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事務次官会見記録 (平成14年8月26日(月) 17:00~ 於:会見室)(次官)冒頭に申し上げたいことがございますが、平壌で開催されておりました日朝間の局長級協議について、実はまだ詳細な報告を得ているわけではございませんが、現時点における評価ということを申し上げたいと思います。今回の協議は7月のブルネイでの日朝外相会談の合意に基づきまして、国交正常化に関する諸問題、及び日朝間の諸懸案を議論するために行われたものでありますが、お互いに率直な議論をすることによりまして日朝間の対話を更に促進するための環境を整備する位置づけを有しておりました。今回の協議では国交正常化に関する諸問題についてお互いの立場を述べ合うということを行いましたが、それと共に日朝間の諸懸案を全て取り上げまして、これらの問題を直視しなければならないという我が方の立場を明確に伝えたところでございます。これによってこれらの問題に対する北朝鮮側の理解は更に深まったと思います。
拉致問題につきましては日本側からこの問題は国民の生命と安全にかかわる重大な問題であるとしまして、その早期解決を強く求めました。北朝鮮側からは具体的な情報提供はありませんでしたが、北朝鮮政府としても赤十字の活動を積極的に支援していくとの発言がありました。我が国政府としましては今後ともあらゆる機会を通じまして、この問題の解決を強く求めていく考えでございます。
今後は第1に国交正常化に関する諸問題と、更には日朝間の諸懸案の解決を包括的に促進するという方式を取った上で、まず、これらの双方につきある程度の解決の目処を立てるよう努力することといたします。そして、そのような目処が立てば正常化交渉を再開することを検討することになりました。そして、このような考え方の下、国交正常化交渉を再開することが可能かどうか、今後、1カ月を目処に検討することとなりました。これはいわば、一定の期限を目処に北朝鮮側に諸懸案の解決に向けた努力を促すものであると考えております。北朝鮮側はいわゆる過去の清算の問題の解決が中核であると主張してきておりましたが、今回、北朝鮮側が国交正常化に関する諸問題と日朝間の諸懸案の解決を包括的に促進する方式で、早期に問題の解決を図ることに合意したことは前向きな動きであると考えております。(問)1カ月というのはどういう意味があるのですか。
(次官)我々としましては、日朝間の諸問題の解決を図るためには一定の期限を目処といたしまして、その上で北朝鮮側に解決に向けた努力を促すことが必要であると考えたわけでございまして、1カ月という期間というのは国内調整を含めまして、実質的な検討に必要な最小限度の時間であるという判断をしたところでございます。
(問)その1カ月間は何が起きるのでしょうか。北朝鮮が回答を出すのをずっとじっと待っているのですか。それとも何か交渉が行われる、どういうことが起きるのでしょうか。
(次官)1カ月の間におきましては、随時必要なレベルでの連絡・協議を行っていきたいと考えております。それで我々としましては、1カ月間を目処に行う検討の中で、北朝鮮側の対応について、評価、見極めをつけたいと考えております。
(問)1カ月後にまた局長級が開かれるのですか。
(次官)そういう具体的なモダリティに関しては今回の協議ではまだ決まっておりません。随時必要に応じて連絡を取り合う、どういう協議をやるかということも場合によっては含めて連絡を取り合うということです。とにかく1カ月間のあいだに北朝鮮側の対応を我々としては求め、促し、評価していくということでございます。
(問)過去の清算問題を、全体の中でも懸案の中で解決を出していくということで、北朝鮮側が本格的な問題の中で位置づけたということは、これは北朝鮮側の譲歩というふうに受け止めていらっしゃいますか。
(次官)我々としては、そもそも国交正常化というのは過去の不正常な状況を正すと、それが北東アジアの平和と安定に資するものであるべきであると、また、交渉のための交渉ではなく、日朝間の懸案を解決して正常化というものが国民、国際社会から歓迎され評価されるものであるべきだと考えているわけでございます。そういう考えに基づきまして、過去の清算の問題はそれとして、日本としては対応していくということでございますけれども、国民の生命と安全にかかわる拉致の問題を含めまして、日朝間の問題ということに解決の目処をつけなければならないと、それを避けては通れないということを言ってきた、その我々の主張が北朝鮮側の理解に至ったと考えております。ただ、あくまで付け加えておきますけれども、まだこれから、今回具体的な情報提供があったわけでもございませんので、更に、北朝鮮側の対応、具体的な対応というものを見極めていくということが、これはいつものことでございますが非常に重要な点であろうと思います。
(問)先週の赤十字会談については日本側は誠意が見られるという評価をしたわけですけれども、今回、北朝鮮側の出方については、次官はどういう評価をしておりますか。
(次官)赤十字会談についても一定の評価といいますか、一定の前進ということを申し上げたと思いますが、その流れの中で今度は局長級協議ということで日朝間でまさに我々が考えております全ての問題についてそれを直接提起し、それに対して先方が、そういう話し合いが重要だというふうな対応をしてきたということについては、これは交渉の枠組みといいますか、流れというと少し言い過ぎかもしれませんけれども、枠組みということからすれば、一定の前進であると考えていいと思います。ただ、その中で、まさに我々としてはこれから1カ月間、見極めをしなければならない、具体的な対応というのが出てくるかどうかということが重要であると思います。従って現段階において、正常化交渉が再開されるというふうに評価をするというのはまだ出来ないということでございます。
(問)次官、ある程度の解決を立てることを目処に、国交正常化が再開するかどうかを判断するとおっしゃいましたけれども、その判断をする際に、もちろん総合的に判断されるとは思うのですが、拉致問題に関して、あるレベルをクリアしないと駄目だということなのか、それともそれ以外の分野でかなり前向きな回答が示された場合に拉致問題に関する判断のハードルを下げるとか、そういう判断もあり得るのか、そういうことについて如何でしょうか。
(次官)言うまでもありませんが、日朝間には拉致問題をはじめとする人道上の問題、更には核とかミサイル等、安全保障の問題がございますが、拉致問題というのはやはり、国民の生命と安全にかかわる重大な問題であるという基本的な認識を有しておりますので、国交正常化交渉を再開するか否かを判断する際には、この問題について何らかの進展があるか否かということが、やはり最も重要な判断材料となるだろうというふうに思います。
(問)北の関係なんですが、かつて日本は4者協議を提唱していたと思うのですが、それを6者にした理由、その政策の変更、どういったことがあったのですか。
(次官)4者協議というよりも、6者協議そのもの自身については小渕外務大臣のときから日本として提唱したものでございますので、今回急に出てきたというわけではございません。ただ今回も北朝鮮との局長級協議において我々の方から申しましたのは、やはり朝鮮半島の緊張緩和ということからすれば、日朝間においての問題の解決と、正常化ということも重要ではございますけれども、それと並んでやはり、朝鮮半島の緊張緩和ということからすれば、関係国間の対話も重要だということを指摘したということでございます。
(問)この1カ月間についてなのですが、日本側はこの1カ月間に北側が求める過去の清算について何らかのことをする義務を負っているのですか。もし義務を負っていないとしても、良い結果を出すために何かなさるお考えはあるのでしょうか。
(次官)我々としては包括方式ですから、いろいろなあらゆる問題についての見通しと申しますか、見極めをする必要があると思います。その中で、拉致問題、北朝鮮側の対応ということを我々としては重視しているわけでございます。正常化の交渉の中身と、過去の清算という点につきましては、これは既に過去において日朝間でも政府間交渉を11回に亘ってやってきたことでもございますし、そういうことに基づいて、まさにそれが正常化交渉の中で話し合うべき問題でございますので、予備交渉となるような正常化交渉の中で、過去の清算とか国交正常化の問題ということについてやるとして、何か予備交渉のようなことをするということにはならないと思います。
(問)共同発表文の中に諸問題の解決については政治的意思でという文言が入っていたと思うのですが、この政治的意思の意味合いをどのように考えておられますか。
(次官)それはまさに、政治的意思を持ってというのは問題が非常に安全保障にかかわりますし、人道にかかわりますし、過去の長い不正常な関係を整理するというような問題ですし、それはただ単に事務方の法律論とかいったようなことだけでは、対話というものは進まないということで、この問題に取り組む姿勢と、それを重視しているという姿勢を表すものだろうと思います。
ピースボートによる北方四島入域計画
(問)ピースボートの国後島行きに関することなんですが、外務省は今日、改めてピースボートに対して自粛を求めましたけれども、強行した場合に日露関係にどの様な悪影響があると考えていらっしゃるのでしょうか。
(次官)まず、この問題については御承知の通り、領土問題についての日本の政府の立場があり、それに基づいてロシアとの間で4島交流についての枠組みというものを政府間で合意しているわけでございます。それによって我が国の領土問題に関する立場というものが害されることがない方法でもって入域ができるということになってるわけでございます。従いまして、日露間の問題という、今御質問の点もあり得るかと思いますけれども、それは4島交流の枠組みということで日露政府間で決まっているということに対する影響という点では、日露間の問題ということが直接的にあろうかと思います。それに加えて、日本の領土問題についての基本的な立場という点がやはりこの件についての我々の問題意識としているところでございます。
事務次官会見記録 (平成14年8月19日(月) 17:00~ 於会見室)(次官)皆さんご承知の通り、昨日と本日、平壌におきまして日朝赤十字会談が行われておりました。現在私が承知しているところでは、平壌におきましてこの会談結果についてのプレスブリーフィングが行われているか、終了したか、そのような時間帯であると聞いております。詳細について必ずしも報告を受けたわけではございませんが、この赤十字会談に関する評価というものをまず申し上げたいと思います。
まず、今回の会談では真摯かつ協調的な雰囲気の中で協議が行われました。その結果以下のような進展がございました。1つに日本人行方不明者調査につきましては北朝鮮側から前回会合以降の調査内容につき具体的に説明するとともに、6名の行方不明者の安否調査につき通報がございました。なお、この6名の方につきましては、いわゆる8件11名の拉致の疑いのある事案とは関係がございません。戦後の帰還事業等で北朝鮮に渡られた38名に関するものでございました。2番目に日本赤十字の方から1945年以前の朝鮮人行方不明者調査に関しまして、3名の身元判明とそのうちの1名の生存を通報いたしました。3番目に日本人配偶者の故郷訪問に関してでございますが、北朝鮮側より訪問者リストの提示がございまして、故郷訪問を10月下旬ごろ実施するという具体的目途が立ちました。4番目に人道問題解決のための赤十字間の連絡と協力を緊密に行っていくこととなりまして、必要に応じ実務レベルの協議を行うということとなりました。さらに5番目でございますが、また、今回初めて平壌で会談を行ったわけでございますが、行方不明者調査を行っている関係者、すなわち人民保安省と平壌の人民委員会の担当者との面談が行われました。
次に評価でございますが、政府としましてはブルネイにおける日朝外相会談で合意された対話のプロセスの一環としまして、今回の日朝赤十字会談での進展については一定の評価をしております。他方、政府としては当然のことながら8件11名の拉致の疑いのある事案については、引き続き具体的情報提供を強く求めていくとともに、今後調査が加速され、この問題について早期に具体的な結果が得られるよう、北朝鮮側の一層の努力を強く要求していく考えでございます。
いずれにしましても、政府としては来週平壌で開催予定の日朝局長級協議等の対話の場を通じまして、国交正常化に関する諸問題とともに拉致問題を初めとする人道上の問題、安全保障上の問題といった二国間の懸案問題につきまして、北朝鮮が誠意ある対応をとるよう強く求めていく考えであります。(問)その通報のあった6人についてですが、男女の性別とか生存しているのかどうか、また示されたもとによって、外務省なり赤十字が家族にも既に連絡をとっているのかどうか、その辺りについてお聞きします。
(次官)この6名の方につきましては、詳細についてはプライバシー等の関係で明らかにはできませんけれども、先方からの話によりますと、いろいろ困難がありましたが、調査をした結果、日本側から依頼のあった行方不明者のうち6名の安否が判明し、そのうち4名が既に病死しており、2名が生存しているという報告でございました。
(問)ご家族に連絡をとっているのでしょうか。
(次官)赤十字の方でそういう措置を取られるのだろうと理解しております。
(問)国交正常化交渉再開への影響についてですが、この赤十字会談が行われる前は次の局長級の位置づけについて、国交正常化交渉再開にむけた予備協議といった性格のものではないというようなご説明が担当者からあったのですが、今回の赤十字会談の進展を受けて、その辺がもうちょっと次の局長級協議がさらに前向きな協議としての性格をおびるとかそういったことはあり得ますか。
(次官)特段、そういうことではないと思います。来週の局長級協議は、平壌で行われますけれども、当然、赤十字会談ということも踏まえて対処方針は検討いたしますが、いずれにせよ我が国の基本的な方針ということは変わらないわけでございます。この日朝国交正常化に関する諸問題、それからお互いに関心を要するいろいろな懸案について率直な議論を行うという、これまでの局長級会談に対する対応の姿勢ということについては変化はございません。まさに先般来申し上げております通りの性格づけということでございます 。
(問)さっき次官は、一定の評価をしているとおっしゃられたわけですけれども、そうは言っても8件11名について情報が提示されなかったというのは、ここまで話をしても情報が提示されなかったということですから、これは否定的な評価ではないのですか。
(次官)その点については、今回、日本側からは8件11名の方の安否についての確認を強く求め、情報提供を強く求めたわけでございまして、確かに具体的な情報はなかったということについては我々として十分に満足のいくものではなかったというふうには思います。ただ、今回の会談を通じまして、北朝鮮側からは北朝鮮において安否調査についてどういう調査を行ってきたか、また赤十字だけではなく政府としても公的な調査を行うというようなことを致しまして、調査をいわば強化したということについて具体的なやり方についての説明もございました。それで我々と致しましては当然のことでございますが、これからもそれが更に一層強化されて、早急にその調査結果を出してもらって、具体的成果が生まれるということを強く求めていくところでございます。
(問)行方不明者調査について人民保安省等から初めて説明を受けたということですが、日本政府としては既に拉致されたということに政府として認定し、先日の外相会談でも拉致という言葉を使って求めているわけで、それについて保安省で戸籍の調査などの説明を受けるということについては、ちょっと対応にあまりにも差がありすぎるのではないかという気もするのですが、そのような説明を受けて、今後、拉致問題ついて進展がみられるという見通しがあるのでしょうか。
(次官)質問の趣旨が必ずしもよくわかりませんが、北朝鮮は従来はそれこそ拉致という言葉すら認めていなかったわけでございます。それで、調査をするということを我々に伝えてきたわけでございますが、今回の先方との赤十字会談におきまして、先方からは調査を強化した、深化させたということで具体的にいろいろな措置をとったということでございます。それは従来の北朝鮮の姿勢からすれば進展であるという一定の評価を与えられるということでございます。ただ、これで終わりということではもちろんございませんし、北朝鮮側においてもまだこれから更に調査を行うということを言っているわけでございますので、我々としてはまさに人道上の問題を解決するためには、その調査から具体的な成果が続くように強く強く北朝鮮側に求めていくというのがとるべき姿勢であろうと思います。ちなみに平壌の人民委員会とか人民保安省関係者からは、関係当局が赤十字からの要請を受けて公民登録カードを調査する担当者を指名して、関係機関に指示をするといったような措置をとって、具体的な調査を行ったというような説明がありました。日本側からは行方不明者の御家族の心情にも鑑みて、一日も早く解決のため、一層の努力を求めるということを強く申し入れたそうでございます。
(問)今日、朝鮮中央放送の方で来週の局長級協議に関して、例の過去の清算問題について言及があったようで、必ず解決されるべき優先的課題であると一連の報道でおっしゃっているのですが、それに付け加えて問題解決のためには真摯で誠意ある努力を傾けるというように言っているようなんですけれども、この問題というのはまた局長級協議で向こう側から提示されるということは必至の情勢だとは思うのですが、そういうようなことを踏まえて局長級協議にどの様な姿勢で臨まれるのか、お考えをお聞かせていただけますか。
(次官)18日の朝鮮中央放送でございますけれども、御指摘の通り過去の清算は必ず解決されるべき優先的な課題であるという論評を致しておりますが、同時にこの論評におきましては、日朝関係を改善し、国交正常化を実現するために北朝鮮側も過去の清算の問題と、朝日両国間の諸般の問題の解決のために真摯で誠意ある努力を傾けるということも言っているわけでございます。この朝日両国間の諸般の問題というのが具体的に何を指すのかということにつき推測は差し控えますが、過去の清算問題以外の懸案ということについても努力を傾けていく必要があるということを指摘しているという点には、私は個人的には一定の注目をし関心を持っております。局長級協議でございますけれども、これは先般来申し上げておりますとおり、日朝国交正常化交渉の予備会談というわけではございませんが、国交正常化交渉を開始するためには現在の日朝間の懸案の解決に向けて、やはり何らかの方向付けと言いますか、進展と言いますか、そういうものが見えていく必要があろうと思っております。懸案としては、御承知の通り拉致問題がありますし、安全保障上の問題もあります。よど号犯人の問題もございます。いろいろあるわけでございますので、この局長級協議におきましては、いろいろな懸案事項というのを取り上げると、当然その中で拉致問題というのは最も重要なものの一つと考えております。更には国交正常化にかかわる問題としては過去の清算の問題というようなこともあるわけです。それは当然どういう解決方法がありうるんだというようなことについて率直な意見交換を行うということが、来るべき局長級会談で行われるというふうに考えております。いずれにしましても、いつも言っていることで恐縮ですが、一度で問題が解決すると、正常化が達成されると考えるのは楽観的すぎることだろうと思います。粘り強くプロセスを重ねていくことが、この問題に多様性、複雑性、困難さということから考えて必要であろうと思います。我が国としては粘り強く正常化を達成すると、その際に北東アジアの平和と安全の問題とか人道上の問題といったような問題の解決ということに資するような努力をしなければならないという基本的な立場でございます。
外務省人事
(問)幹部の人事の件で、大臣は9月の頭にも行うとおっしゃってましたけれども、局長などの人事について、次官としてはいつ頃にやる目途としておられるのでしょうか。
(次官)人事のことは余りこういう席では申し上げたくはないのですが、9月の初ということで大臣は、おっしゃってましたか。いろいろ9月には外交行事がございます。外務大臣の出張をみましても、国連総会もあればヨハネスブルグのサミットもございますし、更には大きな外交行事としてASEMの首脳会議といったようなものもございます。外務省の場合の人事のタイミングというのはそれぞれの担当の部局の外交日程ということも考えて決めるということがどうしても必要でございます。会議の真ん中とかその直前に人を交代させるということは外交機能の障害にもなると思いますので、そういうことを考えて実は現実的なタイミングを考えているというところでございます。何が何でも9月の初でなければならないというような考えは元々持っておりません。
(問)そうしますと大臣もテレビ等でもなかば認めていらっしゃいますが、経協局長の経産省からの人事ですが、あれもそういうタイミングで遅れてしまうのでしょうか。
(次官)それはまさに今の外交行事との関係がありますので、遅れてしまうというか、できるだけ適切なタイミングを選んで行うということで、具体的な日付はまだこれからいろいろな手続きがございますから、申し上げることはできません。
事務次官会見記録 (平成14年8月5日(月) 17:00~ 於会見室)
イスラエル北部における自爆テロの発生について/有馬特使の中東訪問
(次官)まず8月4日、イスラエル北部において自爆テロが発生いたしました。路線バスにおける自爆テロでございます。我々としましては多くの罪のない人々を狙ったこのような残虐なテロ行為に強い憤りを感じております。これを断固として非難するものでございます。和平の実現に向けたイスラエル、パレスチナの両当事者、及び国際社会による和平に向けた努力を無にするような事件が発生した事は極めて残念でございます。我が国としましてはアラファト議長とパレスチナ暫定自治政府に対して、過激派取り締まりのために最大限の努力を行うことを改めて強く求めると共に、イスラエルに対しましても最大限の自制を要請するものでございます。
尚、先日発表いたしましたが有馬中東和平問題担当特使が、現在中東を訪問中でございます。中東和平プロセスの進展に極めて重要な役割を果たしておりますエジプトとヨルダンの政府関係者との会談を行うために訪問中でありまして、既にエジプトにおきましてはマーヘル外務大臣、ヨルダンにおきましてはムアッシャル外務大臣、このムアッシャル外務大臣は先般、米国訪問をされましたアブドッラー国王に同行していたものでございますけれども、帰国して間もないところで有馬特使との会談が実現いたしております。その会談内容等につきまして、御質問がございますれば中東アフリカ局の方に御照会いただければと思います。日朝関係
(問)大臣がブルネイで北朝鮮の外務大臣と会われて、とりあえず国交正常化交渉の方ではいわゆる局長級が25日を念頭にという形ではありますけれども合意されたと。今後の動きを予測することは非常に難しいかと思いますが、その合意に至ったまでの北朝鮮の態度の変化を見られてどんな御感想をお持ちでしょうか。
(次官)これはいささか私の個人的な感想も入る事をお許し願いますけれども、このブルネイでの日朝外相会談が発表されました同じ日だったと思いますが、黄海の銃撃戦について北朝鮮の方から遺憾の意の表明が伝えられました。さらに翌日は米朝会談に関しましてアメリカからの特使を受け入れる用意があるというような北朝鮮当局の見解も公表されたということでございまして、全体の雰囲気としましては対話について北朝鮮の姿勢が伺えるのではなかろうかと思います。我が国としましても北朝鮮に対しては対話の促進ということを種々の方法を通じて、日本との対話のみならず米国及び韓国との対話についてもそれを促進して朝鮮半島の緊張を緩和すると、関係の正常化に向けた努力を行うということを訴えていたわけでございます。そういう流れから北朝鮮の方からも、対話については熱心といいますか、そういう雰囲気が伝わってきたというのが私の感想でございます。更に、ブルネイでの外相会談、これも中身の濃いものであったと思いますし、共同発表文で明らかにいたしておりますように、具体的な今後の日程ということも合意が出来たわけですし、更には共同発表文で、例えば人道上の懸案問題について誠実に対応すると共に、出来る限り早期の解決を目指すこととしたということがうたわれていたわけでございます。いつも申します通り、これから起こることの結果を予断するということは厳に避けたいと思いますが、対話を設けるということに限っていえば、その姿勢は前向きのものであると私は感じております。ただし、その対話の結果、北朝鮮がどういう行動に出るかということについてはこの段階で予断するというのは適当ではないと思います。
(問)大臣がブルネイで会談した翌日の新聞、同じ紙面で辛光洙被告に対する逮捕状、国際手配をという記事も出ていました。この件については外務省として把握されていたのでしょうか。それと、対北朝鮮政策という中での位置づけについてお聞かせください。
(次官)辛光洙に対します逮捕状の発付というのは警察当局における捜査の進捗に合わせて行われたものだろうと思いますので、ブルネイの外相会談といったものとは関係ないタイミングで決定になったのだろうと考えております。それはそれで捜査当局には捜査当局なりの進捗、捜査の進展というものがあったことを踏まえての措置であったと思います。
予算(ODA)
(問)来年度予算の概算要求基準の大枠が固まったわけなんですが、この中で特段、ODAだけを狙って削減というような方向は避けられているように思われるのですが、それについて御感想をお聞きしたいのですが。
(次官)これは大臣も出張先で述べられているところですが、我が国の外交、国益を推進していく上でODAが占めている役割というのは非常に大きなものであろうと私も思います。大臣もASEAN各国の関係者とお会いになって改めてその感を深められたのではなかろうかと推測いたしております。そういうODA予算でございますので、この財政の厳しい折、当然国全体としてのプライオリティーづけというのかこれから行われていくということだろうと思いますが、我々としましては厳しい財政状況の中でODAの重点化、優先順位をきちんと付けると、更には効率的な、効果的な実施に一層努めるということと併せまして予算の要求をする際にも量の面についてのいろいろなお願いをしていきたいと思います。これからいろいろな長いプロセス、予算決定に至るプロセスがあるわけでございますので、これから我々として行ういろいろなODAに関する改革の実施を進めるということと二つ併せましてより良いODAの予算の編成に我々なりに努力をしていきたいと思います。
外務省改革(「変える会」報告書)
(問)民間大使の数値目標がアクションプランから外すという決定をされた後にまたその数値目標を復活させると、2割ですね、という報道がございましたけれども、最初、アクションプランから数値目標を外すことを決められた理由というのはどういうところにあるのでしょうか。
(次官)御質問に感謝します。と申しますのは、「変える会」の報告書に書かれております2割といった最終的な目安といったものについて、これを行動計画から外すというような決定を外務省として行ったということは一切ございません。誤解というか理解の相違が生じてしまったことは非常に残念だと思います。経緯的に言えば対外的に説明する際の資料に誤解を招くような要素があったということはあろうかと思いますけれども、数値目標を外すという決定をしてそれを一夜にしてまた元に戻したというようなことは一切ございません。当初から最終報告書は尊重すると、2割という目安を尊重していくということは変わっておりません。何れにしましても、行動計画、今月いっぱいをかけて作成するということでございますので、当初の段階でそういう誤解が生ずるような事が起こったということは、それはそれとして我々としても非常に残念な事であったと思っております。
(問)官房長がそういうようなことを言ったのではないんですか。
(次官)全くございません。官房長はむしろ誤解が生じたけれども、そういう数値目標を外務省として尊重しないというようなことはありませんということの説明に事後奔走しておったところです。
(問)今、アクションプランの取りまとめの時期を今月いっぱいでとおっしゃったのですが、月末は大臣も出られたりするかと思うのですが、少なくともW SSDに出られたりするかと思うのですが、今月末に、大臣が出発前にということでよろしいですか。
(次官)具体的に何日かというのは私は聞いておりませんが、何れにせよ今月中にですから、31日より早まることはあると思います。20何日ということになるかもしれません。何れにせよ大臣とはもちろん、既に、このブルネイに御出張の前にも打ち合わせをしておりますし、お帰りなったらまた精力的にやらせていただくというふうに思っております。
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