モースル地域の国内避難民への生活必需品の配給(ワールドビジョン・ジャパン)
- 第3次
イラク北部地域における病院等応急修復および国内避難民の越冬支援(ピースウィンズ・ジャパン)
バグダッド市内小学校の水・衛生設備等応急修復支援(JEN)
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