シリアの「水資源情報管理センター整備計画」に対する無償資金協力について
平成15年12月10日
- わが国政府は、シリア・アラブ共和国政府に対し、「水資源情報管理センター整備計画(The project for Development of Hydrological and Meteorological Observation Network)」の実施に資することを目的として、6億500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、12月10日(水)、ダマスカスにおいて、わが方林梓在シリア大使と先方バッサーム・アルシバイ企画庁長官(Mr.Mhd. Bassam ALSIBAI, Head of the State Planning Commission)との間で行われた。
- シリア政府は、「第9次国家社会開発5カ年計画(2001年から2005年)」を策定し、その中で、保健医療を含む基本的な社会基盤を充実させ、地域間格差を是正していくことを目標としており、天然資源分野においては、水を有効活用することが挙げられている。
しかし、これまで水資源管理が適切に行われなかったこともあり、地下水の過剰摂取による地下水位の低下や水質悪化が発生している他、人口急増による水需要の増加に対し中長期的な観点からの適切な対策が十分になされてこなかった。
このような状況の下、シリア政府は、シリア全土の水資源の現状や将来の需給の見通しを適切に把握するための「水資源情報管理センター計画」を策定し、その計画の実施のために必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはシリアに対するわが国の重点分野(水供給)にも合致するため実施することとしたものである。
- この計画の実施により、シリア全国で安全で安定した水供給を行っていくための基本的な情報管理が可能となり、中長期的にシリア全国民約1,700万人の生活環境が改善し、それを通じ、シリアの経済社会水準の向上が期待される。
(参考)シリアは、地中海東部に位置し、トルコ、イラク、イスラエル、ヨルダン、レバノンと国境を接している。人口は約1,700万人で国民の約90パーセントがアラブ系である。主要産業は農業であり、一人当たり国民所得は約1,024ドルの開発途上国であるが、現在、社会主義経済制度の改革を通じ、経済開発を進めている。
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