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記者会見

報道官会見記録(平成16年10月)


INDEX


・ 報道官会見記録(10月31日)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月30日18:10付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月30日15:45付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月30日11:33付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月30日4:00付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月29日付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月29日付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月28日付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月28日付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月27日付)
 ・ イラク邦人人質事件


・ 報道官会見記録(10月20日付)
 ・ ミャンマー首相の更迭
 ・ 町村大臣の訪韓
 ・ パウエル米国務長官の来日
 ・ 日露次官級協議


・ 報道官会見記録(10月13日付)
 ・ 日本の選挙支援(カメルーン、アフガニスタン、イラク)
 ・ イラクのサマーワにおける警察車両の贈呈式の実施および警察車両供与計画輸送の完了
 ・ 特別展示「日米関係のあけぼの:1852-1866」






報道官会見記録 (平成16年10月31日(日)6:35~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)日本時間の今朝3時半頃イラクの保健省からイラクの日本大使館に対して、バグダッド市内で遺体が見つかった、香田氏の身体的な特徴と一致するかどうか確認しているという内容の連絡がありました。外務省としてはこの情報を受けて、大使館の関係する者をこの遺体が安置されている場所に派遣をして確認作業をしているところです。

(問)遺体の安置場所はどちらでしょうか。

(報道官)バグダッド市内の検死を行うメディカルセンター内と承知しています。

(問)遺体の状態を簡単に説明してください。

(報道官)遺体の状態については、今の段階で私の方から報告する内容は持ち合わせていません。確認作業を行っているということです。

(問)大使館の関係者とは医務官のことか。

(報道官)現在、深夜でバグダッド市内は大変危険であり、土地の事情に通じた大使館の警備を担当している地元の人を派遣しています。この人物は、これまでにも様々な形でバグダッドで発生した日本関係の事件については大使館のスタッフとして調査にあたっている人物です。

(問)遺体発見時の状況と場所を詳しくお願いします。

(報道官)市内で見つかったと承知していますが、詳細についてはまだわかりません。

(問)最終確認は、今、現地に行っている者がするのですか。

(報道官)可能であれば、現地に行っている者が遺体の身元が確認できる様々な情報を入手して持ち帰ることになっています。

(問)何人派遣したのですか。

(報道官)二人が行っています。

(問)歯形、指紋の確認は大使館に戻ってきたからするのですか。

(報道官)具体的内容については、言及すべきものではないと思います。

(問)ご家族には連絡したのですか。

(報道官)イラクの保健省からそのような連絡があったことをご家族に連絡していますが、繰り返しますが、別に香田氏と確認されたわけでは全くありません。香田氏の身体的特徴と一致するかどうかをイラクの保健省で調べている、我々も確認作業に入っているということです。

(問)家族には何時頃連絡しましたか。

(報道官)かかる情報が入り、直ちに連絡しました。

(問)日本政府として確認するにあたって、昨日の場合はクウェートに医務官が居ましたが、今日の場合は最終的に誰が責任を持って判断するのですか。

(報道官)然るべき人間が、然るべき手段で判断します。

(問)バグダッド市内で可能だということですか。

(報道官)バグダッド及び様々な手段があります。確認する方法はいくつもあります。出来るだけ早く確認をしたいと思います。

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報道官会見記録 (平成16年10月30日(土)18:10~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)日本時間の30日正午頃でしたが、クウェートで日本大使館の堀田医務官が香田さんではないと判定いたしました遺体は、当初から米側から連絡がありました香田さんの身体的な特徴を持つ遺体、この2つの遺体が同一かどうか、同じ遺体のことを意味しているのかどうかということを、鋭意確認を急いでまいりました。その結果、30日午後5時頃ですが、米国側から情報の大元に遡って調査した結果、遺体は同じもので、米側としても、「香田さんではないことが日本側によって確認されたと結論づけている」という連絡を受けております。この結果、日本政府としましては、30日の未明からずっと調査を進めてまいりましたイラクのバラドで米側が発見したという遺体は、結局は香田さんではないという結論に至りました。したがって、香田さんの安否はいまだ不明であり、政府としては引き続き無事な解放を目指して、米国の協力も得つつ、全力をあげてさまざまな努力をこれからも傾けていく所存です。

(問)結局、昨日(29日)の夜の段階にもどったという認識でよろしいでしょうか。

(報道官)そのとおりです。

(問)今後も同じことが起きるかもしれないのですが、身体的特徴が似ているという情報があって、見てみたらあまり似ていなかったということは、どのへんから違いが起きたと考えられるのでしょうか。

(報道官)私たちが最初に得た情報が、米国がバラドで発見した遺体は、かねてから我々が連絡していたいくつかの情報の中で、身長、体重、それから頭の後部の毛の生え具合、そうした点で似ているという連絡があり、それではできるだけ早く我々としても確認をしたいので、我々の確認できる場所に運んでほしいと思っていましたが、当初はカタール、そして結果としてはクウェートで確認ができたわけです。その結果、この遺体は香田さんではないということがはっきりしましたので、我々としてはこのことを受けて、香田さんはまだ生きている、犯人側の手の中にあるのではないか、よって、全力をあげて解放を目指そうということで、先ほど町村外務大臣のもとで少人数の打ち合わせを行い、大臣からもそのように努力をするようにと指示を受けて、もう一度取り組みの決意を新たにしたところです。

(問)最初の身体的特徴が似ていると言われていた話と、見てみたら違い過ぎる。私達が聞いた限りでも一見して違い過ぎるのではないかと思う情報の齟齬はどこから生まれたのだろうという検証はされていますか。

(報道官)どこでそうした齟齬が生まれたかについて詳しい調査は必要になろうかと思いますが、当面一番問題だったのはそうした違いのある遺体を検証して香田氏のものではないということが判明した。しかし、いろいろな違いがあるので、念の為「これは別人の遺体ではないのでしょうね」ということを確かめる為に米国側に問い合わせをした。その結果、米国側も情報の大元にさかのぼって、トレースをして懸命に調べた結果、これはやはり同じ遺体であって、バラドで見つけた遺体をできるだけ早く外に運び出して、日本側が検証できるようにしたということです。その一連の流れに対しては大変スピーディーに行われたと判断しています。今後、こうしたことが起きては欲しくないですが、香田氏に結びつくような情報があった場合、我々としてはそうした情報をできるだけ早く入手して、一つ一つ確認をしていくという作業を続けなければいけないと考えています。

(問)情報の大元にさかのぼったというのは、遺体に識別マーカーなどがついていて、それを基にさかのぼったということなのでしょうか。

(報道官)具体的なことについては、短い時間の中でのやり取りですから、何をどうしたのかというところまでは私達も報告を受けていません。我々が報告を受けたのは、当初一番始めに私達に連絡をしてくれたところから実際にクウェートに運び出してくれたところまで、一つ一つこの遺体がどういう風に運ばれ、どういう風な確認を取って行われたということを総合した結果、この情報の大元にさかのぼってということになったと理解しています。

(問)香田氏の身長と体重なのですが、香田氏は日本を離れてかなり時間が経つと思うのですが、今の身長と体重はどうやって確かめたのでしょうか。

(報道官)私達が連絡をしていた身長、体重というのは当然ご両親から伺った情報でもあります。今の体型がどのように違っていたのかということは私達もわかりませんが、我々の持っていた情報、ご家族が持っていた情報を基にして、いろいろな機関にその特徴を連絡したということです。念のために述べますが、冒頭に申し上げた点については香田氏のお父様に外務省の方から連絡を取っています。

(問)スピーディーな情報提供というのは必要だと思うのですが、それとは別に今朝4時の時点で「遺体は香田氏のものだという可能性は高い」という判断を政府も一緒に示していたと思うのですが、可能性が高いという判断を下した根拠というのは米軍の情報なのですか。

(報道官)私達がお伝えしたのは、「香田氏の身体的な特徴のうち幾つか合致する点がある遺体が見つかった。これは東洋人かアジア人である可能性がある。米国側としてはそういう情報と照らし合わせた結果、これはそういう可能性がある。」という連絡があったので、「確認をしたい」ということを言いましたが、我々が「この遺体は可能性が高いから」とか「可能性が低いから」という可能性の程度について判断をして動いたということではありません。何しろそういう情報があったので、できるだけ早く確認をしたいということでこういう措置を取ったわけです。当初はカタールに運ぶということがあったものですから、クウェートの堀田医務官に直ちにカタールに出張してもらってカタールで待ち受けてもらおうと思っていたのですが、その後クウェートに変わる可能性があるという情報が入って、クウェートで待機していたら実際にクウェートに運ばれてきたということですから、対応としてはできるだけ早くということが行われたと思っています。

(問)遺体の搬出を巡る経緯の中で、地名、国名の取り違いがあったという可能性はありませんか。

(報道官)私たち(米国側)はカタールのドーハに運びたいと思うが、日本側はそこでよいかという問い合わせがあったので、是非そうして欲しいということを米国側に伝えたという経緯はあります。

(問)一番最初の情報、つまり後頭部に禿げた部分があったりという情報が誇張されていたり、正しく伝わっていなかったということだったのでしょうか。

(報道官)それについては、今後どういうことがわかってくるかわかりませんが、少なくとも当初三つの点については可能性があるということを我々は聞いたので、是非確認をしたいと思ったわけです。

(問)これだけ違うと、見なくてもその前の時点で確認できたのではないかという気がするのですが、米軍の情報を鵜呑みにしたのではないかという疑問があるのですか。

(報道官)実際にバラドという場所は極めて危険な場所です。また遺体がこのバラドでどういう形で発見されたのか、どこに安置されていたのか、そうした点を考えてみますと、米側自身もその場所で検死をしたり、身元の確認をしたりということができなくて、先ほどの会見で述べたように、一旦遺体を国外に運び出して最終的には米国本土のドーバーという基地で確認する作業を行うと聞いています。そうした手続きを取ったわけですから、我々の方で独自にその情報をイラク国内で確かめに出て行くということは事実上不可能であったので、これはやむを得ない措置であったと考えています。

(問)なんらかの通信手段で、顎鬚のこととか、頭のこととか、そういうことは、通信の段階で確認することは難しいですか。

(報道官)可能性がある遺体が見つかったという情報を受けた時に、言葉のやり取りでどのように確認をしようとしても、やはり一番確実なのは、実際に日本側が必要とあらば、DNAサンプル、歯型、血液型等と照らし合わせてその遺体が本人であるかどうかを確認することが一番だと思います。従って、その措置を今回とったわけです。当初、誤った情報をくれたといってそれを非難するつもりは、私達にはございません。

(問)確認ですが、堀田医務官が香田さんではないと判定したのは本日正午頃ということですか。

(報道官)正午到着して直ぐ、飛行機の中に入っていったのか、ないしは遺体を診て判定をして、例えば歯の治療痕がないといったようなところまで見た上で連絡して参りました。

(問)繰り返しになるかもしれませんが、連絡が日本側のオペレーションルームにあったのは何時頃ですか。

(報道官)そんなには時間が経っていなかったように思います。正確な時間は定かではありませんが、連絡を受けてから間を置かずに官邸にも報告し、省内でも然るべきところに報告し、どのような扱いをするかが決まり次第、この記者会見を開かせていただきました。ですから、記者会見から遡るとそんなに前の話ではありません。

(問)米国の情報を鵜呑みにするということで話をしますと、今回見つかった遺体がそもそも昨日と同じであったという情報は本当に信頼できるのでしょうか。万が一これが覆って、別の遺体が出てくるという可能性はないのでしょうか。

(報道官)もし本当にそういうことがおきたら、我々としてはまた判定、確認をすべく必要な措置をとりますが、米側は同じであったと結論付けたわけですから、今回のこの件に関する限り、この遺体は香田さんではなかった。従って、我々としては、香田さんはまだ生きている可能性が充分にある、救出のための努力に全力を挙げるということです。

(問)先ほど遺体のマーカーについての質問が出たときに、報道官は、短いやり取りだったのでそのへんの詳細はよく分からないと述べましたが、そんな短いやり取りで、本当に香田さんのものではないとそこまで断言できるのでしょうか。

(報道官)つまり、米側が発見した遺体が実際に飛行機に積まれてクウェートまでやってきて、その遺体を日本の医務官が診て、これは違うと判定したわけです。その間に遺体が別のものと入れ替わったり、もしくは、そうではない遺体が届いたわけではなく、同じ遺体をクウェートに送ったということを米側として確認をしたということですので、それ以上のことは、私達としては今の段階で考えることはできないと思います。

(問)香田さんのお父さんに電話をしたのは何時で、そのときのお父さんの返答あるいは様子はどういうふうでしたか。

(報道官)お父様にご連絡をしたのは、実はそんなに前のことではありません。私がここに入ってくる少し前だと思います。私が報告を受けたところでは、お父様に報告をしたところ、「分かりました」という返事があったということですが、どのようなお気持ちを持たれたかということについては定かではありません。

(問)今回、C-130で運ばれた遺体というのは1体でしたか、それとも複数の遺体が同じC-130で運ばれたのでしょうか。そのへんの情報は。

(報道官)そこのところの情報は持ち合わせておりませんが、医務官が実際に確認したのは、その遺体であったと聞いております。

(問)現地対策本部長である谷川副大臣を一度はドーハに行ってもらうというところまで考えていらっしゃたと思いますけれども、そこまで考えた根拠は。つまり、先ほど検証段階であったとおっしゃいましたけれども、対策本部長にそこまで行ってもらうということは、香田さんである確率がかなり高いとオペレーションルームで判断したのではないかと思いますが、違いますか。

(報道官)現実問題として、もしこの遺体が香田さんだと判定された場合には、直ちに日本への搬送を考えなければいけないと私たちは考えました。その場合、カタールから日本に帰ってくるという飛行機の時間などを考えた結果、実際にもしそうなった場合に備えて、一度は副大臣に移動して頂くことを考えたわけですが、その後、まず搬送の時間が予定された時間には出発しなかったということ、それから別な場所に行く可能性があるという情報がきたこと、つまり情報が確たるもの、最初に言われた程確実性がない、また変わる可能性があるということだったので、実際にカタールに行くのはとりあえずとりやめて頂いて、アンマンに残って現地で指揮を執って頂くことにしたものです。

(問)最初に情報が来たときに、何かやりとりが出来るような状態だったのでしょうか

(報道官)最初の情報はバグダッドの日本大使館に入りました。日本大使館と情報を提供、通報してくれた米側とのやりとりは多少はあったようですが、通信事情が極めて悪かったということを聞いております。したがって、長いやりとりが出来る状態ではなかったということです。

(問)つまりその時点で年齢はそうですか、着衣の色はどうですかといったようなやりとりは、聞けるような感じだったのでしょうか

(報道官)私自身がそこまで細かい事は承知しておりませんが、バグダッドの鈴木大使からの連絡は、米側からの連絡として、香田さんの身体的特徴にいくつか重なる部分がある遺体が見つかったということで、それを米側としてはカタールに運びだそうとと考えている、それでいいだろうかという連絡でしたので、協議した結果、それでやって下さいということにしたわけです。

(問)米軍から連絡はどういう手段だったのでしょうか、電話でしょうか。

(報道官)電話でと聞いております。

(問)そもそも身体的特徴を米側に伝える場合、これは本省から伝えたのでしょうか。

(報道官)その辺の情報のやりとりはあまり細かくは申し上げられませんが、必要な情報は必要なところに伝えてあります。

(問)その情報が米側に不十分に伝わったという可能性はないのでしょうか。

(報道官)不十分に伝わったということはないと思います。その情報が伝わっていたからこそ、米側から日本側に連絡があって、確認をすることができたということです。

(問) おっしゃる意味はわかるのですが、その情報が正確に伝わっていれば、その情報と遺体を照らし合わせた時に、明らかに違うという判断になるのじゃないかと思うのですが、それは情報の徹底がなかったのか、それとも伝わっていなかったということが不思議なのですが。

(報道官)先程の会見で申し上げたように、遺体の顔の部分の損傷がかなりひどかったということがいくつかあったようです。細かい点は申し上げるのを控えますが、そうした点を加味しながら考えると、米側としてこの遺体が手配のあったものに似ている点があるということで連絡してきたわけですので、その連絡してくれたことそれ自体は私は多としたいと考えています。

(問)今日未明からの一連の情報の確認をしているという経過の中で、それに対する犯人グループもしくはイラク国内からの何らかのリアクションはありましたか。

(報道官)特にこの情報があったからというわけではありませんが、私たちは当初から犯行声明がインターネットのウェブサイトその他、犯行グループが様々なかたちで自分たちのメッセージを伝えてくるもの、また、その他ありとあらゆる考えられる場所で犯行グループが何らかの声明を出したり、我々に情報を伝えることがあると思って、目をみはっている訳ですが、今のところ全くありません。したがって犯人の居場所に直接結びつくような情報は手にしておりません。

(問)先程入った情報では、後頭部に銃痕など確認されたのでしょうか。

(報道官)私が承知してる範囲内では、今回の遺体には後頭部に銃痕があるということです。

(問)身体のどの部分なんですか。

(報道官)頭と胸にあったようです。

(問)一発づつですか。

(報道官)ふたつと聞いておりますが、それはほんの短い情報ですので、具体的なことはよくわかりません。

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報道官会見記録 (平成16年10月30日(土)15:45~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)イラク邦人人質事件に関し一点報告することが生じましたので会見を開きます。先ほど官邸で官房長官からも発言がありましたが、日本時間の正午頃、現地時間では午前6時頃ですが、イラクからクウェートに搬送しているC-130型の輸送機が到着しました。この遺体をクウェートの堀田圭一医務官が確認したところ、総合的に判断してこの遺体は日本人のものではないことがほぼ確認できたという報告が入ってきました。従って私達としては、この遺体は香田氏のものではないと判断しています。しかし、この運ばれて来た遺体が、バラドで見つかった香田氏の体の特徴にいくつか似ている点がある遺体として連絡があったものと同じものであるのかどうかということは、クウェートでははっきりしませんので、私達としてはこの遺体が同一の ものであるかどうかを確認しているところです。いずれにしても、私達は香田氏の無事な救出、つまりまだ安否が確認されたわけではありませんので、私達はまだ生存していると信じて、香田氏の無事な救出に向けて現在全力を挙げ、情報収集や分析、更に関係国や関係機関、団体との連絡調整を進めています。一刻も早く香田氏が無事に救出されるよう努力をしているところです。現在報告できるのは以上の点です。

(問)総合的に見て日本人のものではないということですが、どういった点が具体的に挙げられるのでしょうか。

(報道官)堀田医務官からの報告ですが、まずこの遺体を最初に見た時に、服装がアラブ風で一見日本人風ではないという印象。顔はかなり損壊していてはっきりしないのだけれども顎髭があったこと。身長が175センチから180センチぐらいのかなり背の高い人物で50歳ぐらい。太り気味で禿げている、禿頭であるということ。更に死後1週間位経過しているのではないか、また歯の治療箇所がないということもわかったこと。従って、そういうことを総合して日本人ではなく、ましてや香田氏ではないと思われるという報告をしてきました。

(問)先ほど述べられた「同一の遺体かどうか確認する」というのはどういうことでしょうか。

(報道官)私達は今朝から米軍がイラクのバラドという所で日本人らしい遺体を発見し、この遺体の身長、体重、後頭部の頭髪の生え方、その辺を巡って香田氏の特徴と一致する部分があるという連絡を受けていました。この遺体を米軍は当初カタールに運ぶと言っていたのですが、その予定が変わってクウェートに運ぶ可能性があるということは聞いていたのですが、この遺体と同一のものを意味していたのか、それともまだ他にあるのかということははっきりしていません。

(問)米国側とは緊密な調整を続けてこられたわけですが、違う遺体が搬送された可能性があるということですか。

(報道官)いえ、違う遺体ということではなく、更にまだあるのかもしれないが、その辺はわからないということです。従って、我々としてはこの遺体が米国側が言っていたものであれば、最初に見た時と医務官がきちんと見たのでは様子が違うということ、違っていたと判定ができるわけです。もしこの遺体が別人の遺体であるとしたら、更に待たなければいけないということになろうかと思いますので、米国側に問い合わせをしているということです。

(問)バラドで見つかった遺体については、身長、体重が似ている、あるいは一致するという話があったはずですが、この遺体と身長、体重は似ているのですか。

(報道官)少なくとも私達が報告を受けた感じからすると、どうも印象が違うようです。医務官も最初に見て日本人ではないように見えたというあたりから、違うという第一印象でした。更に詳しく見て、「これは違う」という報告がきているわけです。従って、これが最初に我々が連絡を受けた遺体を意味しているのかどうかは更に詳しく問い合わせをしないとわからないので、今問い合わせ中ということです。

(問)香田氏の身長と体重はどのくらいなのでしょうか。

(報道官)私は具体的な数字は持ち合わせていません。

(問)米国が取り違えている可能性があるということですか。

(報道官)別に取り違えたということではなく、クウェートに遺体が運ばれてきたので、クウェートの日本大使館としては、イラクからクウェートに運ばれてきた遺体については米軍と打ち合わせをした上で、医務官が確認をするという作業を行ったということです。作業を行ったということ、またクウェートに遺体が着いたということを日本の報道陣の方々が取材をされたようで、国内で「香田氏と確認された」という号外が出たようなことも私達の耳に届いていることから、少なくとも日本大使館の医務官が確認をした遺体は香田氏ではないという判断を下したということを、できるだけ早くお伝えしようと思い、この記者会見を開催したわけです。

(問)医務官が向かうにあたっては、米国側から「これが最初に言っていた遺体です」と。

(報道官)そうではなくて、イラクから遺体を積んだC-130が正午頃くるということで、待機をしていて、見たということです。

(問)バラドの遺体が今どこにあるのかについて、情報はどこまで把握できているのですか。

(報道官)この遺体がそうなのか、まだ他にあるのかということについて、きちんとした情報がまだ我々のところに届いていない可能性があるものですから、もしこれがそうであるのであれば、少なくともこの遺体と香田氏の関係は全くなくなるということになります。もしもう一体運ばれてくるのであれば、それも確認しなければならないということです。

(問)今のところ、もう一体運ばれてくる情報はあるのですか。

(報道官)今はありません。私達はそういう情報は承知していません。従って、米国側に対してこれで終わりなのかということを聞いているわけです。

(問)今日未明に香田氏らしき遺体が見つかったということで、それ以降、犯人グループとの接触など、オペレーションの状況はどうなったのでしょうか。

(報道官)先ほど述べたように、この遺体が香田氏である、もしくは米国側から連絡があった遺体が香田氏のものであるという確証を我々は全く持っておらず、その可能性はあるのかもしれないということで、これについても調べていましたが、それ以外に先ほど述べたように、情報の収集、分析、それから関係国、関係機関、更に関係団体との連絡調整をずっと続けています。我々としては香田氏がまだ生きており、人質になっている。これを解放させるよう犯人側に何らかの形でコンタクトを取りたい、また、どこでどういう風にしているのかを早く突き止めたいということで、鋭意、努力をしているところです。

(問)この遺体の頭部には銃で撃たれた痕跡が残っているのかどうか、それから豪打されたような跡は残っているのでしょうか。

(報道官)顔の損壊が激しいという表現で医務官から報告が来ています。それ以外については報告はありません。

(問)銃痕があったかどうかについては。

(報道官)私は承知していません。

(問)C-130には他にも遺体が乗っていたのですか。

(報道官)この遺体を積んできたと聞いています。

(問)遺体は一体ですか。

(報道官)そこまではわかりません。

(問)11:30の記者会見で、午前9時現在で飛び立ったという情報が得られていないと発言されていますが、クウェートの国際空港に医務官が待ちかまえていたというのは、11:30以降に連絡が入ったのですか。

(報道官)日本時間の午前9時現在では、飛び立ったという確認はとれていませんでした。その後、クウェートの日本大使館に正午近くに1機着くからという連絡があり、待ちかまえていたということです。

(問)それは何時頃でしょうか。

(報道官)連絡があった時刻は承知していません。

(問)1機着くからというのは、C-130で、当該の遺体を搭載しているという米軍からの連絡だったのですか。

(報道官)正確な表現はわかりませんが、イラクから遺体を搭載したC-130が直陸をするという連絡があっと聞いています。当該の遺体という表現があったということは聞いていません。

(問)米軍からそれらしい遺体を発見したという情報を得てから、正午頃に着くからという連絡をもらうまでの間、米軍からの何らかの連絡はなかったのですか。

(報道官)最初は、カタールに運ぶ方向で動いているとの話があり、我々もそれに向けて、例えばクウェートの医務官をカタールに派遣すべく準備をさせていましたが、その予定が変わってきたので、そこで待機をさせていました。待機をさせていたところ、遺体を搭載したC-130がクウェートに来るからという連絡があったので、空港、ムバラクという基地ですが、その基地に行き、遺体を確認したということです。

(問)そうすると、途中で取り違えたり、別の遺体が来たりする可能性が余りないような気がするのですが。

(報道官)状況がどのようになっているのか定かではありませんが、イラクから遺体を積んだ輸送機がクウェートまで来て、クウェートで積み替えて、ドイツ経由で米国に向かうのはほぼ連日行われているたびたびのオペレーションと聞いています。

(問)米側には、最初に発見したときの遺体の写真はないのですか。

(報道官)承知していません。

(問)ご家族への連絡はどうですか。

(報道官)こういうことだということで、もちろんしております。

(問)いつ頃されたのですか。

(報道官)この情報が入ってきて、医務官からの報告で、イラクから運ばれてきたこの遺体については香田氏ではないということが判断されるということを伝えています。

(問)医務官からの連絡は何時頃ですか。

(報道官)そんなに昔の話ではありません。先ほどです。

(問)米側に対しては、今、どのように呼びかけをしているのですか。

(報道官)様々なルートを通じて米国側に対して、遺体については確認をしたがこれはそうではなかった。これが当初我々が受けていたバラドの遺体であるのかどうか。そこのところの確認をもう一度して欲しいと言っているところです。

(問)米国側はいくつか遺体があると言っているのですか。

(報道官)別にいくつあるという話ではなくて、先ほど述べたようにこうした遺体搬送のオペレーションというのは度々行われていることと聞いていますから、遺体がこれに限るということではないと思います。

(問)米軍側には、最初に連絡があった遺体とされるものの写真、指紋、歯形などを電送するという要請をしているのでしょうか。

(報道官)私達の方では、今のところ写真については受け取っているという話はありません。遺体を確認すべくやっていますけれども、米国側としても最初に発見した場所、それからイラク国内でそのような作業をするのは大変難しいので搬出するということで、今までいろいろな作業をしたり、準備をしてきたわけです。いずれにせよ、イラクの国内ではなくてクウェートに運び出し、更に米国側の通常の手続きだとドイツ経由で米国本土まで運んで、そこで判定をするのが通常のオペレーションと聞いています。従って、我々としては出来るだけ早く知りたいので、クウェートに着いた段階で出来るだけ早く見せてもらったということです。

(問)イラク国内にいる間にそういう資料を提供するようにという要請はしていないということですか。

(報道官)少なくとも今まで先方からは、提供できる情報はほとんど提供してもらっているものと私は承知しています。

(問)外務省内で対策会議などは今後行われるのですか。

(報道官)今、この情報が得られて、然るべき幹部の者がその情報の取り扱いについて、また今後の対応について、打ち合わせをしました。適宜、打ち合わせができるように、対策本部そのものは24時間体制で動いており、幹部も省内にいます。

(問)医務官が確認する遺体は今の段階ではないということですか。

(報道官)我々が関係する可能性のある遺体としてクウェートに出てきた遺体は、この遺体だと思っています。従って、これについては確認をしたけれども違っていた。これがバラドで見つかった遺体と同じであるかどうかということを、再度、念のため確認をしているというところです。

(問)医務官の名前の漢字を教えてください。

(報道官)堀田圭一医務官。お堀の「堀」に、田んぼの「田」、土が二つの「圭」に、横一本の「一」です。

(問)これまでいささか状況が混乱していると思うのですが、米国側との交渉について、やり取りは十分だと思いますか。また、どういうレベルでやり取りをこれまでしてきたのでしょうか。

(報道官)冒頭で述べたように、この連絡は一番最初にはバグダッドの日本大使館に米国側から入ってきた情報でした。その後、様々なレベルで米国側と打ち合わせをして、そのために普段であれば大変時間のかかるはずの連絡が大変スムーズに行って、少なくとも見つかった遺体をできるだけ早くイラク国外に搬出するということを米国側に要請し、米国側もそのようにやっているわけです。米国側も我々も努力をしている。その意味では、出来る限りのことを双方がやっているし、米国側がやってくれていると思っています。まだ現在進行形で動いている話ですから、今の段階でこれはどうなっているのかと問い合わせをしながらやっている最中です。少なくとも、これがそうかもしれないと私達が思っていた連絡を受けていたものについては違う。従って 、違っていた遺体が間違いなく、香田氏と思われていた遺体であるのかどうか、念のため確認をしているところです。

(問)米軍の遺体搬送のオペレーションというのは、今日これからまだ行われる可能性はあるのでしょうか。

(報道官)詳しいことは承知していません。ただ先ほど述べたように、頻繁に行われているオペレーションだと聞いています。

(問)オペレーションで運ばれるのは、米兵でなくても、いろいろな方々がそういう風に運ばれるのですか。

(報道官)少なくとも米国人ではないということが確認されたもの以外は運ばれる可能性があると聞いています。

(問)今回、クウェートに運ばれてきた遺体というのは、後ろから頭を銃で撃たれた銃創、2発分の傷はあったのですか。

(報道官)その銃痕については報告を受けておりません。医師からの報告でもその点については触れておりません。顔の損壊が激しいということです。

(問)クウェートに輸送するオペレーションがよくあるということは、逆に当初言われていたカタールへの輸送は、かなり例外的なオペレーションだったということか。

(報道官)バクダッドの日本大使館に最初に入ってきた報告、米側からの連絡は、カタールのドーハに運ぶから、ということでした。カタールのドーハには米の基地があり、それなりのオペレーションができる体制になっていると聞いています。従って、なぜドーハからクウェートにかわったのか、そのあたりのことは詳らかではありませんが、米国のオペレーションの都合でそうなったのではないかと考えています。

(問)現時点で米国側のなんらかの手違いであった可能性もあるということは、政府としては考えているのでしょうか。

(報道官)手違いであったかどうかというようなことを考えたりはしておりませんが、今、実際に複雑なオペレーションが行われているなかで、その時々で様子がどんどん変わっていくことは当然ありうることだろうと思います。出発の予定時間も、当初言われていたものよりは大幅に遅くなっているので、なんらかのオペレーション上の都合があったのではないかといわれています。

(問)搬送場所について日本側からクウェートかカタールかというリクエストは出したのか。

(報道官)いいえ。カタールのドーハに送っていいかという問い合わせがあったので、よろしくお願いする、ドーハで我々も遺体を確認したいから、と言ったのが最初です。

(問)プライバシーに係わることかもしれませんが、香田氏の後頭部の特徴というのはどういうものであって、その特徴と今回医務官が診た遺体の後頭部は間違いうるような状況だったということか。

(報道官)医務官からの報告では、遺体は禿げた頭ということです。

(問)それは間違いうるようなことなのか。

(報道官)つまり、髪の毛のない頭であったということです。

(問)髪の毛のない頭であるとか、服装、あごひげがあるとか、これはそもそも全然違うように思われるのですが、医務官が診るまではそういった情報は入っていなかったのでしょうか。

(報道官)どのような遺体が運びだされたかということについては、私達は承知しておりませんが、イラクから今日クウェートに向かって運び出された遺体の一体がこれであるというこは承知しておりましたので、確認に行ったということです。

(問)その医務官は、それを見たときに始めてそういう特徴を知ったということでよろしいでしょうか。服装はアラブ風なんだなとか。

(報道官)どういう特徴がある遺体が積み込まれたかについては、連絡は受けておりません。

(問)これから何らかの遺体を医務官がチェックする予定は。

(報道官)少なくとも、この遺体についてはもうこれで充分であろうとのことですので、後はむしろ我々やバクダッドの日本大使館が米国側と連絡をとって、同一の人間であったのかということを確かめるということです。もしこれはそうでなかったということであれば、そうであったと思われるものがいつ運び出されるのかということです。

(問)香田氏の身体的特徴を米側に連絡していたというのは、バクダッドにある日本大使館なのでしょうか。その際、今回みつかった遺体の禿げというのは、おそらく英語ではボールドということになると思うんですけど、香田氏の場合はそういうわけではないですよね。そのやりとりはどういうふうにやられたのでしょうか。

(報道官)推測でしかお答えできませんので、この段階で返事をすることはできませんが、少なくとも、今日イラクからクウェートに運び出された遺体ということで、しかも例えば、身体的な特徴で全くこれが違うというものではないので、連絡がきたのではないかと思います。

(問)そうすると、特徴が似ているという遺体は行方が分からなくなっている、確認ができないということでしょうか。

(報道官)行方が分からなくなっているということではないと思います。連絡上のどこかで、たまたま書類上というか情報の上では、今はっきりとしたことがつかめていないということかもしれません。これは確認をしてみなければわかりません。もしこれがそうであったとしたら、それはもうこれ以上のことを考える必要は無くなるということです。

(問)米国側から特徴が似ているという連絡があったときに、具体的にはどういった点で似ているので、これを香田氏ではないかと思ったのですか。

(報道官)早朝に申し上げましたけれども、身長、体重、後頭部の髪の毛のない部分ということです。

(問)年齢をみると、50代と20代、明らかに違うと思うんですけど、そのへんは判断できなかったのですか。

(報道官)従って、今、この遺体が当初連絡を受けた遺体と同一のものであるかどうかということについて念のため確認しています。

(問)米政府は、米側が同一のものであるといっているのか。

(報道官)いろいろなところから連絡を受けながら、しかもこれは基本的には航空機による遺体の輸送という部分のオペレーションについて我々は連絡を受けているわけで、乗っている遺体がいちいちこの場所ではこういう特徴のある遺体、この場所ではこういう特徴のある遺体、というような連絡ではありません。従って、どこかで、別な遺体のことを言うようになっているのかもしれません。そういうことは無いと思いますが、その辺について、従って、これは違っていたと、もう他にはないんだね、ということを米側に念のため問い合わせているということです。もしこれが違うと判断されるということであれば、今朝方からいっている遺体の話と、香田氏の人質事件とは結びつかないということになるので、そこのところを確認したいと思っているわけ です。

(問)身長、体重、頭髪以外に、香田氏の特徴について日本側から米側に示したポイントは他にはあるのでしょうか。

(報道官)先ほど申し上げた三つの点については、米側も承知して判断してくれたことです。それ以外のことについては、私のほうから申し上げることはございません。

(問)この場でなくいいんですけど、差し支えないと思うんで、香田氏の身長と体重を調べて教えてもらえないでしょうか。175から180ですよね。香田氏がどのくらいだったかというほうが、最初の照合があっていたのかどうかという判断材料になるとおもうんですけれども。

(報道官)香田氏ご自身のプライバシーに係わる部分でございますので、私達のほうから申し上げるということは控えさせていただきたいと思います。

(問)最初に米国側から連絡があったときに、その遺体の着衣とか身長とかいうものは通常聞くものだと思うんですが、その確認はされていないんですか。

(報道官)日本人である可能性がある特徴がある遺体という連絡はあったようですが、なにしろ、限られたスペース、通信手段の中での連絡ですので、まず、そういう連絡であるということを承知しながら、更にその遺体を我々が確認する手段を早く見つけたいということで動いてきました。

(問)確認ですが、今ありうる可能性としては、そもそも間違った遺体が運ばれてきた可能性、運ばれてきているが、間違った人、別の遺体を確認したという可能性、そもそもちゃんと運んできたけれども違っていたという可能性の3つだと思うんですけど、それでいいのでしょうか。

(報道官)おっしゃるとおりだと思いますが、私達としては、運ばれてきた遺体が香田氏のものではなかったということを確認した。従って、まだ香田氏は生きている可能性が充分ある、人質になっているので救出のために全力を挙げるということです。もし、他に香田氏である可能性がある遺体があるとしたら、それは同じように確認をする、それを今直ぐにできることなのか、つまり、そういう可能性のあるものが今どこかに存在しているのかしていないのか、それを今確かめているということです。

(問)念のためと何度かおっしゃっていますが、恐らく間違いはないだろうが、という前提の上でやっていらっしゃる。

(報道官)正に念のためです。

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報道官会見記録 (平成16年10月30日(土)11:33~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)先ほど10時50分から約25分間、8回目の緊急対策本部の会議が開かれました。その中で行われた現状についての報告を説明致します。現地時間29日午後、日本時間で30日未明になりますが、イラクの日本大使館に対し、米側からバラドにおいて遺体を発見した、その遺体は香田証生氏の身体の特徴に一致する部分がある、という連絡が入りました。このことはご説明した通りです。この関連で、当初の米側からの連絡では、現地時間の29日21時、日本時間で30日午前3時発で、カタールにこの遺体を搬送するということで、然るべく準備を進めておりましたが、日本時間30日午前9時現在、私達は出発したとの確認は取れておりません。その後、米側から搬送地についてクウェートにする可能性があるなどの追加情報も入りつつあります。そこで政府といたしましては、現在米側との間で連絡調整を行い、鋭意事実確認を進めているところです。いずれにしても、今後、具体的な情報などが確認された時には、速やかにお伝えすることにいたしたいと思います。私の方からは以上です。

(問)遺体の搬送先をクウェートに変更するかもしれないという理由について先方は何と言ってきているのでしょうか。

(報道官)今のところ理由は聞いていませんが、米国側からそういう可能性があると報告を受けているところであり、我々もそれに向けて然るべき準備をしているところです。

(問)遺体の損傷状況や銃撃の跡などについて新しく判明した点はありますか。

(報道官)遺体の状況、その他についての情報は持ち合わせていません。

(問)現地は間もなく夜が明けるかと思うのですが、夜が明けてから行動するのでしょうか。それとも今すぐ行動するということなのでしょうか。

(報道官)特に夜明けとの関係においてどうという情報には接していません。米国側が米国側のオペレーションとして行うということであろうと思います。

(問)ご家族はどうされるのですか。

(報道官)ご家族には現在こうした状況について適宜報告しています。今のところ、家族の方からこれに伴ってどのようにするという話はありません。

(問)クウェートになった場合の遺体の身元確認はどういう段取りになるのでしょうか。

(報道官)クウェートに行くのであればクウェートでということで準備を進めています。

(問)クウェートには日本大使館の医務官はおられるのでしょうか。

(報道官)先ほど申し上げたように、カタールの場合にはクウェートの大使館の医務官が行くことになっていましたが、その医務官がクウェートで行うということになると思います。いずれにせよクウェートに行くという確たる情報に接しているわけではなく、今、米国側と調整しているところです。

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報道官会見記録 (平成16年10月30日(土)4:00~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)香田証生氏に関し新たな情報が入りましたのでお伝えいたします。現地時間で29日の午後、日本時間で今日の未明になりますが、バグダッドの日本大使館に対し、イラクに駐留する米軍から、バグダッドとティクリートの中間に位置するバラドという場所で日本人らしい遺体が発見された、この遺体は日本側から米軍にかねてから伝えていた香田氏の体の特徴に一致する部分があるという連絡がありました。米側としては、更なる調査をおこなう為にこの遺体をカタールの首都ドーハに運ぶということです。現在、政府としては米側と連携しつつ全力で事実確認を進めているところです。この関連で、香田氏のご家族には既に外務省の方から2時半の段階でこういう情報があるということを連絡してあります。また、小泉総理大臣に対しては、町村外務大臣から我々が受けている報告の内容について電話連絡をしたところです。この遺体の確認のために、ドーハでは、カタールの日本大使館員が遺体の到着を待ち受けることになっており、また、クウェートの日本大使館から医務官がドーハに向かうことになっております。更に、アンマンの現地対策本部に滞在している谷川副大臣一行も可及的速やかにドーハに向かうことになっております。このバラドという場所は、バクダッドとチクリットの丁度中間点のあたりか、もう少しバクダットよりのところです。私のほうからの報告は以上です。

(問)どのような状況で遺体は発見されたのですか。

(報道官)どのような状態で、いつ発見されたかといった情報については、まだ米軍から詳しいことが入ってきていません。

(問)遺体の身体的特徴、銃撃の跡とかは詳しくわかっているのですか。

(報道官)銃撃の跡等の報告はないが、身長、体重、また、後頭部の特徴が似ているといったいくつかの点を勘案して、この遺体は香田氏である可能性があると米軍が判断しました。しかしその情報だけでは確認できているわけではありません。この遺体が本当に香田氏であるかどうかということを確認するためにドーハに運んでいるわけです。ドーハでは、先程も述べたように日本側の医務官も加わって確認をすることになります。従って、今の段階でこの遺体が実際に香田氏であるかどうかは、我々として判断する材料を持ち合わせていません。可能性があるということです。

(問)ホームページでは香田氏は首を切られると述べていたが、そういう状態で発見されたというわけではないのですか。

(報道官)私たちが承知しているところでは、この遺体は頭の後ろにある特徴、禿ですが、その特徴が一致するということであり、首が切られているといったようなことではないと考えています。

(問)身元を示すパスポートその他の所持品はないのですか。

(報道官)そのような情報はありません。

(問)死因は何であったと考えられるのですか。

(報道官)わかりません。

(問)犯人グループその他から、犯行声明はあるのでしょうか。

(報道官)私達の方で犯行声明が出たインターネットのホームページ、ウェブサイトなどを確認していますが、今までのところ犯行グループから何らかの形の情報の公表があったというものには接していません。

(問)日本人を特定する部分として、後頭部の頭髪の部分以外に何かあるのですか。

(報道官)私が今承知しているのは、身長、体重、後頭部の禿げている部分が一致するといったことですが、きわめて限られた情報ですので、これを更に確認するためにドーハに搬送しているということです。

(問)外傷はあるのですか。

(報道官)それについてはまだ情報を得ていません。

(問)衣服についてはどうですか。

(報道官)わかりません。

(問)ドーハの到着は何時頃の予定でしょうか。

(報道官)もうそろそろ到着しても不思議ではない時間かと思います。日本時間で4時から5時頃につくのではないかという情報です。

(問)ドーハには外務省関係者は派遣されるのですか。

(報道官)先程述べたように、ドーハでカタールの日本大使館の館員がこの遺体を待ち受けるということになっています。

(問)家族には東京に向かうとか、現地に向かうとかの動きはあるのですか。

(報道官)家族には報告を致しましたが、その段階ではそうしたことについては何の話もありませんでした。

(問)遺体はバラドから直接搬送されたのでしょうか

(報道官)ティクリットにいったん収められて、ティクリットから飛行機でドーハに向かうということです。

(問)米軍機ということでしょうか

(報道官)そうです。

(問)出発は何時頃だったのでしょうか

(報道官)今から約1時間位前に出発する予定と聞いていますが、実際ティクリットから予定通りに飛び立っているかどうかについてはまだ報告は入っておりません。

(問)発見したのは米軍なんでしょうか

(報道官)その点についてもわかりませんが、回収したのは米軍であるという予備的な情報が入っております。

(問)発見した時間とバグダットの大使館に連絡が入った時間はどのくらいなのでしょうか。

(報道官)先程も述べたように、身体的な特徴に一致する部分があるという情報が入って来たのは、今日の日本時間の未明です。米軍がいつ遺体を発見したのかについては定かな情報はありません。

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報道官会見記録 (平成16年10月29日(金)19:00~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)本日午後6時10分からおよそ30分間、7回目のイラク邦人人質事件緊急対策本部会合が開かれました。その概要について報告します。まず、会議の冒頭で、アンマンの現地対策本部に行っている谷川副大臣から電話が入り、町村外務大臣とおよそ5分間、情勢の意見交換が行われました。この中で、谷川副大臣はアンマンで実際にどのような活動をしているかを報告されました。例えば、ヨルダンの情報関係機関との意見交換、またヨルダン政府との意見交換。更に一部のテレビ報道でも出ていましたが、市内のこの事件に関係する箇所の視察などを行ったという報告がありました。谷川副大臣からも話がありましたが、本日午前中に一部の海外の通信社から流れた情報、つまりバグダッドから北に300キロ程行ったティクリートの近くでアジア人のような特徴を持った遺体が見つかったという情報について、アンマンの現地対策本部でも現在調査中という報告がありました。それとは別に本省の方には、イラクの日本大使館などから、イラク政府からの情報としてこの遺体は香田氏である可能性は低いという情報が入っている。しかし、更なる確認をするためにイラク政府では現地に担当者を赴かせるなどの方法によって確認を取った上で、再度連絡をしてもらうことになっているという情報が入っています。別な報道機関の報道でも、違う可能性が強いという情報が来ています。私達としてはまだ最終確認には至っていないものの、香田氏はこの遺体とは関係なくまだ生存していると考えて、救出に全力を挙げるという当初の方針通り作業を進めていくことに変わりはありません。また本日、東京に駐在しているアラブの外交団が外務省を訪れ、河合政務官と面会されました。この中で在京のアラブ諸国の外交団は、この事件を断固非難し、日本と強い連帯感をもって事件の解決に協力していくという意思表明をされました。今週末にかけての緊急対策本部の体制ですが、引き続き24時間体制でオペレーションルームを維持し、緊急対策本部の作業を続けていきます。本部の会合は、土曜日と日曜日は午前10時に開き、夕方については幹部の打ち合わせは行うが、必要な場合には本部長である大臣も含めて出席を願うこともあり得るということにしました。また、月曜日は通常通り午前7時からの緊急対策本部会合を開くことにしました。以上が本日の会合の内容です。

(問)香田氏の可能性が低いということですがその根拠は何ですか。

(報道官)具体的な内容についてはまだ報告が入ってきていません。イラク政府の担当者が病院から得た情報として、違うのではないかとみているという報告です。先程申し上げたように、イラクの保健省では担当者をティクリートの病院に派遣し、更に詳しく調べた上で最終的な結果を日本大使館に連絡するということですので、最終確認を待ちたいと思います。そうした情報を含めて、私達としては可能性は低いのではないかとみているということです。

(問)例えば身体的特徴なのですか。

(報道官)いろいろなことをかみ合わせて、そのような当面の結論を得ているのだろうと思いますが、あまり詳しいことについては今の段階で申し上げる材料は持ち合わせていません。

(問)保健省の担当者が現地に着く大体の目途というのは。

(報道官)具体的な時間については何も連絡が入っていません。

(問)香田氏の安否に関わるような情報というのはどのような状況ですか。

(報道官)香田氏が今どこでどうしているかということに直接結び付く、あるいは救出に結び付くような情報には残念ながらまだ接していません。ただ繰り返しになりますが、我々が協力を要請しているいろいろな国の政府、またそうした情報を持っている機関、更にいろいろな組織との間で情報のやり取りをしています。我々としては、そうした各国からの情報は大変参考になったり、役に立つものが多いので感謝しています。

(問)とりあえず「48時間」という時間が過ぎたのですが、長期化する見通しなどはどうでしょうか。

(報道官)私達は長期化するのか、それとも短期で解決するのか予断を持つことなく、一刻も早く救出をしたいと思っています。今見通しを立てられるような状態ではないというのが基本的な考え方です。その「48時間」というのは、48時間以内に撤退をしろという言葉が犯人側の要求にありましたが、最初の犯行声明の後、犯人側からは少なくとも対外的に、例えば第二の声明が出るといったようなことはないので、我々としてはまずこの犯人がどこで何をしているどんなグループなのかを突き止めること、また香田氏がどこでどうしているのか、何とか救出に結び付くような情報がないかといろいろ手を尽くしているところです。

(問)犯人側の動きがないこと以外に、生存を示唆するような情報には接しているのですか。

(報道官)我々は生存していると確信して動いているわけですが、逆にそれを否定するような情報は全く持ち合わせていません。

(問)香田氏の家族が福岡に帰られたようですが、帰る前に何か外務省に対して接触はあったのですか。

(報道官)私達の方にメッセージが入り、外務省に行って礼を言いたいのだが、大変に疲れているので、今回は外務省には寄らずに福岡に帰るという話でした。私自身、昨日、到着の時から暫くご一緒して、まさにお疲れであるということを承知していますので、その間の事情は非常によくわかる感じがしています。

(問)香田氏本人の可能性が低いという話は、家族にはいつ頃どういう形で連絡されましたか。

(報道官)いつどういう形でということは承知していませんが、最初にティクリートでアジア人の特徴を持った遺体が見つかったようだという通信社の報道があったこと、そして香田氏である可能性は低いという情報がイラク政府からもたらされているといったことは適宜報告しています。

(問)家族の方から何か反応はありましたか。

(報道官)特に聞いていません。

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報道官会見記録 (平成16年10月29日(金)7:38~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)本日午前7時10分から30分まで6回目のイラク邦人人質事件の緊急対策本部の会議を行いました。この会議では、昨夜から今朝にかけての動きが報告されましたが、特にアンマンに行かれている谷川副大臣がヨルダンの国王はじめ何人かの方々と会われた結果についての報告。更に、昨夜、香田氏の母親と兄が東京に出てこられ、外務省も支援し、アル・ジャジーラに出演されて直接ご家族の生の声で犯人達に対して香田氏の解放を求める発言をされたという報告。更に、町村外務大臣自身もアル・ジャジーラの電話インタビューに応じて香田氏の解放を呼びかけたという一連の動きについての報告がありました。インターネットで香田氏の拉致、人質、殺害予告という我々としては受け入れられない犯人側のメッセージが掲載されてから既に4 8時間が経過していますので、私達としては緊張感を持って出来る限りの情報収集、また救出に繋がって欲しいとの思いで、様々な情報の分析、関係各国への働きかけ等、いろいろなことを試みている最中です。時間が経つにつれていろいろな情報が集まってきています。例えば昨日ここで言及した、場合によると24日に香田さんがバグダッドからアンマンに戻ろうとしていたのではないかという話は、今朝一部の報道でも伝えられているように、その日付は23日だったかもしれないといったようないろいろな情報が集まってきています。そうした点も含めて、今、情報の収集と分析を急いでいるところです。我々としては48時間が経過したということも含めて、48時間というのは犯人達が勝手に言っている要求ですが、今後例えば犯人側がインターネットのサイトにどのような情報を載せようとするのかも含めて、注目しながら見守っているところです。外務省としては、本日午後6時に次の緊急対策本部の会議を開催することを決め、今現在、官邸の方では政府の会議が開かれています。外務省の会合は20分で終わりました。私からは以上です。

(問)所在については今もわかっていないということですか。あるいは有力な情報はないということですか。

(報道官)残念ながらまだ香田さんの無事な救出に繋がるような情報を私達は手にしていません。香田さんが今どこにどうしているのかについても情報は得られていませんが、それに結びつくような情報を得るべく努力をしているところです。

(問)安否に関する情報は何かありますでしょうか。

(報道官)今のところ、香田さんが今どこでどうしているかを私達は承知していません。

(問)23日にバグダッドからアンマンに出ようとしていたのかもしれないということですか、23日のどういう状況を把握されているのですか。

(報道官)バスに乗ろうとされたのではないかという情報がありますけれども、23日という話、先ほども申し上げましたがもしかすると24日かもしれないという話、いろいろな話があって確たるところはまだわかりません。鋭意、できるだけ情報を集めて香田さんがバグダッドに21日に入られたと思われるのですが、それからの足取りをなんとか見つけ出したいと考えて、情報収集にあたっているところです。

(問)23日は目撃情報があったのですか。

(報道官)詳しいところまでは私も十分承知していませんが、香田さんがバスに乗ろうとされたという類の情報です。

(問)ご家族が町村大臣と会う予定などは決まっていますか。

(報道官)昨日お目にかかった段階では長旅で大変お疲れということ、夜も遅いということで、アル・ジャジーラに案内した後は民放に出演されてそのままホテルに入られたと伺っています。今日どのような予定を組まれるのかは、決まり次第私達の方にも連絡が入ると思いますが、今は、例えば外務省に来られるのかどうかも含めてまだ私達は聞いていません。

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報道官会見記録 (平成16年10月28日(木)18:30~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)記者会見に先立ち、日程の変更等がありましたので説明しておきます。本日、外務大臣は懇談を行う予定となっていましたが、会議が長引いた結果、次の日程に間に合わなくなり、先ずは次の日程に向かいました。夜遅くに戻ってきますので、戻ってきた後、時間を見つけて懇談をすると言い残し出発されました。そのようにご了承願います。更に7時頃に予定していました私の記者会見が遅れ、申し訳ありませんでした。
 今夜6時過ぎから1時間余りにわたり行われた5回目のイラク邦人人質事件対策本部会議の内容について報告します。冒頭、町村大臣とアンマンに到着した谷川副大臣との間で電話のやり取りがありました。谷川副大臣より、アンマンに無事到着し既に活動を始めていること、現地対策本部を正式に立ち上げ、鈴木駐イラク大使、堀江駐カタール大使などと連絡をとっているほか、現地情勢についての報告を大使館員から受けたということです。その中で谷川副大臣からは、特に鈴木大使に対しては安全に留意しつつ情報収集にあたるようにとの指示を与えたとの報告がありました。町村大臣の方からは、今後とも情勢分析、情報収集をよろしくお願いする、現場における指揮をよろしくと述べられました。(アンマンにおいて)いろいろな予定が入っているようですが、予定が実際に実行されたかどうかについては後刻報告があるということです。その報告を基に現地及び東京で皆様に適宜報告することにしたいと思います。
 その後、現在の状況について報告がありました。基本的には人質となっている香田さんの無事な解放に向けて様々な形で鋭意努力する、関係国とも連絡を取り合っているとの報告がありました。残念ながら今のところ解放に直接結びつくような状況には至っていないということです。特に、犯人グループがどのようなグループであり、どのようにすればコンタクトがとれるのかを中心に、様々な形で情報収集の努力を続けているところです。
 今、香田氏の母親と兄が東京に向かわれています。犯人グループが48時間という時間を区切って要求を出していることから、何かできることはないかというお話があり、外務省の方から香田氏の家族が、例えばアラブのTVのインタビューを受けて話をされれば、例えば、犯人グループの声明の中に香田氏が自衛隊の関係者であるとの表現があったこと、そうしたことは事実に反するわけですが、そうした点を含めて直接ご家族が説明を行うことがもっとも効果的ではないかとお話をしました。もちろんこの点については、町村大臣はじめ様々な形で既にメッセージとして発出しているわけですが、家族の方で何かしたいという話があったことから、このようなアイデアを当方より提案したところ、是非実施したいということでしたので、今夜、東京に到着した後、アラブの衛星TV局のアルジャジーラのインタビューを受けることになりました。また、長旅で疲れておられるかとは思いますが、もし外務省を訪問したいということであれば、町村大臣が会われるということです。ご家族と大臣との面会が実際に行われるかどうかは、ご家族が東京に到着した後、判断されるので、決まり次第連絡いたします。もしそのようになる場合の時間の目途としては、おおよそ23時前後かと思います。以上の報告及びアレンジについての説明がありました。その他、この事件を巡り海外の報道機関がどのような報道をしているかについての詳細な説明があり、また、明日の日程として予定通り朝7時より対策本部の会合を開くことになりました。本日の第5回対策本部会合の内容はおおよそ以上の通りです。

(問)香田さんの家族のアルジャジーラとのインタビューなのですが、これは東京にお着きになってから、どちらの方で行うのでしょうか。

(報道官)アルジャジーラの事務所になるのではないかと思います。

(問)時間的な目途は。

(報道官)到着するのが21:30頃だろうと思いますので、それから向かわれることになるかと思います。

(問)そのインタビューはデッドラインとされている午前2:00までに放送される予定なのでしょうか。

(報道官)デッドラインが午前2:00かどうかということについては、私達としては確認もできなければそのような想定もしていませんが、アルジャジーラ側はインタビューを撮れば衛星中継でカタールの方に送ると言っています。

(問)香田さんがイラクに入られた理由についてはどうですか。

(報道官)私達は、今、伝えられていること以外に目的については分かりません。また、ご家族と話しをしてもご家族の方でもまさかイラクに行っているとは思わなかったと述べているようです。香田氏がいろいろな場所を見てみたいとか、写真を撮りたい等を述べていたということは漏れ聞いていますが、それ以外のことについては聞いていません。

(問)すべて報道ベースということで宜しいのでしょうか。

(報道官)報道ベースというか、我々は我々でいろいろな方々に話を伺っています。

(問)香田さんの足取りなのですが、午前中に山崎副長官の会見でボルジュアラブホテルに泊まろうとしたけれども断られたようだという話しが出ておりましたが、その断られたのがいつかということと、その後については、足取りはどの辺までつかまっていますか。

(報道官)確たる情報はありませんが、私達が得ている情報でも21日にバクダッドに到着した後、アンマンで名前を聞いていたホテルに行ってみたが、外国人だということで断られたという話は聞いております。1カ所で断られたのか2カ所で断られたのか、2カ所という情報もあるようです。その後の足取りについては、どこで何をされていたのかよくわかりませんが、24日頃までは、いろいろなところで姿が目撃されていたという未確認情報もあると聞いています。

(問)24日の未確認情報というのは、バクダッドの大使館の方でもそのような情報を得ているということでしょうか。

(報道官)様々なかたちで聞いておりますが、これは確認がとれていることではありません。

(問)24日までいろいろなところで目撃されたというのは、どのような情報なのでしょうか。

(報道官)詳しい内容については申し上げる状況ではありませんが、24日頃まで何らかの格好で香田氏らしい人がいる、もしくは、例えばバスに乗ろうとしたというような話しが入ってきています。

(問)それはバクダッド市内のことでしょうか。

(報道官)全て、バクダッド市内ということで承知をしています。

(問)一部では、バクダッドから出ようとしてバス停で目撃されたという話もあるようなのですが、その辺は確認をされているのでしょうか。

(報道官)アンマンに戻ろうとしていたのではないかという情報なのですが、その時にはバスには乗れなかったということを聞いています。

(問)確認なのですが、現時点でイラクに報道関係者等を除いて民間の方がイラクに入国をしているというような情報は把握されていますか。

(報道官)民間の方もいるようだという話はありますが、具体的に何人というようなことを申し上げる立場にはありません。安全のこともありますので、その辺はご理解頂きたいと思います。

(問)他の民間人の方がいらっしゃるということなのですが、消息は掴めていらっしゃるのでしょうか。

(報道官)わかっている方、いるのではないかという未確認の情報があったりするケースもあります。しかし、多数ではありません。

(問)上京される母親と兄ですが、明日の予定は決まっているのでしょうか。

(報道官)承知していません。ただ、今夜は遅いので東京に泊まると思います。

(問)仮に大臣と会われるとしたら、そのインタビューの後ということでしょうか。

(報道官)はい。そのように聞いています。

(問)その後、犯人グループから何らかの接触、接触と考えられるようなもの、そういったことはありましたでしょうか。

(報道官)我々もいろいろなルートを使って、いろいろな情報収集をしていますが、先程も申し上げましたように、今直ちに香田さんの無事な解放に結びつくような情報は、まだ得られていません。

(問)無事な解放に直接に結びつくようなものでなくても、その他の情報はどのようになっておりますでしょうか。

(報道官)様々な情報と様々な検討を行っています。

(問)犯行グループですが、ザルカウィが率いているとの判断は。

(報道官)はい。昨日、申し上げた通りです。

(問)そちらの根拠ですが、後ろの垂れ幕にそう書かれているとのことですが、その他には。

(報道官)昨日申し上げましたように、これまでの例を引用していること、その他様々なことを根拠にそうであろうと判断をしているということです。

(問)客観的にそれがデッドラインであるかどうかは別として、午前2:00ですとか、午前6:00ですとか、いわゆる48時間いろいろなタイミングが言われていますが、そこら辺のタイミングに向けて今夜、外務省として特段これまでと違った体制をとられるようなお考え等ありますでしょうか。

(報道官)今夜も24時間体制でオペレーションルームは動いています。特に時差の関係もありますので、これからが情報収集や情報交換をするのに一番適した時間です。少しでも多くの情報と少しでも無事な解放に結び付くような情報が得られればと願っています。

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報道官会見記録 (平成16年10月28日(木)8:15~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)午前7時30分からおよそ20分間に渡り、イラクにおける邦人人質事件対策本部の4回目の会合を行いました。この会合では、昨夜から今朝にかけての外務省及び在外公館を中心とする様々な動きについての報告がありました。また、様々なチャンネルを通して寄せられている情報についても報告がありました。人質の救出に全力を上げるということで、詳細についての説明は控えさせて頂きます。次に、町村外務大臣から発出されたメッセージが海外の報道機関を通していろいろなかたちで伝えられているという報告がありました。アルジャジーラ、CNN、BBC等で流れております。このメッセージを通して犯人グループに対し、人質となっている香田さんが純粋な民間人であること、日本国民がこぞって香田さんの一刻も早い解放を願っていること、更に、日本のイラクに対して行っている支援はイラクの人々のために行っているものであること、そういうメッセージが伝わっていることと考えています。また、本日の4回目の会合で、現在イラクに記者等を派遣している日本の報道機関に対して、外務省から改めて退避勧告が出ていること、今回の人質事件があって危険度が益々高まってることを申し入れ、記者の皆さんの退避をお願いすることも報告が行われています。なお、この対策本部が終わった後に入ってきた情報ですが、谷川副大臣がアンマンに到着し、まもなくと思いますが、ヨルダンの日本大使館に入り、正式に現地の対策本部の立ち上げを行う事になっています。昨日、質問がありました谷川副大臣の同行者ですが、外務省の中東アフリカ局の高原審議官等8人、この中には警察の専門家の方も含まれていますが、8人が同行しています。本日午後6時から5回目の対策本部会合を開く予定になっています。私の方からは以上です。

(問)昨日と比べて、大きな進展というのは。

(報道官)大きな進展ということをどのように申し上げて良いのかわかりませんが、様々なチャンネルから、いろいろなかたちで情報が入ってきています。現在、その情報を分析したり、また、その情報に基づいて外務省として、また、日本政府として今後どのようなことをするのかといったことを協議、検討しているところです。

(問)人質の救出を考えますと、足どりといいますか、今どこにいるのかという情報が大事になってくるかと思いますが、外務報道官がおっしゃった様々な情報の中で、そういった足どりに繋がることも含まれているのでしょうか。

(報道官)今、香田さんがどこでどのようにしているかということについては、このグループの人質になっているということを除いて、私達のもとには情報がありません。

(問)犯人グループとはコンタクトは、一切連絡が取れていないということでしょうか。

(報道官)そのことも含めて現在申し上げることはありません。

(問)前回といいますか、4月の時にチャンネルとして大きな役割を果たした聖職者協会なのですが、聖職者協会とも接触をされているのでしょうか。

(報道官)私達は様々なチャンネルを通していろいろな方々と接触していますが、どのような方とどういうかたちで連絡を取り合っているかということについては控えさせて頂きます。

(問)香田さんの拘束された場所ですとか状況について、何か目撃情報とか情報は入ってきているのでしょうか。

(報道官)いつどこで、どのようなかたちで犯人グループに捕まったのかということについては、まだわかっていません。

(問)アンマンからバクダット行きのバスに乗ってバクダットで降りたというようなことは、ほぼ断定できるような情報はあるのでしょうか。

(報道官)バクダットで目撃された、また、ホテルの従業員と接触したという情報があるということは私共も承知していますが、それ以外については残念ながらまだわかりません。

(問)では、途中下車はしないで、とにかくバクダットには入ったと・・。

(報道官)バクダットに入ったであろうと思われる情報があります。

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報道官会見記録 (平成16年10月27日(水)17:00~ 於本省会見室)

・ イラク邦人人質事件

(報道官)本日午後2時15分から約50分間、イラクの邦人人質事件対策本部の2回目の会合を行いました。この2回目の会合には、本部長である、町村外務大臣をはじめ、逢沢副大臣、当省の幹部が出席し、事件の現状、この事件を起こしたとみられるグループについて、更に今後の体制等について話し合いを行いました。先ず、今後の体制について説明致します。今日は、午後2時台に第2回会合を開きましたが、本日22時を目途に3回目の会合を開くことにしました。明日以降ですが、午前7時と午後6時の一日2回、対策本部会合を開き、情勢分析、対応について協議することにしました。
 次に、本日16:30、在京イラク大使館のアル・ジュマイリ大使が外務省に来られ、竹内次官を表敬致しました。この席上、アル・ジュマイリ大使から、今回の人質事件について、イラク暫定政府としても情報収集と香田さんの無事な救出に向けて全力を尽くすという話がありました。また、アル・ジュマイリ大使から、この事件が日本とイラクの友好関係を損なうようなことにならないようにイラク側としても最大限の努力をはらうという話がありました。これに対して竹内次官からも、是非、香田さんの無事な救出に向けて協力をして欲しいという依頼をしたところです。これに関しては、既に世界中の25の在外公館を通じ、それぞれの国の政府に対して、今回の事件の無事な解決に向けての協力を要請しています。その他にも様々な形での協力要請をしていますが、こうしたものと共にイラクの国内においても大使館を中心に様々なルート等を使って、香田さんの消息、犯人グループの手掛かりを求めて、現在、懸命な情報収集をしているところです。この犯人グループについては、本日、担当部局から当面手に入った情報を基に、どのようなグループであるかという報告がありました。簡単にその内容を説明致しますと、私達はザルカウィと称する人物が率いるイスラムの過激組織、「メソポタミアのジハード基地組織」というグループが犯行声明を出していると考えています。このグループの名前については、いろいろな呼び方があり、アラビア語をそのまま直訳すると、例えば、「二つの大きな川のある国のジハード基地組織」とか、もしくは「アル・カーイダ組織」といったいろいろな略称がありますが、基本的にはこのザルカウィが率いている過激派組織であるということです。その根拠としては、あの映像に見られた垂れ幕、垂れ幕の上の文字、過去の事件との類似性等から、そうした結論を得たということです。また、26日付けで「秘密組織団」という組織が48時間以内の自衛隊の撤退を要求する声明を出しており、今後別のページに人質の映像を乗せるという旨の記載がありました。また、この情報は、今回「メソポタミアのジハード基地組織」がこの犯行声明を乗せたのと同じウェブサイトに掲載されていますが、今のところ本件との関係についてはっきりしたところは掴めていません。このグループですが、つい最近のことですが、ザルカウィが率いていたアル・カーイダに忠誠を誓うというグループが名前を変えて今回の名前に変わっていると「うことです。このザルカウィという人物はイラクで最も脅威度の高いテロリストと呼ばれています。既に14件、今回の事件を除いても14件の人質事件を起こしている可能性の極めて高いとされています。最近でもバグダッドのオーストラリア大使館近くでの爆破事件、また、イラクの新兵四十数人の大量虐殺事件等にも犯行声明、もしくは犯行への関わりを疑われているグループであり、極めて危険なグループであると報告がされていました。我々としては、そうしたことも踏まえながら、なるべく早くこのグループを突き止めて、何らかの形で解放の申し入れをしたいと考えています。また、これに関しては、本日、町村外務大臣が中東の衛星テレビのアルジャジーラ、また、世界的な映像通信社であるAPTNとロイターテレビ、さらにCNNインターナショナルのインタビューに応じ、邦人を人質としているグループに対して直接の呼び掛けを行い、直ちに解放するように強く呼び掛けたところです。また外務省ではこの事件をうけて改めて、イラクの情勢についての渡航情報、スポット情報を出しました。外務省では、昨年の2月以来、イラクについては退避勧告を出しており、昨年4月以来の人質事件を契機にその退避勧告の内容を更に分かりやすく、はっきりと伝わるよう改定を行い、既に昨年で14件、今年で47件のイラク情勢に関する渡航情報を発出したところです。最近では、具体的な事例についても説明をし、日本の方はイラクに渡航しないようにと呼び掛けています。その情報があるにも拘わらずイラクに入っている方については、直ちに退去すること、また、居場所を大使館と常にメール等を使って連絡を取り合うことといったように、いろいろな手立てを取っているところです。今回のこの香田さんについても、実は、アンマンの日本人が泊まるであろうホテルにこうした情報を流すとともに、もしイラク行きの希望をもっていたり、またそうした動きを見せる日本人がいた場合には、直ちに大使館に連絡をしてくれるようにと依頼していたところ、香田さんの件について連絡があり、日本時間の21日以来、我々としても香田さんを捕捉し、出来るだけ早くイラク国外に出るように申し入れ、また、説得をしようと思っていたのですが、大変残念なことに我々と接触が得られないまま、こうした事件の被害者になられたということです。我々としても、香田さんの無事な救出に向け全力を上げているところです。

(問)犯行声明についての信憑性は確認しきれていないということですが、政府としてザルカウィが率いるイスラム過激組織の犯行であるとほぼ結論づけているということでよろしいでしょうか。

(報道官)あの映像に出ている垂れ幕の文字、その中で引用されている過去の事件についての様々な引用から判断して、このグループの犯行であろうと判断をしたところです。

(問)ご家族の方が現地入りする希望、予定とか何かありますか。

(報道官)今朝、町村外務大臣が父親と電話で直接話をし、外務省が取っている措置、その他について説明をし、また家族から、これまでに知り得ている情報を教えていただいたのですが、それ以後、特にこれといった接触があったわけではありません。ただ常に連絡は取り合う状態になっています。また福岡県がこの事件の対策本部を設置しており、外務省としては福岡県の対策本部を通じて香田家の皆様との連絡を常に取り合うことにしています。今のところ、ご家族から現地に行くといった希望が出ているという話は承知していません。

(問)上京するという話もありませんか。

(報道官)私はまだ聞いておりません。そのような希望があれば、私共の領事局に連絡が来ることになっています。

(問)香田さんの足取りについて、どれくらい把握しているのでしょうか。

(報道官)私たちが理解しているところでは、現地時間、ヨルダン時間の20日の夕方、日本時間では21日の未明ですが、バスでアンマンを発ってバグダッドに向かうという意志表示をし、バスに乗ったというところまではわかっています。確かにバグダッドに着いた様子はありますが、到着は多分、現地時間の21日になっていたと思われます。それ以降、この犯行声明が出るまでの間の足取りは全くわかっていません。

(問)バグダッドに着いたことはどこからわかったのですか。

(報道官)バグダッドに着いたようだという情報が、ホテル同士の連絡であったようだという報告も来ていますが、そこのところは確認を急いでいるところです。

(問)ホテルを出た後は全く動きはわからないのですか。

(報道官)多分このホテルに泊まるのではないかなと思われるバグダッドのホテルに何らかの連絡はあったようですが、そこに泊まったという形跡はないようです。

(問)犯人グループは48時間以内にという時間を設けているわけですが、いつの時点からとお考えでしょうか。

(報道官)私たちはそこのところも是非情報として知りたいと思っているところですけれども、今確たる手がかりはありません。私たちが今まで調査した段階では、このウェブサイトに犯行声明が載った時間が日本時間の今日の午前2時過ぎと聞いていますから、一番早ければそこから48時間ということになるかもしれません。

(問)「秘密組織団」の声明ではないのですか。一番最初は。

(報道官)今申し上げたのは、今日、実際に香田さんが画面に現れた犯行声明です。

(問)関係が不明だからということですか。

(報道官)はい。

(問)このグループが過去に起こした人質事件の中で、交渉の末に解放に応じたケースはあるのでしょうか。

(報道官)一部あるようです。しかし残念ながらそうではなくて不幸な結果に終わった事件もたくさんあったと聞いています。

(問)ほとんどが不幸な結果に終わったということですか。

(報道官)ほとんどが不幸な結果に終わったということです。

(問)ということは、交渉に応じる可能性というのは、今のところ極めて低いという判断ですか。

(報道官)我々としてはそのような予断を一切持たずに、このグループに対しても直接解放を働きかけられることができれば一番いいと思ってますが、今のところまだ何の手がかりも得られていないようです。

(問)働きかけはどのようなルートを想定しているのですか。

(報道官)考えられる全てのルートを使いたいと思っていますが、具体的に申し上げるわけにはいきません。

(問)これまでのところ犯人グループから連絡がバグダッドの日本大使館にあったり、何らかの日本の関係機関にあったりとか、もしくは日本サイドから犯人グループの方に何らかの接触が成功したということはないのですか。

(報道官)私の承知している限り、まだ犯人グループからこの犯行声明以外のというか情報は入っていません。また日本政府からの働きかけというのは、先ほど申し上げた町村外務大臣のテレビ出演による犯人グループへの呼びかけ以外にはまだ行われていません。

(問)香田さんがイラクに入ったのは今回が初めてだったのでしょうか。それと、どういった目的でイラクに入ったのでしょうか。

(報道官)私共が承知しているところでは、過去にイラクに入ったという話は聞いていません。また、目的については私共にはよくわかりませんが、アンマンで会われた映画監督の四ノ宮浩氏は、どうも旅をしようとして入ろうとしているので止めたけれどもバスに乗ったと、日本に既に帰国されているようですが、外務省員にそのように答えたと聞いています。

(問)先ほどのいろいろなルートでという話ですけれども、前回の時のように例えば宗教指導者といったルートも使ってということも考えているのでしょうか。

(報道官)様々なルートを考えています。

(問)これまでに発生した14件の中の不幸に終わったケースの場合ですけれども、大体ああいうグループは時間を設けてやっていると思うのですが、その通りに実行されているのでしょうか。

(報道官)それぞれのケースを詳しく見なければわかりませんが、私が聞いている範囲内では、例えば48時間という時間を設定しても48時間の後暫くいろいろな動きがあったというケースもあったようです。

(問)入国はどこかでビザを取ってということではなくて、いわゆる一時入国の形で入っているということですか。

(報道官)それについてはわかりません。

(問)イスラエルには行っていたのですか

(報道官)私共は全く承知していません。AP通信がそのようなことを流しているという話と、犯行グループ側の声明の中にそういう話があったようですが、私共は全く承知していません。

(問)現時点でイラクに入っている邦人の数はどれくらいなのでしょうか

(報道官)安全の問題もあって具体的な数を申し上げるわけにはいきませんが、極めて限られた数と承知しています。ほとんどが大使館員とサマーワの陸上自衛隊及び外務省関係者、それに数人の報道関係の方と理解しています。

(問)今日、谷川副大臣がヨルダンに向かわれましたが、同行する外務省の方はどのような役職の方なのでしょうか。

(報道官)秘書官はついて行っていることは私も承知しています。多分誰かはついて行っているのだろうと思いますが、現実にはアンマンの日本大使館で現地対策本部を立ち上げるとことになっていますので、そこと本省と連絡を取りながら、現地で救出を目指して情報収集、また必要な活動を行っていくことになるのだろうと思います。

(問)現状として今、イラクに入るためのビザというのは簡単に取れるものなのでしょうか。

(報道官)私自身まだ試みたことがないものですからわかりませんが、まずイラクに入らないようにと私たちはお願いしているところなので、ビザを取る取らないといった段階を超えた話だろうかと思います。香田さんがどのような形でイラクに入国されたかについては、私共は承知していません。

(問)香田さんがヨルダンに行くまでの足取りはどれくらいまで把握されてますか。

(報道官)父親が町村外務大臣に話されたのは、今年の7月頃までニュージーランドでワーキングホリデーで滞在していたということ、その後については香田さんの実家の方でもあまりわからないという話だと承知しています。

(問)過去の人質事件では解放されて犠牲者はなかったのですが、今回かなり凶悪だと思われるグループの人質になっているということで、かなり厳しい対応になるのだと思われますが、どのようにお考えですか。

(報道官)私共は楽観もしていませんし、また悲観もしていません。できる限りの努力を尽くして解放のために全力を挙げる。そのためにいろいろなことを今やろうとしているし、既に取りかかっていることもあります。

(問)前回までの教訓などで、こういう点で改めたと先ほどおっしゃっていただきましたように、入国の際にかなりチェックをしていたり、入ってからもかなり捕捉しようとしているなど、そういう点を含めてどういう所でなんとかくい止めようという対策なりをされていますか。

(報道官)退避勧告というのはイラクの中にいる方々に出て欲しいということだけではなくて、イラクに入ろうとする方々に対して今は行くのを止めてくださいという勧告です。今までは、退避を勧告しますということだけをメッセージとして出していたのですが、入国をしないでください、またそういう情報を大学の生協、旅行のサークル、旅行会社、それから先ほど申し上げたアンマンの日本人がよく泊まるホテル等、そういった所にまで周知徹底するようにいろいろな形の連絡網を張り巡らしているところです。それから、実際に先ほど申し上げたように、退避勧告とはかかわりなく報道関係の方がいるのは事実ですので、その方達の安全を何としても守ろうということで様々な連絡の手段を講じている、そんな努力もしています。

(問)報道関係と自衛隊、それから外務省関係の他に入国されている方はいるのでしょうか。

(報道官)私共は承知していません。

(問)この方だけですか。

(報道官)この方についても入ったという情報があって捕捉しようと、捕捉というのはつまり接触して退避を勧告しようと努力はしたのですが、残念ながらそういうことは叶わなかったということです。それ以外の方については現在のところ情報はありません。

(問)周辺のホテルにも渡航情報を提示しているということですが、4月の人質事件以降に取り組まれてきたのですか。

(報道官)あの時にもイラクには入らないでくださいという退避勧告そのものは、人質になった方々が泊まられたホテルに張り紙として貼ってあったのですが、それに加えて更に細かいスポット情報、危険情報をその都度貼って、日本人の旅行者の目に付くようにしているということです。

(問)25カ国について、どういう国かということと、もう一つ町村外務大臣からパウエル長官に対して支援要請をされたという発表もありましたが、具体的にはどういう要請だったのですか。

(報道官)まず25カ国ですが、イラクもそうですし、もちろん米国もそうですし、英国もそうですし、周辺諸国もそうですし、その他については具体的な名前は控えさせていただきたいと思います。また、町村大臣とパウエル長官の話し合いについては特に申し上げる内容のことはございません。

(問)25カ国の中には、具体的に今までに被害に遭われたような国も含まれているのですか。

(報道官)先ほど申し上げたイラクであったり、米国であったり、英国であったり、そういった国々を含めた25の国の在外公館を通じて、協力を要請したということです。

(問)4月の事件以来、そのように対応を取られてきたにも拘わらず、また同様の事件が起こったわけですけれども、これについてはどのお考えでしょうか。

(報道官)大変残念なことだと思います。是非もう一度、本日も改めて出しましたスポット情報をよく読んでいただき、またできるだけ広く皆様に周知徹底していただいて、今イラクに行かれるということは極めて危険なことで、イラクへの旅行は是非避けていただきたい。そのことを改めて皆様に申し上げたいと思っております。

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報道官会見記録 (平成16年10月20日(水)16:50~ 於会見室)

・ ミャンマー首相の更迭

(問)ミャンマーの情勢ですが、現時点でどのような状況を把握しておりますでしょうか。

(報道官)ミャンマーで首相の更迭があったということ、首相が辞任したという発表もありましたが、私たちとしては、これがミャンマーの今後の政治にどのような影響を及ぼすかを見極めるべく現地で情報入手にあたっているところです。我々としては、ミャンマーの民主化、あらゆるグループを政治のプロセスの中に入れていくことは極めて重要なことであり、また、市場経済化を進めるということも重要なことと考えています。このようなこと、我々が今までミャンマーに働きかけてきたことは、今後ともミャンマー政府に対して働きかけを続けていく、見守っていくということです。

(問)現時点で、その発表以上の背景や情報は入っているのでしょうか。

(報道官)様々な情報がありますが、我々として確認したものはまだありません。発表としては、キン・ニュン首相が辞任をしたという発表でしたが、逮捕されたとか、自宅に監禁されているとか、また、その理由が果たして政治的な対立だったのか、権力闘争であったのか、いろいろな説がありますので、どれが正しい情報なのかを確認中です。

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・ 町村大臣の訪韓

(問)町村大臣が11月上旬にも訪韓するということですが、今はどのような状況になっているのでしょうか。

(報道官)先日ハノイで韓国の潘基文(バン・ギムン)外交通商部長官と町村大臣が会談をした時に、韓国側から出来るだけ早い機会にソウルに来て欲しいという訪韓の要請がありました。町村大臣としてもこれに対して出来るだけ早い機会にということで検討はしていますが、まだ、確定したことはありません。

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・ パウエル米国務長官の来日

(問)今週末にパウエル国務長官が来日を予定されていますが、この来日の目的等についてどのような説明を受けているか、分かる範囲で教えてください。

(報道官)私たちが承知しているところでは、パウエル長官としては、このところ久しく日本、韓国、中国の首都を訪ねていないのでこの機会に訪問したいということと共に、北朝鮮を巡る情勢について意見交換をする。先般、町村外務大臣とパウエル長官の日米外相会談が行われたわけですが、40分という限られた時間でしたので、対話の継続をしたいと望まれたということです。その対話の中では、例えば米軍再編問題も含め、日米間の懸案についても話し合われると承知しています。

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・ 日露次官級協議

(問)日本時間の昨夜遅くまで、ロシアとの間で次官級協議が行われたと思うのですが、どのような内容だったのでしょうか。

(報道官)基本的にはプーチン大統領の来年初めの訪日に向けて、今後とも平和条約の問題、行動計画を中心とする日露間の様々な具体的なプロジェクト、具体的な対話について既に枠組みはできあがっているものもあるのでそれをどんどん進めていくということ。そして平和条約問題についても、日本側からはプーチン大統領の訪日を機会に、この問題、特に四島の帰属を巡る問題について決着を着けて、平和条約の締結に向けて何らかの進展が得たいということを伝えたわけです。双方共に緊密な連携を取り合って、プーチン大統領の訪問を成果あるものにしたいという方向で今後とも努力することが話し合われたと承知しています。

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報道官会見記録 (平成16年10月13日(水)16:45~ 於会見室)

・ 日本の選挙支援(カメルーン、アフガニスタン、イラク)

・ イラクのサマーワにおける警察車両の贈呈式の実施および警察車両供与計画輸送の完了

・ 特別展示「日米関係のあけぼの:1852-1866」

(報道官)今日は3つ、ご紹介したいことがあります。今日から始まりましたイラクの復興信託基金ドナー委員会の拡大会合ですが、冒頭、町村外務大臣から開会の挨拶の中で、この基金に日本が拠出している4億9000万ドルの中から来年の1月に予定されているイラク国民議会の選挙の為に4000万ドル提供することを発表致しました。この資金の使途ですが、例えば、有権者の登録とか、投票所の整備等に使われます。実は、これに限らず、日本はいろいろなところで選挙支援を行っております。ここに持ってきましたのが、今月11日にカメルーンで大統領選挙があり、その時に日本が6500万円を出して1万5000箱提供した投票箱です。この投票箱が透明というところがミソなのですが、透明な選挙、透明性を確保する選挙ということで、票を入れたら絶対にすり替えなどができないようになっているとのことです。投票箱の提供に加えて、カメルーンの場合ですと、この選挙に国枝大使以下、日本大使館員5人が他の国々の監視団と一緒になって、選挙が公正に行われたことを確かめております。また、9日のアフガニスタンの大統領選挙でも、日本は総額1700万ドルの支援を行い、有権者登録とか、投票箱を含めて投票所の整備等に協力を致しました。また、選挙監視も行っています。実は、このアフガンの選挙の模様を、今、日本に滞在して研修を受けているイラクの外交官15人がテレビで見て、アフガニスタンの選挙であんなに有権者が列をつくって投票所に来ていることに大変感動し、是非、来年1月のイラクの選挙もああいう形で、成功裡に実行したいと話していました。その意味でも、町村外務大臣が紹介しました4000万ドルを用い、他の国々もいろいろと資金を出すことになっていますが、こうした国際社会の協力によって、是非、この死活的に重要だと考えられるイラクの国民議会選挙が成功裡に行われるように、日本としても大いに協力をしていきたいところです。
 2点目は、日本がイラクに1150台の警察車両を提供するということを、以前に紹介しましたが、今日、予定では日本時間で今頃になるのですが、サマーワの陸上自衛隊宿営地でサマーワに贈られる40台の贈呈式が行われているはずです。外務省のサマーワ事務所と陸上自衛隊の関係者が出席して、カリーム県警本部長に対してこの40台の警察車両を渡すことになっています。これをもって、1150台の警察車両をすべてイラク側に届け終えたことになります。ただ、残念な事に6台が輸送中に盗難にあってしまいましたので、実際にイラク側に渡したのは1144台です。6台については保険の手続きが行われているという報告がきております。
 3点目ですが、ご承知の通り、今年、日米和親条約が調印されてから150年になりますが、この日米150周年記念事業の一環として、米国政府からこの条約の批准書のレプリカ、精密に作られた複製ですが、これが日本側に寄贈されています。日本側のものは、火災で既に焼失してしまっています。残っているのが米国のものであり、そのレプリカが日本に来ています。これを含め、外交史料館に所蔵してある幕末期の日米関係に関する資料17点を今月の18日(月)から来年の3月末まで、特別展示を行うことになりました。この中には、日米修好通商条約の現物、これは重要文化財に指定されているものですが、これも含む重要文化財の資料5点を含め、全部で17点を公開致します。初めての公開です。是非、たくさんの方々に見て頂きたいと思います。

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