日本の対南西アジア外交

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- 防災
“その日”に備える
災害が多く、気候変動の影響を受けやすい
バングラデシュでは、人々の暮らしや生活を守
るために被災リスクを少しでも減らすための、
あらゆる努力が欠かせません。松村直樹さん
は耐震技術の導入や防災気象情報の改善、次
世代の防災を担う人づくりを担うJICA専門家
(当時)として、現地語を交えながら、いつか
来る“その日”に備えることの重要性を人々に説
き続けました。
防災について現地語を用いて指導する松村さん
(写真提供:谷本美加/JICA)
日本の紙芝居で楽しく栄養を学ぶ
農業
自給自足から“売れる”農業へ
ネパールの子どもたちの栄養状態を改善す
冨安裕一さんがプロジェクト・リーダー(当
地消型の学校給食を提供するための設備整備
や摘果作業などを教えるほか、新しい品種の導
るために、2020年2月からヌワコット郡で地産
時)を務める農業試験場では、栽培研修で剪定
や栄養教育のための研修などをWFPとの連携
入にも取り組んでいます。ブータンの主な産業
で実施しています。
は農業ですが、これまでは自給自足が中心だっ
この事業には日本のNGOであるシャンティ
たため品質向上の意識は薄く、さらに農地が急
国際ボランティア会も協力しており、日本の文
峻な山沿いに点在するので、生産性の向上は容
化でもある紙芝居を用いて子どもたちがイラス
トとストーリーを楽しみながら栄養バランスの
大切さについて学ぶことができる環境づくりを
易ではありませんでした。強いリーダーシップに
農業試験場で農家らを対象に研修を行う冨安さん(右)
(写真提供:野町和嘉/JICA)
支援しています。
従事者の配置や施設の24時間対応
が限定的な上、社会習慣から母親の
よって農家の自主性や責任感も向上させるな
ど、冨安さんの地道な活動は周囲の信頼を集
め、ブータン政府からも高く評価されました。
教育
ニーズに合った学校建設
1200もの小さな島々が点在するモルディブは、
意思決定、単独外出、栄養改善など
開発の手が隅々まで届きにくい傾向にあり、長年に
に課題があります。このため、女性
の検診や施設分娩へのアクセスにお
わたって地方島の学校設備が不足してきました。日
ることが重要です。日本は、医療者
学校を建設する7件のプロジェクトに署名し、子ど
コミュニティ啓発、日本の母子手帳
各学校が抱える課題に合った支援を提供するこ
パキスタンの母子保健サービスの強化を図り、
く、図書室、障害者児童向けトイレ、実験器材の整
ける障害を物理的・社会的に除去す
本は2016年の大使館設置以降、モルディブ国内に
への研修、医療施設・機材の整備、
もたちの学習機会の確保に貢献してきました。
を基にした家族健康手帳の作成などを通じて、
とが日本の支援の強みであり、学習教室だけでな
母子が健やかに最初の1000日を過ごせるよう
備を行うなど、ニーズに合ったきめ細かな協力はモ
支援しています。
教室を供与した学校の生徒たちと共に
ルディブ政府から高い評価を得ています。
マーコール
ベンガルトラ
ターキン
キハダマグロ
ヤギの仲間で、体が大きいことから「野
生のヤギの王様」を意味する言葉が名前
の由来です。パキスタンの国獣で、国際
自然保護連合の準絶滅危惧種に指定され
ています。
インドとバングラデシュにまたがるマン
グローブ天然林(ユネスコの世界自然遺
産)に生息する、バングラデシュの国獣
です。個体数の減少により絶滅危惧種に
指定されています。
ブータンの高地の森林地帯に生息するウ
シ科の動物で、雌雄ともに湾曲した角を
持っています。森林伐採や乱獲により生
息数が減少しています。
水産業が盛んなモルディブでは、環境に
優しい一本釣り漁法が主流です。モルディ
ブは世界一魚を食べる国と言われており、
1日3食すべてで魚が食卓に上ることも珍
しくありません。
Ministry of Foreign Affairs of Japan
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