アルメニアの「エレヴァン市道路維持管理機材整備計画」に対する無償資金協力について
平成14年8月13日
- わが国政府は、アルメニア共和国政府に対し、「エレヴァン市道路維持管理機材整備計画」の実施に資することを目的として、5億4,100万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が8月13日(火)、エレヴァン市において、わが方田村嘉浩在アルメニア大使館参事官と先方ロベルト・ナザリャン エレバン市長(Mr. Robert NAZARYAN, Mayor of Yerevan City)との間で行われた。
- アルメニアでは、1991年に旧ソ連から独立し全体主義的体制からの脱却のため、市場経済体制への改革を重点的に実施している。なかでも、道路事情を改善することによる人的、物的流通事情の促進を目標としており、今回の計画対象である首都エレヴァン市は幹線道路802km、支線320kmを有し、同国の流通の中心的役割を担っている。
現在、エレヴァン市では、道路の維持管理をエレヴァン市建設局が行っているが、旧ソ連からの独立以降に起こったアゼルバイジャンとの紛争等による社会・経済の混乱のためアルメニアの財政事情が悪化し、十分な予算が確保できず、道路の修復がエレバン市の道路面積1,590万m2に対して約1.9%しか実施できていない。さらに、1995年以降には車輌台数、輸送量がともに増加しており、運輸、交通に係るサービスを十分に行えず、同国の流通に支障をきたしている。
このような状況の下、アルメニア政府は「エレヴァン市道路維持管理機材整備計画」を策定し、この計画に必要な道路維持管理機材の購入に必要な資金につき、わが国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
- この計画の実施により、エレヴァン市内における道路の維持管理体制が改善され、エレヴァン市民約125万人の道路事情が向上するとともに、アルメニアにおける人的交流および商業活動の活性化、流通コストの低減などが期待される。
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