バングラデシュの「人材育成奨学計画」に対する無償資金協力について
平成16年1月27日
- わが国政府は、バングラデシュ人民共和国政府に対し、「人材育成奨学計画」(the Project for Human Resource Development Scholarship)の実施に資することを目的として、1億4,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、1月27日(火)、ダッカにおいて、わが方堀口松城在バングラデシュ大使と先方ミルジャ・タサドゥック・ホセイン・ベック大蔵省経済関係局次官(Mr. Mirza Tasadduq Hussain Beg, Secretary, Economic Relations Division, Ministry of Finance)との間で行われた。
- バングラデシュでは、経済自由化の推進、民間活力の有効利用等を経済政策の柱として、民間活性化のための支援、外国投資促進のための環境整備、国営企業の民営化促進等の施策を行っている。しかしながら、人材不足により大きな進展は見られておらず、将来のバングラデシュ経済活性化の中核を担う人材育成が急務となっているほか、識字率・就学率等の教育指標も他の開発途上国と比較して低く、男女間、地域間においても大きな格差が存在しており、教育分野における問題も顕在化している。
このような状況の下、バングラデシュ政府は、人材育成における留学制度の果たす重要な役割に鑑み、「人材育成奨学計画」を策定し、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
なお、この計画は、バングラデシュの将来を担う若手行政官等約40名を対象に、日本の大学院における学位取得等を前提とした留学に対して経費を支援するものである。
- この計画の実施により育成される人材が、将来、各分野のリーダーとして、バングラデシュの抱える諸問題の解決に貢献するとともに、今後の日・バングラデシュ両国間の友好関係の架け橋となることが期待される。
(参考)バングラデシュ人民共和国は、約14万4,000平方kmの国土と約1億3,000万人の人口を有し、ガンジズ、ブラマプトラ、メグナの三大河川によって形成された世界最大のデルタ(三角州)上に位置している。一人当たりのGDP(国内総生産)は約360ドルと発展段階の低い後発開発途上国であり、貧困削減が重要課題となっている。
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