バングラデシュの「緊急産科医療サービス強化支援計画」に対する無償資金協力について
平成15年6月13日
- わが国政府は、バングラデシュ人民共和国政府に対し、「緊急産科医療サービス強化支援計画」(the project for Support to Strengthening of Emergency Obsteric Care Service)に資することを目的として、4億7,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が6月15日(日)、ダッカにおいて、わが方堀口松城在バングラデシュ大使と先方アニスル・ハック・チョードリー大蔵省経済関係局次官(Mr. Anisul Huq Chowdhury, Secretary, Economic Relations Deivision, Ministry of Finance)との間で行われた。
- バングラデシュでは、国民に必須な保健医療サービスを提供するため、人口増加を抑制することを目的とした「国家保健人口戦略」を策定し、出生率および死亡率を低下させるための政策の維持・拡充、母親(妊産婦)の死亡率および疾病率の低減、感染症予防の三つを最優先課題として実施している。
しかしながら、バングラデシュにおける保健衛生の現状は、平均婚姻年齢および初産年齢が低いこと、男子を出産するまで多くの出産を求められること、母親の多くが慢性的な栄養不足状態にあること、医療機関の設備の不備等の条件のため、特に母親(妊産婦)の死亡率・疾病率が、近隣諸国に比較して高い状況にある。
このため、バングラデシュ保健家族・福祉省は、妊産婦死亡率を低下させるため、全国64県において、各県に1ヵ所設置されている県病院、および県を構成する各郡に1ヵ所設置されている郡保健所において、緊急産科医療サービスの改善とその利用率の向上を図っているが、400ヵ所ある郡保健所の整備は1割程度と、その目標達成にはほど遠い状況にある。
このような状況の下、バングラデシュ政府は、「緊急産科医療サービス強化支援計画」を策定し、緊急産科医療サービス提供に不可欠な機材および医療機材修理センターに必要な修理工具の調達に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、緊急産科医療サービスを提供するのに必要な機材が整備された郡保健所が増加し、妊産婦の死亡率・疾病率の低減、乳児死亡率の低減に寄与することが期待される。
|