日本の対南西アジア外交

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- 南西アジアの発展へ、
日本ができること
巨大な人口を有する南西アジアは近年目覚ましい経済成長を遂げており、マーケットとしても投資先としても
注目を集めています。一方で、貧困や格差、紛争からの復興・平和構築、気候変動・災害対策など様々な問題を抱えており、
国際社会からの支援が必要な地域でもあります。日本は長年にわたり南西アジア地域の最大のパートナーとして
支援してきました。2021年の日本のODA供与額は、インドが1位、バングラデシュが2位、スリランカが18位となっています。
その他
イギリス
14.4%
5.2%
アメリカ
10.2%
南西アジア
へのODA
(政府開発援助)
供与国
その他
日本
54.3%
サブサハラ・
アフリカ
日本の
二国間ODA援助
地域別配分
32.8%
9.5%
ドイツ
15.9%
中東・北アフリカ
11.0%
出典:OECDデータベース(OECD.Stat)
(2023年2月)
東南アジア
21.5%
出典:OECDデータベース(OECD.Stat)
(2023年2月)
2021年の南西アジア地域への支援の約54%を日本のODAが占
2021年の南西アジア地域への日本のODAは約6,415億円(支出
めており、日本は南西アジア地域にとって最大のパートナーです。
総額ベース)で、日本のODA全体の約32.8%を占めています。
13km/h
■ デリー高速輸送システム建設事業
日本は有償資金協力(円借款)により、デリー高
速輸送システム(デリーメトロ)建設を支援して
平均時速
います。エレベーターや女性専用車両を採用す
慢性的な渋滞が発生
るなど女性や高齢者等にも配慮しながら、毎日
約500万人(2019年時点)に便利で快適な移動
インドでは近年、大都市の人口が急増。鉄道の整備
が進んでいなかったため、デリー市内は慢性的に渋
滞が発生し、平均車両速度は13㎞ /hとなっていまし
た(東京は24.7㎞ /h)
。交通混雑の緩和と排気ガスに
よる大気汚染の公害減少が求められています。
手段を提供します。また、日本は資金や技術の
提供だけでなく、作業員の安全帽・安全靴の着
(写真提供:JICA)
1億 ドル
■ ケラニ河新橋建設計画
約
経済危機への支援だけでなく、道路輸送の円
滑化・経済成長の促進に寄与するため、交通の
要衝であり著しい渋滞が慢性化していた、コロ
経済危機の克服と今後の発展を支援
ンボ市北部のケラニ河に新たに橋を建設しまし
スリランカは、2022年、外貨不足等により生活必需品の不
足や記録的なインフレ等、独立後最悪と言われる深刻な経済
危機に直面しました。日本政府は、食料品や医薬品供与等
の緊急人道支援だけでなく、農業機材や保健機材の提供に
よる経済回復の後押し、北部・東部を中心とした紛争影響地
域における生計向上を含め、同年だけで約1億ドルの無償支
援を決定し、危機の克服と今後の発展を支援しています。
なるほど発見!南西アジア
用や整理整頓の意識も指導し、インドの工事に
文化的な革新を起こしたと言われています。
2022年の無償支援
07
南西アジア
25.2%
た。2021年11月に開通したこの橋は、スリラ
ンカの橋梁としては初のエクストラドーズド形
式の橋であり、その美しい景観はスリランカ最
大都市コロンボの新たなランドマークとなって
ケラニ河新橋建設計画
います。
(写真提供:三井住友建設)
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