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記者会見

事務次官会見記録(平成13年7月)


INDEX


・ 事務次官会見記録(7月30日)
 ・ 北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題に関する日韓協議
 ・ 在外選挙
 ・ デンバー総領事の公金流用事件
 ・ 機密費流用事件



・ 事務次官臨時記者会見要旨(7月26日)
 ・ 水谷前デンヴァー総領事の不祥事に関する調査結果



・ 事務次官会見記録(7月23日)
 ・ インドネシア情勢
 ・ 北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題
 ・ 気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開会合
 ・ 在日米軍兵士による事件
 ・ チェコにおける田中大臣のテレビのインタビュー
 ・ デンバー総領事による公金流用疑惑
 ・ ジェノバ・サミット
 ・ ハイヤー代水増し請求事件



・ 事務次官会見記録(7月9日)
 ・ 歴史教科書問題
 ・ 北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題
 ・ デンバー総領事の公金流用疑惑



・ 事務次官会見記録(7月2日)
 ・ 北方四島周辺における韓国漁船の操業問題
 ・ デンバー総領事の公金流用疑惑
 ・ 日米首脳会談(京都議定書問題)
 ・ 在沖縄米兵による暴行事件
 ・ 日中貿易協議




事務次官会見記録 (平成13年7月30日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題に関する日韓協議

(事務次官)北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題について、29日、30日に日韓両政府の間でさらに協議を重ねたが、双方の立場の隔たりは依然大きく、最終的な合意に達することはできなかった次第である。他方、協議を通じて韓国側からは、1つは「わが国漁船の北方四島周辺水域での操業は、純粋な商業的、漁業的な問題であり、領土問題とは何ら関係がないこと」、2番目に「ロシアとの合意は日露間の領土問題に関する一方の立場を害するものではないこと」、3番目に「韓国とロシアとの協議の際、日本側の立場を考慮して領土問題には影響を与えるものではないことをロシア側に韓国側から表明していること」、以上3点を明らかにしており、その旨を田中外務大臣宛書簡で正式に確認することで了解は得られているということである。
 そういうことで時間が経っているが、今のところ操業の開始は確認されていないし、結局どうなるかというのはわからないが、仮にこういうやりとりをやっているにも拘わらず操業が開始されれば、わが国としてはロシア及び韓国に対して当然のことながら抗議をするということになろうかと思う。今のところそこには至っていないし、最後までいろいろな協議をやりたいとは思っている。

(問)一部報道によると日本側が譲歩したということであるが、そういう事実はあるか。

(事務次官)協議・交渉の過程で詳細にいろいろなことをやったが、基本的には折り合わなかった。その過程でのいろいろな具体的な提案の内容については、申し上げるのは差し控えたいと思う。要は、前も申したと思うが、基本的には、日本の法的立場を害さない、代替漁場は提供しない、日本漁民に新たな負担を強いることはしないという3つのセットの中でいろいろなことを探ったということである。

(問)日本側は三陸沖でのサンマ漁船の操業許可を与えない方針ということであるが、日韓関係に与える影響についてどうお考えか。

(事務次官)三陸沖と言うよりも、今は北方領土周辺水域でどういうことが起こるかという話が最初に来る。(漁船は)北から段々下りてくるわけであるから。今の段階では(北方領土周辺水域に)入ったということは確認されていないが、話し合いがつかない状況の下で仮に入った場合には、新たな事態になるであろうということである。その中で三陸沖をどうするかというのは、その次の話だと思う。

(問)今後(総理の)靖国神社参拝問題等、日韓の懸案が多くあるが、抗議をするということは日韓関係にどういう影響を与えるか。

(事務次官)靖国神社問題とサンマ漁問題というのはあまり直接関係がある話ではなくて、これはこの案件としてどう対応すべきかということだと思う。ただ、背景としてなかなか難しい雰囲気があるではないかというご指摘であるとすれば、そこはもちろんそういうことを念頭に置きながらいろいろな個々の案件に当たるということだと思う。どんな案件にせよ、要は日韓の間にある友好関係の大局に影響を及ぼしてはいけないという大前提に立って、全力を挙げるということである。

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・ 在外選挙

(事務次官)今回は実は2回目の在外選挙であり、昨年は総選挙があった。今回の在外公館投票の実施等の業務全部を無事終えた。在外選挙の投票総数は22,054であり、昨年の総選挙の際の17,000より約5,000票増えている。因みに、登録者数に対する投票率は、7月11日現在の登録者数74,458人に対し、これに対する投票率が約30%で、この比率も昨年より少し上昇した。在外選挙に関する広報、登録促進に一定の成果があったのではないかと考えているが、その間在留邦人からは「いろいろな手続きの簡素化をやってくれないか」という要望はすでに出ている。これで衆参それぞれ在外選挙を実施したところなので、いろいろな海外有権者の方の意見等を踏まえて、制度・運用の見直しを総務省とともにやりたいと考えている。

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・ デンバー総領事の公金流用事件

(問)デンバー総領事事件について、刑事告訴、告発についての作業の進捗状況を伺いたい。

(事務次官)捜査当局とも連絡は取っているし、鋭意いろいろな観点から検討しているが、今のところ結論を得るには至っていない。ただ、なるべく速やかに決めたいとは思っている。今の段階では、まだ「こういうふうにやります」という決定には至っていない。

(問)基本的には(告訴を)前向きに検討されているのか。

(事務次官)こういう話は前向きにと言うか、いろいろそれなりの手続きになるので、きちんと詰めるべき点を詰めなければならないと思っている。

(問)捜査当局との調整というのもあると思うが、起訴できるかどうか、立件できるかどうかという問題は捜査当局の関心だと思うので、外務省は外務省としての立場というのがあるのではないか。そこは必ずしも捜査当局とは立場が一致するものではないと理解しているが、如何か。

(事務次官)告訴をする側と、それを受ける側というのは、全部ぴったり一致しなくてはならないかどうかというのはおっしゃる通りかと思うが、それにしてもこういう話は刑事手続きの話なので、きちんと詰めてやらないといけない。その点で、いろいろ整理しなければならないと思うし、そこは懲戒免職の手続きとは少し違うのだと思う。懲戒免職が揃えば自動的に(告訴する)という話ではないのだろうと思う。これはいろいろ詰めているところである。

(問)水谷前総領事は(デンバーに赴任する)直前にブラジルで勤務していたが、ブラジルの時のことはお調べにならないのか。

(事務次官)それなりにいろいろなことは調べたが、何も出てきていない。

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・ 機密費流用事件

(問)明日午前10時から東京地裁で松尾元室長の公判の期日が入っているが、どんな点に注目されているか。

(事務次官)最初の冒頭陳述の全容に、私どもも大変注目をしている次第である。それがどういうふうになるか見てみたいと思う。今の時点であれこれ申し上げることではない。

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事務次官臨時記者会見要旨 (平成13年7月26日(木) 16:30~ 於会見室)

・ 水谷前デンヴァー総領事の不祥事に関する調査結果

(事務次官)自分の方から最初に総論と申すか、調査結果の概要を申し上げて、判明した事実関係の詳細等は官房長の方から申し上げたい。
 外務省は、「在米某総領事が公邸料理人に対して、家族の食事代もパーティーの食費から出すように命じた」という6月3日付の報道があったことを深刻に受け止めて、直ちに本省において元公邸料理人及び既に帰国している元総領事館館員から聞き取り調査を開始し、さらに調査チームを現地に2回派遣し、経理書類等の精査を行うとともに、水谷総領事をはじめ総領事館関係者からも聞き取り調査を行った。調査の結果を踏まえて、外務省としては、館長として館の運営全般に責任を有し、部下に範を示すべき立場にある総領事たる者が、様々な不正経理に直接関わってきたこと、その責任は極めて重大と認識して、 本日付けで水谷周総領事を懲戒免職処分とした。また、久保克彦前首席領事及び真壁康昭前領事を懲戒減給処分とした。また、さらに、大橋建男領事を訓戒処分にした次第である。また、事務当局の最高責任者として、自分及び当時の官房事務の総括責任者として阿部前官房長は、外務大臣命によって厳重訓戒処分をいただいた。また、自分及び阿部前官房長は俸給月額の10%(1ヶ月)を国庫に自主返納致したい。また、飯村官房長からも、現在の官房事務の総括責任者として俸給月額の10%(1ヶ月)の自主返納の申し出があり、これを受け入れた次第である。外務省としては、一連の不祥事に続き、今般新たにこのような調査結果を公表せざるを得ないことは誠に遺憾とするところである。国民の皆様に心より深くお詫び申し上げる。
 同時に、外務省としては、在外公館を含め、全省をあげて綱紀粛正に引き続き取り組むとともに、会計事務の厳格なチェック体制の構築など改革要綱に盛り込まれた諸点の実現に誠実かつ速やかに取り組みたいと考えている。
 調査の結果、判明した事実関係を以下申し上げる。

(飯村官房長)それでは、調査の結果、判明した事実関係をご報告させていただきたいと思う。調査結果をお配り申し上げる。「2」のところに事実関係ということで5点ある。1番目が公邸の借り上げに関する不正経理、2番目が臨時職員雇い上げに関する不正経理、3番目が公的設宴のために購入した食材の私的食事への使用、4番目が前総領事の私的荷物の引っ越し代金の公金による支払い、最後が前総領事の講演協力費の不正経理である。全部で5点あり、一つ一つについてご説明を申し上げたいと思う。
 デンヴァー総領事館は、新しく開設された総領事館であるが、1999年9月に新公邸を借り上げるに当たり、既にあった家を総領事公邸にふさわしいものにするという目的のために、家主に修繕工事、警備設備設置、電話システムの更新を実施してもらい、これに要する経費約20万4,000ドルを家賃に含める形で契約を結びたいという報告本省に対して行われ、本省より承認していた次第である。しかしながら、実際には、これらの工事は契約と違い、家主が実施したのではなくて、家主から同額、つまり20万4,000ドルが総領事館に渡された。この点は、総領事館の経費というのは国家の予算で手当されるものであるが、予算の枠外の話であり、ここで既に不正な経理が発生している。警備設備の設置、電話システムの更新は先程申し上げた本省への報告額とほぼ同額の1万9,000ドルで実施されていたが、本省への報告の中にあった修繕工事は、そもそも18万5,000ドルが臨時で要請されたが、実際は11万2,000ドルで修繕工事が実施されている。したがって、差額が7万3、000ドルあるが、この差額7万3,000ドルを公邸の備品、家具等、あるいは絵画の購入、公邸でのレセプション関連経費等に当てられていたことが判明している。特に付け加えさせていただくと、公邸の私的な部分の寝具、パソコン等の購入にも当てられている。水谷前総領事は、できるだけ早く公邸の整備をして、総領事としての職務を本格的に開始したいという気持ちが強かったので、このような方法をよく考えずに受け入れたと述べているが、本省に対して虚偽の報告を行って約7万3,000ドルもの多額の差額を入手した上、様々な物品を購入するといった不正経理についての責任は大きいと言わざるを得ない。
 2番目の臨時職員雇い上げに関する不正経理についてであるが、1999年11月、臨時職員1人を採用する必要経費が本省から総領事館に送られていたが、その月は結局臨時職員は雇用されなかったにも拘わらず、あたかも臨時職員を雇用したかのごとき会計処理が行われていた。それから、12月から翌年の2月までの3ヶ月間は、1人の臨時職員に対して、本省から送金されたいた額より少ない額が実際に支払われていた。具体的には、1時間当たり15ドルであったが、実際はこの臨時職員には12ドル支払われていたということで、1時間当たり3ドルの差額があった。こういった方法により捻出された資金は約9,000ドルであるが、臨時職員に給与として手渡されたのは5,100ドルであり、残りの3,900ドルが前総領事の私用の国際電話料金の補填、館員の親睦会や館員夫人の昼食会の開催費用などにも使用されていたことが、調査の結果、判明した。この不正経理による資金は、水谷前総領事の承認を得て作られていた。また、前総領事は、一部の使途については承知していなかったようであるが、前総領事の責任の下でこの資金が使用されていた。
 3番目に、公的設宴のために購入した食材を私的に使ったという点であるが、調査においては、水谷前総領事が行った設宴用食材の購入が私的な食事に用いられたことがなかったかどうか、最近までの食材購入の領収書、設宴決裁書等を基に一件一件精査した。その結果、例えば公的設宴が近く予定されていない時期に食材を購入しているといった私的なものと疑われてもやむを得ない食材購入があり、この部分を合計すると約1,500ドルになる。これらの疑わしい食材購入は、報道にある元料理人の方が公邸に勤務していた7ヶ月間に集中しているが、この期間中の公邸設宴用食材費の総額は約1万2,000ドルであった。
 4番目であるが、水谷前総領事は着任後、約2ヶ月の間、仮の公邸に住んでいた。その後、この本公邸に引っ越したが、仮公邸から本公邸への私的荷物の運搬費、倉庫に保存されていた私的荷物の保管料及び本公邸への運搬費、合計2,300ドルであるが、これらはそもそも前総領事がブラジルから転勤するにあたり受領していた移転料で賄われるべき経費と考えるが、この公邸及び総領事館事務所の引っ越し経費の支払いに含めて処理されていた。
 最後の点であるが、2000年11月、総領事館は日本人有識者の参加と米国団体の協力を得て、米国人を対象とした日本に関する講演会を計画し、4カ所分の会場借り上げ費、案内状作成費等の予算を本省から得ていたが、そのうち1カ所については、当初から米国団体が日本からの経費負担900ドルは必要ないと言っていたものであった。こういった虚偽の報告をもって得たお金を、前総領事は講演者の接待費等に使用していた。
 以上が調査報告の概要であるが、処分について申し上げる。
 まず、デンヴァー総領事館の関係者である。水谷前総領事については、これら5つの事例はいずれも不正経理あるいは公私混同ということで、館長として館の運営全般に責任を有し、部下に範を示すべき立場にある総領事たる者がこうした様々な不正経理に直接携わっていたということの責任は極めて重大と考え、外務省として、水谷総領事を懲戒免職処分にした。水谷前総領事の不正経理の対象となった金額は約8万1,000ドルである。冒頭申し上げた公邸の借料に関わるものが7万3,000ドル、臨時職員関係が3,900ドル、食材関係が約1,500ドル、引っ越し費用が2,300ドル、講演協力が900ドルということで、この8万1,000ドルについては、すでに国庫に返済されている。尚、会計検査院は検定を行う意向と私どもは承知している。
 前総領事は、はじめて公館長となって、総領事館をできるだけ早く本格的に機能させたいという強い意気込みと焦りがあったというふうに私どもに述べている。また、報道を見て心配しているデンヴァー市長、あるいは日系人の方々から、前総領事の仕事ぶりを評価するメッセージも寄せられてはいるが、ご報告申し上げた前総領事の様々な行為は弁解の余地のないことであり、前総領事本人も、このような事態を招いたことについて心より悔悛の意を示している。
 久保前首席領事は、現在マレーシア大使館の参事官をしているが、首席領事(No.2)として、借料や臨時職員雇い上げ経費に関わる不正経理を承知していたにも拘わらず黙認し、あるいは講演協力費の不正経理の開始に関わっていたことから、懲戒減給処分(俸給月額の10%、3ヶ月)にした。
 真壁前領事であるが、公邸の借り上げに関わる不正経理に密接に関与し、本省に虚偽の報告を行っていたということで、同じく懲戒減給処分(俸給月額の10%、3ヶ月)にした。
 当時の会計担当であった大橋領事については、上司の指示に従わざるを得ない立場にあったとは言え、結果として不正経理に関与したことから、訓戒処分とした。
 それから、本省関係者については、冒頭川島事務次官からご報告申し上げたように、川島事務次官は事務当局の最高責任者として、外務大臣による厳重訓戒処分、阿部前官房長は官房事務の総括責任者として、同じく外務大臣による厳重訓戒処分。さらに、川島次官、阿部前官房長からは、いずれも俸給月額の10%(1ヶ月分)を自主返納したいということである。また、自分からも、現在の官房事務の総括責任者として、俸給月額の10%(1ヶ月)を自主返納させていただきたいと考えている。以上である。

(問)この水谷氏に関する刑事的な手続きを取られるかについてであるが、告訴、告発についてどう考えていらっしゃるか。

(飯村官房長)私どもの調査結果については捜査当局に情報提供をしているが、刑事告訴を行うかどうかについては現段階では検討中である。

(問)使途はともかく、約8万ドルというかなりの高額のお金を一旦は私的に着服するなり、自分の手元に置いたわけであるから、常識的には告訴というのは当然だと思うのに、検討されているというのは何か引っかかっていることがあるのだと思うが、どういうことなのか改めてお聞きしたい。

(飯村官房長)いわば犯罪要件がどうなるのか、あるいは本人の意思がどういうところにあったのか等含めて、私どもは法律的な見地から現在検討しているところであるが、なるべく早く結論を出したいと考えている。

(問)この報告書だと、誰が最初にやろうとしたのか全くわからないが、誰が首謀者なのか。水谷氏が主にやったということでよろしいのか。

(飯村官房長)水谷前総領事が総領事館の館長であり、彼が全ての面で責任を負っているわけであり、彼が正に責任者としてこういう不正経理が行われたという認識であるが、その過程において先程申し上げた今回処分の館員からもいろいろ示唆を受けたり、あるいは総領事の方から指示をしたりしており、不正経理に彼らも関与していたということである。水谷総領事が責任を負っていたと考えている。

(問)監督責任ではなくて、これを行うことを誰が最初に考えたのか。水谷氏主導で行ったのかどうか、一つずつご説明いただきたい。

(梅田公使)一つ一つとなると、関係者の証言に矛盾する点もある。例えば、公邸の借り上げに関する不正経理であるが、これについては、たまたま現地で物件探しをしていた真壁領事は適当な物件を探すのに非常に苦労していた。それで、修繕工事等をするに際して、交渉する過程で、家主の方が実施するのではなく、総領事館の方で実施してもらえないかという話があり、それを彼は総領事館の方に持ち帰って、総領事並びに久保領事と相談したという経緯がある。次に、臨時職員の雇い上げに関する不正経理については、関係者の中で必ずしも意見は一致していない。ある人は、「これは真壁さんと久保さんのアイデアだ」と言うし、別の人は「これは水谷さん自身が発案した」と言っている。いずれにしても、先程官房長が申し上げたように、水谷前総領事自身が最終的に「こういうことをしよう」ということを了解していたということである。それから、3番目は、関係者は水谷前総領事と元の料理人の方であるので、これは明白だと思う。4番目の私的荷物の引っ越し代金であるが、これについては水谷前総領事自身が2ヶ月間仮公邸に住んでいて、本公邸に移るので、「その経費を何とかして欲しい」というふうに言ったという証言がある。また、前総領事の講演協力費の不正経理に関してであるが、これは久保前首席領事が発案したと申すか、そういう話をして、水谷前総領事の了解を得て始めたと理解している。以上である。

(問)一つ目の相談したとおっしゃった不正経理について、これを絵画や家具の購入に(使用)するというのは水谷氏の発案か。

(梅田公使)然り。

(問)この中で外交機密費に当たる部分はあるか。

(飯村官房長)報償費の問題については、従来国会答弁で申し上げているとおり、コメントを差し控えさせて頂くことになっているので、恐縮ながらお答えできかねるが、例えば食事の(3)の食材の私的食事への使用や、先程の現地職員の雇上げに関する不正経理について言えば、雇上げには謝金を捻出していわば裏金みたいなものを作っていた。設宴の方は、一般的には情報収集する際に報償費を使うとか、在外公館交流諸費とか、交際費とかいろいろあるが、そういうものから食費に充てているという状況であった。

(問)報償費はないわけですか。

(飯村官房長)報償費については、コメントを差し控えさせていただきたいと思う。

(問)全体を通してあるかないかだけでもおっしゃっていただけないか。これだけの事件になったわけなので、具体的な使途を尋ねているわけではなく、一連の中に報償費の不正があったのかなかったのか。

(飯村官房長)それはある。設宴を行うことによって情報収集を行っているので、報償費の部分はある。

(問)それぞれ具体的に伺いたいが、特に額の大きな(1)(イ)の先程官房長からご説明のあった、20万4千ドルが家主から総領事館に渡されたこと自体が予算の枠外であり不正経理だったのか。そこが会計上のどういう規定に反しているのか。実際に購入されたものは備品であり絵画であり、私的に購入したにせよ公邸の中に設置されていたものであるので、そのどこがいわゆる会計の規定に反するのかをもう少し具体的に話して頂きたい

(梅田公使)東京との関係がまずある。東京に対して総領事館は、この経費を公邸を修繕するために頂いて、それを借料に上乗せする形で支払う了解を取っていたわけである。それを自分たちが受け取っていた。これは仮に東京に報告したままの工事をやっていたとすれば、不適正ではあったが不正とは言えないと思われる。更に先程申したように、工事費用を削減して全く東京に報告することなくいろんな物品を買っていたことについては、外務省サイドとしては非常に問題視している。

(問)外務省の会計の法令があっての問題か。

(梅田公使)というより、一番問題なのは、いろんな物品を買うと法令に基づき物品台帳に登録する必要がある。こういう形で買いましたというのをきちっとした形で登録されていないところに問題がある。

(問)ということは、要するに買ったこと自体よりも登録されていないことが問題であり、東京に対して報告されていないということが問題であるということか。

(梅田公使)然り。

(問)水谷氏について、もちろん過去に明確な処分を受けたことはないと思うが、いろいろ振る舞いについて問題とされるようなことは把握していないか。

(飯村官房長)水谷前総領事の過去については、承知していない。

(問)トラブルを起こしていたとか、そういうことは。

(飯村官房長)処分あるいは人事上の対応を必要とするような問題が起きていたとは承知していない。

(問)ヨルダンの大使と喧嘩して辞めたというような噂が出ているがそういう事実はないか。

(飯村官房長)かつて人間関係でトラブルがあったりしたのかもしれないが、自分ども官房としては認識していない。

(問)松尾元室長のときには大臣も給与の自主返納をされたが、事件が別だから処分が違うのかもしれないが、我々国民から見れば同じ疑惑乃至事件に見えるのだが、どこがどう違うので今回は外務省の総責任者であられる大臣の処分がなかったのか。

(飯村官房長)その点については、大臣から特にご指示等はない。それが現在の状況である。

(問)公邸の賃貸と言うが、一体どういう契約を結んだのか。

(梅田公使)少々話が長くなって恐縮だが、デンヴァーは新設公館である。春頃から職員が一名行き、物件探しを始めた。夏頃になって物件の絞り込みをしたが、いわゆる賃貸物件が全くない、買い物件、売り物件しかない状態だった。館員は非常に困り、と言うのは、買うとすると200万ドルくらいの物件だが、それだけの予算がないので、なんとか借りるという形で探したかったわけだがそれは非常に難しいと。現地で困っており、その間に現地駐在されている日本人の方に相談したようだが、そうしたところ、ある社が自分のところが買って、政府に賃貸するという形でやりましょうと言っていただいて、ご協力を頂いた経緯がある。実際には契約は年間33万ドルの賃貸契約で、10年間の契約になっており、その間同じ額で支払うことになっている。

(問)その後の所有権はどうなっているのか。

(梅田公使)賃貸契約なので、所有権は家主である。

(問)物件の購入に当たって、当時の外務省の首脳が働きかけなり要請なりをしたことはあるか。

(梅田公使)それはない。蛇足になるかもしれないが、ある一部の報道機関から、外務省のある方とその社の社長が友人であるのではないかとの照会、それから、働きかけをしたのではないかとの照会が既にあったが、我々が理解しているのは、知り合いであるのは事実であるが、購入に当たってはそういう事実はないということである。

(問)私どもで聞いているのは、24日に副大臣と幹部の方で処分についての方針が固まって、大臣に報告されたが、昨日大臣は帰国されてから発表される旨の発言をされた。それが今日になって決裁があって発表となったのはどういう経緯か。

(飯村官房長)昨日の段階では、大臣からはご了承が下りていないとの連絡があり、今朝、あらためて現地から了承を頂いたということで、本日こうして発表させて頂いているのだが、その間に、大臣の方から、具体的な調査報告あるいは処分について具体的なコメントは頂いていない。直接今のご質問にお答えすることにならないが、了承を頂くのに2日ほどかかったという結果のみ承知している。

(問)デンヴァー総領事館に対して、査察を行ったことはあるか。

(飯村官房長)新設公館であるので、まだ査察を行った経緯はない。

(問)今回キャリアと呼ばれる方が懲戒免職になったが、前例はあるか。

(飯村官房長)それはチェックさせて頂く必要がある。

(問)確認だが、家主から総領事に渡された20万ドルのお金としての位置づけについて、公費として見ているのかどうかが一点。総領事が購入した絵画他について、例えば絵画が何点あっていくらというような内訳を教えて欲しい。

(梅田公使)20万ドルの内訳については、準公金という位置づけである。公金そのものではなく、ワンクッションおいた金である。しかし、税金をもってまかなわれているので、限りなく公金に近い。絵画等については、14点買っている。額は3万6,100ドルである。それから、私自身デンヴァーに7月に行って確認してきたが、その絵画は玄関ホールに2点、食堂に4点、サロンに3点、第2サロンに5点ある。いずれも場所的には公的な場所である。

(問)家具は何点か。

(梅田公使)非常に複雑なので、後程詳細をお配りする。

(問)公金に準ずると言われたが、厳密に会計法上の公費といえるか。

(梅田公使)そこは、会計検査院との相談を続けている。

(問)場合によっては公費としてみなされない場合もあるのか。

(梅田公使)そこは先程申したように、お金自身は家主から出ているが、本来は公金から出ているものである。ワンクッションおいているので、断定的に聞かれると辛いものがあるが、限りなく公金に近いものと認識している。

(問)20万4,000ドルは現金か。

(梅田公使)口座振込の形である。

(問)宛名は誰か。

(梅田公使)初めに入ったときは水谷総領事の口座に入っている。

(問)処分を受けた館員がいること自体、こういったことを見抜けなかった、組織として問題があるのではないか。

(梅田公使)この点については、我々は非常に反省すべき点があると思うが、本来、経理事務を監督しているのが公館長、出納官吏、会計担当官というように、複数の人間が会計事務を担当している。それをもってお互い牽制し合う役割が期待されているわけだが、今回の場合は非常に残念ながら、全員がそれに関与していた。特に公館長が出納官吏を兼ねていて、非常に強い意向を持ってこういうことをやっていたという事情があったということで、会計担当官の若い人の話を聞くと、問題意識は相当持って問題提起をしたようであるが、結果としてこういうことになってしまったということである。

(問)20万ドルで絵画を購入するアイディアは水谷氏の発案か。

(梅田公使)先程の質問にも関連する話だが、とにかく公邸を早く立ち上げたいという意向を関係者が非常に強く持っていたのも事実である。絵については水谷前総領事自身が購入している。あとのいろんな物品については、前総領事が購入しているものもあれば、館員が購入しているものもある。

(問)水谷氏の命令を受けて、買うように言われたので館員がしていたということか。

(梅田公使)基本的な構図はそういうことだと思う。

(問)1ページの下から2行目あたりだが、「契約を結びたいとの報告を本省に行い、了承を得ていました」 と書いてあるが、実際の契約は20万4,000ドルも家賃として契約に含まれるようになっていたのか。

(梅田公使)然り。

(問)そうすると、更に家主から総領事館に別にお金が渡されていたということになるのか。つまり、20万4,000ドルが家賃に含まれる契約がなされていて、その20万4,000ドルが別途個人口座に支払われているわけですから、公金と言うより、民間から国家公務員に私的なお金が渡されたと解釈すべきではないのか。

(梅田公使)そうではなくて、契約はこの物件を賃貸する代金と修理額を含めた総額で計算されている。約20万ドルは本来であれば家主が修繕をしてその部分を含めて家賃で返済されるものだが、修繕は我々の方で行うので、この(修繕)部分だけを家主が総領事館へ渡した方がいいでしょうということで抜き出したということである。

(問)それは家主の意思か。

(梅田公使)これも家主の方は総領事館から働きかけがあったといっている。それは何故かと言うと、その時に受けた説明は、ペルー事件の直後でもあり、特に警備のカメラ等の警備対策をあまりいろいろな方に知らせたくないという説明があって、自分たちにやらせてもらえないかということであったと聞いている。別途総領事館の関係者は、家主から工事がややこしいので、「見積もりを取られた額でやっていただいた方がいいでしょう」という話があったということであった。

(問)今回の件では、前総領事だけではなくて一緒に働いていた他の館員等の事情聴取の対象者から、他の在外公館でもこういうことがあったというような話はなかったのか。

(梅田公使)事情聴取の過程ではそういう話はでなかった。

(問)それは聞かれたのか。

(梅田公使)いろんな話を聞いている中では、そういう話も聞いたことはある。

(問)田中外相は処分について指示はなかったということだが、ある程度処分の原案を事務方で作られ、その際川島次官は処分を受けるのに、田中外相は対象外とされた理由は何か。現官房長は当時の担当者ではないのにも関わらず、給与を返されるのであれば、田中外相は当時の担当ではないけれども返すかどうかというような相談はあったのか。

(飯村官房長)今回の事件は官房の経理の問題であり、且つ在外公館の経理の問題であるということで、実体的に大臣が監督するということはほとんど不可能であり、そういう状況の中で官房事務の観点から事務当局の責任が問われるべきであろうと考えた次第である。私自身については現在の官房事務の統括者として不適切な経理が行われないようにきちっと見るべき立場にあるわけであるから、反省の意味を込めて給与の自主返納をお願いした訳であり、処分の対象にはなっていないということである。

(事務次官)補足すると、私の場合は一連の不正経理が発生した時点で既に事務当局の最高責任者だったわけであるから、そこは大臣とは違うのではないかという気がする。

(問)先程、若い人の間では問題提起があったと述べられたが、具体的にはどのような問題提起があったのか。

(梅田公使)会計担当をしていた大橋君は、例えば謝金の話についてこういうことは問題ではないか、ということを言ったことはある。

(問)要するに構図としては一部下の方で反対意見があったけれども、水谷さんに押し切られたということなのか。

(梅田公使)そういうことである。ただし、水谷さん自身もものずごく反省している訳だが、よく考えなかったというか、会計のことはよく承知していなかったということもある。

(問)本省の方に食材を機密費でまかなっているという報告がなされているという話があるが、どうか。

(梅田公使)元料理人の方と私自身がお話をしたときに、料理人の方が書かれたメモをある方を通じて外務省の関係課に提出したと聞いている。当時の関係者に聞くと、非常に正式な形で指摘があったというよりも、非公式な形でこういうものがあるとのいうような話であったと聞いている。

(問)そのレポートを出したある方というのは、今回処分された方であるのか。

(梅田公使)そうである。

(問)なぜその時に調査を行わなかったのか。

(梅田公使)私には正直に言って分からない。

(問)大したことではないと思ったとか。

(梅田公使)いや、そういうことはないと思う。関係者に直接聞いたが、きちっとした形で問題提起があったわけではないので、行動をおこさなかった、詰めなかったということである。

(問)前回の水増し事件の際には副大臣、政務官も同席されていたが、今回の事件では同席されていないのは何か理由があるのか。

(飯村官房長)特に深い理由はない。この前は副大臣、政務官が同席されたが、このような懲戒処分が発表されるときには官房長から発表するケースもあり、特に慣例とかがあるわけではない。今回は関係者の都合の結果、急遽今日発表することになったこともあり、このような形になった次第である。

(問)公邸の絵画はふつう経費で賄うのか。それとも今回のように自費で買うものなのか。

(飯村官房長)公邸の絵画については、外務省の経費で賄っている。もちろん私的な絵画を公邸に飾ることを妨げるものではないが、外務省の経費で絵画を各公館に送付することは行っており、デンヴァー総領事館にも本省で賄い物品台帳に載っている絵画が14点ある。

(問)絵画に関し、全部で14点3万6,000ドルということだが、この算定方法はきちっと14点の領収書を確認した上での数字なのか。全ての領収書が残っているということか。

(飯村官房長)そういうことである。

(問)今回の事件は、新聞報道で初めて明らかになったわけだが、外務省自身がチェックして、はっきりさせる仕組みはあるのか。

(飯村官房長)本来であれば今言われたように外務省自身が、完璧にチェックできる体制を整えるべきだと思う。そういったことで松尾事件を受けて、改革要綱を発表したけれども、その中で在外公館、本省の監察・査察制度の抜本的強化ということをうたっているわけで、たとえば早急にやりたいと思っているのは、全在外公館、約180公館あるが、これをすべて今年これから1年以内に査察を行うということも予定している。従来だと在外公館の査察は、どうしても間隔があいてしまい、正確な統計は手元にないが、5、6年に1回行われている状態なので、これを抜本的に変えていこうと思っている。それから問題がある場合には、私どもは特別査察というのがあって、問題点を見つけた場合には、そういった査察も従来よりおこなっているが、その面でも強化していきたい。

(事務次官)補足すると、確たることは申せないが、開館間もないので査察を全然やってないわけである。だが、今までの査察をいろいろ思い返すと、査察をやっていれば事後的に分かったということがあるという気がしている。「査察をやられたら分かってしまうことを何故したのかね、」というのは、また別途あるわけだが、この際申したいのは、みんなやってるのではないかという風に見られるのは非常につらいわけで、大多数の省員はまじめに働いているということを敢えて申し上げたい。大多数がまじめにやっているだけにこういう案件は許せないし、徹底的に厳正に対処すべきだし、今後とも何かおかしな兆候でもあれば、さっき官房長が申したように、機動的に即調査、査察をやるということ、それによって抑止をしていくということではないかという気がするわけである。

(問)その関連だが、先程の件は重要だと思う。内部で告発があったにもかかわらず握りつぶした件だが、これは個人の判断で握りつぶしたのか。

(梅田公使)そこは、先程言葉足らずの部分もあったが、私が聞いた人によれば、「ほかの人から紙がまわってきた」ということである。その点は、非常に外務省として反省すべき点はあると思う。今、自分もたまたま在外公館課の課長の部屋の中に机を置いているが、とにかくおかしな話というか、そういう兆候のある話があれば、きちんと課長、首席等の責任のある人に話を上げて、直ちに対処できるように徹底する必要があるのではないかということを、今部内でも話している。

(飯村官房長)補足させていただくと、自分が承知している限りでは、前に料理人をやっていた人のメモが外務省の職員によって、一部の職員の知り合いの人には配られているが、通常私どもの抜き打ち査察等が機能するためには、官房の責任ある課として査察室や人事課や総務課や在外公館課等、そういうところの担当者のところに届く必要があるが、それが行われなかったと承知している。

(問)総領事館を早く機能させるためにこういうことをやったと本人が言っているようであるが、不正経理をやれば早くなるという考え方がおかしいのではないか。

(飯村官房長)正にそうだと思う。

(問)例の内部告発文書は査察(室)や人事課に行ってなかったということであるが、これは確かなのか。

(梅田公使)一部訂正させていただくと、それはそういう風に渡したと聞いている。ただし、その文書そのものはきちんと保管していたのを確認できたのは在外公館課である。

(問)査察や人事に渡したのは確認できていないのか。

(梅田公使)彼はそう言っているが、今のそこの担当者は記憶にないと言っている。

(問)彼というのは誰か。

(梅田公使)真壁領事である。

(問)誰が誰に何を渡したと言っているのか。

(梅田公使)舎川料理人が、いつ作成されたというのは聞いていないが、「総領事からこういう風に言われた」というメモを作っていたということで、彼が3月の終わりに帰って来て、5月頃と自分自身は聞いているが、その真壁領事を通じてそういう紙を外務省の方に持っていくように依頼したと聞いている。

(問)今まで会計課や在外公館課のチェックの話は出ていないが、例えばここで言うと東京に報告されていたのが18万5,000ドルで、実際には11万2,000ドルだったということである。普通領収書をつけるが、そうされてなかったのか。

(梅田公使)本来家主がやられる工事なので、報告は当然家主がやられたという前提のもとになされたということである。

(問)家主は18万5,000ドルを使って工事が完了したというのを確認しているのか。

(梅田公使)そこは承知していない。

(問)そうすると、お金を渡しておきながら、どういう使い方をするかというのは水谷氏に任せられていたということか。

(梅田公使)そうである。

(問)個人口座に入ったということは、民間業者からのキックバックということではないのか。

(梅田公使)そこは違うと思う。当初6日間ほど水谷氏の口座にあったが、その後公金口座ではないが、館の口座で管理するような形にしていた。何故水谷氏の口座に入れたのかという質問に対して、とりあえずまだ立ち上げの時でドタバタしている中で、そういうお金を受け入れる口座がなかった。誰が受け入れるべきかという話をした時に、やはり公館長の口座に受け入れるのがいいのではないかという判断だったと聞いている。

(問)「7万3,000ドルを用いて、公邸備品、絵画の購入に当てた」とあるが、それは公邸の備品として登録されているのか。

(梅田公使)されていない。

(問)次官にお聞きしたいが、先週逮捕されて、また今週もこのような不祥事で会見されて謝罪されたが、毎週のように謝罪されていることに対してどうお思いか。ご自身の責任についてどうお思いか。

(事務次官)まず、松尾事件を契機として本省、在外双方にわたって綱紀の引き締めやチェック体制の見直し等全力をあげている過程にあるが、その松尾事件の発覚以前においてこういう事案、つまり外務省のチェック機能が働いてない、あるいは省員の緊張感や責任感の欠如と受け止められても仕方ないような事案が相次いでいるということは、本当に残念である。自分の責任についてであるが、一般論として申し上げると、国家公務員の人事というのは発令されて初めて確定するものであるので、それ以前の段階で公務員たる者「もう辞めたい」とか「続投したい」といった個人の考えを表現するべきではないと思っている。その点は、企業のトップや政治レベルとは少し違うのであろうと思っている。ただ、敢えて申せば、1月以来自分としても事務レベルの最高責任者として人事上の責任の取り方、けじめのつけ方については常に念頭にあったわけであり、かねてからそういう人事のプロセスに関与する人にはそういう自分の気持ちをお伝えしている次第である。外務省の場合、夏の人事はまだなわけで、これからそういう自分の気持ちを酌み取ってもらえるのであろうとは考えているが、目下の時点でこれ以上あれこれ申す立場にはない。

(問)内部告発の経緯について知りたいのであるが、舎川料理人から真壁氏を通じて外務省に上がって、途中で担当者の不備か何かで書類をなくしたから査察に上がっていないということではないのか。

(梅田公使)自分も詳細な経緯は正直言ってわからない。自分が聞いているのは、真壁氏が自分の知っている担当の人に「こういう話があるんだ」ということで(メモを)渡して、その後それがどういうふうに処理をされたのかというのは、正直言ってわからない。ただ、在外公館課については、(そのメモが)存在していたということである。

(問)それは不注意や怠慢ではないか。

(梅田公使)先程申し上げたように、非常に反省すべき点は本当にあると思う。正直な気持ちを申すと、何故その時にきちんと上に上げて、然るべき調査をするなり、対応をとるなりできなかったのか、ということは強く思う。

(問)その書類を当時きちんと上に上げなかった職員については処分はしないのか。

(梅田公使)そこについては、どういう形で本当に真壁の方から問題提起があったのかとか、詳細に聞く必要があると思う。

(問)それは、在外公館課の課長まではメモを目にしたということか。

(梅田公使)(課長までは)上がっていない。

(問)在外公館課の中に存在していたということであるが、それは誰まで上がっていたのか。

(梅田公使)首席のところには届いていたということである。

(問)絵画と食材について伺いたい。絵画については、こういう経費ではなくて、通常大使館や総領事館が公的に買う場合には、どういう理由で買うのか。また、こういう小規模の総領事館に10何枚も絵画があるような状況というのは、どこの総領事館においても不思議ではないのか。具体的に買われた絵画はどういうものか。食材については、具体的にはどういう食材か。また、通常大使や領事の方々が自分の私的な食事をする場合は、普通はどういうふうに調達されるのか。

(梅田公使)食材の方から申し上げる。食材については、通常であれば大使ないしは大使夫人の方からお金を渡して、それをもってプライベートな食材を買ってもらう。それから、冷蔵庫も、公的なものとプライベートなものはきちんと分かれている。そこで区別をすることになっている。それから絵については、やはりサロンであるとか、食堂であるとか、そういうところに絵を掛けるということは通常のことであるので、それは公のものの財産として、また外国の方が公邸に来られた時に、日本の絵であれば、全てが日本の絵というわけではないが、やはり日本の芸術を見ていただくというような観点もある。

(問)具体的に絵や食材はどんなものだったのか。

(梅田公使)今手元に資料を持っていないので、後でお答えする。

(問)先程、首席のところには(メモが)届いていたが、課長は見ていないというお話であったが、これはイコール今まで言われてきた隠ぺい体質というものではないのか。これ自体が省内の隠ぺい体質につながる1事例だと思わないか。

(飯村官房長)隠ぺい体質と言うか、そのメモを受け取った者が問題の深刻さを十分認識しなかったということだと思う。その辺は、今後、深刻に反省すべきであるし、注意していかなくてはならないと思う。私どもがご指摘を受けたりする機会がいろいろあるが、そういう時にきちんと真剣にそういうものを受け止めるべきだと思うが、そこの深刻さが足りなかったのだと思う。

(問)それは、隠ぺいするような体質があるかないかということを聞かれた場合には、どうやってお答えするのか。

(飯村官房長)私どもは隠ぺい体質があるとかいろいろご批判を受けるが、そういうことであってはならないと思うし、そういったご批判は謙虚に受け止める必要があると思う。今後はそういうことがあってはならないと思っている。

(問)先程の話の中で、大橋氏の件について、大橋氏が「まずいのではないか」ということを水谷氏に言ったというくだりがあったが、これはいつ頃のことか。また、これに対する水谷氏の反応はどうだったのか。

(梅田公使)例えば先程も触れた謝金であるが、謝金の不正な処理が行われたのは11月の終わりないしは12月である。具体的にどういう文言を使ったというのは今記憶にない。ただし、大橋氏に現地で話を聞いた際には、「問題があるのではないか、というような指摘をしたことはある。ただし、踏み込んだ発言はしなかった」ということであった。

(問)水谷氏はどう言ったか。

(梅田公使)水谷氏が具体的にどういう言いぶりをしたかは聞いていない。

(問)一連の不正について、水谷氏本人が私的に使ったのはどの程度なのか。

(飯村官房長)そこはなかなか難しいが、少なくとも先程お配りした紙の3ページ目に出ている不正経理の対象となった金額は8万1,000ドルで、それは国庫に返済しているというのが第1点である。第2点は、さはさりながら、水谷前総領事自身は、例えば絵画だとかああいった物を私物化する意図はなかったということを言っている。他方で、買った絵画等が物品台帳に載っていないという点があるので、その辺を100%その通り受け止めていいかどうかという問題はある。3点目は、そういう中で、公邸の私的な部分に置いてあったパソコンや家族の寝具といったものは公費で賄えない物だから、そういった物は私的なものにまたがったということだと思う。20万ドルのうちのそういう購入したもの、あるいは私的な食材に当てたもの、そういったものを合計すれば、純粋に私的なものに使った金額が出るわけであるが、これは境目をつけるのが難しいので数字についてはなかなか申し上げがたい。少なくとも8万1,000ドルには到達しないので、その一部の金額ということしか現段階では申し上げられない。

(問)寝具等の部分についても、私的に使ったということを認めているわけではないのか。

(飯村官房長)これはもう認めている。

(問)ざっと見ると、私的に使ったという部分と、例えば職員雇い上げや館員の親睦会、館員夫人昼食会、講演者の接待費用に使っていたという部分があり、こういう部分について水谷氏は何と言っているのか。また、使い方の内訳が若干意味が違うように思うが、それについてどうお考えか。

(飯村官房長)水谷前総領事がどう言っているのかというのは梅田公使に補足してもらうが、彼が私物化しないで公邸に置いていくと言っていた家具や絵画等いろいろあるが、それ以外の部分で仮に計算すれば、そういったプライベート口座のものや館員の親睦会に使ったお金や私的食材のお金、あるいは引っ越し代金、あるいは講演協力費の不正経理、こういったものを合計すると大体1万6,000ドルぐらいというのが仮の計算である。

(梅田公使)会員の親睦会だとか、夫人昼食会等については、彼自身も「私的に出すべきであったものだ」ということは認めている。

(問)個人的に絵を買ったりしたということとは別に、公館の中でお金をみんなで使ったということになると、個人的にポケットにしまったということと少し性格が異なってくるのではないかと思うが、そこについてはどう認識しているのか。

(梅田公使)親睦会だとか夫人昼食会は、館を円滑に運営していく上で必要な行事であるとは思うが、これはあくまでも自分たちのお金でもって私的に行われるべきものであり、お互いに出し合ってやるべきものであった。しかし、これをもって本人の行った行為について情状酌量するだとか、そういうことにはならないと思う。

(問)ほかの在外公館でも館員の親睦会とか館員夫人の昼食会というのはやっているが、皆さんお金を出し合ってやっているということでよろしいか。

(事務次官)出し合うか、そうでなければ負担すべき者は館長である。

(問)料理人の方のメモというのは、2000年の5月に在外公館課の首席事務官のところには届いたが、1年2ヶ月にわたって首席事務官が保管していたということか。

(梅田公使)保管していたと言うか、あったということである。

(問)1年2ヶ月にわたって在外公館課の首席事務官の手元にあったのであろう。

(梅田公使)あったということである。聞くと、連日ものすごい(数の)書類を決裁するが、何の説明もなくポンと置いてあったということで、「何だろう」と思い、それは鈍いと言われればそうかもしれないが、そういう置き方をされていたということである。

(問)先程200万ドルの物件について、10年間にわたって毎年33万ドル支払うと、10年間で330万ドルになってしまうが、こういう契約の仕方は通常行われているのか。

(梅田公使)通常行われているかいうと、購入価格にそういう修繕部分も載せて契約しているケースはある。

(問)130万ドル高くなるようだが。

(梅田公使)そこは例えば、10年物の国債が当時米国で8%ぐらい(の利回り)であったとか、適正な比率みたいなものを反映して計算されたと聞いている。

(事務次官)だから、本当は一括で買えればはるかに安いということはある。しかし、それぞれの予算が限られているから、まるごと買うのを飲み込むのは各年では非常に難しい。それをある程度割るとできるというのが今回のケースである。ほかのケースがあるかどうかわからないが、要するに1回では飲み込めないということである。その結果330万ドルになるというのは、正に今梅田公使から説明があった通りである。

(問)ただ、10年間支払えば所有権が移転するというわけでもないであろう。その後はどうするのか。

(梅田公使)もし予算がついて公邸が買えるということになれば事情は別であろうが、そこに住み続けるということであれば、家主とまた交渉していくことになる。

(飯村官房長)補足すると、デンヴァー総領事の公邸は1平方メートル当たりの単価は日本円で月額2,100円であるが、一般に北米地域において日本の総領事公邸を借り上げているのは月額約2,000円で、このデンヴァーの総領事公邸がほかの公邸に比べてずば抜けて高いということは言えないと思う。
 デンヴァーの場合はほとんど賃貸物件がなくて、買い上げ物件しかない。

(問)この7万3,000ドルであるが、そっくり着服したわけではないのか。公邸備品や絵画、公邸でのレセプションは、本省に経費として正式に請求できるのではないか。

(飯村官房長)そうである。

(問)これについて、7万3,000ドル払う必要はないのではないか。

(飯村官房長)そうである。

(問)これは、そっくり着服したという可能性はないのか。

(飯村官房長)絵画とか、公的部分の家具とか、そういったものは実際問題として物品台帳に何も載っていないので、非常に確たることは言えないが、当人自身は私物化する気持ちはなかったということを言っていることが1つである。もう1つは、今回の特損を与えた8万1,000ドルの中にはこの家具や絵画は入っているということで、これは彼は返金した。

(問)7万3,000ドルをそっくり自分の所に着服したのではないか。

(梅田公使)それはないと思う。実際現場に行って我々が全部チェックしたし、レセプションの関係で使っている領収書を確認している。

(問)国庫に返済したのはいつなのか。

(梅田公使)現地の22日である。

(問)先程の話しに戻るが、着服はないという話はどこにいったか分からないような金が一銭もなくて、全て裏付けがとれたということか。

(梅田公使)裏付けはとれている。

(問)この7万3,000ドルについてはか。

(梅田公使)そうである。

(問)先程、1平方メートルの単価が2,100円ということだったが、新設の総領事公邸として領事が5、6人しかいないような所であって、その総領事に対する公邸として大きさは他の公館に比べて豪華すぎるとかいうような事はないのか。

(飯村官房長)調べてお答えする。

(問)総額として年間33万ドルだが、他の総領事公邸というのはだいたいどれぐらいで借りているのか。比較するとどうなのか。

(梅田公使)今、手元に資料がない。

(問)話を聞いていると、大橋領事等は今回の件でいろいろとおかしいではないかとの意見も出したが、総領事の意向に従わざるを得なかった。真壁さんについては内部告発のような形をとったわけだが、結局外務省内の、これはいわば怠慢だと思うが、それが上に届かなかったという事情でありながら、新聞にでたということで査察に入った。その結果としては、下の者に対して厳しすぎるのではないかという声も省内では一部あるのではないか。こういうご時世だから仕方が無いのかもしれないが。事件がおこった当時の事務次官は柳井駐米大使か。

(飯村官房長)違う。

(問)或いは所管は北米一課になるのか。

(飯村官房長)所管は北米局だが、いわゆる経理に係わる事務は私共官房がやっており、官房が所管である。

(問)総領事を除いて、下の者に厳しすぎる処分なのではないかという意見も省内にでていると伺っているがどう思われるか。

(飯村官房長)先程ご説明したが、実際に不正経理に関与している度合いによって、処分を考えたわけで、やはり不正経理に関与している以上、人事処分はまぬがれないのではないか。

(問)例えば、先程の在公の首席事務官については、内部告発を1年2カ月にわたって放っておいたわけであるから、厳重注意なりをしないのか。

(飯村官房長)不注意、或いは内部告発に対する恣意的な対応がなかったかどうかということはあるが、それ自体が人事上の処分の対象になるという風には考えていない。

(問)食材の流用は1,500ドル、十数万円だが、総領事の給料から見るとかなり少ないと思うが、総領事の在外勤務手当というのはどれぐらいで、年収はおよそどれぐらいあるのか。

(飯村官房長)在外公館名称位置及び給与法という法律があり、それで定められている。後ほどお渡しする。

(問)それはすぐ問い合わせれば5分ぐらいでわかると思うが、会見の間に調べられないか。

(高橋報道課長)会見が終わった後すぐやらせて頂く。

(問)先程、舎川料理人の内部告発文書が届いたのは今年か昨年か。

(梅田公使)去年の5月頃である。

(問)一部紙上で、昨年4月の段階で領事を通じて報告を受けたのが、松尾克俊機能強化対策室長(当時)であると聞いているが、これは間違いないのか。

(梅田公使)間違いであるかどうかは、松尾元室長から確認ができないが、真壁前領事はそのように言っている。

(問)先程の首席事務官の件だが、1年2カ月間にわたって書類が置いてあったこと関しては意図的であったかどうか聞かせて頂きたい。

(梅田公使)その方は、今年の初めに交代しており、意図的であったということは当然ないと思う。ものすごい量の書類の中に申し訳ないが紛れ込んでしまったということである。新しく代わった首席はその存在を知らなかった。今回、問題指摘があって書類が見つかったということである。

(問)紛れ込んでしまっていたということと、知らずに探していたらあったというのはその二人の意見か。

(梅田公使)そうである。

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事務次官会見記録 (平成13年7月23日(月) 17:00~ 於会見室)

・ インドネシア情勢

(事務次官)インドネシア情勢について申し上げる。すでに報道等でご承知のように、事態が緊迫化している。ずっとわが方の大使館と連絡を取りながら、事態のフォローをしている。本日、事実上の非常事態宣言の発出ということで、大統領が一連の国民協議会の凍結、総選挙の1年前倒し等の大統領告示を発出したわけであるが、それを受けてジャカルタやバリ島、ビンタン島に海外危険情報の危険度の引き上げを行った。どういうふうにこれからなるかであるが、目下の時点ではワヒド大統領の解任とメガワティ副大統領の新大統領就任を求める意見が大勢を占めるという中で、今後どうなるか見守っている次第である。基本的なわが方の姿勢としては、インドネシア国内の政治対立が憲法に則って平和的な方法で解決されるということであればこれは結構なことであって、そういう方向で収拾されることを期待するということに尽きる。申すまでもなく、インドネシアの安定というものは、東アジア、アジア太平洋地域の安定にとって極めて重大であり、これは今に始まった話ではない。そういう中で、先程申したように、安定的に憲法に則って然るべき形で収拾されることを期待するし、見守っている。

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・ 北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題

(事務次官)北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題についてであるが、15日からの操業が想定されているわけであるが、実際問題として北方四島周辺水域に韓国漁船が入ったかということについては、今のところ入ったという情報には接していない。先週末にかけて、日本側は槙田アジア大洋州局長と海野水産庁資源管理部長等がソウルに赴いて、韓国側と協議を行ったわけであるが、依然日韓間の主張には隔たりが大きいということで、大半について合意に達していないのが現状である。
 ロシアとの間では、21日に日露首脳会談が行われた際に、プーチン大統領の方から「この問題は経済問題であり、政治問題化させないように経済問題として解決したい」という発言があった。
 日韓の方では、合意に至らないまま目下のところ時間が経過しているという状況である。

(問)お話を聞いていると、ロシア側との交渉はもう良くて、あとは韓国だけだという認識なのか。

(事務次官)ロシア側の立場というのは、これは経済問題で政治問題化させないということである。小泉総理の方から「来年以降の操業については十分話し合いたいという」と述べ、それに対するプーチン大統領の発言である。そうは言っても、実際に操業に赴くのは韓国側の漁船だし、その操業について北方四島に関する日本側の立場をどういうふうに整理するかというのは残っているわけである。その意味で、目下のところ主張に隔たりが大きいのは日韓間だということである。

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・ 気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開会合

(問)ボンで開催されている気候変動枠組み条約第6回締約国会議(COP6)再開会合の現状如何。

(事務次官)サミットの締めくくりの時点以降のものは自分のところには来ていないが、まだ最終的なところまで詰まっていないということである。

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・ 在日米軍兵士による事件

(問)また沖縄だけでなく、あちこちで米軍兵士の不祥事が相次いでいるが、それについての外務省としての対応如何。

(事務次官)沖縄の事件は、車に火を放った器物損壊の事件であるが、これについては極めて遺憾であるということで、北米局から在京の米国大使館に遺憾の意と再発防止に努めるよう申し入れた。沖縄事務所の方でも、在日米軍沖縄地域調整事務所に同様の申し入れを行って、綱紀粛正のみならず被害に対する必要な補償を申し入れた。また、在米軍海兵隊にも同じことを申し入れた。米側からは、「この事件の発生は極めて遺憾で、再発防止に最大限努力したい」「事実関係を確認の上、補償について適切に対応していきたい」という対応があった。
 また、三沢にももう1件あり、三沢飛行場所属の空軍兵が酔って車を盗んだということで、これも同様に外務省北米局の方から在京米国大使館に対して強い遺憾の意の表明と綱紀粛正及び再発の防止の申し入れを行った。これは22日の事案である。こちらも、米側から「この事件の発生は極めて遺憾であり、綱紀粛正に努めたい」との反応があったということである。
 ご質問にもあった通り、正に沖縄での事件があって、あまり時間が経っていないうちにこういうことになったということで、非常に遺憾なことであるし、米側としても再発防止と綱紀粛正の重要性は十分わかっていると思うが、そういう中でフォローしていく。

(問)申し入れはそれぞれいつのものか。

(事務次官)沖縄の米兵の話が21日、三沢の話が22日である。いずれも申し入れた。

(問)沖縄事務所は大使が申し入れたのか。

(事務次官)副所長からである。

(問)今日の申し入れについてはどうか。

(事務次官)今日のものについては、まだ自分のところには上がってきていない。フォローさせていただく。

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・ チェコにおける田中大臣のテレビのインタビュー

(問)田中外相が、チェコのテレビで「ミサイル防衛を支持する」と発言しているが、これと従来の政府見解の整合性はどうなるのか。

(事務次官)これは、基本的には従来の立場が5点程あるが、この立場をいわば説明したもので、これを変更するという意図で発言があったというものではないと考えている。5点の立場とは、ご承知の通り、核兵器を一層削減するという米側の姿勢を歓迎する、ミサイルの拡散がもたらす脅威について米国と認識を共有、ミサイル防衛計画を検討していくことを理解、弾道ミサイル防衛に関する共同技術研究を引き続き推進、米側が同盟国や関係国と十分協議することについて歓迎し、緊密に協議する、という従来の立場で、そういうものを引っくるめての発言だと考えている。

(問)先程おっしゃったことからすると、大臣のテレビの中での説明が少し言葉足らずだったと当然思えるが、どうか。

(事務次官)5項目を全部繰り返すということではなくて、テレビのインタビューなのでああいう発言をしたのだろうと思う。

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・ デンバー総領事による公金流用疑惑

(問)デンバー総領事が先週末帰国していると思うが、今後の外務省の対応如何。

(事務次官)直接事情聴取をやっており、なるべく早く結論を出したいと思っている。今の時点でどうこうするということを申し上げる状況ではない。詰めの作業である。

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・ ジェノバ・サミット

(問)ジェノバ・サミットに関連して、今回現地でデモ活動と死傷者が発生しているが、サミットの在り方について次官の認識を伺いたい。

(事務次官)サミットの在り方というのは、サミットが始まって以来いろいろな時にいろいろ議論があったわけである。従来は蔵相と外相が一緒に行ってたのが、いつからか別々に切り離す等、今度はもっと小ぶりの会議にすべきではないか等、いろいろな考え方があったようである。これから正にメンバー国で詰めていく話であろうと思う。ただ、それとは別に、記憶に新しいのは、この種のデモが起こったのは一昨年の秋のシアトルでのWTOの会合が最初に、それを機に正にグローバル化というものに対するいろいろな形での反発がこの種の会合で出てきている。沖縄サミットの時にも随分心配したが、沖縄の時にはああいう騒乱にはならなかった。ちょうど1年前であるが、われわれとしてもいろいろなNGOとの対話に随分意を用いたわけである。しかし、そういう流れの中で、死者が出て騒乱状態になるというのはやはりショックである。ただ、だからと言ってグローバル化をそれでは止めるという話か等、いろいろあると思う。会議の姿としてどういう進め方にするかという話と、ああいうデモ隊が提起している問題自体随分いろいろあるし、穏健にやっている人たちもいるわけで、相当いろいろなことを整理して考えないといけないのではないかという気がしている。これは、この種の会合はまだいろいろなところでやらなければならないわけであり、そういう会合の重要性というのはそれぞれ残るのであろうと思う。

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・ ハイヤー代水増し請求事件

(問)先週の小林課長補佐の逮捕の際の会見で、随分積み残しというか「調べます」ということがあったが、何かお答えいただけるものはあるか。サミット準備事務局の決裁プロセスはどうなっていたのか。

(事務次官)まだまとめてご報告するところまで詰まっていない。ただ、調査・再発防止のためのタスク・フォースというのを設置して、とにかくシステムをもう一遍全部見直した方がいいという問題意識があって、その際に同種の事案がないか等、いろいろ調査を行いたいと思っている。この間積み残しのようになっているのは、正に犯行が実際にどうなっていたのかという事実関係にかなり関する話で、それについては今のところ、私どもとしても新聞を読んでいるしかない状況なので、それなりにいろいろなことは調べようとしているが、正に決裁過程等、まだ確たることを申し上げる状況にはない。

(問)当時の会計課長とか、関係者を呼び戻したりするという調査は省内でやっているのか。

(事務次官)呼び戻すということはまだやっていない。あくまで東京の中でやっている。

(問)この事件に関して関係者の処分が想定されるが、どうなるのか。

(事務次官)もちろんそれを視野に置いてやっている。

(問)それはどういうスケジュールなのか。どの段階でやるのか。

(事務次官)あの時にも話が出たが、松尾室長の事件の時にはこちらが調べて、こういうことだろうという報告書をまとめたのがスタートだったわけであるが、今度の場合は捜査当局による逮捕ということで始まった話なので、どういうことで、従ってそれに対する監督責任をどう整理して考えるかというのは、捜査の進展を眺めないといけない。ただ、どこかでやらなければいけないことは間違いない。

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事務次官会見記録 (平成13年7月9日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 歴史教科書問題

(事務次官)ご承知の通り、本日午前中に中・韓両国に対して教科書の検討結果を伝達したわけであるが、中・韓両国からは大変厳しい反応があったということである。今回の検討結果は、日本政府としては中・韓両国の意見を真摯に受け止めて、教科書検定制度の枠の中で誠意を持って出来る限りの対応をしたものである。日本政府自体の歴史に対する基本認識は95年の村山内閣総理大臣談話に尽きるということで、その認識は変わっていない。大変厳しい反応だったわけであるが、日本政府としては日中、日韓間の友好協力関係の発展というものは言うまでもなく日本外交の最も重要な柱のひとつであると思っているわけなので、何とかこの問題が日中関係、あるいは日韓関係の大局に影響を及ぼすことにないように、今後とも日本の立場を粘り強く説明して、両国の理解を求めるという立場に尽きるわけである。

(問)韓国政府が改めて見直しを求めているが、これ以上教科書問題そのものの見直しということは難しいと考えていらっしゃるのか。

(事務次官)正に真摯に受け止めて、出来るだけの対応をして、その結果の答えであるので、厳しい反応ではあったわけであるが、今の制度の枠内でもう1度(見直す)ということはなかなか難しいと思うし、そこは先程申し上げた通り、わが国の立場を粘り強く説明して参りたいということに尽きると思う。

(問)その説明の仕方として、何か考えていらっしゃるのか。

(事務次官)論点はある意味で出尽くしているわけであるが、やはり原点に立ち戻って、この問題でせっかく良好に動いている日中関係あるいは日韓関係というものを壊すことはあってはならないということがひとつと、それから日本政府の歴史認識というものは変わっていないということである。これは教科書の検定の時にもさんざん出た話であるが、検定制度というのは歴史認識自体をという話ではない、ということに戻る話だと思う。その2点が軸だろうとは思う。ただ、韓国側は「これを受け入れることはできません」、あるいは中国側は「強烈な遺憾」と言っているので、なかなか「わかりました」という話にはならないであろうし、そこはいろいろなやりとりを重ねていかなければならないだろうとは思う。

(問)今日は大使から説明されたわけであるが、別の説明の仕方、別の方が行くとか、そういうことは考えていらっしゃるのか。

(事務次官)今のところ考えていないし、誰が説明しても同じことだろうと思う。

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・ 北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題

(事務次官)北方四島周辺水域における韓国漁船の操業問題であるが、これは韓国とロシアの間の協定では操業期間が7月15日からということなので、今週いろいろなことをロシアとの間及び韓国との間でやらなければならないと思っている。基本的立場は、ご承知の通り、北方四島はわが国固有の領土であるという立場に鑑みて、その周辺水域においてロシアが韓国に漁獲割当を行うことは認められない、ということに尽きている。先週いろいろなやりとりをやったわけである。 ご存じかと思うが、ロシア側との関係では、2日に田中外務大臣からイワノフ外相宛ての本件解決のための政治的イニシアティブを要請する書簡を発したわけであるが、7日になってイワノフ外相から「本件は純粋に商業的性格を有するものであり、ロシア側の立場を害さないとの理解の下で、日本側の希望を可能な限り考慮する用意がある」という回答が来たわけである。この間、6日にはモスクワに小町欧州局長が赴き、ロシア外務省及びロシア漁業国家委員会と協議を行っている。わが方からは、「とにかく本件水域において韓国漁船が操業を行えないようにするために、ロシア側で適切な処置を取って欲しい」という要請を行い、ロシア側にボールがある状況である。
 韓国の方は、すでにご存じの通りであるが、2日に槙田アジア大洋州局長がソウルに赴き、局長級協議を行い、基本的立場を申し入れた。また、田中外務大臣から韓外交通商部長官宛ての書簡を発出したわけである。さらに、週末の7日に課長級の協議を行って、わが方の立場を述べ、理解を求める努力を行った。韓国側は、依然として「この問題は領土問題とは関係ない漁業問題である」ということで、日韓間の隔たりは大きいわけである。
 今後の対応であるが、日本政府としては、ひとつは日本の法的立場を害さない、2番目に代替漁場は提供しない、3番目にわが国の漁民に新たな負担を強いるようなことはしない、という3つの前提を置き、それを踏まえて7月15日までに解決すべくここ1週間最大限の努力を行いたいと思っている。

(問)15日までに何らかのレベルでまた会合を開くことを予定されているか。

(事務次官)今のところオープンであるが、いろいろなことをやらなければならないと思っている。

(問)代替漁場以外に、何かアイデアは浮かんでくるのか。

(事務次官)今のところ、漁業の話として「それでは、これを代わりに」ということはない。端的に言えば、92年の時は代替漁場というのがあったが、その種のやりとりは今回は想定しないということである。

(問)それ以外のアイデアも、今のところないということか。

(事務次官)漁業に関してはそうである。だから、法的整理で何かできるのかというのはまた別の話だと思うが、それとてもそう簡単な話ではないと思う。

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・ デンバー総領事の公金流用疑惑

(問)デンバーの総領事の問題で、調査とその報告の進捗状況はどうなっているか。

(事務次官)まだ調査途中の過程なので、申し上げることはない。

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事務次官会見記録 (平成13年7月2日(月) 17:00~ 於会見室)

・ 北方四島周辺における韓国漁船の操業問題

(事務次官)北方四島周辺水域における韓国漁船の操業の問題であるが、週末から槙田アジア大洋州局長と海野水産庁資源管理部長が韓国に行っており、本日午前中にソウルで韓国側の外交通商部と水産庁資源管理部関係者との間で協議を行った次第である。協議において、わが方からは田中外務大臣からの韓昇洙外交通商部長官宛の書簡を先方に手交しつつ、改めて日本側の基本的な立場を申し入れた。要は、北方四島周辺水域においては、操業が行われないようにという申し入れを行った。これに対して韓国側からは、「本件は日露間の領土問題とは全く無関係の純粋に漁業に関する事項である」という回答があった。この協議は、双方が基本的な立場を述べ合い、お互いに理解を深めるための作業ということであったが、これで決着ということには至らないわけで、この結果を持ち帰って更に双方が検討するということである。この問題を解決するためにどういう方法があるかということについては、今般の日韓間の協議を行って、検討していく必要があると思っているが、今回の場合、日本側としては、韓国側に代わりに提供できるような代替漁場はないということは韓国側に説明したということである。これから引き続きいろいろなやりとりを更にやっていかなければならない。

(問)このまま日韓の主張が平行線をたどって今月中旬に出漁開始の時期を迎えないようにということで、今外務省や水産庁で調整をして解決案のようなものを探っていらっしゃるというような状況か。

(事務次官)先程申し上げた通り、代替の水域の提供が、92年の時にはいわばそれが財源であったので話を突き合わせやすかったが、それがない分だけ調整はしんどいというのがわれわれの認識である。今日やった協議を持ち帰って、何ができるか引き続き知恵を出し合うということだろうと思う。これもまた難しいプロセスだということは言えると思う。

(問)「双方が持ち帰って、双方が検討する」というような話であるが、韓国側が「これでもう出漁は無理で、話し合っても仕方ない」と言っているわけではないということか。

(事務次官)そこは、交渉の協議の詳細にわたる話なので、どういうスタンスかというのとは別に、やはりそうは言っても日韓は1番隣国で、二国間関係があるわけであるから、その中で最後まで何とか双方にとってぎりぎり納得できるような解決策を探るという姿勢は、両方とも同じだと思う。

(問)韓露の合意を確認したのが昨年末で、発表を控えていたということと、それから1番最初に韓国側に抗議したのが2月ということで、若干後手に回ったのではないかという批判が地元から出ているが、これについての見解如何。

(事務次官)最初から何とか日本側の立場を害さない方途を探すということはやっていたわけであるが、最初にやりとりが始まったのが去年の末で、一向に韓国側にもロシア側にも、日本側の立場というものを伝えてはいるが、「わかりました。止めましょう」という話にはならないので、段々レベル等を高めてやりとりをやるに至ったということである。ただ、最初のうちはあまり最初から高ぶった感じでやりとりをするべきではなくて、とにかくなるべく静かに話をつけようと思ってやっていたが、なかなか韓露双方とも、日本側が期待した方向ではうまくいかなかくなったというのが実態である。ただ、最初から対応しなかったという話ではなくて、ずっとやっていたプロセスでここまで来たということである。

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・ デンバー総領事の公金流用疑惑

(事務次官)デンバーの総領事の問題について報道があるので、一言申し上げる。今年の初めから松尾元室長の事件を契機に、外務省に対する国民の信頼が大変大きく傷ついているということを、私どもは認識している次第で、そういう状況の下では、外務省自身による自浄能力というものが極めて重要であると考えている。そういう中で、こうした案件についてはきちんと対応することが極めて重要であろうと思っている。ただ、本件については更にいろいろと事実関係を精査しなければならないので、これは早急にやりたいと思っているが、今の段階で中間的に「こんな感じである」というコメントを申し上げることはできないので、その点はご理解をいただきたい。いずれにしても、早急に事実関係を解明した上で、いろいろどういうふうに対応するか考えたいと思っている。

(問)これは、再査察ということも場合によっては検討されるのか。

(事務次官)早急にいろいろな事実関係の更なる精査をやらないといけないと思っている。

(問)前に行ったのは査察なのか。

(事務次官)そうではなくて、まずとにかく事実関係について、東京でもできることは調べたし、現地に行っていろいろな関係者を聴取するということもある。

(問)「きちんと対応する」というのは、事実関係を調査した結果、公費の流用という事実が判明した場合は、国家公務員法上の処分ということもあり得るのか。

(事務次官)全部の事実関係がはっきりしていない段階であまり予断をするべきではないと思っているが、仮の報道に書いてあるようなことが事実であるとすれば、それはけしからん話である。ただ、この種の話は相当いろいろな事実関係を固めないと軽々に「ああします」とか「こうしません」とかいう話はしない方がいいだろうと思う。ただ、最初に申し上げた通り、われわれとしてはこの種の案件はきちんとした対応をするのは極めて重要だという認識には変わりない。

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・ 日米首脳会談(京都議定書問題)

(事務次官)週末に正に日米首脳会談があり、これはもう報道され尽くしているが、1点すぐにフォローアップしなければならないのが京都議定書の問題である。要は、京都議定書の精神を維持しつつ、米国との合意が可能となるよう日米ハイレベル協議等を通じて努力を続けるということに尽きるのだろうと思う。簡単なプロセスではないと思っているし、欧州側とのやりとり等もある。総理も正に今度は欧州に渡って、これから日英首脳会談等に臨むわけであるが、最後までいろいろな可能性を念頭に置いて努力をしたい。ただ、現時点で、例えば京都議定書について具体的な修正案を提供するというようなところまでは至っていない。いろいろな協議の過程で努力を続けるということに尽きると思っている。

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・ 在沖縄米兵による暴行事件

(問)沖縄の婦女暴行事件に関して、警察はまもなく逮捕状を請求するようであるが、逮捕状が出た場合、次の手続きとして外務省は日米特別合同委員会を開くお考えか。

(事務次官)今の段階は、現地警察が捜査をやっているということで、その捜査を見守っているということに尽きている。そこから先どうなったらどうなるのかというのは、今の段階では仮定の話になるので、「手続き的にこうやります」ということを申し上げるのには熟していない。

(問)日米首脳会談でブッシュ大統領が事実上関与を認める発言をしたことについては、どういうお考えか。

(事務次官)これは正に遺憾の意の表明はあったが、それは「逮捕が行われておらず、捜査中である」という前提に立っての発言だったわけで、逮捕がされて、ひとつ事態が前に動いた場合の発言とは、その意味では性質が違うのだろうとは思う。ただ、いずれにしても、沖縄をめぐるいろいろな問題についての理解については、首脳会談レベルでも、米側としても「わかっている」ということが示されたのだと思っている。

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・ 日中貿易協議

(問)日中貿易協議について、外務省としてはどういうスタンスの提案を持っているのか。

(事務次官)提案と言うか、これもしばらく続くプロセスだと思うし、産品としては一方において農水省が対象となっている話であり、それから経産省、またWTOの秩序という観点から財務省も入っており、もとより全般的に外務省にとって、日中経済関係をどういうふうに仕切っていくかというテストケースだと思う。そういう意味合いも皆関係各省、政府関係者も認識しているが故に、先々の前例になり得る話である。中国自身はまだWTOに入っていないが、やはりこういう貿易問題をどういうふうに処理していくかという、WTO的な秩序維持という観点から対応するということに尽きると思う。正にこちらが(セーフガードを)課した品目は農水産品で、向こうが(関税を)かけてきたのは経産省産品ということで、それぞれ違う業界なわけである。日米貿易関係はありとあらゆるケースが積み重なっているわけであるが、中国はこういう話は初めてであり、いろいろな意味で将来のルールという観点から逆算して、ルールに則った処理をどうするかということである。

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