ヨルダンの「ザルカ地区上水道施設改善計画」他1件に対する無償資金協力について
平成14年9月12日
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わが国政府は、ヨルダン・ハシミテ王国政府に対し、「ザルカ地区上水道施設改善計画(1/2期)」および「セクタープログラム無償資金協力」として、総額29億6,800万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、9月12日(木)、アンマンにおいて、わが方佐々木伸太郎在ヨルダン大使と先方バーセム・アワダッラー計画大臣(H.E. Dr. Bassem I. Awadallah, Minister of Planning)との間で行われた。
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「ザルカ地区上水道施設改善計画(1/2期)」(Project for Improvement of the Water Supply System for the Zarqa District) 9億6,800万円
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「セクタープログラム無償資金協力」 20億円
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「ザルカ地区上水道施設改善計画(1/2期)」
ヨルダンでは、水資源の開発と有効活用を国家開発上の重点課題と位置づけ、特に水損失の低減下、水資源の最適配分に努めている。しかしながら、乾燥地帯という同国の厳しい環境のため、水源の開発は容易ではなく、また、パレスチナ難民の流入による急激な人口の増加のため同国の貧困層に対する水供給が悪化しており、貧困層では雨水等の不衛生な水を飲料水として使用しなければならず、水因性疾患の感染率が増大している状況にある。
このような状況の下、ヨルダン政府は、首都アンマンに隣接するヨルダン有数の工業地帯であるザルカ市の給水事情を改善し貧困層の供給状況を向上するため、「上水道施設改善計画」を実施しているが、同国の厳しい財政状況のため、困難な状況にある。
このため、ヨルダン政府は、この計画の一環として、ザルカ市において特に緊急性の高い貧困層居住地区であるルセイファ地区及びアワジャン地区を対象とした、「ザルカ地区上水道施設改善計画」を策定し、この計画の実施のために必要な資金につきわが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
この計画の実施により、ルセイファ地区及びアワジャン地区の給水時間が現在の週一日から週四日以上に改善されると共に、安全な水の供給による水因性疾患の感染率の減少、貧困層の社会生活基盤の向上が期待される。
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「セクタープログラム無償資金協力」
ヨルダン政府は、イスラエルおよびアラブ諸国と国境を接するとともに国内総人口の6割強をパレスチナ系が占めるという政治的・経済的事情に鑑み、国内の政治的安定の確保を図るため、1989年から3次にわたって国際通貨基金(IMF)・世銀との合意の下で経済構造調整計画を推進してきており、自由貿易体制の整備、民営化の推進、財政赤字および債務残高の削減等を進めてきている。
今回のセクタープログラム無償資金協力は、同国の経済構造調整計画の実施を支援するものであり、ヨルダン政府が経済構造改善努力推進に必要な商品の輸入代金支払い等のために使用される。
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