事務次官会見記録 (平成16年2月23日(月)17:20~ :於会見室)
北朝鮮(逢沢副大臣と王毅外交部副部長の会談、エネルギー支援)
(問)逢沢副大臣と中国の王毅副部長との会談で、王副部長より北朝鮮側が核の全面廃棄に応じる用意があると聞いていると伝えられたのですが、日本政府としてはこれをどのように受け止めていらっしゃいますか。
(事務次官)基本的に大事なことは、中国側が北朝鮮から何を聞いて、それをこちらに伝えてきたかということではなく、六者会合の場において北朝鮮がどのような発言をするか、どのような態度をとるかということです。これが重要なことであって、間接的な形で伝えられていることについて、あれこれと言及することは適当ではないと思います。要するに、25日からの六者会合において北朝鮮が核計画についての完全、検証可能、不可逆的な核廃棄をコミットするかどうかが大事なことだろうと思います。
(問)日米韓の間で、北朝鮮に対してどの段階でエネルギー支援を行うか、そういった面について多少温度差があるのではないかという指摘があるのですが、次官はどのように御覧になっていらっしゃいますか。
(事務次官)どういうことが念頭にあるのか分かりませんが、日米韓において北朝鮮の核開発について、先程申しましたような、完全、検証可能、不可逆的な廃棄を求めることについては一致しているわけです。それに至るプロセスについても連携をしていこうということで、まさに三カ国で協議を緊密にやっています。その過程においていろいろなアイデアというのがあり、日本も日本独自のアイデアがあります。それをもって他の国と温度差があるということにはなりません。私は分断されているという意味での温度差ということであれば、そういうことはないと思います。具体的な話し合いは、まさに25日から六者会合で始まるわけです。いろいろな報道が出ていますが、会合の前に対処方針等についていろいろ申し上げるのは決して生産的ではないと思いますので、その点については御理解頂きたいと思います。
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アナン国連事務総長の訪日
(問)アナンさんが来られていて、昨日、外務大臣と会談したのですが、国連改革について川口大臣他、日本政府としての考え方をいろいろ伝えたようですが、例えば2005年の首脳会議の交渉等、具体的な言及はアナンさんの方からはなかったと聞いておりますが、今、アナンさんの考えていらっしゃる方向と政府としての働きかけと、どの程度理解して頂いているのかということについて伺いたいと思います。
(事務次官)その点は、具体的にはまだまだいろいろなすり合わせ、協議をする必要があろうと思います。アナン事務総長におかれては、自らハイレベル・パネルを設置されて、そこでの作業に期待されています。その作業ペースとしては本年中に何らかのレポートを作成したいとのようです。アナン事務総長としては特に緒方JICA理事長がパネルのメンバーであるということにも言及されていますし、外務大臣の下での有識者懇談会の意見にも関心を示されていましたので、日本側の考え方について多大なる関心を持っているということは言えると思います。段取りとの関係でどうなっていくかはまだまだこれからのいろいろな作業の進展ぶりを見て考えが示されるということではないかと思います。
(問)分担金の問題で、日本が非常に合理化する必要性を強調され、アナンさんはこれに対して日本の貢献に対する期待を非常に強く表明されたと聞いておりますが、この辺の認識の差というのは埋まっていっているとお考えでしょうか。
(事務次官)分担金を決めるのは事務総長ではありません。国連加盟国間の委員会等の手続きを経て決まるものです。アナン事務総長の立場からすれば、国連が十分な活動をするための予算を確保してほしいというところがまず第一だろうと思います。その上で公平な分担ということに意を用いるという日本の考え方、また日本国民が分担金の問題について抱いている問題意識については、アナン事務総長もよく理解されていると思います。要は日本という大口の拠出国の立場と事務総長の立場は違うということで、必ずしも一致するわけではないところはあるかもしれません。ただ、事務総長として重ねて繰り返し言及されていましたのは、記者会見などでも言われていますが、日本という国が国連に対して、どこの国にも増して支援、支持を今まで行ってきていることについて、非常に高い評価をしているのだろうと思います。だからこそ、こういった忙しい時期においても日本に来られたということですし、日本の意見、立場もいろいろ聞きたいし、吸収もしたい、これからの国連における活動にも参考としたいという気持ちは非常に表面にも表れていると思います。分担金の具体的な話になりますと、それは分担金の委員会等、国連の手続きで決めるものということになるのだろうと思います。
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日韓FTA
(問)日韓FTAの交渉が今日から始まりましたが、どういう進展があったのか、あるいはどういう進展があることを期待されているのでしょうか。
(事務次官)出来るだけ進展があることを期待していますが、交渉の最中に中身について述べることは、残念ながら差し控えさせて頂きます。
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事務次官会見記録 (平成16年2月16日(月)17:00~ :於本省会見室)
北朝鮮(政府間協議)
(問)日朝交渉ですが、あまり具体的な進展はなかったということで、日朝共にそれぞれの立場を述べ合ったということですが、今回の日朝交渉の位置付けは、次官はどのようにされていますか。
(事務次官)今度の協議が行われる前と行われた後を比較して考えてみますと、我々が望むような具体的な結果は出なかったことについてはそうですが、政府間の協議を、累次、北京の大使館を通じて求めていたことに対して先方が応じ、我々として基本的な考え方、原則論といった日本の立場を明確に直接、しかも北朝鮮の政権の中枢の方に対して伝えることが出来たという点が一つあろうかと思います。更に、今後のことについて、こういった協議を続けていくことについての申し合わせが出来たことも、この協議の前の状況と比べると一歩前進であるという評価ができると思います。先方からも原則的な立場の表明があり、平行線ということでした。その点については、具体的な結果が出なかったことは残念ではあります。今後、我々としては粘り強く我々の基本的な姿勢を貫いていくということです。来る六者会合の機会には、顔を合わせる場が少なくとも設定されているわけですので、この機会をどのように活用していけるかということをこれから検討していかなければならないと思います。もちろん六者会合というのは核の問題についていろいろな準備、折衝が行われた上で開催されることになりますので、この関係では我々としても米国、韓国、中国、ロシアと緊密な意見交換をしてきましたので、これも基本的な立場をきちんと守った話し合いということで臨みたいと思います。
(問)北朝鮮側の主張の根幹に日本側が約束を破ったということがあるようですが、つまり拉致被害者の方を一旦平壌に戻すという約束があったという主張を引き続きしているようですが、改めてこの問題についての日本政府の立場をどういうふうに北朝鮮側に説明されるのか確認したいのですが。
(事務次官)それは今日も官房長官の記者会見の中で同じような質問が出ていましたが、そういう約束はない、したことはないということです。
(問)協議について、内容自体は平行線に終わったということで、今後更に圧力を強めていくべきだという意見も関係者の方から出ているのですが、この点についてはどういうお考えでしょうか。
(事務次官)これはなかなか表現が難しいですが、「対話と圧力」ということで今までもやってきているわけです。その点について何か変わるということではなく、やはり「対話と圧力」でやっていくということです。今のところは、今回の接触によって「対話と圧力」を「圧力」だけにするということではないと思います。両方、まさに両輪でやっていくということです。
(問)その際に、具体的に言うと外為法を発動するとか、あるいはこれから法整備の話も出てきますが、北朝鮮船籍の船の入港を禁止するという船舶法、こういったものも出ているのですが、この辺で逆にどうお考えですか。
(事務次官)これも従来から述べているとおりです。我々としての政策の選択肢が用意されるということです。それはそれで外交の一つの助けになるであろうし、また、その趣旨を活かすことが我々に対する国民の期待であろうと思います。
(問)今後の交渉はやはり北京ルートを通じて日程を詰めていかれるのですか。それとも六者協議の時に顔合わせがあって、その場で協議されるということなのでしょうか。
(事務次官)両方あり得ると思います。あらゆる機会を捉えて粘り強くやっていくという総理の指示があります。もちろん大使館のチャンネルもこれから閉ざすわけではありませんし、六者会合で顔を合わせるという場もあるでしょう。それはいずれかでなければならないということではありません。六者会合に誰が出席するのかということについてまだ具体的な発表はありませんが、誰が出てくるかということも一つの考慮の要素にはなろうかと思います。
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事務次官会見記録 (平成16年2月9日(月)17:00~ :於会見室)
イラク代表とのサッカー親善試合
(事務次官)イラクの復興支援事業の一環として、サッカーの親善試合について一言申し上げたいと思います。2月12日に、日本サッカー協会が主催する日本代表とイラク代表のサッカー親善試合が行われます。政府としては国際交流基金を通じ、イラク代表チーム渡航費として約1千万円を助成することにしています。2月12日の試合は7時20分キックオフで国立競技場で行われますが、是非多くのイラクの方々にも見て頂きたいと思っており、政府としてはイラク・メディア・ネットワーク(IMN)による同時中継放送を支援する予定です。又、政府が招聘し来日中のレバノンのフューチャー衛星テレビに対しても親善試合の取材支援を行う予定ですので、イラク及びレバノンで同時にこのサッカーの試合が見られることになります。日本のサッカーファンの方も出来るだけ多く国立競技場に来て頂きたいと思っています。こういったことで日本の国民の気持ちがイラクの人々に伝わることがあれば有意義ではないか、嬉しいことではないかと感じています。なお、昨年11月、サッカーをはじめとするスポーツ分野での対イラク支援ということで、日本サッカー協会からイラクサッカー協会にサッカーの器材が寄贈されました。このことはもう御存じの方もいると思います。それに際しても、いわゆる草の根文化無償ということで180万円の輸送費の補助を外務省の予算で行っています。
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北朝鮮(外為法改正案)
(問)外為法の改正案ですが、議員立法でありますが、今日成立する見通しとなっておりますが、対北朝鮮の制裁を視野においた法案というふうに思いますが、政府としても今回の法案の成立をどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
(事務次官)これは何度か政府の方から申し上げていることだと思いますが、外為法の改正を通じ我が国としての取りうる措置につき選択肢が増えること自体、それは有意義なことであろうとまず考えます。もちろん実際に制裁を行うか否かということはまた別のことで、これまでも申し上げているとおり、現時点においてはいわゆる制裁を行うことは考えていません。ただ北朝鮮側が更に事態を悪化させるといった状況になれば、当然のことながら米国、韓国等といった国とも十分な連携、協議を行った上で適切な措置を講じていく考えです。そういった意味でもこのような措置は、事態の改善、問題の解決といった方向に向け、北朝鮮側が前向きな対応をとることを促すためのものである、そういった意義があると考えているところです。
(問)そうしますと、今、北側が事態を悪化させることがあればというお話でしたが、例えば今後の六者協議等の場で具体的な進展等、得られない場合にはこういう法案を実際に動かすということも視野に入ってくるということなのでしょうか。
(事務次官)具体的な発動の状況は、その時のいろいろな状況を総合的に判断する必要があります。現在のところにおいては、いわゆる経済制裁を行うことは考えていないということです。繰り返しになりますがそういうことです。
(問)今の質問に関連してですが、北朝鮮側はこれまで朝鮮中央通信などを通じ、繰り返し外為法などの経済制裁法案について、実際にそうした行動をとった場合には「超強硬措置」をとるとか、あるいは然るべき対応措置で断固対峙するといったメッセージを繰り返し出しています。これが如何なるものを指しているのか、そしてそうしたメッセージに対して政府としてどういう構えで臨んでいくのか、その辺どのようにお考えですか。
(事務次官)北朝鮮側が強硬措置に対して「超強硬措置」をとるという表現を使う場合、具体的に北朝鮮側が何を考えているのか、どういう措置をとるのかは、私の個人的な想像の域に留まるわけです。それは北朝鮮側が考えることだろうと思いますので、私から具体的に述べることは適当ではないと思います。いずれにしても、北朝鮮側が更に事態を悪化させる場合には、こちらとしてはそれ相応のことは考えているということです。
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テロ情報について
(問)今日の午前の官房長官の記者会見で、テロ等の情報について、今後問い合わせられても、基本的には具体的にそういうものに応じることは出来ないというようなお話があったと思いますが、外務省としてもこういう政府としての考えに変わりはないのでしょうか。
(事務次官)それは全く同じ認識です。お考え頂きたいと思いますが、テロに関する情報はいわば特殊な情報です。国内でもいろいろな犯罪についての情報がありますが、そういった大規模なテロの情報に関しては細心の注意をもって扱われるのは御理解頂けると思います。それが国際的なネットワークを持った情報ということになると、当然のことながらいろいろな情報の性格に伴う留意点、気をつけるべき点があるわけです。これは別に日本政府として特殊なことを行っているわけではありません。世界中の各国の取り扱いを考えて頂ければ十分にお分かり頂けると思います。こういった類の情報についてはそれなりのルールが国際的にもあるわけです。そのようなルール、慣行がありますので、これまでのいろいろな経験、それは悲劇、惨劇をもたらした事件であったり、いろいろなこれまでの経緯に基づいてとられてきている情報の扱いですので、我々も当然、官房長官がまさに今日幾つかの理由をあげられましたが、そういった認識を持っております。
(問)重ねてなんですが、テロの情報を、ある場合には警告を発表することでいろいろ危険を回避するとか、そういう情報があるということで国民に注意喚起をするとか、基本的には政府の知り得た情報というのはオープンにすべきという考えも一方であろうかと思いますが、その辺りとの関係というのはどういうふうにお考えでしょうか。
(事務次官)それは当然のことながら、国民の方々に危険な状況をお知らせして対応策をとって頂くことは必要なことだろうと思います。我々としては、いろいろな情報が参りますが、それを吟味し分析し、今の関連で申しますと、渡航情報で明らかにしているところです。度々、イラクに関しては適時にそれを国民の方々に周知していると我々は考えておりますし、これからもそういったことは当然やっていくべきことですが、特定の具体的な情報について明らかにするのは返って危険を増大させる場合が往々にしてあります。そういった点については御理解頂けると思いますが、一般論として、例えば特定の個人に対する脅威情報がある場合、それを社会一般に知らせることは、テロリストにも知らせることになります。そういったことが危険防止に役立つかと言えばそうでないケースが実は多いのではないかということです。国民の方々との関係では、いろいろな方面に気を配りながら安全について配慮して参るということです。イラクにおいては退避勧告を出しています。何度もお知らせ(リマインド)しています。我々も別に大した考えもなくそれを行っているわけではありません。それなりに意味のあるタイミングで、意味のある内容で渡航情報、危険情報を発出していますので、関係者におかれてはそういった渡航情報に注意を払って頂きたいと改めてお願いしたいと思います。
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事務次官会見記録 (平成16年2月2日(月)17:00~ :於会見室)
パキスタンによる核技術供与疑惑
(問)パキスタンのカーン博士が、パキスタンから北朝鮮などへの核技術の供与を認めるという報道があったのですが、日本政府としては把握されていますか。
(事務次官)今の段階では報道以上のものを特に把握しているわけではありません。パキスタンの国内においてどういう形で事情聴取が行われたり、報じられているのかという問題もあります。公に発表されていることもないようであり、現在、我々として、公に情報を得ているということはありません。
(問)今後、何か具体的な対応をとられるのでしょうか。
(事務次官)今後、パキスタンにおける調査の進展があれば、それに応じたいろいろなことがあり得ると思いますが、今の段階で具体的なことを申し上げることは出来ません。パキスタンの今回報道されているようなことについては、これまでも、何年も前からと言ってもいいかもしれませんが、いろいろな話はありました。その時々、我々も関心を示したことはあり、従って、注意深くフォローをしてきたことはありますが、今回の事態の展開について、現在、公に出来るものを持っているものではありません。
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日米戦略対話
(問)アーミテージさんが米国から来られまして、今日から戦略対話に臨まれるわけですが、今回の戦略対話を次官としてどのように位置付けられていて、どんな対話にしたいとお考えなのか。
(事務次官)今回はこの日米戦略対話が始まってから5回目にあたります。これまでの4回も同様ですが、じっくりと自由な意見交換が出来る、価値のある対話であると思っています。それは米側においても同じように評価していると思います。元々は小泉総理とブッシュ大統領との間の合意によって、対話を行う、しかも長期的な観点からの対話を行うということで決められたものですので、両首脳の期待に応えるように率直な対話に努めているところです。今までもイラク問題、朝鮮半島問題、アジア太平洋の地域情勢及びその将来についてのいろいろな政策論議を行ってきています。今回も同じような問題がありますので、イラクを含む中東、朝鮮半島といったことについても触れたいと思っています。日米間というのは同盟関係ですが、いろいろお互いに政策論議をすることによって理解を深めるだけではなく、政策構想に互いに付加価値を与える面があって然るべきだと思っています。我々としては、せっかくの機会であり、しかも副長官との会談ということで、世界の国の中でも米国の国務副長官とこれほど時間をかけて頻繁に長期的な協議を行っているという例は無いと思いますが、日本としての考えをむしろこちらから注入(インプット)と言いますか、いろいろ文句をつけたりアドバイスをしたり意見を伝えていくという場として、そういった面でも活用したいと思います。また、これまでの対話においても米国の方では特に日本の意見、考えに耳を傾けるという姿勢がありますし、むしろ日本からの意見を歓迎するという姿勢でこの戦略対話を受け止めている、積極的に参加してくる、あえて言えば楽しみにしていると言ってもいいかもしれません。そういった実りのある対話に今回もしていきたいと思っています。
(問)今も言及があったイラクと北朝鮮というのは、当面大きな課題として米国とまた協調していかなければいけないテーマとしてあるわけですが、この点について何か特にアーミテージさんとお話されたり、今回のテーマというのはありますか。
(事務次官)それは協議が終わってから申すべきことだと思いますが、御承知のとおり今のイラクの状況を見ますと、日本の立場からしてもイラクが安定した国家として再建されることは、いろいろな角度から考えて日本の国益であるわけですが、同時に、私は国際社会にとっての公益(パブリック・インタレスト)にあたると思います。従って、必要なことは、イラクの政治的な安定化に向けての予定されている政治プロセスをきちんと進めていくことが大事であると思いますし、それと同時にイラク国民の生活の安定について、我々としての復興支援、国際社会としての復興支援といったものを推進していく必要があろうと思います。この2本の柱を考える場合に、国際社会全体がより積極的に取り組むことが望ましいとすれば、例えば国連も現在のレベルよりはもう少し関与を深めてもらいたい、また深められるような環境を作るための外交努力も必要だろうと考えています。何を言うかは申し上げられませんが、そういったことを考えているということを踏まえて話しをしたいと思っています。
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北朝鮮をめぐる六者会合
(問)六者会合についてですが、来日したアーミテージ氏も含めて、六者会合の参加各国の関係者は週末から本日にかけて、2月開催の可能性についてかなり実現出来るのではないかという希望的、明るい見通しと言いますか、を示されていますが、実際に何かそれを裏付けるような具体的なメッセージが北朝鮮の方から伝えられてきているのかどうか、また現状をどう分析されているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
(事務次官)北朝鮮から特段、昨日、今日、何かメッセージがあったということではありません。その辺は北朝鮮の報道ぶり等を御覧頂いて判断頂く点もあるかと思います。いずれにしても、確かジム・ケリー米国務次官補は、比較的楽観的という言葉だったと思います。「比較的」という言葉が入っていましたが感じとしてはその辺かなという感じがします。ただ、具体的に日程が特定(ピン・ポイント)されているといったところまで決まっているとは、私の認識ではまだ至っていません。方向として出来るだけ早くやろうではないかという感じが高まっているということに基づいて、今月中にもというような発言になっているのではないかと思います。
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イラク(アルビルでの自爆テロ)
(問)イラクですが、クルド人自治区で非常に大きなテロが起きて、また現地の治安というものに対する不安というのが高まっていると思うのですが、現状をどのように分析されていますでしょうか。
(事務次官)クルド地区のアルビルで非常に痛ましい事件が起こっています。但し、あの地域自体が不安定化して、全国的というようなことではないと思います。テロというのはどこででも起こると言ってしまえば少し言い過ぎかもしれませんが、そういった類の危険ではないかと思います。全体としてイラク自体がどうなっていくかという判断を、今この事件で変更するということはいたしません。全体としてイラク国民が平和と安定を望むという状況は高まっていると言ってよかろうと思います。地域によっていろいろな要素がありますし、時期についても、犠牲祭といったものもあるかと思います。そうは言っても非常に悲劇的な痛ましい事件であり、いろいろな情報収集、安全のための注意は怠ってはならない状況というのは今もそうですし、今後ともそういう状況はしばらくは少なくとも続くであろうという認識です。
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