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報道発表


ベナン共和国の「小学校建設計画」ほか1件に対する無償資金協力について


平成15年9月12日


1. わが国政府は、ベナン共和国政府に対し、「小学校建設計画」および「コトヌ零細漁港開発計画」の実施に資することを目的として、総額17億9,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が9月12日(金)、ポルトノボにおいて、わが方黒川祐次在ベナン大使(コートジボワールにて兼轄)と先方ロガシアン・ビアウ外務・アフリカ統合大臣(Ragatien Biaou, Ministre des Affaires Etrangeres et de L' Integration Africaine de la Republique du Benin)との間で行われた。

(1) 「小学校建設計画」
(Projet de Construction des Ecoles Primaires)
10億3,300万円
(2) 「コトヌ零細漁港開発計画」
(Projet d'Amenagement du Port de peche)
7億6,200万円


2.
(1) 小学校建設計画
 ベナン政府は、構造調整政策を実施して、国家予算の約3割を教育分野に優先的に配分し、また「教育セクター開発計画」および「貧困削減戦略文書」を策定するなど、基礎教育の状況改善に努めている。
 しかしながら、同国の初等教育就学適齢期(6歳から11歳まで)の人口増加が顕著(毎年平均約3%ずつ増加)であるものの、教室総数の増加(毎年平均1%から2%ずつ増加)がそれに追いつかず、教室数の不足(約2,000教室)が深刻な問題となっている。特に、都市部では急激な人口増加のために、教室の過密問題が深刻である(一人当たり教室面積が0.8平方メートル:日本では2平方メートル)。また、農村部においては、ほとんどが土壁や丸太でできた簡易校舎であるが、悪天候(多雨、高温多湿)により、校舎の崩壊が頻発しているため、毎年校舎を造り直す必要がある。そのため教育活動は、頻繁に混乱または停止せざるを得ない状況にある。
 このような状況の下、ベナン政府は教室不足が深刻で、教育環境改善に向けた緊急の対策のために「小学校建設計画」を策定し、小学校45校の施設建設(192教室、25便所棟等)、教育用機材(椅子、机、黒板等)の整備、ならびに学校施設の円滑な運営・維持管理に資する技術支援(ソフト・コンポーネント)に必要な資金につき、わが国政府に対して無償資金協力を要請してきたものである。
 この計画の実施により、ベナンの教育事情が改善されることが期待される。特に都市部では、50教室の増設により、2,400人の児童が新たに収容されるとともに、最低限の学習スペース(一人当たり1.4平方メートル)が提供される。また農村部では、142教室が悪天候に対応できる施設に建て替えられることにより、約7,000人の児童が安定した教育環境を享受することになる。
 この計画は、教育への投資が、途上国の貧困を削減し、経済成長を促進する有効な手段であるとの認識から、わが国が今後の基礎教育分野での支援のあり方として平成14年6月に発表した「成長のための基礎教育支援イニシアティブ(BEGIN: Basic Education for Growth Initiative)」および本年5月に発表したわが国の「対アフリカ協力イニシアティブ」の具体例として位置付けられる。

(2) コトヌ零細漁港開発計画
 ベナン国民は水産物嗜好が強く、動物性蛋白質の30%から50%を水産物から摂取するなど、漁業の振興はベナン国民の健康維持に不可欠となっている。零細漁業の整備と発展は同国の「国家経済社会開発計画」において戦略基軸の一つとなっている。
 ベナン最大の都市であるコトヌ市に位置するコトヌ漁港は同国の小型漁船の3分の1以上が集中する零細漁業の中心地である。同港はコトヌ商港の東部に位置していることから、近年の商業輸送の需要増加に伴う商港内の過密状態の影響を大きく受けている上、利用漁船数が年々増加しているにもかかわらず、水揚場・接岸施設等のインフラが不足しており水揚浜の広さも限られているため操業効率が悪くなっている。また、製氷施設や漁獲物の保存施設がないため、漁獲後の鮮度低下が著しく、同港の漁獲物の市場はほぼコトヌ市内に限られている。特に大漁時には、漁獲物は燻製材料として非常に安価で販売されるだけでなく、多くの投棄が生じており、漁獲後損失の削減が大きな課題となっている。
 このような状況の下、ベナン政府は零細漁業の振興を図ることを目的とする「コトヌ零細漁港開発計画」を策定し、この計画の実施のための水産基盤施設の建設に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
 この計画の実施により、水揚時の労働環境の改善や、水産物の鮮度改善が図られ、ベナン国民への良質な水産物の供給および零細漁業者の収入の増加が期待される。

(参考)ベナンは、アフリカ大西洋岸に位置する東西80km-南北670kmの長方形をした国であり、総人口が660万人、一人当たり国民総所得が360ドル(2001年)の低所得国(世銀ランク)である。


・ 経済協力局 無償資金協力課


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