報道官会見記録 (平成16年9月29日(水)17:00~ 於会見室)
IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長の訪日
(報道官)IAEA(国際原子力機関)のエルバラダイ事務局長が10月6日から10日まで、日本を訪問されることになりました。この間、政府要人等の会談、国連大学での講演、日本記者クラブでの会見等が予定されています。今回の訪日の目的ですが、エルバラダイ事務局長としては、IAEAの重要な加盟国である我が国との関係の緊密化、またIAEAの活動の理解を日本国民の間で深めて頂きたいということで、就任以来4回目の来日ということになります。
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内閣改造
(問)内閣改造で川口前外務大臣と山崎前自民党副総裁が首相補佐官に任命されまして、もちろん意図として政治主導ということがあるかと思いますが、担当する範囲がはっきりしないということもあって、一部には外交面で少し混乱をするのではないかという懸念もあるようなのですが、そのあたりはどのように受け止めていらっしゃいますか。
(報道官)町村外務大臣が昨日も述べておられましたように、まだ、山崎補佐官、また川口補佐官が具体的にどのようなお仕事をなさるのか、何を担当なさるのかということについて、まだ、私達の方も承知をしておりませんので、今の段階で混乱があるのか、それとも上手くいくのか、その辺のところは何とも申し上げようがないのですが、ただ、私自身が伺っているところでは、例えば、川口大臣が外務省を離れられる時に外務省の幹部に対して、今後とも連絡を密に取り合って外務省の仕事とチームアップをしながら日本外交を強力に進めていくというようなお考えを述べておられたこともあるので、官邸の二人の補佐官と町村大臣そして町村大臣が率いる外務省との連携が上手くいくことによって、日本外交が一層強力な、しかも戦略的な動きができるようになると考えています。
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町村外務大臣の早期訪米
(問)町村外務大臣の早期訪米についての報道があるのですが、その見通しというか趣旨を併せてお聞かせください。
(報道官)大臣も言っておられましたように、相手のある話であり、現在、具体的にどういうことになっているかということを申し上げる段階ではありません。事務当局で調整をしている段階で、果たして、町村外務大臣が早い機会に外国訪問をして頂けるかどうか、まだ、今のところ申し上げる段階には至っておりません。
(問)もう一つ、訪米に関することなのですが、先の日米首脳会談で米国側から牛肉の輸入再開について、ブッシュ大統領が小泉首相に強く迫ったという報道がありますが、事実関係はどのようになっているのでしょうか。
(報道官)BSEの問題が首脳会談で取り上げられて、両首脳の間で話が交わされ、この問題をできるだけ早期に解決して輸入再開に結び付けたいという意向が表明されたというのは、これまで申し上げた通りです。それ以上の細かいやりとりの内容については、公表するものではないのですが、結論としては、早期の輸入再開に結び付けるという方向で両者の考え方が一致したということでご理解頂けると思います。
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北朝鮮問題(食糧支援・中山官房参与辞任)
(問)北朝鮮の食糧支援の件ですが、一部で、実務者協議が進まないことを受けて、残り半分について延期するのではないかと報道されています。外務省としては人道支援と分けて考えているということでしたが、方針を変えたということはありますか。
(報道官)方針を変えたということは聞いておりません。とりあえず25万トンの食糧支援の半分の12万5千トンをまず支援するということ、医療品についてもおよそ半分を提供するということで、国際機関との間で話がついて、既にそちらの方向に向かっていろいろな作業が進んでいるところと聞いています。残りについても、例えば世界食糧計画などの関係する国際機関との話し合いの中で、いつどのような形で何を提供するのが一番国際機関の希望にも沿って、北朝鮮の食糧事情から緊急支援が必要だということでやることにしたものですから、現地の状況も考えながらということになろうかと思います。
(問)拉致問題で北朝鮮の不誠実な対応が変わらないとしても、国際機関との話し合いの中で進めていくということでしょうか。
(報道官)仮定の話ですのでなんとも答えの仕様がないのですが、25万トンを提供することは日本側として約束したことでもあります。しかも、国際機関の方でも当然それをあてにしているはずだと思いますので、今ここで、何かで変えるというような話は一切聞いていません。
(問)中山官房参与がお辞めになりましたが、日朝協議、拉致問題にどういう影響があって、今後どうやっていくかについてお話しください。
(報道官)拉致被害者支援室を正に切り盛りをしてくださって、被害者の方々、家族の方々とも大変に強い信頼関係を維持されていた中山参与ですから、その業績は大変なものがあったと思います。現実問題として、例えば、曽我さんのご一家がジャカルタで再会して日本に帰って来られたといういろいろ複雑な動きの中で、曽我ひとみさんとの結び付きなど、本当にご自身がご努力をなさって頂いたと思います。このお仕事に対して私たちも大変に感謝をし、また評価をしています。今後とも、外務省としても拉致被害者の方々との連絡を密にしながら仕事を進めていきたいと考えていますし、必要に応じて、中山さんのご意見、お考えを伺ったりすることもあるかと思います。
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報道官会見記録 (平成16年9月15日(水)15:30~ 於会見室)
古田経済協力局長に対する出馬要請
(問)岐阜県知事の件ですが、現職の梶原知事が引退を表明され、外務省の古田経済協力局長に出馬要請をされていると報じられていますが、一般論として、外務省の方が地方自治というところに出られることに対しどのようなご感想をお持ちでしょうか。
(報道官)外務省として、この件についてコメントをする立場にはありません。伝えられているような要請が古田局長の方にあったとすれば、判断をするのは古田局長自身ですので、我々としては、古田局長の判断を尊重をしたいと思います。いずれにせよ、この件について外務省としては、賛成・反対という立場を取るようなものではなく、繰り返しになりますが、古田局長の判断に全てが委ねられていると思います。
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拉致問題
(問)まもなく、最初の日朝首脳会談から2年が経ちますが、依然として拉致の問題が解決されていません。外務省としては、どのような考えに立っているのでしょうか。
(報道官)この2年間の間に拉致被害に遭われた5人の方々とその家族の方々が、紆余曲折があったにせよ、今、全員日本におられるということは、良かったなと思います。曽我ひとみさんとジェンキンズ氏についても、大臣が既に言及されたように、御家族が一緒に暮らせるようになることを我々としても願っています。一方、未だに安否がわからない10人の方々、また、その他にもおられるかも知れない拉致の方々の問題については、外務省として引き続き北朝鮮側に対して情報提供を求めているわけで、事実、今も実務者協議を開催するようにと北朝鮮側に申し入れているところです。我々としては、できるだけ早く、今月中にも実務者協議を行いたいと考えているところです。また、核の問題は、日本にとっても近隣アジア諸国全体にとっても極めて重要な問題ですが、この問題について六者会合という協議の場は設定されているものの、協議がなかなか前に進んでいかない、次の六者会合を今月中にということで予め約束されていましたが、これが上手く開かれるかどうか、我々としては、米国、韓国、中国と共に北朝鮮に対して引き続き、六者会合を通じて核の問題を解決したいということを強く迫っていきたいと思っています。この核や拉致の問題を含め、問題が一つ一つ解決されていくことが、日朝国交正常化に結びついていくわけですので、日朝国交正常化交渉は残念ながら止まったままになっていますが、一日も早く正常化交渉が開ける状態になり、日朝間で新しい本当の意味での隣人としての関係ができ、日本が支援できることは支援する、北朝鮮が日本を含めた近隣諸国になんら脅威を与えないという存在になることが一番求められています。引き続き、そのような方向に向かって努力をした、と考えています。
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ファン・ジャンヨプ元北朝鮮書記の訪日
(問)ファン・ジャンヨプ氏についてですが、衆議院外務委員会による招聘について日韓当局間で折衝が続けられていると聞いていますが、その後の経緯と見通しについて教えてください。
(報道官)国会の方でいろいろと話しを進められていることは承知をしていますが、今、外務省として韓国政府に対して、何かを要請しているということはありません。国会の方と韓国側の話し合いの中でファン氏の日本訪問が決まれば、我々としては必要な支援なり、措置なりを取ることになろうかと思います。今、具体的にいつどういうかたちでということが決まっているわけではありません。
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報道官会見記録 (平成16年9月8日(水)16:00~ 於会見室)
北オセチア共和国における学校占拠事件に関する我が国の支援
(報道官)今、官邸で細田官房長官からも報告されていると思いますが、ロシア北オセチアの学校占拠事件で大変多くの方々が被害に遭われているわけですが、この被害者支援の為に「国際赤十字・赤新月社連盟」から緊急アピールがでました。また、ロシア政府からも日本に対して必要な医療器具や医薬品について支援をして欲しいという要請があったことに応え、政府は、「国際赤十字・赤新月社連盟」(IFRC)に10万ドルの資金協力を行うこととしました。今度の事件は誠に悲惨なものであり、また、テロとの戦いの大切さを改めて痛感する出来事でしたが、ロシアが今、一所懸命、被害者の救援に努力をしている、特に心的外傷後のストレスという新たな問題が、大きな問題にクローズアップされています。こうした点を中心に支援することを目的とし、10万ドルを贈ることと致しました。
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イラクにおける公用車強奪
(問)イラクで外務省の公用車が運搬中に襲撃された件について詳細をお願いします。
(報道官)バグダッドの大使館から私どもが受けている連絡では、昨日の夕方、サマーワからバグダッドに向けて、輸送車に乗せて大使館の車を輸送中、バグダッド近郊で襲われたということです。詳細については、その後、夜になったということもあり、詳しい情報は入ってきていませんが、今のところ、公用車も積んだ車も行方不明です。大使館では、イラク政府と地元警察にその事実を伝え、捜索を依頼しているところと聞いています。
(問)公用車を積載したまま、トラックごと強奪されたのですか。
(報道官)詳しいことはよくわかりませんが、警備の車が現地の警察に連絡したところ、車列を組んで走っていて襲われたということであり、その後どうなっているかについてはわかっていません。
(問)トラックを運転していたイラク人も一緒に行方不明なのでしょうか。
(報道官)その点についてもよくわからない点がありますので、詳しい報告が入るのを待っている状況です。ただ、申し添えると、その車列には日本の大使館員及び邦人は乗っておらず、現地の者に依頼して、現地の者の手で輸送を行っていたということです。
(問)現地の方のケガの状況は。
(報道官)全くわかりません。
(問)トラックに何台の車が積まれていたのですか。
(報道官)一台と聞いております。
(問)日本の車両ですか。
(報道官)はい。故障してしまった車なので動かすわけにはいかず、トラックで輸送していたと聞いています。
(問)現地の方は何人ですか。
(報道官)詳しいことは私も承知していませんが、そんなにたくさんいたわけではないようです。
(問)外見上、日本の車だと確定できる印はあったのでしょうか。
(報道官)詳細についてはわかりませんが、見てすぐ大使館関係の車だとはわからなかっただろうと思います。
(問)襲撃の中身ですが、発砲はあったのですか。
(報道官)そういったことは聞いておりません。襲われたということです。
(問)犯行声明等は。
(報道官)全くありません。少なくとも今のところそういう報告は入ってきておりません。
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