![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() | ||||||||||
|
トップページ > 報道・広報 > 記者会見 |
![]() |
中国人集団密航問題について
(報道官)既に説明したように、2月13日にアジア局長から在京中国大使館公使に対し、中国側が迅速かつ有効な措置をとるよう申し入れ、その際中国側は「真剣に検討したい」と回答したが、いまだに検討結果についての回答は寄せられてきていない。そこで2月27日、外務省は在北京日本大使館及び全中国の全ての総領事館(含む大連事務所)に対し、改めて中国側に取り締まりを強化するよう申し入れる訓令を発した。外務省としては、今後とも中国に対する働きかけを続けていく所存である。
(問)各総領事館を通じての申し入れというのは、現地の外交関係当局だけでなく警察当局に向けてという意味か。
(報道官)それぞれの総領事館が常時コンタクトをしている現地における中国側の関係機関である。
(報道官)わが国は、中国における人権状況改善の観点から、中国が国際人権規約に加入することが重要と考えている。2月27日、中国外交部報道官は中国が国際人権A規約及びB規約の加盟について、積極的に検討している旨を発言した。日本政府としては、今回の発言を前向きの動きとして歓迎する。
(問)中国が国際人権規約加盟に積極的な意思を示したのは、中国のWTO加盟にもプラスになるのではないかとの見方もあるようだが、台湾もWTO加盟に積極的である。中国の方は台湾のWTO加盟をけん制するような発言をしていると伝えられているが、わが国としては台湾のWTO加盟についてはどういう立場で臨んでいるのか。
(報道官)台湾のWTO加盟については、1月27日の事務レベル協議で日本と台湾との間の市場アクセス面についての協議は実質的に妥結した経緯がある。しかし、この妥結によって加盟交渉の全てが終了したわけではなく、台湾がWTO協定上の要請を満たして加盟プロセスが進展することを希望するものである。他方、中国のWTO加盟の問題については、わが国との関係も含めてまだ交渉が必ずしも十分な進展を見せておらず、ことに日中間については非公式な交渉を行っている次第である。なお、質問の趣旨は中国及び台湾のWTO加盟の時期についてと思うが、中国と台湾の加盟の前後関係については、1992年9月の台湾の作業部会設置の際の議長とりまとめ発言、即ち「多くの国は台湾が中国より先にガットに加入するべきではない」との意見を表明したという発言を踏まえて対処するということになっており、その後も各国のこの問題についての対応ぶりについては変化はないと承知している。いずれにせよ日本は、中国のWTO早期加盟の実現が重要と考えており、日本も含めて関係各国との場合の2国間の交渉が進展することを願うものである。
(問)そうするとWTOには同時加盟もしくは台湾の方がやや早く加盟になると見てよいか。
(報道官)台湾の方はまだいくつかの国といろいろとやっていかなければいけないが、日本との関係では既に実質的な妥結に至っている。台湾の方が既にWTO加盟国との間の話し合いを相当進めているということだ。ただ、先程の議長のとりまとめ発言にあるように、WTOとしては、やはり中国側の話し合いを促進しなければいけないわけなので、改めてわれわれも含めてWTO加盟各国と中国との加盟交渉の進展を強く期待するものである。
(報道官)2月25日、日本のある民放テレビ局は、ロシアの油回収船「ネフチェガス5号」が不審な動きをしていた云々と報道し、これに対して2月27日、在京ロシア大使館が「この報道は根拠のないものである」として、このテレビ局に抗議をしたという経緯がある。このやりとりが現時点で日露関係に不必要な影響を与えてもよくないと思われるので、一言申し上げたいと思う。
ロシアの油回収船の派遣については、ショイグ連邦非常事態相より古賀運輸大臣宛の書簡で申し出があり、わが方がこの申し入れを受け入れて、「ネフチェガス5号」を含む3隻の油回収船の派遣が実現した経緯がある。「ネフチェガス5号」は、現場において海上保安庁と連絡を取りつつ、油回収作業を実施し、またこの船には連絡要員として常時、2名の海上保安官が同乗していたものと承知している。政府としては、この船が軍事情報の収集活動を行っていたことを示唆するような事実は承知していない。
(報道官)現地時間2月27日、第7回予備的対話が行われ、現地時間3月3日に次回会合が開催される旨発表された。今回の対話では、前回同様、いくつかの重要な議題を巡って、ペルー政府とMRTA側との間で話し合いが行われた。こうした重要議題は、細心の注意をもって取り扱われる必要があり、予備的対話の円滑な継続に果たす保証人及びオブザーバーの役割には大きなものがある。日本政府としては、寺田顧問を通じて今後とも対話の円滑な継続のために出来るだけの努力をしていく所存である。
(問) 寺田大使の方からは、今日の対話については、雰囲気などどんな連絡があったのか。
(報道官) 雰囲気ということではシプリアーニ大司教及びヴィンセント・カナダ大使が対話終了後に読み上げたプレス・ステートメントで示されたとおりである。この対話を緊急対策本部の方でどのように受け止めているかということをもって質問に答えるとすれば、予備的対話はこれまで7回行われたわけだが、具体的進展ということについて口にすることは時期尚早であると思う。同時に、ペルー政府もMRTA側も話し合いによる事態の解決への意思を表明しているし、次回対話が先程も申し上げたように現地時間3月3日に行われると発表されている。こうしたことが重要であるとわれわれは認識している。他の言葉で表現すれば、ペルー政府とMRTA側が行っている対話の性格に鑑み、早急に具体的な進展が見られないとしてもやむを得ないところがあると考えている。しかし、進展が見られないといっても対話がうまくいっていないということではない。池田大臣も何度も申し上げているが、対話の積み重ねの中から少しでも事態が進展していくことを見守っていく必要があると考えている。
(問)早急な進展が見られなくてもやむを得ないということだが、問題は時間の経過につれて人質の方々の健康だと思う。やむを得ないとしても、もし人質の方々の健康が悪化した場合には、その人たちは解放され、もしくは適切な医療のために解放されるという保証みたいなものはあるのか。
(報道官)人質の方々の拘束期間が長くなってきており、ペルー政府も日本政府も出来る限り早急にこの事件の平和的解決を望むものである。しかし平和的解決を望むという観点からは、やはり対話が継続している現在、われわれとしては忍耐心をもって事態を見ていかなければならないと思う。他方、人質の方々、家族の方々のご心労は如何ばかりかと思う。赤十字国際委員会の方で毎日大使公邸に入って人質の方々の健康管理を行っている。幸いにして今までのところ、特に緊急を要する方はいないということである。しかし、そのような緊急の場合が出たらどうするかについては、日頃から赤十字国際委員会がMRTA側と話しているとわれわれは理解している。MRTA側が人質の方々の健康に対して十分に意を用いていくこと、殊に対話が継続している時に、それは非常に重要であることを認識すべきである。
(問)今日、シプリアーニ大司教らが言っている「人道的側面」というのはどう理解したらいいのか。
(報道官)第3回予備的対話が終了した後に発表されたプレス・ステートメントの中で、赤十字国際委員会は人道問題についての提案の作成にかかわることに参加するといったことが述べられている。その人道的な点は何かという質問に対しては、具体的な内容に踏み込んで説明できないことは誠に心苦しい次第だが、いずれにせよ、赤十字国際委員会も関係するテーマが第7回予備的対話で話されたということ、また発表文にもあるように、いろいろなテーマの中で保証人委員会というものは対話者の間のやりとりを聴取するだけではなく、今後の円滑な対話のために示唆を行ったということである。
(問)来月10日にメキシコの大統領が来日するが、寺田現地対策顧問は現地にとどまるのか。
(報道官)セディージョ大統領の訪日に際し、寺田大使が日本に帰国して接遇に当たるかどうかについては現在のところ未定である。ただ、現地時間で27日に第7回予備的対話が終わり、3月3日に次の対話が行われるということで、「セ」大統領訪日の際に帰国するかということは別にして、その間の時間的な合間をぬって寺田顧問は一時帰任する。それは「セ」大統領の訪日などに関する打ち合せで、現地時間2月28日未明出発し、次の第8回予備的対話が開始されるまでにまたリマに戻るということである。寺田顧問は、メキシコ駐在の大使として、メキシコと日本との関係のために重要な役割を果たしているが、このリマの人質事件については、保証人委員会の公式オブザーバーとして必要不可欠の役割を果たしており、そういう意味で「セ」大統領の訪日に関して寺田大使に日本に戻ってもらうか否かについては、われわれ今なお頭を悩ませているところである。
(問)打ち合わせというのは、メキシコとの打ち合わせか。
(報道官)然り。メキシコ駐在の大使として、「セ」大統領の訪日に関連することについての打ち合わせである。
(問)大統領が日本に来る時に一緒に戻れないこともあるのか。
(報道官)果して「セ」大統領の来日の時に日本に戻れるかどうかについては、本日の時点でまだ決まっていない。いずれにせよ、とりあえず第7回と第8回の予備的対話の間隙をぬって急遽、寺田大使は本任地であるメキシコに戻るということである。
○冒頭発言
(報道官)特段申し上げる事項は無い。
日本赤軍メンバー身柄拘束報道
(問)レバノンにおける邦人の拘束事件に関し、新たな情報や動きはあるか。
(報道官)先般、石垣大使が(司法大臣、外務大臣等)レバノン政府と協議したのは、ご承知の通りである。
先方よりは、情報を得られ次第、連絡するとのことであり、我が方としては引き続きレバノン司法当局が問題を適正に処理するものと期待しつつ、先方からの連絡を待っているところである。
(問)米連邦海事委員会(FMC)が、港湾荷役の「事前協議制度」で日本企業3社に対し、制裁課徴金をかける決定をしたが、外務省の立場はどうか。
(報道官)本件に関しては、先方が制裁措置を決定した後、直ちに外務大臣及び運輸大臣談話を発表した。
いずれにしても、こうした動きについては、我が方は懸念を禁じ得ない。米連邦海事委員会は、この決定を直ちに撤回すべきであると考えている。また、この決定を撤回しない場合、我が方としては最も適切な国際ルールに則った対応を取る考えである。
(問)ミャンマーと取引のある企業からの調達を禁止する米マ州の「ビルマ法」に関し、日本は日本の申し入れに対する米国からの回答を待つとのことだったが、その後どうなっているか。
(報道官)先方に懸念を伝達したのは、本年1月末である。欧州委員会でも米連邦政府に対して、我が国と同様の申し入れを行っている。
未だ米国より回答は来ていない。他方、マ州で活動している我が国企業に対して、本法律は未だ適用になっていない。そうしたこともあり、我が方としては当面状況を見守っているというところである。
(問)将来の適用の可能性はあるのか。
(報道官)本法律は成立しており、可能性はある。
我が方としては、本法律はWTOの政府調達協定の規定に違反するおそれがあるということ、また、一般国際法上容認されない立法管轄権の域外適用にあたるおそれがあるとの懸念を伝達している。米連邦政府としては、詳細を調査の上、考え方を伝達してくるとのことである。
いずれ(先方よりの伝達が)来ると思うが、我が方が調べている限り、如何なる外国企業に対しても具体的適用は未だ無いとのことでもあり、当面状況を見て行きたい。
在ペルー日本大使公邸人質事件
(報道官)現地時間2月25日に第6回目の予備的対話が行われ、27日に次回会合が継続されることとなった。
(問)6回目の予備的対話が終わり、寺田顧問からの対話の状況についての報告があったと思うが、受けとめ方如何。
(報道官)寺田顧問からの報告によると、幾つかの最も重要な議題を巡って真剣なやり取りが行われたということであった。
(問)重要な議題とは刑務所内の仲間の釈放と思われるが、「真剣なやり取り」とは何か。
(報道官)我々から如何なる問題についてやり取りが行われたかということについて説明はできないが、シプリアーニ大司教が第6回予備的対話終了後に発表したプレス・リリースの第3項目で「あらゆる人々によって最大の分別と責任をもって管理されるに相応しい事項」と述べられている。「真剣に」ということは、お互いに自己の立場を主張しつつ、様々なやり取りが行われており、しかも引き続き対話を継続していこうということである。ここから具体的な進展があったかどうかということについて云々するのは時期尚早であると考える。
(問)具体的な進展があったかどうかについては時期尚早とのことであるが、今後対話の見通し如何。
(報道官)昨日も申し上げたように、実質的な対話が始まったということで、幾つかの、双方が非常に重要と考えていることについて、早急に進展があるとか早急に出口が見えるということを望めないことは当然である。対話についてその都度評価を求められても、我々としてなかなか答えにくい。いずれにせよ、本当の意味での話し合いが始まり、(しかも、それは)まだまだ初めの段階にある。進展についてどうこうというところにはとてもならない。ただ、先ほども説明たように、真剣に話し合いが行われているということであるので、我々としては両対話者の話し合いを見守るとともに、日本としては寺田顧問を通じてそういった対話ができるだけ円滑に進むよう、できる限りの助言や協力をしていくということである。
(問)3回連続でセルパとロハスが出てきたが、対話の形、枠組みのようなものは大体できたという考え方であるのか。
(報道官)枠組みといったようなことについて合意があるわけではないが、3回にわたってセルパとロハスが出てきているということであるので、恐らくはこういった形で対話が進むのではないか。
(報道官)昨日の記者会見で質問があったが、この問題については、昨年6月のリヨン・サミットにおいてわが国としては、対人地雷の全面禁止に向けた国際的な努力を支持するとの立場を発表した。対人地雷全面禁止条約作成に向けては、現在ジュネーヴ軍縮会議において条約を作成しようとする動きと、ジュネーヴ軍縮会議以外の場所で一部の国が集まって条約を作成しようとする動きの二つがある。一部の国が集まって条約を作成しようとする動きは、ジュネーヴ軍縮会議での条約交渉と相互補完的なものということであるので、それはそれで結構だと思うが、わが国としては、参加国がより普遍的で軍縮交渉の実績もあるジュネーヴ軍縮会議においてこの条約交渉を行うことが適当であると考えている。1月30日に開かれた軍縮会議本会議において、わが方軍縮代大使から97年会期において条約交渉を開始すべきとの趣旨を述べた経緯がある。
(問)防衛庁からの意見を求めていたと思うが、防衛庁からは全面禁止に異議なしということになっているのか。
(報道官)外務省においても防衛庁においても、全面禁止に向けた国際的な努力を支持するという点で足並みはそろっている。
(問)防衛庁は態度を変えたのか。
(報道官)はっきりと何月かと記憶していないが、昨年春の時点においては、必ずしもこの全面禁止に向けた国際的な努力を支持するというところまでいっていなかったが、豪州などの動きがあり、国際的な状況の変化を踏まえつつ、昨年6月のリヨン・サミットに向けて防衛庁と外務省が中心となり、政府の考え方をまとめ、先ほど申し上げた方針を打ち出したということである。しかしながら国際社会においては、この問題をどのように扱っていくかという議論はまだまだ収れんしていない。先ほど申し上げたように、軍縮会議の場では時間がかかりそうだということで、限られた数の国が集まり軍縮会議の外でそのようなものを作ってはどうかという考えがある。
(問)防衛庁は(対人地雷の全面禁止を支持するという)今まで言っていなかったことを言うようにしたのか。
(報道官)然り。全面禁止に向けた国際努力を支持するということであり、既にそのようになって半年以上になる。
(報道官)昨日照会のあったロシアの新型核ミサイル開発に関する報道については、現在関連情報の入手に努めているところである。
(報道官)先ほど4時半過ぎ、イリューシン・ロシア第一副首相から池田外務大臣に電話があり、約20分間にわたり会談が行われた。この内容については準備が整い次第、ロシア課長の方から皆様方にブリーフィングしたい。
(問)「イ」副首相からの電話は「来れない」ということであったのか。
(報道官)具体的にどのようなことを言ったのかは報告を受けていない。もう少し待って待って頂きたい。いずれにせよ、本来の目的としていた日本における日露政府間委員会の開催の問題であったと推察している。
(問)北朝鮮への支援について、オルブライト国務長官はできるだけ前向きにということを言われたが、日本政府の努力というものに変化はないのか。
(報道官)先般説明したように、わが国としては国連人道問題局の動きなどを見ながら考えていくということである。その姿勢に変化はない。
(問)国連人道問題局の見解なりに動きがない限り、政府としては動きはないということか。
(報道官)DHAの動きを待って検討しようということである。
(問)駐日米国大使に前下院議長が任命されるという報道があるが、米国からその旨連絡は来ているのか。
(報道官)その点についてはお答えできる材料はないが、先般オルブライト国務長官が来日し、池田外務大臣と会談し、橋本総理大臣の朝食会に臨時にそのような話は出ていなかった。
(問)駐日米国大使人選について、いつ頃までに選任したいといったような話はこれまでのところ米国からないのか。
(報道官)我々として皆様方に説明できるような材料は持っていない。
爆弾テロ防止条約
(報道官)昨日(24日)の次官会見で質問のあった爆弾テロ防止条約草案について説明する。
2月24日からニューヨークで、国連総会第6委員会のアドホック委員会で本条約の草案が検討されることとなった。わが国としては、この条約の作成作業に積極的に参加していく所存である。
(報道官)レバノンにおける不審人物逮捕問題につき、既に官房長官よりいろいろ説明されているが、当省よりも改めて説明する。
現在、レバノン当局として人定も含め未だ取り調べ中と承知している。我が国としては、取り調べに或る程度時間が必要であると理解しており、また、レバノン司法当局がこの問題を適正に処理するものと考えている。
(問)取り調べにはある程度時間がかかるとのことだが、報道では、拘束の事実そのものを否定するレバノン閣僚の発言もあるが、その点はどうか。
(報道官)先方政府は(日本で)この問題が非常に大きく扱われたため驚いているということもあるかも知れない。レバノンにおける取り調べにどの程度の時間がかかるかについては、具体的には言うことは出来ないが、先方が現在取り調べ中であり、それを見守っていきたい。その間、日本側は先方と頻繁に連絡をとっており、必要な情報についても適宜先方に提出している。
(問)(拘束されている人物は)黙秘しているのか。
(報道官)具体的な状況については承知していない。
(問)レバノン政府は現時点で、公式にどのように(日本に)説明しているのか。
(報道官)先週月曜日(17日)に我が方に対して、日本人と見られる人物を拘束した旨連絡があった。我が方として、当該人物が日本の法律に反する又は反する疑いのある場合、また、日本赤軍メンバーである又はメンバーの疑いがある場合には、その身柄を我が国に引き渡すよう、月曜日の時点でレバノン側に要請した経緯がある。
また、現時点においても先週の月曜日に説明のあった状況が続いているとのことであり、まだ先方が取り調べ中であるため、我が方にその結果を伝える状況にないということである。
(問)我が国の捜査官や警察庁出身の大使館員の取り調べへの協力は行われているか。
(報道官)(レバノンには)我が方大使館があり、出張者も含め先方と頻繁にコンタクトをしている。
(報道官)現地時間2月24日、第5回予備的対話が行われた。この対話において、引き続きいくつかの問題について実質的な話し合いが行われ、25日に次回対話が行われる旨発表された。
こうした動きは歓迎すべきことではあるが、他方、対話が継続することと事態が進展することとは必ずしも同じことではない。対話の継続により、対話者間で重要課題について相方の理解は深まるであろうが、直ちに合意に向かって事態が進展していくことを意味するものではない。日本政府としては、実質的な対話を通じて、事態が進展していくよう、寺田顧問を通じペルー政府及び保証人委員会に対し、引き続き助言と協力を行っていく所存である。
(問)改めて「対話が深まることと事態の進展とは同じでない」と説明するのは、何か背景があるのか。
(報道官)まず自分(報道官)は、昨日まで日本の報道機関が事態に対して必ずしも同じような見方をしていないとの感じを持った。ある報道機関は実質的に話し合いが行われていることに焦点を当て、また、ある報道機関はまだ議題の整理をしているところに焦点を当てていた。今後のこともあり、改めて現在の事態を正しく認識しておく必要があると思ったからである。
現在行われている対話は、フジモリ大統領も説明しているように予備的対話というプロセスである。そうした中、第1回から第3回目までの予備的対話においては、議題を巡っていろいろやりとりがあり、なかなか実質の問題について話し合いに入ることが出来なかった。第4回から実質的な議題についての話し合いが行われ、4回、5回と2回にわたって話し合いが行われた。しかしながら実質的な話し合いが行われてまだ2回であり、それのみで事態が進展するというわけではない。実質的な話し合いに入るまでの間は、ともかく実質的に話し合いが行われることに対して、これを歓迎するとしてきたわけだが、現実に実質的な対話が始まるという新しい局面に入った以上、我々としてはもう一度客観的に事態を見て、今まだスタートの時点にあることから、個々の対話に対してあまり大きな意味づけを与えたり、一喜一憂するのも如何なものかとの感じである。予備的対話が継続されていることを歓迎することはその通りだが、しかしそうしたこともさることながら、今後は対話を通じて実質的に事態が進展していかなければならない。そのために日本政府としても、出来るだけの努力をしていきたい、そうした意味で申し上げた。
(問)本日の閣議で、特定通常兵器使用禁止条約について国会の承認を求めることを決めた。対人地雷については我が国も全面禁止を検討し始めていると理解しているが、現在の検討状況はどうか。
(報道官)本件につき材料を現在持ち合わせていないので、改めて説明させて頂く。
(問)ロシア国防省幹部が、新たな核ミサイルの開発が必要である旨発言したとの報道があったが、核軍縮の流れからも日本としては好ましくないとの立場ではないかと思うが、どうか。
(報道官)本件についても調べた上で回答させて頂く。
(問)昨日(24日)発売の「週刊ポスト」に「外務省高官に2億円着服疑惑」との記事が出ている。報償費を私的な飲み食いに使っているのではないかと書いてあるが、どうか。
(報道官)23日、地下鉄に「外務省高官、2億円着服疑惑」といった広告が出た。一般的に常識のある人がこれを見れば、そのような事はあり得ないと思ったと思う。これは全く事実無根であり、直ちに「週刊ポスト」の編集部に対して正式に厳重抗議をした。
(問)抗議したのは土曜日か。
(報道官)日曜日(23日)である。日曜日付で自分(報道官)の名前で「週刊ポスト」の編集人宛に書面で通知した。日曜日ということもあり、編集人とコンタクトは出来なかったが、編集部の人に編集人に渡すよう頼んだ。編集人が(実際に)受け取ったのは昨日の時点であろう。
沖縄米軍基地土地収用問題
(問)大臣とオルブライト米国務大臣の会談でも取り上げられた沖縄米軍基地土地収用問題に関する日本の立場如何。
(報道官)この問題については、内閣が中心となり担当官庁が直接にあたっている問題である。外務省としてはあくまでも関係者の理解を得て、5月14日に違法状態乃至は不法状態が起こらないよう、この問題が円満に解決するよう望んでいる。
(問)ペルーの関係で、フジモリ大統領が日本の報道機関のインタビューを受けているが、現状如何。
(報道官)まず、現状ということでは前の会見でご説明申し上げたが、第1回から第3回予備的対話において議題を巡るやりとりが終わり、第4回予備的対話から実質的な議論が始まったと言う意味で、実質的な話し合いというものはやっとスタートラインについたというところである。これからいよいよ難しい問題についてのやりとりが進められていく。我々としては勿論早くこの問題の解決を望むが、一直線で事態が進むと予測することは出来ず、紆余曲折があると思う。
フジモリ大統領の日本の報道機関とのインタビューの内容については詳しく分析した。結論から申し上げると、フジモリ大統領の言ったことと我々が事態に対して加えている評価というものの間に基本的違いはない。フジモリ大統領は現在行われている予備的対話が建設的な雰囲気で行われていて、また仮に時間はかかってもこの事件について話し合いによる平和的な解決を目指すというペルー政府の立場を明確にしている。日本政府はこうしたペルー政府の立場を共有するものであり、フジモリ大統領がこうした立場を改めて明確にされたことを評価する。我が国としては今後ともペルー政府と一体感を持って事件の平和的解決に向けた協力を行っていく所存である。
北朝鮮の崔人民武力相の死亡
(問)北朝鮮の人民武力相の死亡について、何か情報を得ているか。
(報道官)死亡についての報道は承知している。
(問)報道でも様々な分析がなされているが、外務省としての見方如何。
(報道官)(最近の北朝鮮に関する動きとしては)四者協議については説明会が3月5日に開かれることになったこと、米国及び韓国が北朝鮮に対して人道援助を行うことについての具体的な発表が行われたことがあり、黄書記については我々として特に新たな動きは承知していないが、(総じて)特に(外務省として)新たな評価を与えるようなことは現時点ではない。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)現地時間2月20日、第4回予備的対話が行われた。寺田顧問から既に報告を受けている。この度の予備的対話については、終了後にシプリアーニ大司教及びヴィンセント大使が読み上げたステートメントが対話の全体的な流れをよく表しているとわれわれは受け止めている。
特に、保証人及びオブザーバーの努力の結果、第4回目の対話で実質的な話し合いが開始されるに至ったこと、また、次回対話の日取りが具体的に設定されたことを日本政府としては歓迎する。このようにペルー政府とMRTA側が実質的な話し合いを開始したことによって、事態は新しい局面を迎えた。これからは、いよいよ重要な課題についての話し合いに入るので、事態を楽観視すべきではないと考える。日本政府としは、対話の積み重ねによって事態が一歩一歩前進、進展を見せていくことを期待する。
また、2月19日の記者会見で質問があった、ペルーの豪雨災害については、本日10万ドルの緊急無償援助及びテント、毛布の緊急援助約1500万円相当を行うことを政府として決定した。
(問)実質的な対話に入ったというのは、どういうことか。
(報道官)今まで第1回から第3回までの予備的対話においては、議題案を巡ってのやりとりがペルー政府とMRTA側との間で行われていた。保証人及びオブザーバーの積極的、献身的な努力によって、この問題についての意見の相違が克服され、シプリアーニ大司教が読み上げたステートメントの中にも入っているが、いよいよいくつかの重要なテーマについての具体的、実質的な話し合いが始まったということである。
(問)それは本交渉が始まったと見てよいのか。
(報道官)これは予備的対話のプロセスの一環である。予備的会話の下で、ペルー政府とMRTA側との間で種々の問題、議題を巡って直接に対話が行われているということである。
(問)これまで障害となっていた仲間の釈放問題は、今回はどうだったのか。
(報道官)もう議題の設定という段階は過ぎ、個々の問題について正に自分たちはどう考えるかということを本格的に話し合っているということだ。個々の問題については、お答えできないが、シプリアーニ大司教が発表したステートメントで言及された、深い分析を必要とするいくつかの重要なテーマ(そう簡単に解決の道が得られる課題ではないかと思うが、)についていよいよ話し合いが始まった。その意味で、実質的な話し合いが開始されたことを政府として歓迎する。しかしその事態を楽観視するわけにもいかない。日本政府としては今後とも対話の積み重ねによって一歩一歩事態が進展していくことを望んでいる。
(問)以前にフジモリ大統領は釈放するか否かは別として、釈放自体を議題にしないと言っていたが、フジモリ大統領はそのことについて、今回の議題の提案如何。
(報道官)いつの時点でのフジモリ大統領の発言のことを言っているかよく分からないが、2月1日のトロントにおける日本・ペルー首脳会議において、予備的対話を実施していくことが明らかにされた。われわれとしては議題そのものについて細かなことを考えるよりも、このMRTAも合意した「予備的対話」というプロセスの下で、実質的にいろいろな問題について話し合いを行い、本事件の平和的解決を求めていくということが重要であって、そういう意味で時間はかかったが、いまやMRTA側とペルー政府側の間で(実質的な)話し合いが始まったことが重要である。その間に、保証人及びオブザーバーが非常によく働いたと思う。そうした努力の甲斐があって、実質的な対話が始まり、フジモリ大統領もこれを支持していることが重要である。
(問)寺田大使からも実質的な対話が始まったと報告があったのか。
(報道官)然り。ただ、実質的な対話が始まったということで、新しい局面に入ったということは言えても、それが直ちに実質的な問題について早急に合意が得られる見通しがついたということでは全然ない。いよいよ重要な問題についての話し合いに入るということで、その前途は厳しいものと思う。
(問)北朝鮮のファン書記の亡命問題に絡んで、北朝鮮当局が柔軟姿勢に転じたと伝えられるが、外務省の評価如何。また、今後KEDOをはじめとした韓国との間の問題についても緩和されていくとの見解か。
(報道官)ファン・ジャンヨプ書記の亡命申請事件そのものについて、われわれは直接の当事者ではないということもあり、われわれが評価を加えるということも如何かと思う。事件発生以来、日本側としてそれなりに述べてきたが、何か新たな事態が生じてわれわれの言い方を変えるというようなことは生じていないと思っている。他方、KEDOについては、北朝鮮も引き続き事業の進展を期待しているものと見られる。ご案内のように、第7次現地調査団の派遣については、参加者の調整といったような技術的な理由で日程の再調整が行われていたが、3月1日から実施する予定になった。
大湖地域情勢
(報道官)現地時間2月18日、国連安全保障理事会はサハヌーン共同特別代表が5項目の和平提案を持って全ての関係する政府及び当事者に働きかけることを支持する決議を採択した。日本はこれを歓迎すると共にサハヌーン特別代表と協力していく所存である。
(問)最近、ザイール方面の情勢は厳しくなっているようだ。サハヌーン共同特別代表の就任後の記者会見において、我が国としての貢献につき検討中とのことであったが、新たな貢献策は固まったのか。
(報道官)未だに具体的な貢献策については固まっていない。引き続き検討中である。なお、質問の前半に関して追加的に説明すると、今般安保理において5項目の和平提案を作り上げていく過程で、我が国も積極的に意見等を申し述べ、とりまとめに役割を果たしてきた。また、ザイール政府はこの5項目の和平提案に対して一般的に言って前向きの姿勢を示しているとこのとである。従ってザイール政府はサハヌーン共同特別代表と協力していってくれると期待している。なお、軍事的には反政府軍は優勢のようであるが、他方、反政府軍においても話し合いに応じる可能性があるとのことで、今般の安保理の決議の採択を契機として事態が良い方向に向かって動き出すことを期待する。
(報道官)現地時間2月19日、保証人及び保証人委員会オブザーバーの寺田顧問は18日のフジモリ大統領との協議を踏まえ、議題案提案に向けての作業を継続した。日本政府は保証人及びオブザーバーのこうした真剣な努力を高く評価する。同時に、第4回予備的対話が早期に開催されることを期待する。
(問)シプリアーニ大司教が協議の後、公邸に入って接触したようだが、結果如何。
(報道官)かかる点全てを含めて保証人及びオブザーバーの真剣な努力を高く評価している。何れにせよ、こうした保証人及びオブザーバーの作業が第4回対話の早期開催につながることを期待している。
(問)トウ小平の死去に伴い、今後の弔問外交についての我が国及び先方の方針如何。
(報道官)我々の得ている情報によれば、これまでに、中国要人の死去に際しては外国弔問代表の訪中は受け入れないのが中国の慣例ということである。また、中国は91年10月以来、高級幹部の葬礼の簡素化を実施している。なお、トウ小平同志葬儀委員会の公告第1号が外国政府代表が訪中して追悼活動をすることは辞退する旨明確にしており、中国側は特使受け入れを固辞するのではないかと考える。
(問)今後の中国情勢につき種々報道されているところ、外務省としての展望、対応如何。
(報道官)官房長官も既にその点につき触れているが、中国指導部は、トウ小平氏に万が一のことが起こることを覚悟した上で、集団体制の確立ということで国家運営をしてきたと理解している。従ってトウ小平氏の逝去によって中国の国内情勢が直ちに変化するということは予想していない。また、改革、開放路線が変化するとも考えていない。なお、日中関係に対してもトウ小平氏は多大な貢献をしたわけだが、江沢民氏を中心とする現中国指導部は、日本との友好関係の増進に意を用いており、先般のAPECの際の日中首脳会談は有意義であったということが先般のASEM外相会議でも新たに確認されている。また、実務的にも日中漁業交渉等を進んでいる。我々としては、今後とも日中関係に変化なく、前向きに進めて参りたい。
(問)日韓基本条約の交渉関連外交文書の韓国政府による公開につき我が国外務省が待ったをかけたとの報道があるが、事実関係如何。
(報道官)本日本邦の某紙に質問の件が報道されていることは承知している。日韓双方の外交文書公開制度につき一般的に情報交換、意見交換を行っていることは事実である。しかし、個々のケースにおける日韓間のやりとりについてはコメントを差し控えたい。
(問)報道を否定しないということか。
(報道官)報道があることは承知している。
ウェントワース・ホテルの再建計画について
(報道官)日露講和条約交渉の際に小村寿太郎日本側全権代表、ウィッテ露側全権代表を初めとする日露両国代表団の宿舎となったウェントワースホテルが今般営業の再開を目指して修復作業が始まることになった。日本政府としては、歴史的建造物であるこのホテルの保存に高い関心を持っていたところであり、今般の保存に向けての動きを歓迎するものである。日本政府としては、今後地元関係者と協力しつつホテル内の歴史展示への協力などの側面的支援を行っていく考えである。
(報道官)ナホトカ号沈没事件に関連して昨日の記者会見で御質問のあった、ロシアが締約国となっていない関連条約の件について御説明する。我々の把握しているところでは4つある。第一が1990年の「油による汚染に関わる準備、対応及び協力に関する国際条約」、第二が「油汚染損害民事責任条約の92年議定書」、第三が「油汚染損害補償国際基金設立条約の92年議定書」、第四が「国連海洋法条約」である。わが方は今年に入り3回、即ち1月25日に在モスクワ日本大使館を通じてロシア外務省に対し、また、1月28日外務省本省より在京ロシア大使館に対し、2月5日モスクワで行われた海洋汚染防止当局間会合において、(それぞれ)関連条約への参加を慫慂している。ロシア側はそうした日本側の申し入れに対し、政府部内で検討する旨約している。なお、今大きく話題になっている「油汚染損害民事責任条約」、「油汚染損害補償国際基金設立条約」については、それぞれ旧条約についてはロシア側が入っている。ただ、現在の条約の規定によって、日本側が締約国であることから、ロシアが締約国でなくとも、この議定書によるいろいろな保証等についての適用を日本側が受けることができるので、こうした条約にロシアが入っていないからといって、特に今回不利な取り扱いを受けるということはない。
(報道官)現地時間2月18日午後7時頃から午後9時半頃までペルー大統領官邸において保証人委員会メンバーであるシプリアーニ大司教、ヴィンセント加大使及び寺田顧問の3者がパレルモ教育相の同席の下でフジモリ大統領と会談した。その会合はペルー政府とMRTAとの間の予備的対話の促進を目的とし、この予備的対話での議題案を中心に協議を行ったということである。寺田顧問からは、この協議は有意義なものであったとの報告を受けている。わが国としては、保証人及びオブザーバーの議題案作成のための努力を踏まえ、ペルー政府とMRTA側との予備的対話が継続することにより、事件の平和的解決に向けて事態が進展することを強く期待する。
第6回関連企業に対する説明会が、先ほど本省5階のレセプションルームにおいて行われた。3時から約40分ほどであり、20名強の関係者が参加した。堀村中南米局審議官から事件発生以来2ヵ月が経過したことを踏まえた上で、最近の状況、特に予備的対話が3回にわたって行われた経緯などについて説明した。その後、齋藤領事移住部長から前回の企業説明会以降の公邸内の状況について説明した。健康管理の問題、書籍・CDの差し入れ、音楽放送などについての説明をした。残った時間で若干意見交換が行われたが、集まった企業の方々は、この予備的対話の行方について関心を表明した。
(問)(企業の方から)関心の集まった予備的対話の行方については、どう答えたのか。
(報道官)我々として、見通しについてなかなか説明するわけにはいかないが、改めて2月1日の日本・ペルー首脳会議以降、特に予備的対話が始まって3回協議が行われたが、予備的対話における議題の採択を巡ってペルー政府とMRTA側との合意が得られず、保証人及びオブザーバーが、そのために提案作りということで真剣な努力をしているというこれまでの経緯を説明した。また、今後我々としてはできるだけ早く平和的にこの問題が解決することを望んでいるが、やはり(解決まで)一直線というわけにもいかず、紆余曲折があることを覚悟せざるを得ないといったような説明振りであった。
(問)梶山官房長官が夕刻の会見で、ペルーでの災害に対して人道援助をするということであったが。
(報道官)とりあえず今事実関係を把握している。具体的にまだ政府として何をするというところまで御説明できる段階ではない。
(問)事実関係とはどういうことか。
(報道官)(当省は)第一報を得ているので、後ほど説明する。
(問)シプリアーニ大司教、ビンセント大使、寺田顧問とフジモリ大統領の会談について、有意義であったという以外に何がどう有意義であったとか、その辺の話は伺えないか。
(報道官)具体的内容について説明することは差し控えたい。先ほども申し上げたように、保証人及びオブザーバーが予備的対話の促進を目的として、これまで議題案の作成について真剣に努力をしてきた。そうしたことを踏まえて、フジモリ大統領と直接に話し合う機会を得ていろいろ説明し、保証人及びオブザーバーとフジモリ大統領との間の相互の理解が進むプロセスであったと考える。
(問)今日の段階でペルー政府側が議題案に了承を与えたということはないか。
(報道官)了承を与えたかどうか云々について、また第4回予備的会談の見通しについて我々から説明することはできないが、いずれにせよ、今回の協議は有意義であった。我々としては予備的対話が継続されることによって事態が進展することを強く希望する。
(問)米国務省の幹部が北朝鮮に対する1千万ドルの食料援助を確認したという報道が流れているが、外務省として米国の動きに対しどういう対応をするつもりか。
(報道官)クリントン行政府が対北朝鮮人道援助について議会に対していろいろと説明しているということを承知している。ただ、最終的に了承が得られたということまで自分(報道官)は承知していない。日本としては、昨日説明したようにWFP(国連世界食糧計画)からの緊急アピールについては、その内容を検討するが、とりあえずDHA(国連人道問題局)の動きを見たい。
(問)延期されていた4者会合の説明会が、3月中旬にニューヨークで行われる方向になったという報道があるが如何か。
(報道官)以前にも説明したと思うが、黄長火華書記の亡命問題が直接的に4者会合なりKEDOの動きには影響を与えないだろうという評価を韓国外務長官から直接池田外務大臣が説明を受けている。我々としては、引き続き韓国、米国側と緊密な連絡を取りながら、延期になっていた4者会合が実現の運びになるかどうか見ているところである。
「ナホトカ号」の沈没事故関連
(報道官)5日から7日まで行われた日露海洋汚染防止当局間会合において、船首部の調査について日露双方が共同で対処することで双方の意見の一致を見た経緯がある。これを踏まえて、2月17日、ロシア運輸省より在ロシア日本大使館に対し、ロシア運輸省の担当官2名、即ちカーレフ海運局海難救助部長及びヤコブレフ船舶登録局主任専門官を2月23日から日本へ派遣したい旨を連絡してきた。日本政府として、この2人の担当者の派遣を歓迎するものである。なお、2月17日付本邦某紙は、ロシアが衝突説にこだわっているとして、「日露共同調査は早や座礁の恐れ」と報じているが、以上述べたところからも明らかなように、われわれとしては、ロシア側がこの共同調査に消極的との印象はもっていない。
(問)この事件をきっかけに海洋汚染防止の関連条約にロシアの加盟を求める動きについて、どういう状況になっているか教えて頂きたい。
(報道官)その点については、次の会見の時までに調べて回答申し上げる。
(報道官)保証人委員会及びオブザーバーは、予備対話継続を円滑にさせるための「提案」の作成のため頻繁に連絡をとり合っているが、まだ第4回予備接触の開催の運びには至っていない。
現時点で最も重要なことはペルー政府とMRTA側が予備的対話を継続することであり、保証人及びオブザーバーがそのための努力を引き続き重ねていくことを期待する。
2月16日の記者会見において、私は某新聞に掲載された某記者の記事を取り上げたが、その記事の中で同記者は、MRTAが公邸に隣接する家を長期間占拠していた、MRTAの一部が花のポーターやウエイターに変装していた、というかなり前に現地等で報道された憶測について事実の如く書いており、同様の報道がそれ以外の報道にも散見されるので、改めてそれら2の点について事実関係を説明させていただく。
MRTAの公邸への進入経路の詳細については、事件解決後の検証結果を待たなければならないが、現在までの各種情報を総合すれば、MRTAが、大使公邸に隣接する家を長期間占拠していたというのは、事実に反している。テロリストが最初に侵入した家は、NGO事務所として使用されていたものであり、テロリストは事件当日、大使公邸に隣接する家屋に救急車を装ったワゴン車で乗り付け、警備員の不意をついてどう家屋に乱入し、同家屋と公邸との間にある壁の上部を爆破し、そこを乗り越えて公邸の敷地内に進入したものである。
また、MRTAの一部の者が花のポーターやウエイターに偽装して事前に公邸に侵入していたことを裏付けるような事実は出てきていない。
なお、当日の公邸の警備体制については、我が方より事前にペルー警察当局に対し、警察官の増員措置など警備強化を依頼し、所要の警察官の派遣を受けていたところであるが、詳細については、当日の警備体制を担当していた関係館員が未だ公邸内に拘束されており、また、現場検証も開始できていない状況にあるので、確定的なことは申し上げられない。何れにせよ、事件解決後早急に、事故再発防止の観点から、十分な検証を行って参りたい。
(問)未だに4回目の予備的対話が開かれていないが、それはまだ保証人委員会の提案の取りまとめができていないからと認識してよいか。
(報道官)保証人及びオブザーバーは一生懸命作業をしているが、まだペルー政府側、MRTA側即ち対話者がそうした保証人及びオブザーバーの努力を受け入れるところまで事態が進んでいないというところである。
(問)先程、犯人たちの(公邸への)侵入方法についてある程度詳しく説明を頂いたが、これはペルー政府当局も調べて固まったものと受け止めてよいか。
(報道官)われわれはペルー当局からいろいろ話を聞き、そういったものを総合して申し上げた。侵入経路ということについては、先程説明したとおりであり、また花のポーターやウェイターに偽装して事前に公邸に侵入していたということについては、ペルー当局から話を聞いてみても、それを裏付けるような事実は出てきていないということである。
(問)逆にそうではないという事実も出てきていないのか。
(報道官)そうではないということをどうして検証するのか私(報道官)は知らないが、いずれにせよ、そうした憶測を裏付ける事実関係は全然出てきていない。もしもそれを裏付けるような事実が皆さんのところにあって教えて頂ければ喜んでそれを基にしてペルー当局と話し合っていきたい。
(問)オルブライト米国務長官がフランスでの会見で、北朝鮮に対する食糧支援について人道的立場から用意があると表明しているようだが、日本政府は北朝鮮への食糧支援の問題について、今の時点でどのように考えているか。
(報道官)まず米が北朝鮮に対する人道的観点からの食糧援助を既に決定したとは承知していない。ただ、ご指摘の点を含めて種々報道があるということは事実である。北朝鮮食糧支援に関しては、既にご案内のように2月13日に世界食糧機関が支援を呼びかける緊急アピールを出している。わが国としてもそれを正式に受領している。今後、政府が対北朝鮮食糧支援をどうするかについては、一方においてこのWFPの支援の内容を検討した上で、また他方、国連人道問題局(DHA)もいろいろなことを考えているようであり、その動きなどを見ながら考えていくということである。
(問)これに関連して、今朝の大臣会見で大臣は、北朝鮮党幹部の亡命問題などいろいろな問題がこれだけ動いている時期だから、こういったものの判断の材料にならないというとむしろおかしかろう、と言われた。ということは、北朝鮮党幹部の亡命問題が片づかなければ動きにくいということになるのか、それともそれは一つの材料であって、ある一定の要件が満たされれば必ずしも亡命問題が片づかなくても日本は食糧援助をする可能性もあるということか。
(報道官)対北朝鮮の食糧支援に関してはWFPの緊急アピール、DHAの動き「など」も見ながら考えていくということだ。「など」ということで、その二つの要素だけではないということである。他方、ではどういうことを考えていくかについては、これは大臣がどのような意味合いを持って言われたのか必ずしも詳らかにしなく、私(報道官)としてお答えできないので恐縮だが、ホァン書記の問題については、韓国政府と中国政府の協議を含めて事態の推移を引き続き注視していきたいというところである。それと他の問題、北朝鮮情勢、朝鮮半島の情勢、4者会談などなどに与える影響といったことについては、特定のコメントをすることは避けさせて頂きたい。いずれにせよ、北朝鮮に対する人道的な援助については、WFPだけではなく、DHAがどうするか、どのような対応をするかをまずわれわれとしては見ていきたい。
(問)では亡命問題の解決は必ずしもリンクしないということか。
(報道官)リンクするとか、リンクしないとかいうことをこの場で述べることは差し控えさせて頂きたいと思う。
(問)この亡命問題に関して、北朝鮮側がいわば「去る者は追わず」といったような発言をし、事態は変わってきつつあるのではないかとの見方も出ているようだが、これについて外務省としてはどのように見ているか。
(報道官)どのような状況で、どのようなことを意図して言ったものか、今よく調べているところである。一部には、キム・ジョンイル書記がこのようなことを言ったというふうに言われているが、一方においてわれわれがラジオを通じて得た報道によると、これは北朝鮮の人々が歌っている革命の歌の内容を言ったものだということでもあるようであり、果してこれが一体何を意味するものか、果して北朝鮮指導部の公式な見解なのか、その辺も踏まえて今よく事態を注視しているところである。
(問)今言われたDHAなどの「など」だが、いわゆる新潟の拉致事件は報道官の認識には入っているのか。
(報道官)そういう個々の問題との関連については、説明を差し控えさせて頂ければと考える。
(問)入っているとは言えないということか。
(報道官)入っているとも、いえないともコメントは控えさせて頂きたい。
(問)基本的なことなのだが、この前も大臣は日韓外相会談において黄書記の政治亡命に関し、国際的なルールに従って対処すべきと述べていたが、基本的には迫害を受ける恐れがある国に差し戻されることはない、そうしてはいけないということを意味しているのか。
(報道官)人道的配慮といったことを念頭に置いて大臣は発言されたということであり、具体的な内容について説明したということではない。
(問)台湾が核燃廃棄物を北朝鮮で処理することで、IAEAに対して説明を行おうとしているとの報道があるが、これについて外務省はどういう立場でいるか。
(報道官)この問題については、シンガポールのASEM外相会議及び日韓外相会議の間でも取り上げられた。IAEAその他既に存在する国際取り決めの下でこの運搬貯蔵が直接的に禁止されているということではない。しかし、この問題がこの近くの地域の環境、原子力の安全ということにも関連があり得る問題であり、われわれとしては、韓国のこの問題に対する懸念を踏まえて対応していく。
(問)対応するといっても、実際に「やるな」と言うことは出来ない訳だし、日本自身が外国に処理を依頼していることもあり、その辺を如何に対処するのか。
(報道官)この問題について、どこの国なり、どこの地域がどのようにするかということについては、例えば条約上の義務ではなくても、IAEAの下で確立されている国際的な基準がある。わが国はもちろんそれを非常に厳格に行っており、従って、我々はそういう観点を持っている。ただ、今度の問題については、台湾当局が最終的な決定したのかどうかは、まだ詳らかにしていない。シンガポールのASEM外相会議において、韓国側が懸念を表明したということがあり、それが台湾当局にどのような影響を与えているか、今後とも状況を見守っていかなければならない。そうした中で、わが国は韓国政府の懸念も踏まえて対応していこうということである。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)在ペルー日本大使公邸占拠事件に関し、幾つかの点につき申しあげる。
(報道官)対話の当事者でないので、見通しを述べることは出来ない。
第2回予備的対話において、合意形成に向けての実質的な進展があったとのことで、第3回予備的対話において、更に進展ないし合意が得られるかと思っていたにも拘わらず、両当事者間で完全な合意が得られない中、保証人及びオブザーバーが今後の予備的対話を円滑にするための提案を作成するという事態に入った。予備的対話の進捗振りに、一喜一憂すべきでないが、そうした事態に入ったことは正しく認識しておく必要がある。
第3回予備的対話終了後のプレス・ステートメントによれば、予備的対話は近日中に継続されるということである。保証人及びオブザーバーによる提案が出来上がり、それに対し、ペルー政府及びMRTA側がどのような反応を示すか待たなければならない。
(問)出来上がった提案についてペルー政府またはMRTAが駄目と言えば(対話の継続は)延びてしまうのか。
(報道官)議題や今後の取り進め方については、双方が合意しない限りなかなかそれ以上進まないということであるが、だからと言って、予備的対話そのものが行われないと軽々に判断するのは誤りである。
我々としては事態を注視していくということである。その中で、寺田顧問がオブザーバーとして(提案作成に)入っているので、対話促進のため、彼(寺田顧問)も最大限の努力をするであろう。
(問)寺田顧問は提案作成の当事者となったわけだが、提案が出来上がる目途等の感触は伝えてきたか。
(報道官)(提案作成の目途についての)感触めいたものの報告は受けていない。
(問)保証人委員会の役割が変わってきているのではないか。
(報道官)保証人委員会の役割については、最初にフジモリ大統領が保証人委員会について触れた昨年12月の時点と、保証人委員会の役割についてペルー政府が具体的提案をした1月との間に既に違いがあるということはご承知の通りである。但し、対話はあくまでもペルー政府とMRTA側との間で行われるということである。他方、両者の間で議題等について合意が得られず、対話の継続が円滑に行われないような場合に、保証人委員会はペルー政府とMRTA双方の了解の下で対話促進の為に側面協力をすることになった。これが保証人委員会としての新しい役割かどうか日本政府として判断する立場にないが、保証人委員会がこのような役割を演ずることは対話促進の観点から歓迎する。
(問)国際赤十字の役割が新たに制限されたようであるが如何。
(報道官)国際赤十字の役割は、当初から人道的問題に関する範囲内と理解している。それについて今度発表されたということだ。
(問)米国で、日本はTMDに参加しないと決定したとの報道があるが如何。
(報道官)質問の件は、15日付けニューヨーク・タイムズの「日本はTMD共同開発に参加しないことをほぼ決定した」との報道についてと思うが、日本が不参加を決定したとの事実は無い。
これまでの経緯について説明すると、戦域ミサイル防衛計画(TMD)は、日本政府として重要な課題と認識し、TMD計画が日本の防衛においてどのように位置付けられるか政府は検討してきている。具体的には、TMD計画についての政策判断が出来るよう必要な資料を整備するとの観点から、1994年秋以来、米の協力を得ながら研究を行ってきている。2月10日も日米間で共同研究につき意見交換を行った。この研究を終了する一つの目途は今夏である。
在ペルー大使公邸占拠事件
○冒頭発言
(報道官)現地時間2月14日、第2回対話が行われ、翌15日対話が継続されると発表された。寺田顧問は、第2回対話の全般的な雰囲気及び進展振りについて、シプリアーニ大司教とヴィンセント大使が対話終了後に読み上げた声明と同趣旨の報告を緊急対策本部に送ってきている。政府としては、対話の継続を歓迎するとともに、今後こうした対話が重ねられていくことによって、事態が1歩1歩進んで行くことを強く期待するものである。
○質疑応答
(問)次の対話はいつ行われるのか。。
(報道官)いままでの経験からすると、現地においては次回の対話をいつ行うか発表していないようである。おそらく今後ともそのようなことになると思う。
(問)MRTA側の出席者は誰か。
(報道官)第1回に続いて第2回においてもロハスが出席している。なお、第3回において誰が出るかについては承知していない。
(問)今日の第2回対話でどのようなことが話し合われたか、具体的項目等について、寺田大使から何か連絡が入っているか。
(報道官)まず、第2回対話の主題は、シプリアーニ大司教とヴィンセント・カナダ大使の読み上げた声明にあるように、議題をめぐって、ペルー政府及びMRTA側がそれぞれに自らの立場を説明したということである。第2回対話の場で、議題について合意するまでには至らなかったが、議論が平行線を辿ったと悲観的になることも、また、第3回対話で議題について合意が得られると楽観することも適切ではない。我々としては、第2回の対話では合意形成に向けて実質的な進展が見られたと理解している。
(問)欧米の報道機関も無線でMRTAと交信しているという話があるが、そういう事実はあるのか。
(報道官)MRTA側が持っている無線機の周波数を外部に伝えて、外の欧米のプレスが連絡を取ったということは知っている。テレビ朝日と同じようなことが、欧米のプレスの会社で行われているかについての情報は一切有していない。
(問)外務省が遺憾の意を表明しているのは、交信をしていることなのか、それとも無線機を提供したことなのか。
(報道官)遺憾の意を表明したのは、予備的対話が近々に迫っていた段階において、置いてきた無線機によってMRTA側とテレビ朝日との間で交信が行われ、それが非常に重要な予備的対話そのものに何らかの重大な悪影響を及ぼす可能性があるということである。こうした観点から遺憾の意を表明し、置いてきた無線機の使用を停止するとの措置をとって頂くよう話をしていたということである。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)現地時間2月13日午後、ペルー大統領府報道官は第2回目の予備的対話が48時間以内に実施される可能性がある旨発表した。それ以外、現在に至るまで現地において特に報告すべき動きは見られない。
(問)予備的対話が48時間以内に行われるというが、外務省としてはそれをどう見るか。また、対話の促進にどのように協力していくのか。
(報道官)第2回予備的対話が48時間以内に行われることになったということが重要である。その対話において如何なる問題が話し合われ、事態が如何なる進展を見せるかについて、今から予測めいたことは言えないが、ペルー大統領府報道官の発表によると、ペルー政府は第1回対話に関するパレルモ教育大臣の報告内容を厳重に対外秘とすることとしたということであるし、MRTA側もこの対話内容について外部に発表していない。こういうところから、ペルー政府、MRTA側ともにこの対話の継続に真剣に取り組む姿勢が理解される。われわれとしては対話の継続によって少しでも事態が進展していくことを望むものである。
わが方の関与については、寺田顧問がペルー政府及び保証人委員会のメンバーと緊密に連絡、意見交換を行ってきており、必要に応じていろいろと助言も行ってきている。この対話自身、今後どれほどの期間にわたって続くものか、よく分からない。また、恐らくこの対話は紆余曲折を経ることとなろう。いずれにせよ、今後とも寺田顧問は先程説明したような役割を果たしていくこととなる。わが国政府としては、寺田顧問の口を通じて、フジモリ大統領のこの事件の平和的解決に対する真剣な努力をしっかりと支援していきたい。
(報道官)本日午後2時52分、「全日本愛国者団体会議政治結社励志救国協議会救国時報社」に属する田中こと高篠秀夫35歳が、刃渡り20センチのサバイバルナイフを持ち、大蔵省側のフェンスを乗り越え侵入してきた。現在、麹町署で取り調べ中だが、同署から入手した取りあえずの情報によると、当人はいつも街宣車で外務省に対して抗議を行ってきているが、外務省の方から何の反応もない。今日は北方領土問題、竹島、尖閣問題、石油流出問題、ペルー人質事件等々を訴えにきたと述べているようである。また当人は「外務省のトップを出せ。さもなければ自分の腹を刺す」などと外務省の構内で叫んでいた趣きである。なお当人はしばらくの間、現場の警察官と押し問答の結果、警備当局の説得によって15時05分、銃刀法違反・建造物不法侵入等の容疑により逮捕された。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)現地時間2月12日夕方フジモリ大統領は帰国した。これ以外現地では特に報告すべき動きはない。
(問)ペルー関係についてだが、大統領が帰国して駐ペルー加大使との会談等、具体的な動きはあるのか。
(報道官)そのような具体的なことについては、報告は受けていない。
(問)今後の予備的対話に向けての動きに関し、政府の立場如何。
(報道官)先日第一回の会合が開催され、ペルー政府とMRTA側との間で真剣なやりとりが行われ、しかも対話の継続が合意された。従って、我々とすれば、次の会合にいての合意が行われ、第二回目の会合というものが、開かれることを期待している。
(問)第一回目の会合では、仲間の釈放等の踏み込んだ議論になったという話もあるが、双方の対立につながるという心配はないのか。
(報道官)第一回対話の具体的な内容については申し上げられないが、4時間にわたって、真剣なやりとりが行われ、しかも対話の継続が合意されたということは重要な点である。質問に関連して、第一回会合が開催されことだけで事態が急速に前進すると仮想に期待することも、また悲観的になることもあるまいと考えている。政府としては、対話の進捗状況について具体的に説明できないが、人質の家族、関係者には、今後対話に曲折があろうとも、ペルー政府と共にこの事件の早期解決及び人質全員の無事解放のために引き続き全力を傾けていく所存であることを改めて申し上げたい。
(報道官)何度か会見等を通じて沖縄に対する通報のタイミングの問題について質問を受けたので、今までの説明と重複することはあるが、まとめてこの経緯についてご説明する。官邸も外務省も、本件をできるだけ早く沖縄に説明し、公表することを考えていた。しかし、本件は一般人の立ち入りが認められていない施設・区域内で約1年前に発生した事案であり、またアメリカ側からは環境調査等により人又は環境に対する危険がないことが確認されているとの説明を受けたことから、外務省としては、まず政府自身が本件の全体像を正確に把握した上で出来る限り早期に沖縄県に説明し、公表することが適当であると判断した。このため、外務省はアメリカ側に対しては、1月16日以来連日にわたり事実関係の確認のため、一連の質問を行い、また関連情報、データを求めつつ、関係省庁との連携により事案の把握に努めてきた。このような作業がある程度進んだことを受けて今般2月10日に沖縄県への説明及び公表を行ったものである。
若干それまでの経緯を説明させていただくと、2月に入ってから外務省は出来る限り早期に本件を公表すべく、そのための具体的調整をアメリカ側と行い始めた。その過程で2月7日、外務省はリークしたものに基づく可能性のある照会をワシントンタイムズから受けたとの説明をアメリカ側から受けた。そこで公表の作業を更に加速化させた。日本時間2月10日午後、外務省はワシントンタイムズが本件報道をしたことを承知した。同日15時過ぎ外務省が沖縄県に説明し、16時頃本件につき対外的に発表した。
以上述べたように、ワシントンタイムズにリークしたから公表することにしたということでは決してない。沖縄にはアメリカ側との調整を了した後速やかに説明するとの措置を取ったわけであるが、それでは遅いというご批判は甘受する。
(問)劣化ウラン弾誤使用問題につき、ワシントンタイムズが取材をいつから始めたか承知しているか。
(報道官)日本側からのリークではなく、アメリカ側からの然るべき所からワシントンタイムズにリークがあったようであり、(同紙から)照会を受けたということを2月7日に我が方はアメリカ側を通じて承知することとなった。
(問)アメリカ国防総省の当局者がワシントンタイムズの取材を受けたので公表したと言っているが事実関係如何。
(報道官)(ワシントンタイムズへのリークの前から)公表をするということで、我々はアメリカ側と具体的な調整をしてきていた。従って、タイミングの問題(の是否)は別として、アメリカ側は公表する考えがなかったとか、ワシントンタイムズのリークがあったから公表することにしたということは事実に反する。
(問)1月16日にリークして日本に通報したのか。
(報道官)そういうことではなく、1月16日に米側より我が方に本件についての説明があったわけである。(その時点での)ワシントンタイムズへのリークはなかった。
(問)ワシントンタイムズへのリークが16日以前に行われ7日ごろに掲載するという報告があったのではないのか。
(報道官)掲載するという通報ではなく、(2月7日)リークしたものに基づく可能性がある照会がワシントンタイムズから国防総省のほうにあった。(この為、米側より2月7日)日本側に事実を知らせるということで連絡があったということである。我々はそもそも2月に入ってから公表のための調整作業をしていたが、(この米紙からの照会によって)その作業をさらに加速化させた。(同紙が)いつの時点で報道するかということについては2月7日の時点では承知していなかったが、結果として2月10日我々の知ることになった。
(問)北朝鮮の黄書記が亡命したという事件について、外務省として朝鮮半島情勢、日朝交渉、日韓交渉等への影響について公式な見解如何。
(報道官)まず、この問題については、我が国としては当面韓国政府と中国政府との協議の推移を見守りたいと考えており、北朝鮮情勢に与える影響といった点については、コメントを差し控えさせていただく。いずれにせよ、北朝鮮は食料、エネルギーなど種々の困難を抱えており、今後ともその動向には最新の注意を払っていく必要があると考えている。なお、一般的に北朝鮮情勢ということだけでなく、南北関係その他外交問題への影響といったことについても同様にコメントは差し控えたいが、いずれにせよ、我が国としては従来から南北対話の実現を期待し、また4者会合提案を支持しているところであり、今後の推移を注意深く見守っていきたいと考えている。
(問)北朝鮮に軍事的な動きはあるのか。
(報道官)特に変わった報告なり情報には接していない。
(問)韓国がデフコンのレベルをあげたという情報もあるが承知しているか。
(報道官)その質問に対して答える材料がないので、後ほどご連絡する。
(報道官)セルビア情勢について外務報道官談話を発することとしたので説明する。このたび2月11日セルビア議会において昨年11月17日に実施された地方選挙の結果に関するOSCE調査報告書の勧告を受ける特別法が採択されたが、このことは昨年11月以降の同国国内混乱の解決に向けての好ましい一歩として歓迎する。我が国としては今後この特別法が完全に実施されるかを注視すると共に、セルビアにおいて、与野党間の対話を通じて民主的な国政の運営が確立されることを、期待する。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)現地時間2月11日、ペルー政府とMRTA側との間で第1回予備的対話が行われた。現地対策本部からの報告によれば、この対話においてペルー政府及びMRTA側との間で真剣なやりとりが行われたとのことである。日本政府としては、今後とも寺田大使を通じ、対話の状況を正確に把握するとともに、ペルー政府の平和的解決と人質の早期全面解放に向けての努力に対し、あらゆる支援を行うつもりである。なお、ペルー政府とMRTA側が静かな雰囲気のもとで今後とも真剣な話し合いを続けていくためにも、日本政府が対話の個々の内容について対外的に発言していくことは慎んでいくべきであると考える。この点、人質の家族また関係者の方々に御理解をお願いしたいと思う。
(問)報道官は今、予備的対話について「第1回」と言ったが、今後も予備的対話は数回行われるだろうという感触を持たれているのか。
(報道官)「第1回」というのは、ただ何気なく発言したものであり訂正したい。予備的対話終了後、シプリアーニ大司教及びビンセント加大使が行った発表によると、「我々は今後確定される日取りで対話を継続することにつき合意した」ということである。これが正確なところである。
(問)会話の雰囲気というのはどういうものか。
(報道官)雰囲気ということで先程説明したが、最初の会合であるにもかかわらず、真剣なやりとりが行われたということで、そこから雰囲気を察して頂けるかと思う。
(問)最初から、にっちもさっちもいかないという状況ではなかったと理解してよいのか。
(報道官)最初の会合ということであり、今後のことについてはまたペルー政府とMRTA側との間で日取りを確定し、話し合いをしていくということである。今後の直接対話については、紆余曲折はあると思うが、良いスタートであったと考える。
(問)寺田大使が発言したかどうかはわからないのか。
(報道官)先程も申し上げたように、個々の内容について説明は申し上げないが、寺田大使は予備的対話に同席した。今後ともペルー政府及び保証人等と緊密に連絡しつつ、わが国の基本的立場を踏まえ、必要に応じ助言を与えていくということである。
(問)今度の予備的対話の前にも教育省で事前協議があったが、この対話の後に保証人委員及びペルー政府と寺田大使との協議のようなものは予定されているのか。
(報道官)まだ具体的にそのような協議(が予定)されているとの報告は受けていない。
(問)オブザーバーとして日本側からは情報を出せないという御説明であったが、ペルー政府とMRTA側との間で情報を相互に表に出さないという合意はできているのか。
(報道官)この問題については、予備的対話が実施されるに当たり、保証人委員会が声明を発出している。そこにおいて、「予備的対話は特別に注意を要するものであるため、同対話で話し合われる事項に対する情報の取り扱いは、慎重且つ責任を持って行われる必要がある。」と述べられている。(これを受けて)最初の予備的対話が行われた後、シプリアーニ大司教とビンセント加大使が三点についてのみ発表を行ったという経緯がある。今後、その都度必要と考えられるところを発表していくことになろう。
MRTA側がこれとは別にどのようなことを考えているかについて、自分(報道官)が申し上げる立場にはないが、いずれにせよ今や対話関係者がプレスに対して自らの主張を訴える時期は過ぎ、対話者の間で真剣な話し合いをする時が来たということであり、このような認識は関係者全てに等しく感じられているところと理解している。
(報道官) 先の記者会見において質問のあった中国からの密航者急増問題について、外務省は13日東京において、中国大使館に対し申し入れる予定である。申し入れのレベル、申し入れの時間については現在中国側と調整である。なお、当然のことではあるが、申し入れ後その内容については皆様方にブリーフィングする予定である。
(問)劣化ウラン弾についてであるが、今朝官房長官が「結果として日米安保がひび割れする。(まさか外務省がそれをねらっているとは思わないが)鈍感さに苛立ちを感じる」と述べているが、「外務省の鈍感さ」ということを外務省はそのまま受けとられるのか。
(報道官)官房長官の言われたことに対して、外務省がコメントめいたものを言うことは如何がなものかと思う。いずれにせよ、官房長官のお言葉をよく受け止めていきたいと思う。
(問)つまり、鈍感であったと言われても致し方ないと受け止めてよいのか。
(報道官)御質問の件は米国側から通報があった後、直ちに沖縄県へ通報すべきではなかったかということであると考える。この点について、本日の国会で政府の立場は明らかにされているとは思うが、我々としては沖縄県に直ちに通報されるべきであったとの考えがあることは承知しており、沖縄県の立場を考えれば、このような気持ちがあることは理解できるところである。既に、どういう理由で沖縄県への通報が行われたかについては、関係者から説明済みのことと思う。
いずれにせよ、いろいろな方々からのお話、またその中で述べられている政府の判断に対する御批判は真摯に受け止めたいと思う。それと同時に、政府としては一刻も早く正確な情報を沖縄県に説明し、また公表するために努力を行ってきたという事情にあることも御理解頂ければという気持ちである。
(問)在日米軍の基地に劣化ウラン弾が保管されているのかどうか、それについての情報はあるのか。
(報道官)今この場で回答できる材料がないので、別途調査してお答えする。
(問)日米間で、昨年12月から米軍の事故に関する通報体制についての話し合いが行われていたと承知しているが、合同委員会を開いた等、どういったレベルでどのような話し合いが行われてきたのか。
(報道官)若干経緯になって恐縮であるが、事故通報については日米地位協定自体には規定はない。他方、これまで事故に関する通報を米側から受けてきており、今回これが遅れたということは遺憾なことである。日米地位協定上の規定ではないが、御質問のように、これまで日米間において通報体制整備について合意をすべく、いろいろ話し合ってきたことは事実である。3月末までに合意をすることで現在作業を行っているところである。ただ、今までどのようなレベルでこの問題が取り扱われてきたかについては材料がないので調査した上、別途連絡する。
(問)確認であるが、先ほど予算委員会で外務大臣が現地調査を始めると言ったということであるが、実際そうなのか。
(報道官)御質問の件が日本の調査ということであれば、本日外務省は関係省庁と緊密に協力を図りながら(政府全体として)、調査の準備作業に着手した。それから、米側の調査ということについては、御案内のように既に調査は実施されたが、再び米側において回収作業及び調査実施を3月末までに行うという通報を受けている。
(問)関係省庁というのは具体的にはどこか。
(報道官)当然のことながら防衛庁関係だと思うが、この点も別途調査して連絡する。
(問)調査の準備作業に着手ということは、もう調査を行うということでよろしいのか。
(報道官)調査を行うということであるが、そのためには準備が必要なので、とにかく準備作業に着手したということである。
(問)本日の国会で橋本首相は、17日に劣化ウラン弾の事故の一報を受けたということであるが、外務省から官邸に連絡があったのは17日ということでよいのか。
(報道官)外務省は事件発生後、官邸に遅滞なく報告をしている。ただ、具体的にその日が何日の時点であったかについては、手元に資料がないので調査して連絡する。
○冒頭発言
(報道官) 現地時間2月11日、保証人委員会は、同日ペルー政府とMRTA側の対話者との間で予備的対話が開始されることを発表した。本件対話は、トロントにおける日・ペルー首脳会談を受け開催されるものであり、日本政府としてはその開始を歓迎するものである。
在ペルー大使公邸占拠事件が発生してから、本日で既に57日が経過しており、人質、人質の家族その他関係者の方々の御心労は如何ばかりであろう。予備的対話が開始されたからと言って、本事件の平和的解決が実現するまでには、まだまだ紆余曲折があると予想されるが、人質の方々には、我が国政府がペルー政府、保証人委員会のメンバーと共に、人質全員の無事の解放の為に、今後とも最大の努力をしていくことを御理解願いたい。
ペルー政府とMRTA側との間の直接対話が開始される以上、我が国政府としては、この対話が出来るだけ早く実質的に進展し、本事件の平和的解決と人質の早期全面解放につながることを強く期待する。その意味で何らか不測の事態が生じることによって、この直接対話が将来阻害されるようなことにならないよう強く期待する。
寺田顧問は、保証人委員会の公式オブザーバーとして保証人と共に、今後ペルー政府とMRTA側との間の直接対話の実施を見守ることとなる。その過程において、ペルー政府及び保証人との間で密接な意見交換を行うと共に、必要に応じ本件問題についての我が国の基本的立場を踏まえ、助言を与えることになろう。
我が国政府は、ペルー政府の努力に対し、引き続きあらゆる支援を行う所存である。
○質疑応答
在ペルー大使公邸占拠事件
(問)対話の具体的な時間の目途は。
(報道官)対話の具体的な時間について、我々はおよその目途は承知してるが、現地ではその発表をしていないと承知している。
(問)日本側から(対話の時間を)発表出来ないか。
(報道官)我々は対話の当事者ではないので、具体的にいついかなる時点で予備的対話が開始されるかということ、いつの時点に発表があるかといったこと、また、これらについて保証人委員会で発表されることになるのか、ペルー政府側で発表することになるのか等々つまびらかにしない。
(問)寺田顧問は対話の最中同席が可能か。
(報道官)具体的にどのようなことになるのかは始まってみないとわからないが、対話者と保証人の要望に従って直接対話に同席することになると考える。
(問)先のシプリアーニ大司教の声明では寺田顧問を「日本政府代表」と呼んでいたようだが確認したい。
(報道官)シプリアーニ大司教が読み上げた声明のスペイン語からのとりあえずの訳によると、「保証人委員会及びオブザーバーである日本政府代表は既にペルー政府対話者と日本大使公邸内にいるMRTA代表との間で合意されたとおり、本日11日より予備的対話を開始することを発表する」(と述べているところで)「オブザーバーである日本政府代表」となっている。この声明は保証人委員会が発表したものであり、声明の末尾に、シプリアーニ大司教、ヴィンセント・カナダ大使、ミニング赤十字国際委員会代表、オブザーバーの資格における日本政府公式代表寺田大使と記されている。
(問)声明の仮訳を出してほしい。
(報道官)承知した。
(問)今後寺田顧問は日本政府代表として交渉にあたることになるのか。
(報道官)先の記者会見でも説明したように寺田顧問は現地対策本部の顧問としての役割を担っており、その意味で日本政府の指揮下にある。具体的に今後どのような場でどのような役割を演じるかについては、予備的対話が始まってみなければ分からない。いづれにせよ日本政府の指示のもと保証人委員会のオブザーバーとして必要に応じ助言をしていく等の役割を果たすことになる。
(問)寺田顧問は予備的対話に同席はしても発言することはないのか。
(報道官)具体的に対話自体がどのような形で行われるかについては始まってみないと分からないが、対話自体はペルー政府代表及びMRTA側代表のそれぞれの対話者の間で行われるものであるので、保証人がその対話には直接関与することはないと考える。寺田顧問の役割について当省が基本的に理解しているところについては、前回の記者会見で説明したとおりである。また、そういった中で、寺田顧問が如何なる形で具体的な助言を行い、意見交換を行っていくかについては具体的に対話が始まってみないことには分からない。
○冒頭発言
(報道官)予備的対話開始のための準備は最終局面に入っている。ペルー政府もMRTA側も現地時間2月11日からの対話の開始に強い意欲を対外的に表明している。日本政府としては、2月11日に対話が現実に開始されることを強く期待するものである。
○質疑応答
在ペルー大使公邸占拠事件
(問)在ペル-大使公邸占拠事件について、予備的対話が開始されるのは11日のいつ頃か。
(報道官)先程申し上げたように、11日の開始を強く期待しているが、日本は当事者でなく、具体的な開始の日時についてはコメントを差し控えたい。
(問)日時は決まっているのか。
(報道官)予備的対話開始のための準備は最終局面に入っている。MRTAとペル-政府との間の対話が早期に始まって欲しいと政府が言い始めてから、かなり時間が経っており、今や本当の意味でその開始を待つものである。従って、当事者でない日本がそのような質問に答えるのは差し控えさせていただき、じっと早期の対話の開始を待っているところである。
(問)寺田顧問が入った保証人委員会の会合の雰囲気はどうであったか。
(報道官)雰囲気はよく、直接対話開始の準備が最終局面に入っているということをよく表すものであったと聞いている。
(問)具体的にどのような点でよい雰囲気といえるのか。
(報道官)具体的なことについては説明を控えるが、現在まで種々ペルー政府及び保証人委員会メンバー側との間で詰めてきたこと、又それを踏まえてのMRTA側との非公式の接触等を通じて予備的対話のための準備が最終局面に入ってきているという認識である。開始の具体的な日時は日本政府として申し上げる立場にないが、いずれにせよ、不測の事態が起こるようなことによってこうした準備作業が阻害され、予備的対話自体がなかなか開始できないというような事態にならないことを強く願うものである。
(問)開始自体には障害はもうないという理解か。
(報道官)何か我々として期待を表明してもそうならないようなことが生じるといけない。いずれにせよ、これまでペル-政府側、保証人側、MRTA側それぞれにより対話開始に向けての強い意欲が表明されているが、その意欲自体が何か大きく阻害されるようなことは結果としては生じていないと理解している。人質の安否に関係なくて良かったが、爆発音や銃声が聞こえるといった事態が既に起きている。従って、何とかこのような不測の事態が生じないことを強く願っている。
(問)MRTA側は誰が出席するのか。
(報道官)緊急対策本部からのその点についての説明は差し控える。
(問)出席するであろう人物については特定できているか。
(報道官)準備は最終局面にあるということだ。
(問)トロントでの首脳会談で予備的対話の開始の推進について合意され、10日たち、最終局面となっているということであるが、その間のペースについて特段の濃淡はなかったか。
(報道官)緊急対策本部としては、準備作業が特別の理由のために遅くなったというような印象は受けていない。現実に武装勢力が大使公邸を占拠してから、随分長くなる。これから新しい局面に入ろうとしているところであり、対話の実施ということになると、いろいろと細部にわたって詰めをしなければならないことが出てくる。(そのための)努力が積み重ねられてきたわけだが、今まで準備作業の過程が特に遅くなったとの印象は受けていない。
(問)発生から2ヶ月近く経つが、長かったと感じているか。
(報道官)然り。最初の対話が昨年12月28日であり、それまでは人質の方々がかなり頻繁に解放されてきた。その後1月1日に一部報道機関による大使公邸取材が行われ、その後若干の方々の解放が行われたが、12月末までに行われていたような解放のプロセスが止まってしばらく時間が経ってしまった。その後ようやく双方において対話への模索が始まり、トロントの日秘首脳会談を経てここに至るようになった。すでに事件が起きてから56日経っており、人質の方々にとっては拘束期間が長く感じられているだろうと察している。色々な過程を経てやっと予備的対話のための最終局面に入ったわけであるので、この開始に向けての大事な時期を大切にしていきたい。
(問)人質の現在の健康状態如何。
(報道官)頻繁に関係者と情報交換しており、人質の方々、特に日本の人質の方々の健康状態については全体として問題ないと理解している。
(問)ペルー人の人質の健康状態は問題があるのか。
(報道官)個々のことはICRCが責任を持って健康管理を行っているので、説明は差し控えるが、いずれにせよ、これまでICRCは人質の健康に特に問題があった時はMRTA側と交渉してその人を解放してきた。その点から見て、引き続きICRCが人質の方々全員の健康管理に十分意を用いていくことを期待している。
(問)予備的対話において日本は当事者でないとのことであるが、保証人は当事者か。
(報道官)対話の当事者は、ペルー政府とMRTA側の代表としての対話者であり、その意味で保証人も保証人委員会のオブザーバーである寺田顧問も対話の当事者にはなり得ない。なお、対話がいつ行われるか等については、対話者が実際に決めることであり、それがいかなる形で発表されるかについてはつまびらかにしないが、いずれにせよ、日本は保証人委員会のオブザーバーという立場であり、当事者が対話の具体的な段取り・対応について説明していない段階で、当方から説明することは避けさせていただく。
(問)寺田顧問はオブザーバーということであるが、寺田顧問から発言すべきではないとの考えか、あるいは求められれば発言するのか。
(報道官)寺田顧問の役割についての緊急対策本部の現在の理解をまとめて御説明する。
まず、寺田顧問は保証人委員会の公式オブザーバーであり、ペルー政府及び保証人と緊密に連絡しつつ情報交換を行い、必要に応じ助言を与える役割を演ずる。
第2に、対話者及び保証人が求める場合、寺田顧問はペルー政府とMRTA側との対話に同席することとなると考える。
第3に、予備的対話はあくまでもペルー政府とMRTA側の対話者との間で行われるものであり、寺田顧問は保証人委員会の公式オブザーバーとしてこの対話に同席することはあっても対話に直接関与することは予想されていない。
(問)寺田顧問は日本政府の代表か。
(報道官)寺田大使は駐墨大使であるが、現在ペルーに出張しており、その間現地対策本部の顧問として働いている。日本政府の臨時の出先機関である現地対策本部の顧問であるので、当然日本政府の指示の下で動く。
(問)昨夕劣化ウランについて発表があったが、この発表は予定されていたものか、あるいは何らかの原因により発表が早められたのか、経緯如何。
(報道官)御質問に直接お答えできる材料がないので、担当部局に連絡を取ってなるべく早くお答えしたい。
(問)劣化ウラン弾について、バーンズ米国務省スポークスマンが、日本が調査を希望するならば協力するといっているが、日本として調査をするとすればその時期如何。
(報道官)日本としての現地の放射能調査をいつ行うかという点について、とりあえずお話しできることは、現時点では現場の状況などについての詳細な情報を把握しておらず、米より回収作業の状況や放射能調査の結果など情報の提供を受け、それを踏まえて関係省庁と緊密に協力を図りながら対応していくということである。
(問)米側からの通報を受けた後官邸に報告をしたのはいつか。
(報道官)材料が手元にないので、先ほどの点とともに担当部局に連絡を取って然るべくお答えする。
○冒頭発言
(報道官)リマにおける在ペルー日本大使公邸占拠事件については、現地時間8日以降現在に至るまで特段報告するべき動きはない。
○質疑応答
在ペルー大使公邸占拠事件
(問)フジモリ大統領が今、英国を訪問しているが、同大統領がペルーを離れている間の事件の対応について日本政府の基本的立場如何。
(報道官)フジモリ大統領の外国出張と予備的対話の開始との間に直接の関連はないと理解している。なお、予備的対話がいつ具体的に始まるかということは、つまびらかにしていないが、ペルー政府側及び保証人委員会側の予備的対話開始に向けての調整作業は進んでいるという印象を持っている。
(問)交渉の場所、段取りは話がついていけば、大統領が本国に戻る前にもあって当然と考えているか。
(報道官)先ほどフジモリ大統領の外国出張と予備的対話の開始に直接の関連はないと申し上げたが、前の記者会見でも説明したように予備的対話開始のためにはいろいろと段取りがあって、それについては完全に調整しておく必要がある。まだペルー政府側及び保証人側のそうした調整作業は終了していない。こうした調整作業もいずれMRTAとも行う必要があり、日数がかかることは致し方ないことだと思っている。先ほども申し上げたように予備的対話自体が何日から具体的に開かれる運びとなるか、まだつまびらかにしていない。結果としてフジモリ大統領のリマ帰国の前にも予備的対話が開始されることになるのか、帰国後になるのかその点については現時点では予測出来ないと考える。
(問)寺田顧問の役割としては、保証人委員会のオブザーバーとして今後具体的に公邸内に入ることは考えられるか。
(報道官)寺田顧問の役割はあくまでも保証人委員会のオブザーバーであり、保証人自身にはならないし、また、対話の当事者にもならない。具体的に寺田顧問が保証人委員会のオブザーバーとしてどう働いていくことになるかは、予備的対話開始に向けての調整作業の一環でもある。ペルー政府側として予備的対話を早期に開始したいとの真剣な努力が行われているところであるので、予備的対話が始まる前に予断を持って説明することは差し控えさせていただきたい。予備的対話が始まるのを待ち、その中で寺田顧問が具体的にどのような役割を演じていくかについてはいずれ説明出来ると思う。
○冒頭発言
(報道官)リマにおける人質事件については、現地時間2月7日から今にかけて 現時点では特に報告すべき動きは見られていない。
○質疑応答
在ペルー大使公邸占拠事件
(問)来週早々にも対話が開始されるとの情報があるが、この件についてどの ような情報を持っているか。
(報道官)いろいろな関係者の方々が予備的対話の早期開始について期待感を 持っている旨発言している。ご指摘の通り来週早々にもと言う方もいる。 我々としてもその通りになればうれしく思う。但し、何分にも対話が実際に開始 されるには相手のある話なので、MRTA側もこの直接対話の開始について同意 して、本当に来週早々に対話が開始されることを強く期待している。
(問)対話開始に向けての合意がまだできていないのか。目途はたっているのか。
(報道官)昨日の会見でも説明したとおり、段取りについてペルー政府側とMR TA側との合意が得られていないというのが我々の理解である。他方、予備的対話を実施するにあたっては、段取りの細部について完全に調整しておくことが大切であり、ペルー政府側、保証人委員会側において、そうしたこと(の検討)にある程度時間がかかることは不思議ではないと思う。
(問)問題となっているのはどの点なのか。
(報道官)昨日以来いろいろご質問も出ており、自分(報道官)の記憶に間違いがなければ、例えば場所の問題ということを質問されていたと思うが、そのようなことを含めて確実に予備的対話を実施するためには、もちろんペルー政府側とMRTA側が合意する必要があるが、その前に細部にわたって完全に詳細を詰める必要があるということで、ペルー政府側、保証人の側においてもそうした詰めの作業に時間が若干かかるということであると思う。
(問)今の段階で決まっている会合はあるのか。
(報道官)我々は承知していない。例えば現地時間2月7日にいわゆる3+2の会合が開かれる予定があって、それが中止されたとの報道があるが、そもそも我々としてそのような会合が予定されていたとは承知していない。MRTA側との予備的対話の実施の前に、具体的にどのような形でMRTA側との開始に向けての準備的な話し合いを仕上げていくかというようなことも、東京においては承知していない。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)皆さんご案内のように、現地時間2月6日、保証人委員会メンバー3人が大使公邸に入って、MRTA側と協議を行った。その後パレルモ教育大臣のもとでこの3人に寺田顧問を加えて協議が行われた。シプリアーニ大司教は「対話開始のための調整は前進している」と対外的に述べているが、日本政府としてはこうした協議を踏まえて、予備的対話が早期に開始されることを強く期待する。
(問)パレルモ教育大臣は保証人委員会メンバーとの協議の後、寺田顧問と2人だけで残って会談したとの情報があるが如何。
(報道官)われわれは、「3プラス2」(保証人3人とパレルモ大臣と寺田顧問)の協議結果についての報告を受けているが、2人だけの協議が行われたとの報告は受けていない。
(問)報告ではどんな感じだったか。明るさが見えてきたとか。
(報道官)シプリアーニ大司教が全体的な感じとして「対話開始のための調整は前進している」と述べており、われわれとしても対話の早期開始を強く期待するものである。他方、対話開始の段取りについてペルー政府とMRTA側との間で既に合意が出来上がっているとは理解していない。何分にも相手方があることなので、予断を持つことは差し控えたいと思う。いずれにせよ、早期に直接対話が開始の運びになることを期待する。
(問)MRTAが予備的対話そのものを受け入れたかどうかはどうか。
(報道官)先程申し上げたように、予備的対話の段取りについて合意が既に出来上がったとはわれわれは理解していない。これは悲観的になっているという意味で申し上げているわけではない。何度も抽象的な言い方で申し訳ないが、ちょっとした動きで一喜一憂するわけにもいかず、われわれとしては何とかしてこの重要な時期において、政府側とMRTA側との間で直接対話を行っていくという合意が出来上がり、現実に直接対話が開始されることを強く望むものである。
(問)協議の中でいろいろな段取りなどは固まってきつつあるのか。
(報道官)これは協議の中の具体的なことになるので、その点についての説明は避けさせて頂きたい。いずれにせよ、まだ段取りについて双方の間の合意は出来上がりに至っていない。
(問)段取りは、どんな場所でどんなことを、どんなメンバーでやるかといったことか。
(報道官)その辺のことを具体的に申し上げるのはなかなか難しいが、対話をするにあたっては、対話の実施に向けての段取りについて合意が出来なければいけない。いずれにせよ、トロントにおける日本とペルーとの首脳会談が終わって、初めて3人の保証人が入ってMRTA側と協議を行ったというわけだから、すぐに段取りについて合意が出来なくても、それ自体何かおかしいということではないと考えている。
(問)要すればMRTAとの協議で対話の場所などは決まったということか。
(報道官)現実に対話はリマで行われようとしており、シプリアーニ大司教も2月5日に現地のラジオ・プログラマー・インタビューで詳しく話しているように、「プレスに感謝すると同時に、いろいろご協力もお願いしたい」ということだ。何とかこの直接対話を立ち上げたいという真剣さがペルー政府側、保証人側にある。MRTA側との協議は1回目が行われたばかりであり、1回だけですぐに今ご指摘のようなことも含めて全てが合意出来ればそれは良いことであるが、まだそこまでは至っていない。ただ、真剣な努力は続けられているということである。われわれとして見通しや協議の内容について説明はできないが、いろいろな情報等を総合した上で、こうした協議を通じて出来るだけ早くこの予備的対話が開始されることに大きな期待を持っているということだ。
(問)フジモリ大統領が外国(イギリス)に行っていない間は、また動きが止まるのか。
(報道官)フジモリ大統領が外国訪問を予定していることをわれわれも承知している。フジモリ大統領は、MRTA側との対話には直接従事しない。今、保証人の間、またペルー政府と保証人プラス寺田顧問との間でいろいろな意見交換が行われており、フジモリ大統領が外国に行く行かないにかかわらず、ペルー政府の予備的対話開始に向けての真剣な努力は続けられていると理解している。
(問)次に保証委メンバーの3人が公邸に入る予定如何。
(報道官)まだ具体的なことは承知していない。
(問)ミャンマーの人権抑圧に抗議、あるいは不快の念をよせて米がいろんな働きかけをやっているようだが、わが国の企業に対しマサチューセッツ州政府が調達から排除するという動きがあるとの報道があるが、事実如何。また実際にそういうことがあるとすれば、わが国としてどんな立場をとるのか。
(報道官)マサチューセッツ州のミャンマーと商取引を有する企業との政府調達契約を制限する法律に関連して、同州においていろいろ動きがあることはご指摘のとおりである。今般、マサチューセッツ州選出の10名の米下院議員全員がこの問題についてわが方に書簡を発してきている。一部日本で報道されたと記憶しているが、わが国は先月、国務省及び通商代表部、またマサチューセッツ州政府に対して、この法律がその運用の如何によってはWTO政府調達協定の規定に違反する恐れがあるということ、第2に、一般国際法上容認されない立法管轄権の域外適用に当たる恐れがあるということ、こうした懸念を伝達した経緯がある。それに対して連邦政府の方の反応は、詳細を調査の上、連邦政府としての考え方を改めて伝達するというものであり、わが方としては迅速な回答を期待しているところである。マサチューセッツ州選出の下院議員は日本政府の考え方に不満のようだが、まずわが方としては、連邦政府の反応ぶり、迅速な回答を期待しているところである。
(問)法案が通った場合、対象となる日本の企業はどのくらいか、数字はある か。
(報道官)今手元に、どれほどの数の日本の企業が具体的に影響を受けることになるかの材料はない。この問題はうまく処理しないと、マサチューセッツ州に限らず、他の州にも波及する恐れがあるということで、わが方としては、引き続き連邦政府の迅速な対応ぶりを期待しているところである。
(問)申し入れを行ったのはいつか。
(報道官)1月の下旬と記憶しているが、正確を期するため改めて答えたい。
(問)先月末、米国務省が人権リポートを出し、その中で中国だけでなくミャンマーにも触れている。わが国としては、今回のマサチューセッツ州の問題に絡んで聞くが、ミャンマーではやはり人権抑圧は行われていないという認識か。
(報道官)われわれがミャンマーに対して常に主張しているのは、ミャンマーでの民主化と人材状況の着実な進展を求めるということ、それに加えて民主化の流れへの逆行は見過ごすことは出来ないということである。この点については機会あるごとにミャンマー政府に申し入れている。それと同時に、今現実にはアウン・サン・スー・チーさんの属するNLDとミャンマーのSLORC側との対立が続いており、その対立ゆえにミャンマー情勢が不確実性を増してきているということは事実である。こうした事態を打開するためには、われわれとしてはSLORCとNLD側が何とかして対話の糸口を見出していってほしいということであり、このためにSLORC側、NLD側双方に対して働きかけを行ってきている。
(問)北朝鮮への食糧支援でWFPが来週アピールを出すとの報道があるが事実如何。
(報道官)国連関係の機関と情報交換をしており、いろいろ動きはあるようである。しかし、昨日の記者会見での質問にも関連するが、国連傘下のこうした機関が具体的にどういうふうに、どのような行動をするかについては、そうした機関の方で(発表するとした場合どのようなタイミングで発表するかということを)決めるものである。私どもの方から今どのようになっているということを説明するのは差し控えさせて頂きたい。
(問)米バーンズ国務省報道官はWFPのアピールが出たら、米はそれを推進すると言っているというが、日本はどうするのか。
(報道官)バーンズ報道官は定例の記者会見で今のことを述べたということではないようである。現時点において、こうした国連関係機関からのアピールはまだ出ていないわけで、わが方がこの問題にコメントすることは差し控えさせて頂きたい。
(問)今まで外務次官にも同じような質問をしているが、その都度「検討する」というように言われていると記憶しているが、本件はそれも言えないほど悲観的なものと受け取って良いのか。
(報道官)林次官がいかなる状況の下でそういう答えをしたのか、私(報道官)の記憶に必ずしもない。全くの一般論として、いかなる国連機関といえども、何かアピールといったものを出して協力を国連のメンバーにしてきた場合、メンバーの方においてそれが出てきた場合には(実際にやるかどうかは別として)検討するということはある意味で当然のことである。そういう意味で林次官が答えたのかも知れない。ただ、今回の北朝鮮の食糧難に基づく国連機関のありうべき援助について、私(報道官)がここで申し上げたいのは、現時点ではアピールが出されていないので、わが方としてどのような対応をするといったようなことについてのコメントは差し控えさせて頂きたいということである。
(問)一般論として、アピールが出るまでは政府として何も検討していないということか。
(報道官)】一般論として申し上げれば、国連のアピールがでて初めて国連メンバーがいろいろ作業をするというのが(やる場合も、やらない場合も)普通である。実際に国連アピールが出る前に作成を開始するということは、通常の場合ではない。いずれにせよ、わが国は責任ある国連の1メンバーであるから、もちろんその関係の国連機関、関係の国々と情報交換をしている。
(問)池田大臣の沖縄訪問の詳細日程如何。
(報道官)詳しい日程は今、鋭意作っているということである。既に池田大臣もお話になっているかも知れないが、沖縄県知事はじめ地元関係者の方々と懇談するということ、在沖縄の米軍の施設・区域を視察するということ、原島沖縄担当大使の着任披露を兼ねて地元関係者との懇談のためのレセプションを開催するということ、それらを中心に具体的な日程案を調整している。
○冒頭発言
(報道官)私より2点について説明する。
在ペルー大使公邸占拠事件
(問)寺田大使から具体的にどのような報告があったのか。
(報道官)現地対策本部から先程申し上げた会合についての報告を受けた(ということだ)。この会合の性格は予備的対話に向けた諸々の準備を行うための意見交換というようなことである。
(問)明日のシプリアーニ大司教とミニグ代表が公邸に入った後、予備的対話が開かれるのか。今後の見通し如何。
(報道官)相手があることであり、予想はしがたい。いずれにせよ、日秘首脳会談が行われた後初めてシプリアーニ大司教が公邸に入る(ことになる)。おそらく色々とMRTA側と意見交換をするのではないか。我々としては、MRTA側が日秘共同記者発表の趣旨を正しく理解し、ペルー政府との直接対話に応じることを強く期待する。
(問)予備的対話の位置づけ、構成メンバー、枠組み等についてこれまで分かりにくいところがあったが、ここまでの動きを通して分かる範囲での認識を説明して欲しい。
(報道官)予備的対話、直接対話というものは、あくまでもペル-政府側とMRTA側との間で行われるものである。それに向けての段取り等について意見交換をしたわけであるが、実際直接対話がどのような形で行われるかはこれからの問題である。現地時間6日のシプリアーニ大司教の公邸訪問を通じ、MRTA側がペルー政府との直接対話に応じる姿勢を示すことが強く望まれる。
(問)未だ流動的と理解して良いのか。
(報道官)予備的対話を行うことについてのペル-政府側の意志は固まっている。あとはMRTA側の反応如何ということである。実際に日秘首脳会談に同席したシプリアーニ大司教から、恐らく首脳会談の意義、共同記者発表の意義について説明することになると思うが、我々としてはそれについてMRTA側が正しい評価をし、直接対話に応ずることを望む。
いずれにせよ、取りあえず現地時間6日のシプリアーニ大司教の公邸訪問を通じてMRTA側の反応振りを見る必要があると考える。
(問)ペル-について、報道官は「予備的対話」といった後に「直接対話」と言い直しているが、両者の関係如何。
(報道官)言い直したつもりはない。予備的であろうと本格的であろうとここにいう対話というのは、つまり直接対話であって、ペルー政府とMRTA側の間で行われる対話との意味である。
(問)予備的対話イコール直接対話ということか。
(報道官)その予備的対話の性格は共同記者発表で明らかにされているように、本格交渉に至る前の予備的なものである。その対話は、間接的な対話ではなく、直接的な対話であるとの意味である。
(問)国連で、北朝鮮に対する食糧援助について、3回目の会見の準備が進められているようだが、外務省としてどのような情報を得ているか。
(報道官)我々としても国連との間で色々と意見交換をしている。しかし国連として北朝鮮の食糧事情をどのように把握しようとしているかについては、国連側で必要に応じ対外的に説明等をすることになると思うので、日本政府側から申し上げることは控えたい。
(問)アピールがあれば応じるというような動きもあるようだが、これはまだ固まっていないのか。
(報道官)日本の新聞で色々なことが報道されているようだが、全くの推測記事である。
そもそも国連が今後どのようなことをするかも明らかにしていない。いずれにせよ我が国として今申し上げられるのは、これまで緊急人道の観点からあくまで特殊例外的な措置として支援を行ってきた経緯はあるが、現在北朝鮮に対する支援について検討はしていない(ということだ)。
(問)中国に対する申し入れはいつ頃になりそうか。
(報道官)未だ具体的なことについては申し上げられないが、いずれにせよ真剣に検討している。
(問)申し入れをすることが決まった場合発表して欲しい。
(報道官)ご要望を担当部局に伝える。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)第一に、現地時間4日夜、フジモリ大統領はペルーに帰国した。日本政府としては、ペルー政府とMRTAとの間の直接対話がこれを機に開始されることを強く期待するものである。
MRTA側は、収監中のMRTAメンバーの釈放要求を取り下げない旨をプレスを通じて主張しているようであるが、今やプレスを通じて自らの立場を主張する時期は過ぎ、ペルー政府とMRTA側が直接対話を開始すべき時に至ったと考える。
第二に、本日当省は午後3時から約1時間にわたり、第5回目の企業関係者説明会を行った。まず初めに、堀村中南米審議官より1月22日の第4回説明会以降の状況、特に2月1日の日本・ペルー首脳会談の模様を詳しく報告した。続いて、斎藤領事移住部長から大使公邸内の状況等について説明を行った。出席した企業の方々は事態の見通し、及び人質の健康管理について関心を表明していた。
(問)公邸内の状況について領事移住部長はどのような説明をしたのか。
(報道官)まず人質の健康管理について、日赤の鈴木医師が定期的に公邸内に入るようになったということ、邦人の人質の方々の健康は大丈夫であるといったことである。また、1月24日に公邸付近の警備強化等によって、赤十字国際委員会による昼食等の物品搬入ができなくなったという事態が発生したが、その後事態は通常に復しており、特にトロントでの日秘首脳会談以降、公邸周辺は極めて平穏になっているということを説明している。また、ラジオによる音楽放送が行われているといった点についての説明を行った。
(問)企業説明会において、事態の見通しについて質問が出たということであったが、どのような形で行われたものであったか。
(報道官)堀村中南米局審議官から、日秘首脳会談の模様、予備的対話が行われること等々について詳しく説明したところ、企業の方から「そういうことであれば、事態はどのようなことになっていくのであろうか」といった質問が出された。これに対し堀村審議官から「対話が早期に始まることが強く望まれるが、事件の早期解決の可能性については引き続き厳しいものがある」という説明をした。
(問)フジモリ大統領が米国におけるインタビューの中で武力行使に触れたことに関し、武力行使をどういったところで行うのか、若しくは行わないのかという点につき説明頂きたい。
(報道官)まず、昨日説明したのは、これに関わる問題の核心は、日秘両国首脳がこの事件の平和的解決を希求する中で、人質に危害を加えないようMRTA側に厳重な警告を行っていることである。他方、ご指摘のように、フジモリ大統領はPBSとのインタビューの中で「人質に被害が及んだ時にのみ実力を行使する。(しかし)このようなことが起きないことを願っている。」ということを述べるとともに、「もし万が一、そのような事態になった場合には実力行使に踏み切る前に、橋本総理に連絡し、許可を求める」と説明している。
フジモリ大統領の念頭には、日本大使公邸には国際法上、不可侵権が認められているといったことなどがあるものと考える。
なお、この機会に事務的な話で恐縮であるが、用語の使用について一点説明させて頂きたい。従来、フジモリ大統領が「人質に危害が加えられない限り「武力行使」はしない」と述べる際、スペイン語で「USO DE FUERZA(英語で use of force)」という言葉を使っており、我々はこれまで主として「武力行使」と翻訳してきた。しかし、今回のケースのような国家間の紛争ではない場合には、「実力行使」と翻訳することがより適切と考えるので、今後当省緊急対策本部としては、このような場合「武力行使」ではなく「実力行使」という用語を用いることとした。
(問)フジモリ大統領の脳裏にあるものは、必ずしも限定されていない、やむを得ない場合、いろいろな場合を含むという感じであるのか。
(報道官)昨日の記者会見でも説明したように、まだ直接対話自体が始まっていない段階で、仮定の状況において論理的に「こういうふうになる、ああいうふうになる」と突き詰めて考えることは適当ではない。いずれにせよ、重要なのはMRTA側が人質に危害を加えないようにとの厳重な警告をペルー政府も日本側も行っているということである。ただ、理論的な可能性として万が一ということを考える場合に、「橋本総理に連絡し許可を求める」とフジモリ大統領が言っているのは、先ほど申し上げたような大使公邸に関わる国際法上のことであって、同大統領は、むしろ当然のことを言っていると解釈している。
(問)用語の説明で「武力行使」が「実力行使」に変わったと説明しているが、国家間の紛争ではない場合には「武力行使」とはならないのか。
(報道官)普通「武力行使」というのは国家間の行為について使われるものである。スペイン語から直訳で「武力行使」と翻訳し、この直訳自身間違いではないが、実態に即して見ると、これは「武力行使」というよりも国内における行為であるので「実力行使」という方が適切である。直接対話が始まる前でもあり、こうした時を捉え、より実態に近い言葉を緊急対策本部としては使うようにしたということである。
(問)「force」という言葉はむしろ、具体行動、軍事行動を表すものではないか。
(報道官)ここでは警察力といったことも中に含まれており、憲法第9条に関わるような意味で使われているものではない。「武力行使」というのは少し響きとしておかしいということもあり、事務的にはこの場合は「実力行使」という用語が正しいと考え、翻訳を改めたということである。
(問)予備的対話の開始について何らかの情報はあるか。
(報道官)フジモリ大統領がリマに到着した際のステートメントは我々も読んでいる。フジモリ大統領自身、機が熟しているといった趣旨の発言をされている。我々としては、具体的にどのような形で予備的対話というものが開始されるものかつまびらかにはしないが、できるだけ早く開始してほしいと願うものである。なお、予備的対話が開始するに当たっては、当然のことながら、MRTA側がこれに応じなければならない。我々としてはMRTA側が2月1日の日本とペルーの共同記者発表の趣旨を正しく理解し、現実的な対応を示すことを強く期待するものである。これによってペルー政府とMRTA側の予備的対話は事態を実質的に進展させる話し合いの場になると強く信じている。
(問)企業説明会には何人くらい参加したのか。
(報道官)企業及び政府の関係者も集まり、20名余りであった。
(問)寺田顧問は既に(リマに)戻ったのか。
(報道官)現地時間で5日の朝ということであるので、あと数時間後であろう。
(問)寺田顧問がリマに戻るということは、予備的対話に大きな意味を持つと思われるが。
(報道官)対話自身どのような形で始められることになるか、寺田顧問は現在リマに到着していないが、現地の緊急対策本部においても情報収集に努めると思われる。いずれにせよ、この時間においてはまだ現地時間の5日においてどのような動きになるか予測することは困難である。
(問)クリントン大統領の一般教書演説が行われたが、外交部分についの見解如何。
(報道官)我々が今度の一般教書演説について、まず特徴として挙げられると考えているのは、超党派の協力を呼びかける課題というものを幾つか重点的にピックアップして言及していることである。即ち、外交についてはNATOとロシアとの関係改善問題、また中国との関係の問題、それからKEDOの枠組み合意といったことである。そういったことを踏まえた上で説明すれば、対外政策では我が国への直接の言及はなかったものの、クリントン大統領は、アジア地域を欧州と並ぶ重要地域と位置付け、引き続き積極的に関与していくことを表明した。このような米国の姿勢は、アジア太平洋の平和と安定にとって不可欠であり、わが国としては歓迎するものである。
なお、中国との関係については、日米中の関係はアジア太平洋の平和と安定にとって不可欠である。わが国は米中関係の改善を促してきたこともあり、そうした観点から米中関係の進展を見守り、進展のある場合、それを高く評価するものである。
日本についての言及がなかったことについては、日米関係は基本的にうまく行っているということから、敢えて超党派の協力ということを呼びかける必要はなかったためではないかと考えている。
(問)最近の韓国の報道において、竹島周辺で韓国海空軍の演習が行われると伝えられているが、外務省は情報を把握しているか。これに対し、どのように対処していく考えか。
(報道官)指摘の点は、4日の連合通信による報道だと思われる。これによると、韓国合同参謀本部は5日、竹島の近海で海軍空軍及び海洋警察隊が合同で機動防御訓練を実施するとされている。日本政府として情報収集をした結果、韓国側は竹島の近海でこのような演習を行う予定はないということである。
(問)本日は行われていないということであるのか。
(報道官)場所が竹島の近海ではないというふうに我々は理解している。いずれにせよ、4日のこの報道に接して以来情報収集を行ってきた。この結果を総合したところ、韓国側が竹島近海でこのような演習を行う予定はないということを確認するに至ったものである。
(問)予定もなく、ここ数日中に行われたこともないということであるのか。
(報道官)然り。
(問)中国からの密航者が1ヵ月で昨年の6割に達しているという報道があるが、中国に対し沿岸警備の強化等外務省から何らかの申し入れは行うのか。
(報道官)現在お答えする材料は持っていないので後ほど調べて別途お答えする。
在ペルー大使公邸占拠事件
(報道官)現地時間2月3日、ワシントンでクリントン大統領とフジモリ大統領の会談が行われ、クリントン大統領は、この危機に対するフジモリ大統領の取り組みを賞賛するとともに、2月1日のトロントでの日・ペルー共同記者発表は正しい方向性を示すと考える旨述べた。
日本政府としても、両大統領の会談を通じ、事件の平和的解決をめざすフジモリ大統領の取り組みに対し、クリントン大統領が支持を表明したことを歓迎するものである。また、トロントでの共同記者発表で示された通り、ペルー政府・MRTA側間の予備的対話が一日も早く開始され、事態が一刻も早く進展をみせることを強く期待する。
(問)フジモリ大統領は予備的対話は「開始」ではなく、「促進」だと言っているが、予備的対話とは一体どういうものなのか。両当事者が入ったものを言うのか。あるいはシプリアーニ大司教がペルー政府や公邸を出入りするのも予備的対話となるのか。
(報道官)まず、共同記者発表では、「ペルー政府とMRTAとの間の予備的対話の開始を推進することに合意し、これが遅滞なく実現することを期待する」というように「予備的対話の開始を推進する」という言葉となっている。
次に、保証人委員会設置について、ペルー政府が対外的に明らかにした際、「対話というものはペルー政府代表とMRTA代表との間で行われる。」「保証人はその二者の間で合意が出来た時などにそれを保証する役割がある」という説明をしている。
従って、予備的、本格的を問わず、ペルー政府・MRTA側間の直接対話は、あくまでも双方の代表が直接に話し合うことであると理解している。
(問)(予備的対話が)始まるメドについてはどうか。
(報道官)共同記者発表の通り、我々としては遅滞なくこの対話が行われることを期待する。
しかしながら、対話はあくまでペルー政府・MRTA間で行われるものであり、MRTA側にその気になってもらわなければならない。また、フジモリ大統領もまだ帰国していないようである。従って、いつの時点で実際始まるかどうかについては、詳らかにしていないが、フジモリ大統領がプレス・インタビューで「今週中にでも始まるであろう」と述べており、我々としては、これを強く期待したい。
(問)本日の記者会見で、小泉厚生大臣が武力行使もあり得るという言い方をし、外務大臣も含め各大臣も武力行使を否定していないように会見で述べている。これまでは人質の身体に危害が加えられない限り武力行使はしないということだったが、人質の身体へ危害が唯一の武力行使の条件であり、それ以外では絶対に武力行使は行えないというふうに理解してよいのか。
(報道官)平和的な事件の解決を願う我々として、仮定的な状況につき、論理的可能性を議論することは適切と思えない。
武力行使云々について最も重要なことは、日秘両国首脳ともに事件の平和的解決を希求する中で、MRTA側が人質に危害を加えないよう厳重な警告を行っているということである。この点につき、昨日、官房長官がフジモリ大統領の断固とした方針がMRTA側の軽率な行動を抑止していると述べたが、これは正に事態を正しく捉えての発言と思う。
フジモリ大統領は先般のトロントにおける会談で、事件の平和的解決、人質全員の無事解放を強く希求していることを明らかにしている。我々としては、フジモリ大統領の努力に全幅の信頼を置くとともに、MRTAが人質に危害を加えたり、また人質の健康が非常に悪くなったような場合、それを放置することのないよう、我々の警告を真剣に受け止めて欲しい。
(問)保証人委員会は、犯人側とペルー政府との対話が公正中立に行われることを保証するものと理解しているが、寺田大使がオブザーバーとして入るのはそれを損なわないか。
(報道官)1月17日、ペルー政府側が保証人委員会の機能について述べているが、そこではペルー政府とMRTA側との合意が出来た場合、それを保証すること、及び、便宜を供与することとされている。
寺田大使は保証人委員会のオブザーバーとして今後活動をすることになるが、具体的にどのような行動になるか、もう少し見ていかなければならない。報道によれば、MRTA側は寺田顧問がオブザーバー参加することは問題ないと言っているようであり、我々としては従来の方針に従い、ペルー政府と緊密な関係を保ち、保証人の方々との間で情報交換、意見交換をするとともに、必要に応じてアドバイスをしていくことになる。
いずれにせよ、今までのペルー政府の考え方に沿い、かつ日本としてペルー政府の努力に積極的に協力していくとの立場であり、寺田大使のオブザーバーとしての参加は、こうした延長線上に沿ってのものである。それによって何かおかしいことになるということはないと思う。
(問)寺田大使はいつペルーに戻るのか。
(報道官)現地時間で明日(5日)である。
(報道官)インドネシア情勢につき説明したい。
最近のインドネシアにおける暴動は、種族、宗教、貧富の格差といった既に長らく存在している不安定要因に加えて、労働争議や土地問題、治安当局への反発といった多岐な要因が複合的に絡んで発生したものと思われる。暴動事件は多発しているが、それぞれ単発的な事件であって、全国的に広がるものとは予想されない。インドネシアは我が国にとって非常に重要な国である。日本政府としては、事態の推移を見守って参りたい。
(報道官)2月2日から3日にかけて、ベオグラードでセルビア当局の警察部隊が民間人へ実力行使をし、民間人の間に多数の負傷者が出るという憂慮すべき事態が発生した。政府としては、今夕にもしかるべき形で日本政府の立場を明らかにすべく、現在、鋭意準備中である。
(問)米国務省バーンズ報道官は会見で、オルブライト新国務長官の外遊日程の中でアジア関係は、まずソウルに行き、日本は23、24日、その後北京に向かうと発表しているが、どうか。
(報道官)オルブライト国務長官は2月23日着、24日発の日程で訪日する。
今回のオルブライト国務長官の訪日は、同長官と池田外務大臣をはじめとする日本側関係者が早期に信頼関係を構築するということ、及び、第2期クリントン政権との間で日米関係運営の基本方針を確認するという重要な意義があり、我が方としては同長官の訪日を極めて重視している。なお、訪日中の具体的な行事については、今後アメリカ側と調整をすることになっている。
(問)首相表敬もあるのか。
(報道官)その辺も含め、これから調整することとなる。
(問)ニューヨークで予定されていた北朝鮮に対する説明会が、再度、北朝鮮の要求で延期され、いつ開かれるか今のところ分からない状況だが、どう見ているか。
(報道官)2月5日にニューヨークで予定されている共同説明会に間に合うようには、北朝鮮側はピョンヤンを出発できない旨通報があったことは承知している。同時に、北朝鮮側は説明会に参加する意図がないとはしていないと承知している。
いずれにせよ、わが国としては説明会が早期に実施され、4者会合の実現につながることを希望している。
BACK / FORWARD / 目次 |
| ||||||||||
![]() |