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記者会見

事務次官会見記録(平成16年6月)


INDEX


・ 事務次官会見記録(6月21日付)
 ・ 自衛隊の多国籍軍参加
 ・ 中国による東シナ海でのガス田採掘
 ・ イラクでの韓国人拉致事案


・ 事務次官会見記録(6月14日付)
 ・ サマーワ情勢
 ・ 北朝鮮情勢(特定船舶入港禁止法案、拉致問題、六者会合)


・ 事務次官会見記録(6月7日付)
 ・ イラク情勢(国連安保理新決議案)
 ・ シーアイランド・サミット




事務次官会見記録 (平成16年6月21日(月)17:00~ :於会見室)

・自衛隊の多国籍軍参加

(問)イラクの多国籍軍の問題ですけれども、外務省から国会に、先日委員会で問題になっていた米英と取り交わした合意について文書で示されていたということですけれども、その中で英文でどういう形で合意されているかということは示せないという風に聞いていますが、その辺の事実関係はどうなっているのでしょうか。

(事務次官)先方との間で了解を取り付けるに当たっては大使館レベルで話し合われたわけです。当然、先方においても、個人の意見という訳ではなく、政府内でとりまとめた上で回答してきています。大使館の仕事ですから、当然、言語としては英語で行っているわけですが、基本的にこれは口答であり、それを基に作成したということです。言葉遣いに関しては、まさに今日提出しました書面で御理解をいただきたいと思います。当然、話は英語で行っておりますが、提出した書面はそれを正確に反映したものであるということです。

(問)統合された司令部の下には入るけれども、多国籍軍の指揮下には入らないということで、その辺の言い回しが実際にはどうだったのかということが、非常に関心があるところなんですが、その辺も含めて明らかに出来ないということですか。

(事務次官)これはまさに書面で書いてあるようなことを英語で行ったということです。

(問)指揮も司令部も「command」と訳されるかと思いますが、その部分はどういう風に整理して行うのですか。

(事務次官)質問の趣旨がよくわかりませんが、当然、安保理決議の中にある「unified command」は「unified command」ということで話をしております。その訳ということについては、日本語でどう言うかということについては、今まで国会で何度も説明を行っておりますが、米側に確認したところ「unified command」というのは「CJTF-7」、それから「多国籍軍」になってからは「MNF-I」を指すというということです。それで日本語としては「統合された司令部」と訳しているのが実態です。

(問)その上で、多国籍軍の指揮には入らないというのはどういうことですか。

(事務次官)「unified command」の下ではあるけれども「指揮」には入らない。「command」という言葉にはいろいろありますが、指揮には入らない、「統合された司令部」は取りまとめ、連絡調整を行うといった趣旨と解しています。

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・中国による東シナ海でのガス田採掘

(問)中国の天然ガス採掘施設の件ですが、大臣が日中外相会談で取り上げていると思うのですが、日本政府としてどの程度、中国側の活動が中間線の所で行われているか等認識していますか。

(事務次官)いろいろ情報収集を行っておりますが、核心の中間線を巡っては、地下の構造がどうなっているか、中国政府としてそれをどのように認識しているかが基本的な問題です。実際に掘る施設の建設現場は中間線より西側だという情報は得ておりますが、地下の構造に関しては、いろいろな情報はありますが、中国政府としての認識ということが重要です。その点について昨年来中国側に説明を求め、資料の提供を求めてきているというのが、これまでのところです。それについての明確な説明はまだありません。先日、中川経済産業大臣からも中国側に強く求めたところであり、今度の外相会談という機会を捉え、また必要に応じて大臣から提起をしてもらうことで準備をしてきているところです。まだ、本日の会談の結果について詳細な報告を受けておりませんので、ここで私から御披露することはできませんが、今頃現地においてブリーフィングが行われているのではないかと思います。

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・イラクでの韓国人拉致事案

(問)韓国の民間人がイラクで誘拐され、かつての日本人人質事件のように軍の撤退が条件に出されているようですが、この事件をどのように受け止めてらっしゃいますか。

(事務次官)まず第一に日本人の人質の場合もそうでしたが、本当に無辜の一般市民を拉致し、ひどい目に遭わせるということはとても容認出来ない行為であると考えています。それに対する対応策として、韓国政府の方で国家安全保障会議を開いたり、韓国の外務省においても緊急対策本部を開かれたりということで対応策が練られていると聞いています。我々としてできることがあれば御協力したいと思いますが、この点については今のところ具体的なことを申し上げることはできません。たまたま潘基文長官が青島を訪問しておられ、急遽日韓外相会談が短時間ではありますが開かれたということも聞いております。瀋基文長官も予定を早めてソウルに帰られるということです。日本と韓国の間でも緊密な連絡をとりながら、我々も経験がありますから、お役に立つことがあればという風には思います。現地の状況というのはいろいろ複雑な所があると思います。いずれにしましても一日も早く無事に解放されることを願っております。それから韓国の多国籍軍への軍隊の派遣といった基本的な方針については変更ないと聞いております。

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事務次官会見記録 (平成16年6月14日(月)17:00~ :於会見室)

・サマーワ情勢

(問)サマーワで自衛隊と一緒に駐留しているオランダ軍の駐留期限が8カ月ということで、3月までという見方も出来るし、3月以降はまた続けるというふうにも取れるのですが、どのように受け止めていらっしゃいますか。

(事務次官)基本的に、オランダ軍がサマーワにおいて非常にいい仕事をされているという評価が一般的に言えると思います。それは我々との協力関係においてはもちろんですが、地元の人たちから非常に評判がいいということが言われています。例えば、最近現地の新聞が行った世論調査でもオランダ軍に対する評価は高いようです。先般の国連安保理決議、更にはイラク国内において暫定政府が出来て、いよいよ7月1日からイラク国民自ら主権を完全に行使する状況ではありますが、イラクの方々から各国の支援を希望されているという状況において、オランダ軍が駐留を続けることは現地からも評価される決定ではないかと思います。8カ月先のことについては、これはもちろんオランダの中において決められるべき問題であり、我々として今からどうこう言うことは適当ではないと思います。いずれにせよ、新しい出発を迎えるイラクにとって、オランダ軍が駐留を続けて貢献をするということは、我々から見ても前向きの評価をすべきことであろうと思います。

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・北朝鮮情勢(特定船舶入港禁止法案、拉致問題、六者会合)

(問)間もなくだと思うのですが、参院本会議で特定船舶入港禁止法案が成立する見通しですが、日朝交渉を経て今の時期に成立する意義について、改めてお考えをお聞きしたいのですが。

(事務次官)国会の意思として法律を作るということであり、我々としても従来からいわゆる「対話と圧力」という考え方を基本的にとっています。そういった意味でいろいろな効果的な手段としての選択肢が出来ると認識しています。もちろんそれを発動するかどうかについては、効果的ではないと現段階においては認識をしているということは御承知のとおりです。国会においてそういった選択手段をつくって頂けたと考えています。

(問)北朝鮮側の反発も予想されるのですが、今後の日朝交渉に与える影響についてはどのようにお考えですか。

(事務次官)北朝鮮側の反発云々について私から申し上げることはありません。北朝鮮が日朝平壌宣言を実施していく、事態を悪くしないということであれば、発動する必要はないわけです。北朝鮮が誠意を持って、わが国との関係においていろいろな問題の解決に努めることを改めて期待するということです。

(問)拉致問題に関してですが、一部において、横田めぐみさんの娘さんのキム・ヘギョンさんを北朝鮮側が日本に戻してもいいということを言っているという報道があったのですが、現時点で外務省としてキム・ヘギョンさんの扱いというのはどのように考えていらっしゃるのかというのを改めてお聞かせ願えませんでしょうか。

(事務次官)最近、そういう報道があったということは承知していません。基本的には、我々がどうこうと言う前に、そういった問題というよりは、問題の本質は横田さん御一家の気持ちが非常に重要だろうと思います。それ以上のことを申し上げる状況、段階ではないと思います。日本に来られるということが、どういった意味を拉致問題全体の関係で生ずるかといったことも当然慎重に考えるべきことであろうと思いますが、横田さんの御家族の方々がこの点について一つの考えを持っておられますので、それを尊重するというのが我々としてはとるべき一つの基本的な立場であろうと思います。

(問)そうしますと、現時点では外務省としてヘギョンさんの来日を向こう側に求めていることはないということですか。

(事務次官)ありません。

(問)経済制裁の発動に絡んで、先日、拉致被害者の家族の集まりで、10人の行方不明者の再調査に対する回答が9月17日までに来ない場合、経済制裁を発動すべきだという要求が出ていますが、こうした声についてはどう受け止められていますか。

(事務次官)我々の立場からすると、先般の平壌における会談において、先方から、白紙に戻して調査を行うという言明があったわけであり、それをしっかりと行ってもらいというのが現在における我々の立場です。それ以上のことについて今申し上げることはありません。我々として重視していることは、まさに金正日委員長が言われたことを実行してもらいたい、これははっきりとした我々の立場です。

(問)その調査に関してですが、今までの段階で北朝鮮から誠意のある態度というのは見せられているのでしょうか。

(事務次官)誠意があるかどうかという判断をするところまでには、まだ至っていません。我々としては誠意のある調査を求めているというのが現在の段階です。

(問)それは何らかのやり取りは行われているということですか。

(事務次官)一定のやり取りはあります。

(問)6月末まであと2週間ぐらいになったのですが、六者会合の日程の方は月内再開、手応えは相当あるという感じでしょうか。

(事務次官)現在、外交ルートで調整中です。6月といっても、もう間もなく終わりますので、既定の方針、6月中の開催ということで我々日本側としては進めたいという立場です。現在まだ調整中であるというのが客観的な状況です。

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事務次官会見記録 (平成16年6月7日(月)17:00~ :於会見室)

・イラク情勢(国連安保理新決議案)

(問)イラクですが、国連安保理決議が大詰めのところにきているようですが、自衛隊の多国籍軍への参加問題ですが、これは条件が整えば多国籍軍に変わるという方向で整理したいとお考えでしょうか。

(事務次官)安保理においては、御承知のようにニューヨーク時間の6日、安保理議長に対するアラウィ・イラク首相からの書簡、更にはパウエル米国務長官からの書簡が届いたのを受けて非公式協議が行われ、決議案に関しては相当議論が煮詰まってきており、いろいろな立場が近づいてきている、しかもそれはイラクの暫定政府の考え方を踏まえた決議案ということで作業が進んでいると見られます。従って我々としても、昨日(6日)、ネグロポンテ米国大使がニューヨークで明らかにしたように、近日中に安保理決議が採択されることを期待しています。この安保理決議は数ある安保理決議の中でも非常に重要な決議の部類に入ると思います。それは当然のことですが、6月30日を境にしてイラクにおける占領が終了し、イラクという国家が完全な主権、統治権を回復する、暫定政府とはいえイラク自身の統治が本格的に再開されるという状況において、イラク暫定政府、イラク国民の安定と復興、国造りに対する国民的な努力を国際社会として支援するという一つの重要な切れ目、その時期に至るということが背景になってくると思います。
 そういう中での自衛隊についての質問ですが、具体的なことについては、最終段階とはいえ、安保理決議が最終的に決まったわけではありませんので、自衛隊の地位等について断定的なことを申し上げることは控えるべきだろうと思います。ただ、申し上げたいと思うのは、イラクがまさにこういう段階になって、7月1日からイラク自身が復興に努力をしよう、国際社会がこれに協力しようという状況において日本としてどうするかということも踏まえて考える必要があろうということです。更に言えば、安保理決議が仮に全会一致で採択され、安保理のメンバー国に限らず国際社会全体が7月1日以降、協力を強化する、拡大することを我々としては期待しています。今まで慎重な姿勢をとって、こういった協力に具体的には参画しなかった国も含めて、更なる協力が強まることを我々は期待しています。

(問)自衛隊の参加問題ですが、国会の答弁等で、政府は、他国の武力行使と一体化されないところをきちんと確保されることが必要だという答弁だったと思いますが、安保理決議の中で1511以来の形のままではそういう条件は満たされないとお考えでしょうか、それともまた別の解釈でしょうか。

(事務次官)安保理決議の詳細についてはまだ申すことは出来ませんが、今までの国会の審議で、内閣法制局長官を含め、外務大臣からもそうだと思いますが、答弁を申し上げているとおり、日本の憲法上、武力の行使とか、武力行使と一体化するような活動といったものは憲法上の問題があり得るということが肝心な点であり、それがそういうことにならないことが確保されることが重要なわけです。従って、これから決議が出てきて、採択されて、それを見て皆様方にも判断してほしいと思いますし、我々としても最終的な決定をするということになるわけです。更に付け加えて言えば、現に今、自衛隊がサマーワで行っている活動は、まさに非戦闘地域において憲法上問題のない人道復興支援という活動を行っていますので、その点について、その活動がこれから多国籍軍になるからといって武力行使を含むような活動になることがあれば、当然そういうことは問題になってくるわけですが、そのようなことではなく、従来どおりの活動が続けられるということであれば、まさに今述べたように、国際社会が今こそ安保理決議に基づいて、新しいイラクの再出発を助けようという状況において判断していくべきことだろうと思います。

(問)総理は日米同盟と国際協調の両立をずっと言い続けてきたのですが、今の国連安保理の現状というのは総理が言い続けた両立というのに限りなく近づいているという認識でいらっしゃいますか。

(事務次官)国際協調がイラクの安定と復興について安保理決議という形でその結束が示され、それに基づいた具体的な協力、支援が行われることに繋がりますと、それは我々が当初から述べている、イラクの問題は米国の問題ではない、国際社会全体にとっての問題であるといった認識が、国連の場でそれに沿った動きとして示されるということであるとは言えると思います。

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・シーアイランド・サミット

(問)今週サミットが始まりますが、どのようなことを期待されますか。

(事務次官)今年、サミットは30回目にあたるそうです。今回のサミットについて国際社会のいろいろな方々が注目しているのは、G8の首脳たちが現在の国際社会の中でのG8としての結束した責任、協調した行動といったものを提示していけるかどうかということが一つあろうかと思います。その背景には当然イラクの問題もあります。それが今度の安保理決議の最後の段階での帰趨ということで、ニューヨークの安保理における動きがシーアイランドの雰囲気に与えるものは一つあろうかと思います。いずれにしてもサミットは元々から言うと経済中心から始まったわけですので、世界経済の動向ということもあります。また冷戦後の国際社会における大きな問題であるテロであったり、大量破壊兵器の拡散の問題といったことが注目されると思います。こういった問題についてG8のリーダーたちが、処方箋と言えるかどうか分かりませんが、対応を力強く打ち出してもらいたいと国際社会から期待されているだろうと思います。更に地域情勢では北朝鮮、イラク、中東といった点があります。中東の関係では、「拡大中東・北アフリカ・パートナーシップ構想」がこれまで討論され、準備されてきていますので、それについて注目されているかと思います。またこれとも関係して、中東諸国がこういったG8諸国の動きに対してどのように呼応してくれるか、協力関係が出来るかといったことも注目点であろうと思います。我々日本としてはパートナーシップの考えで、自らが主人である中東諸国が自ら改革を進めるということに対して我々の側から協力を惜しまないという姿勢が出ることを期待しています。

(問)サミットの議長総括ですが、昨年のエビアンでは「拉致」という文言が日本側の要請で入ったわけですが、今回については5月の日朝首脳会談があったことを踏まえて、どういうふうに。

(事務次官)サミットの議長総括というのは、まさに議長が最終的に総括するものですので、今から予断を持って申し上げるのは適当ではないと思いますので控えさせてもらいます。

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