カンボジアの「プノンペン市洪水防御・排水改善計画」ほか1件に対する無償資金協力に
ついて
平成14年8月27日
1. |
わが国政府は、カンボジア王国政府に対し、「プノンペン市洪水防御・排水改善計画」および「人材育成奨学計画」の実施に資することを目的として総額24億2,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が、8月27日(火)、プノンペンにおいて、わが方小川郷太郎在カンボジア大使と先方ハオ・ナムホン上級大臣兼外務国際協力大臣(H.E. Mr. HOR Namhong Senior Minister and Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。
(1) |
「プノンペン市洪水防御・排水改善計画」(the project for Flood Protection and Drainage Improvement in the Municipality of Phonom Penh)
20億5,600万円
平成14年度: 7億3,400万円
平成15年度:13億2,200万円
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(2) |
「人材育成奨学計画」(the Project for Human Resource Development Scholarship) 3億6,600万円
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2. |
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プノンペン市洪水防御・排水改善計画
カンボジアの首都であるプノンペン市は、メコン河の氾濫原に発達した都市であり、排水が困難かつ内水湛水しやすい地形であるため、雨期の集中豪雨により市内各所で湛水被害が生じている。
フランス植民地時代から整備・維持されてきたプノンペン市内の治水・排水施設は、20年に及ぶ内戦以降、殆ど維持管理がなされず放置されてきたため、これら施設の機能は著しく低下しており、被害拡大の原因の一つとなっている。
このような現状を打開するため、プノンペン市はアジア開発銀行(ADB)などからの資金を導入して排水路の改修、排水機場の増設などを実施しているが、まだ市内の一部地域に限られている。
このような状況の下、カンボジア政府は、プノンペン市の洪水、内水被害を軽減し、民生の安定と首都機能の維持を図るため、主にプノンペン市南部におけるプノンペン市の外郭堤防の補強、排水路、排水機場の改修・整備を行うことを目的とした「プノンペン市洪水防御・排水改善計画」を策定し、この計画の実施のための詳細設計に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
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(2) |
人材育成奨学計画
カンボジアでは、1970年代から約20年間にわたる内戦により多くの人材を喪失し、戦後の復興・開発の中核を担う行政機関等においては、有望な人材の確保が困難となっており、同国における近年の市場経済化、近代化等への対応が必ずしも十分に行えない状況にある。また、初等・中等教育における教員教育および教科書・始動教材の不足が問題となっている。
このような状況の下、カンボジア政府は人材育成において留学制度が果たす重要な役割に鑑み、「人材育成奨学計画」を策定し、この計画のための現地における事前教育、渡航費、滞在費、学費等の資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
わが国は、こうしたカンボジア政府の要請に対し、一般無償資金協力の枠内で導入されている留学生支援無償により支援を行うものである。これにより、既に日本に留学している留学生40名および来年度新たに日本に留学する約20名の学生が支援を受けることになる。
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