スワジランドの「第二次地方給水計画」に対する無償資金協力について
平成15年10月8日
- わが国政府は、スワジランド王国政府に対し、「第二次地方給水計画」(the Project for Rural Water Supply, Phase II) の実施に資することを目的として、5億1,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、10月8日(水)ムババネにおいて、わが方花田吉隆在スワジランド臨時代理大使と先方エフライム・シロペ経済開発計画省次官(Mr. Ephraim Hlophe, Principal Secretary Economic Planning and Development)との間で行われた。
- スワジランドは、1997年に策定された「国家開発政策ー25年構想」において、水と衛生分野に関し、地方部の給水施設整備を重点政策とし、法制度整備、水資源管理、水供給および教育・訓練に係る政策に取り組んでいる。また、3年ごとに見直される国家計画アクションプランにおいて、地方給水セクターの目標として、13万5,000人を給水対象とする給水施設の新設、3万9,000人を対象とする既存給水施設改修等が重点目標として掲げられている。
しかしながら、人口の77%を占める地方部においては、49%しか安全な水へのアクセスが確保されておらず(都市部では約90%)、地方部における給水・衛生状況の改善が急務となっている。
このような状況の下、スワジランド政府は、「第二次地方給水計画」を策定し、地方部(ホーホー県、マンジニ県、ルボンボ県、シセルウェニ県)の、給水に不便な山岳地域において、70箇所の井戸建設および建設資機材の調達ならびにソフトコンポーネントの実施に必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものであり、これはスワジランドに対するわが国の援助重点分野(給水分野)にも合致するため、実施することとしたものである。
- この計画の実施により、スワジランドの地方部4県の給水人口が約3万1,000人増加し、地方部給水率が現況の49%から54%に上昇するほか、安全な水の供給によって、地方部住民の衛生環境が改善され、水因性疾患の予防等健康の増進に資することが期待される。
(参考)
- スワジランドは、地理的に南アフリカに三方を囲まれた1万7,000平方km(四国よりやや小さい)の国土を有する内陸国で、総人口が90万人、一人当たり国民総所得が1,300ドル(2001年)の低中所得国(世銀ランク)である。
- ソフトコンポーネントとは、機材維持管理および掘削工事の運営管理、地下水探査技術、水管理委員会を強化するための管理指導をさす。
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