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事務次官会見記録 (平成14年5月27日(月) 17:00~ 於:会見室)(次官)まず、私の方からインド・パキスタン情勢について申し上げます。インド・パキスタンの間で高い緊張状態が続いておりまして、軍事的衝突に発展する危険性があるということを深く憂慮しております。我が国はパキスタンに対してはテロリストの活動の抑止について更なる実効的な努力を求め、またインドに対しては国際社会全体の要請に応えて外交的努力を尽くすことを求めてきています。これについては外務報道官談話等でお知らせしているところです。このような我が国の働きかけは両国への外交チャンネルを通じて行っている他、パキスタンに対しては、24日、川口大臣からサッタール・パキスタン外務大臣に電話で直接働きかけたところです。またインドのシン外務大臣に対しても、今後速やかに電話にて直接働きかけを行うということを考えております。 我が国は現在のインド・パキスタン間の緊張の高まりを深刻に受け止め、これからも国際社会と連携しつつ、インド・パキスタン両国に対し必要な働きかけの努力を一層強化していく考えです。このような考えに基づきまして、明日28日より杉浦副大臣がインド、パキスタン両国を訪問し緊張緩和についての働きかけを行う予定にしております。また、政府としては在パキスタン及び在インドの在留邦人の保護のために、これまでも渡航情報を発出しまして在留邦人の方々にきめ細かく情報を伝達してきておりますけれども、今後とも情勢の展開を注意深く見極めつつ、適時適切な措置を取るべく体制を整えているところです。
(問)インド・パキスタンに対しては昨年のテロ以降、経済制裁を緩和している措置をとらえているわけですが、こういう事態になって、その点について今後どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
(次官)現在の状況におきましては、差し迫った問題というのが、両国間の緊張がこれ以上高まって軍事的な衝突に発展する事がないようあらゆる可能な限りの外交努力を行使するということであります。現在はその努力に全力を尽くすという段階であります。
(問)杉浦副大臣のインド・パキスタン訪問ですけれども、何日から何日までがインドで何日から何日までがパキスタンというのは、もし現時点で確定しているなら教えて頂きたいのですが。
(次官)これは確定次第ご報告致したいと思いますが、現在まだ日程は調整中でありまして、明日28日に出発できればということで調整をしているということです。まだ確たる副大臣の日程をご報告するところまでいっていないのが現状です。ただ出来る限り早く発表させて頂きます。
(問)それに関連してなのですが、杉浦副大臣は現地でどの様な方とお会いになる予定なのですか。また総理の親書等とかそういうことは特にないのでしょうか。
(次官)先方とは当然のことながら、先方政府要人、両国の外務大臣にお会いできればということで現在調整中であります。これもまた決定次第報告致したいと思います。総理の親書ということについては可能性としてはあるかもしれませんが、現在のところまだ未定という事です。
(問)政府与党で福田官房長官が瀋陽の件に関して、処分の問題を検討するということですが外務省としてはどうお考えでしょうか。
(次官)そこでの発言内容については私は承知しておりませんが、処分等のことにつきましてはこれまでも川口大臣からも明らかにされているとおり、まずこの問題につきまして色々な問題点、特に初動の時の問題点等につきまして総括をした上で改善すべき点についても色々あろうかと思います。そういうことを踏まえて、処分ということも色々な対応措置の中で考えられるということです。
(問)その件について大臣は国会答弁等で目処がついたらという様なことをおっしゃられていましたが、中国との交渉に関しては平行線をたどっている部分もあり、目処がついたらと言ってもなかなかいつになるのか分からないのですが、総括なり処分の検討については日程的な、目処というのはどのようなお考えでしょうか。
(次官)具体的に何日までとか何日間とかいうような日程を私は持っておりません。まずは総括をするということが先でございまして、これに伴って色々なことが考えられるということであると思います。
(問)総括というのはこの件に関して日中の交渉の進展とは関係なく外務省でということですか。
(次官)総括というのは今までに起こったことについての総括であります。これは皆さんご承知の通り、日中間においてはまだ解決されてない論点があります。従ってその点との関連ということがありうるということは、率直に言って考慮の要素にはなるだろうということです。
(問)処分者が出ないという可能性もあるということですか。
(次官)それはまずは総括を待って考えたい。というのは、色々なところで官房長官なり外務大臣がおっしゃっているということからお考え頂ければ大体お分かりになるのではないかと思います。
(問)今韓国にいる北朝鮮の5人の家族ですけれども、今日時点での韓国側に日本が事情を聴く、要望の取り扱いがどうなっているか教えて下さい。
(次官)日本側の考えは韓国側には伝わっているということであります。韓国側は韓国側でそれなりのことをやっているということであります。我が方としては時期を見て話をうかがいたいという希望が実現するということを期待しています。
(問)今月中に実現しそうな見通しはあるのですか。
(次官)具体的な時期等については私は予断をもって申し上げることは出来ません。今月中かそうでないとかいうようなことは何れにせよ申し上げるようなことではありません。時期を見て良い時期にということです。
(問)総括ということですが、これは先般、報告書をもって総括が終わっているということではないのでしょうか。
(次官)その報告書でもって総括が終わっているということでは必ずしもないと思います。その報告書というのは何度も明らかにされております通り、正に事実関係がどうであるか、特にその関連の中国側の立ち入りについて我が方の同意があったかなかったかということに重点をおいて事実関係を究明するということが目的であります。総括というのは、その際にどういう行動がとられて、個々の行動を正に総括して問題点はなかったかどうかという観点から判断する、評価をするということです。事実関係の究明という事を基礎にして、それを踏まえた上で評価を行うということです。
(問)総括結果というのは改めて公表されますか。
(次官)この点については我々はまだ予断をもっていません。
(問)その総括の為の調査を内容を改めてされるのか、それともこの間小野部長が瀋陽に行かれた時のまま済んでいるのか、どうなんでしょうか。
(次官)その点も含めて現在色々な事を考えているところです。今ここで具体的なことを申し上げるのは控えさせて頂きます。
(問)主権の関係で、五人が韓国に行ったということでその問題はこのまま放置されてうやむやになるのではないかという見方もありますけれど、これについてはどう思いますか。
(次官)不可侵権の問題、国際法上の問題ということだと思いますが、これは何度も繰り返して申し上げていますが、我が方の立場・主張というのは一貫している訳でありまして、それが取り消されたということはないわけです。我が方の主張は主張として、先方も先方の主張していることがあるわけですけれども、我々の立場、国際法上の立場というものをこれからも貫いて行くということに変わりはありません。中国側との対応ということについては、そういう主張も踏まえた上で、当然日中関係ということも考えますけれど、我が方の立場、国際法の立場ということを毅然と主張することには変わりはありません。
事務次官会見記録 (平成14年5月20日(月) 17:30 於会見室)(問)瀋陽の事件ですが、安倍官房副長官が5人の出国を一番に考えているとおしゃられているが、これは現在の政府の方針と考えてよろしいのですか。
(事務次官)ご承知のとおり、この事件の解決の為には、国際法上の問題とそれから5人の身柄についての人道上の扱いという二つの側面があり、更には日中関係の側面もあります。我々の関心事はこの三点についてあるわけですが、5人の方々の身柄については、今身柄を拘束されているという状況だと思いますけども、非常に強い関心を抱いています。出来るだけ早く人道上の要請が満たされるということが大きな関心事項です。鋭意、話し合いを行っているところです。このことは、決してこれまでの我が国の事実関係並びに国際法上の立場についての認識ないしは主張をないがしろにするといったような事ではありません。いろいろ中国側と話し合いを続けているところです。
(問)これまでの認識、主張をないがしろにするものではない一方で、国際法上の問題が人道上の問題よりも優先順位としては後ろに来ているというふうに考えていいですか。
(事務次官)どちらが重要か、どちらがどちらに優先するか、ということはありません。それはいずれも重要な事項であるということです。事実関係ないしは国際法上の主張についてはご承知のとおり双方の認識、主張が異なってるというのが現状です。他方において、だからといって人道上の問題について話し合いをしないということでは勿論いけないと思います。人道上のことについて早急なる解決がみられるということは非常に大切なことだという認識をもって話し合いを行っていくということにつきます。
(問)今後の動きですけど、この前、領事移住部長が帰国されて今後東京の外務省の方から新たに中国に渡航されて先方と話し合いをもたれるというようなことはすでにお決まりでしょうか。
(事務次官)今、具体的にそういう日程があると言うようなことはありません。ただ、交渉中ですのでいろいろな可能性を否定するのではありません。今具体的な事が決まっている事はありません。
(問)人道上の問題を優先させるということですが、日本政府は当初、身柄の引き渡しを求めていたわけで、その当初方針から見るとかなり譲歩というか、後退しているという見方をする人もいると思いますが、その点についてはどうなのでしょうか。
(事務次官)それを譲歩と見るか、どう見るか、考え方が分かれるかと思われますが、私は人道上の観点ということからすれば、一番大事なことは、これらの方々が迫害の恐れのある、その危険のあるような状況におかれることがなく、自らの意思が実現するということであり、その方法としては、一つの方法しかないというわけではないと思います。
(問)大臣が国会で5人の方々の人定を日本政府として行っていく必要があるとおっしゃっていたが、その考えは今も変わっていないということですか。
(事務次官)大臣の正確な答弁を記憶していませんが、我々としては一定の関心を持っているということには変わりありません。ただ、いろいろ交渉事ですので、それがいつどういう形で実現できるかということについて、それは予め決めておくということでは必ずしもないということです。
(問)若干、事態が長期化しそうかなという雰囲気ですが、事態長期化の根本的な原因はどこにあるとお考えですか。
(事務次官)双方において、それぞれ事実関係の認識から始まって、違いがあることはもうご承知のとおりであり、それが基本にあるということだろうと思います。ただ我々としては、出来るだけ早く事態を解決したいという気持ちです。昨日東チモールにおいて、杉浦副大臣と唐家セン中国外相との話におきましても、双方が冷静かつ大局的に協議をしていこう、話し合っていこう、という姿勢について一致が見られたと思われます。まさに毅然としつつ、冷静で大局的な見地にたって、話し合いを行っていく基本姿勢で臨むということです。
(問)最初の調査報告書が発表されてから、いろいろな事実が出たり、中国側が発表したりと、かなり日本側の立場が混乱していることがあると思いますが、次官はどのように思われていますか。
(事務次官)日本側の調査報告書については、13日に大臣自らが詳細にわたる報告書を発表されたわけですが、実は日本側の発表というのは事件が起こりました8日には、外務省においても事実関係のそのときに判明したものは即刻説明させていただいているわけです。さらにその翌日の9日には、私と武大偉(駐日中国)大使が会談した後にも日本側が持っている認識、事実関係について皆さまにも説明をさせていただきました。翌10日には、川口大臣と武(駐日中国)大使の間での会談の結果についても説明したところであり、我々としては、事実関係をその時々に承知している限りのことを説明してきたつもりであります。大事なこと、基本的なことは、その当時の状況において、総領事館側の同意なくして、武装警察が総領事館の構内に入ったという、事実についてはその後の中国側の発表におきましても揺らぐことはありません。当初事件直後に我が方から説明しました基本的な事実というのは、全く揺らぐことはないというのが我々の認識であります。
(問)事件発生当初、日本側の中国に対する状況は身柄の引き渡し、陳謝と並んで再発防止の保証という項目があったと思うのですが、これの取り扱いはどうなっていますか。
(事務次官)再発防止は非常に重要なことだと現在でも思っています。特に在外公館、中国に限らずどこの国の大使館、総領事館でありましても、その安全、安寧を保証するというのは、接受国の国際法上の義務であります。他方において、大使館、総領事館側においても、警備・安全の保証というのを接受国の責任として捉えているわけであります。従って、警備に関しましては、一般論でどこの国の場合でも同じですが、接受国とその公館の側との良好な協力関係というのが基本的には必要なのであります。再発防止という観点からいたしますと、やはりある程度の緊張関係もあるかもしれませんが、こういう不幸な事件、遺憾な事件が生じないように再発防止についてきちんとした関係を作るということは重要なことだと認識しています。今度の事件を一つの教訓としまして、中国側においてもいろいろ考えていただきたいこともあると思いますし、我々の方においても調査結果で公式に触れておりますように反省すべきというような認識であります。これはどの段階でということは申し上げられませんが、日中間で再発防止のための協力というのは課題であるという認識は今でもございます。
(問)今回5人が日本が今求めているかたちで中国から出るということになると、いわゆる駆け込み未遂でも第三国に出られるという前例ができるわけで、そうすると今説明いただきました再発防止という観点から見ると日本としてはジレンマを抱えることになると思うのですが、その点は次官はどうお考えですか。
(事務次官)そこのジレンマというのは日本に限ったことではないと思います。公館に希望を求めて亡命をするという人たちに対する人道上の扱いという観点と公館の安全、安寧の保護という観点というこの2つの問題について、各国ともいろいろ議論が行われているところです。それは私の思うところでは、まさに日本の国民、政府がこの2つの問題についてのバランスをどのようにとっていくかという基本的な論議に関わってくるものだろうと思われます。ご質問のポイントは私は良くわかりますし、それは実は単に日本のみならず、いろいろな国々が実は考えている問題であります。どちらを優先するかといったような回答は実は国際社会として明確な仕分けということが必ずしも出来ていないのではないかという感想を私個人としては持っております。
(問)この事件をきっかけに総理、大臣の方が亡命政策全般に幅広い議論を行ってもいいような話をされていて、それを踏まえての質問なのですが、第一点は複数の省庁にわたることだと思いますが、政府内でそういうことを行っていく議論の枠組みですね、例えば外務省が事務局を行ったりするようなかたちで何かもう既に仕切られているのかということと、そういう議論の場に外務省として、どういう方針で臨んでいくのかということです。
(事務次官)それはいろいろなことを総理も外務大臣もおっしゃっておられ、国民的な議論ということが必要だという認識ですので、それなりに我々としても取り組みというのを考えていきたいと思っています。
(問)まだ具体的なものとしては。
(事務次官)いろいろなことを考えております。
(問)外務省として、そこでどういうことを主張していくというような議論はまだですか。
(事務次官)まだまとまったということではなく、外務省の中でもいろいろ議論をしております。
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