カザフスタンの「クジルオルダ市地域病院医療機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成15年1月29日
- わが国政府は、カザフスタン共和国政府に対し、「クジルオルダ市地域病院医療機材整備計画」(the project for Improvement of Medical Equipment to Multi-Field Hospital Complex of Kzylorda)、の実施に資することを目的として、4億6,700万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月29日(水)、アスタナ市において、わが方角崎利夫在カザフスタン大使と先方カイラト・アブセイトフ外務省第一次官(Mr. Kairat Abusseitov, First Vice-Minister of Foreign Affairs)との間で行われた。
- カザフスタンでは、国家開発にかかる長期展望を示した国家計画「2030年までのカザフスタン開発戦略」の中で、全国民を対象とした保健医療システムの確立を重点目標の一つとして位置づけるとともに「国家保健改革プログラム」を策定し、社会主義時代の医療体制の改善と保健システムの再構築を進めている。
また、同国では、伝染病・寄生虫等の感染症による死亡率が近年上昇しているほか、心疾患や脳血管障害による死亡も急増しているにもかかわらず、病院の多くが老朽化し、設備・機材は劣悪な状態にあるため、適切な医療活動を行えない状況にあり、医療設備の整備が急務となっている。
なかでも、クジルオルダ州は、他州より低所得者層・貧困層が多く居住しており、乳児死亡率、感染症、特に結核罹患率が全国平均に比べて高いことから、同州の医療水準を全般的に改善するため同国の保健改革プログラムに従って建設されたクジルオルダ州立医療センターにおける診察用機材および医療設備の整備が急務となっている。しかしながら、同国の財政状況により必要な運営予算が捻出できない状況にある。
このような状況の下、カザフスタン政府は、クジルオルダ州の医療水準を向上させるため「クジルオルダ市地域病院医療機材整備計画」を策定し、クジルオルダ州立医療センターが基本的な診断活動に用いる機材を購入するための資金につき無償資金協力の要請をしてきたものである。
- この計画の実施により、クジルオルダ州立医療センターの機材が整備され、より精度の高い検査・正確な診断が可能となり、クルジオルダ州の保健医療水準の向上が期待される。
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